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「微笑がえし 」(ほほえみがえし)は、1978年 2月にリリースされたキャンディーズ の事実上のラスト・シングルである。オリコン ではキャンディーズ最初で最後の1位を獲得し、有終の美を飾った。
解説
歌詞中には「春一番 」「わな 」「アン・ドゥ・トロワ 」など、シングル曲のタイトルが随所に入れられている。これは作詞者・阿木燿子 からのはなむけであったという[1] 。また歌唱時の振り付けでも「ハートのエースが出てこない 」「年下の男の子 」「やさしい悪魔 」等が、モチーフ的に登場している。
11月には「つばさ 」がリリースされているが、これはキャンディーズの意向に反してリリースされたものであり、またシングル曲として最後にレコーディングされた曲が「微笑がえし」だったこともあり、この曲が事実上のラスト・シングルとされている。
前年の7月には解散することが発表され(ステージ上で解散を宣言後、ラン が発した「普通の女の子に戻りたい 」は、流行語になった)、4月4日には後楽園球場 に5万5千人のファンを集めてファイナルカーニバルが行われた。この模様は5月にアルバム『FINAL CARNIVAL Plus One 』としてリリースされた。
オリコン では初登場で6位にランク。翌週には平尾昌晃 ・畑中葉子 「カナダからの手紙 」を抜いて1位を獲得するなど、1978年の年間第5位に輝いた。シングル売上は累計で100万枚[2] と、キャンディーズ自身最大のヒット曲となった。
また、親衛隊などのチャート工作が壮絶であった事が、現在でも語り草になっている。当時放送開始直後だった「ザ・ベストテン 」でも、解散後も含め一月近くリクエスト一位を維持するほどであった。
長調の曲で、サビ は3声和音と2声和音、それ以外はユニゾン、2声和音、3声和音の歌唱であり、ソロがない。サビの和音は、レコードでは3人がほぼ均等の声の大きさになっているが、ステージなどでの歌唱では主旋律を歌うスー が大きめに発声し主旋律を強調している。
当時の音楽番組では、1番目のサビ部分でセンターのランと左位置のミキ とが、3番目のサビ部分でセンターのランと右位置のスーとが、それぞれ交替した上で歌唱していた。
穂口雄右 の要請によりこの曲は、初見でレコーディングを行った[3] 。
レコーディングが終わりOKが出ると居合わせたスタッフが総立ちで拍手をしたという。またそれを見たメンバーも人目を憚らず号泣したという[4] 。
収録曲
微笑がえし(4分33秒)
作詞:阿木燿子/作曲・編曲:穂口雄右
かーてん・こーる(4分57秒)
作詞:阿木燿子/作曲・編曲:穂口雄右
アポロン音楽工業 からリリースされた『FINAL CARNIVAL Plus One』の音楽テープ では、アウトロ がフェード ・アウトせずカット ・アウト(ブツ切り)になっている。この「かーてん・こーる」のアウトロ・カット・アウト・バージョンは、2008年 9月3日 にリリースされたCD-BOX 『キャンディーズ・タイムカプセル 』に収納された『FINAL CARNIVAL Plus One』の紙ジャケット復刻盤のボーナス・トラック として、「ミュージック・テープ・ミックス」と銘打って収録された(初CD-DA 化でもある)。
カバー
ONCE UPON A TIME(TONYA TOWNSEND、ROBIN BAIN、GINA KATSANDRIS)(1991年、アルバム『Spring Is Just Ahead』)
1994年、サントリー 烏龍茶 のコマーシャルソング として中国語 でカバーされた。2003年発売のコラボレーションアルバム『烏龍歌集「チャイ」サントリー烏龍茶CMソングコレクション』に収録された。
カバーソング・ドールズ (2007年、アルバム『Cover Song Dolls』)
脚注
関連項目
1975年 1976年 1977年 1978年 1979年
1月 2月 3月 4月
3日・10日・17日・24日 サウスポー (ピンク・レディー)
5月
1日・8日・15日・22日・29日 サウスポー (ピンク・レディー)
6月 7月 8月
7日・14日・21日・28日 モンスター (ピンク・レディー)
9月 10月 11月 12月
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月
6日・13日・20日・27日 ダーリング (沢田研二)
8月 9月
7日・14日・21日・28日 銃爪 (世良公則&ツイスト)
10月
5日・12日・19日・26日 銃爪 (世良公則&ツイスト)
11月 12月
7日・14日・21日・28日 季節の中で (松山千春)