後藤駿太

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駿太(後藤 駿太)
オリックス・バファローズ #8
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 群馬県渋川市
生年月日 (1993-03-05) 1993年3月5日(31歳)
身長
体重
180 cm
80 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 外野手
プロ入り 2010年 ドラフト1位
初出場 2011年4月12日
年俸 3,000万円(2016年)
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

後藤 駿太(ごとう しゅんた、1993年3月5日 - )は、オリックス・バファローズに所属する群馬県渋川市出身のプロ野球選手外野手)。同球団では、2011年の入団以来、名前の「駿太」を登録名に用いている。

来歴

プロ入り前

小学1年で豊秋ジュニアホークスで野球を始め、渋川中3年ではエースとして活躍し、県大会3位。

前橋商高では外野手に転向し、1年秋から1番打者を務め、2年にはセンバツ出場。3年夏には県大会で4割を超える打率でチームを牽引し、甲子園出場を果たした。高校通算18本塁打。走攻守三拍子そろったプレースタイルから[1]、「上州のイチロー」[2]、「群馬のイチロー」[3]の異名をとった。

2010年度のプロ野球ドラフト会議では、オリックス・バファローズから1巡目で指名された。同球団では、この会議の1巡目で、大石達也伊志嶺翔大、さらに山田哲人を相次いで指名。しかし、いずれも他球団との指名重複による抽選で独占交渉権を逃したため、4回目で後藤の単独指名に至った[4]NPBドラフト会議の1巡目指名において、独占交渉権が確定するまでに3度の抽選漏れを経た球団は、この時のオリックスが初めてであった。

後藤自身は、ドラフト会議での結果について、「1位指名は信じられなかった。とにかく嬉しい」「オリックスは本当にプレーしたかった球団」とコメント[5]。結局、契約金7,500万円、年俸700万円(金額は推定)という条件で入団した。背番号は8。なお、入団時点で同姓の後藤光尊もオリックスに在籍していたことから、入団を機に名前の「駿太」を登録名に使用している。

プロ入り後

2011年には、春季キャンプ中に頭角を現すと、高卒の新人野手では球団史上初の開幕一軍登録を勝ち取った。4月12日に、福岡ソフトバンクホークスとの開幕戦(京セラドーム大阪)で「9番・右翼手」としてスタメンで一軍デビュー。NPBの高卒新人外野手では、1959年張本勲東映フライヤーズ)以来52年振りの快挙であった[6]4月21日の対北海道日本ハムファイターズ戦(ほっともっとフィールド神戸)では、プロ入り後初めて2番打者でスタメンに起用されると、一軍初安打・初打点を記録[7]。しかし、開幕戦から出場15試合で打率が.074と低迷したことから、5月9日にプロ入り後初めて登録を抹消[8]。抹消後は、ウエスタン・リーグ公式戦で1番打者としての経験を積む[9]かたわら、7月21日フレッシュオールスターゲーム富山アルペンスタジアム)で優秀選手賞を受賞した[10]9月16日から一軍に復帰した[8]が、一軍公式戦では、通算30試合の出場で打率.100に終わった。

2012年には、2年連続で開幕一軍登録を果たすと、3月30日にはソフトバンクとの開幕戦(京セラドーム大阪)に「9番・右翼手」としてスタメンで出場[11]。高校から直接NPBの球団に入った野手が2年連続で一軍の開幕戦にスタメンで出場した事例は、1961年矢ノ浦国満内野手近鉄バファローズ)以来51年振り、外野手では1960年の張本以来52年振りであった[12]。しかし、一軍公式戦全体では、前年とほぼ同等の成績にとどまった。

2013年には、入団3年目ながら、オリックス選手会の会計に就任[13]。公式戦では、入団以来3年連続の開幕一軍登録[14]を果たしたものの、初めて開幕戦のスタメンを外れた。それでも、シーズンを通じて一軍に帯同するとともに、一軍公式戦117試合に出場。6月30日の対東北楽天ゴールデンイーグルス戦で一軍初本塁打を放つ[15]と、7月2日の対埼玉西武ライオンズ戦(いずれも京セラドーム)で2試合連続本塁打を記録する[16]など、打率.199ながら3本塁打、12打点、OPS.517という成績を残した。

2014年には、4年続けて開幕を一軍で迎える[17]と、一軍公式戦127試合に出場。自己最高の打率.280、5本塁打、30打点を記録するとともに、走攻守にわたる活躍で、チームの6年振りクライマックスシリーズ進出に貢献した。6月11日の対横浜DeNAベイスターズ戦(京セラドーム)では、8回裏1死満塁で代打・竹原直隆の代打として起用されると、シーズン初本塁打を「人生初」という満塁本塁打で飾った[18]。オリックスの選手による代打満塁本塁打は、2010年T-岡田以来4年振り。代打の代打による満塁本塁打は、NPB史上9本目、パシフィック・リーグ史上4本目の快挙であった[19][20]

2015年には、春季キャンプ中から体調不良や打撃不振に見舞われながらも、3年振りに開幕戦でスタメンに起用。4月8日の対千葉ロッテマリーンズ戦(京セラドーム)では、プロ入り後初のサヨナラ安打を放つことによって、チームの連敗を4で止めた[21]。レギュラーシーズン全体では、一軍公式戦での出場試合数(135)、盗塁数(8)、打点(31)、犠打(25)で自己最多記録をマーク。その一方で、打率(.234)と本塁打(2本)が前年を下回ったほか、スタメンでの出場は81試合にとどまった[22]

プレースタイル

2011年8月25日 鳴尾浜球場

50メートル走6秒0の俊足と遠投120メートルの強肩で、投手としても最速147km/hをマークしたこともある身体能力の高さが特徴[23]。オリックス入団後の2015年5月19日には、北九州市民球場の対ソフトバンク戦7回表2死の打席で五十嵐亮太から三振を喫しながら、五十嵐の暴投に乗じて一気に三塁へ進んだ(記録は振り逃げ[24]

特に強肩と広い守備範囲を生かした外野守備の評価が高く、守備では1歩目を早く切ることを心がけているという[25][26][27]

三塁到達スピードで11.26秒をマークするなどトップスピードは速いが、一塁到達スピードは4.1秒台がほとんどで、トップスピードに乗るのが遅く、本人も短距離には自信が無いと語っている[25]

人物

  • 好きな選手は、阪神タイガース西岡剛内野手[25]
  • 強肩と広い守備範囲のルーツには、小さい頃から夜になるとひたすら砂利の上で軟式球を使った壁当てをし、どこへ跳ね返るかわからないボールを捕っていたことを挙げている[25]
  • 高校3年生の夏に出場した第92回全国高等学校野球選手権大会で、朝日放送の高校野球中継や『熱闘甲子園』(テレビ朝日との共同制作によるダイジェスト番組)のテーマソングに使われていた「あとひとつ」(FUNKY MONKEY BABYS)を、オリックス入団後の登場曲に採用している[28]
  • オリックス入団後の2014年9月12日には、自身と同じ群馬県出身のチームメイト(中山慎也安達了一小島脩平)と共に、同県から「ぐんま観光特使」を委嘱。2016年1月31日まで務めた[29]
  • オリックスへの入団以来、「駿太」という登録名を使い続けている。しかし、自身は入団の際に、「いつかは(苗字の)GOTOを背中に綴ったユニフォームを着たい」という希望を出していた[30]。そのような事情から、以下のように、登録名を本名(後藤駿太)に変えることを検討したこともある。
    • 2013年12月に後藤光尊が鉄平との交換トレードで東北楽天ゴールデンイーグルスへ移籍したことを機に、オリックスに在籍する後藤姓の選手は駿太だけになった。駿太自身は、上記のトレードが発表された直後に開かれたファンとの交流イベントで、「来年(2014年)は(登録名を)駿太で通すが、(オリックスでは)1度もユニフォームに苗字(GOTO)を背負ったことがないので、来年に結果を残せたら(登録名の変更を)考える」と公言した[30]。ただし、実際には登録名の変更を見送っている。
    • 2015年の秋季キャンプ中には、「(一軍での外野のレギュラー確保に向けて)もっと頑張らないといけないので、(原点に回帰する意味で)登録名を(本名の)後藤にしようか迷っている」という表現で、翌2016年から登録名を変更することを示唆[31]。家族を通じた姓名判断で「(後藤駿太という)フルネームが良い」という結果が出たことから、ユニフォームや球場でのアナウンスに駿太の名を残す代わりに、登録名だけを後藤駿太に変えることも考えていた。しかし、同年の12月末に、「ファンの皆さんの期待に応えられるようになってから、登録名の変更を考えたい」というコメントを出した。自身で熟考したところ、「駿太のグッズを買ってくれた人もいる。駿太を応援してきてくれた人の期待に応えられるだけの結果を、自分はまだ出していない」という結論に至ったことによる[32]

詳細情報

年度別打撃成績

















































O
P
S
2011 オリックス 30 47 40 4 4 1 0 0 5 1 0 1 6 0 1 0 0 13 0 .100 .122 .125 .247
2012 32 31 29 6 4 0 0 0 4 0 0 0 2 0 0 0 0 9 2 .138 .138 .138 .276
2013 117 221 201 24 40 8 0 3 57 12 4 1 6 1 13 0 0 38 0 .199 .247 .284 .531
2014 127 277 246 30 69 11 3 5 101 30 5 3 12 0 17 1 2 55 3 .280 .332 .411 .743
2015 135 382 334 31 78 8 2 2 96 31 8 9 15 3 24 0 6 69 4 .234 .294 .287 .582
NPB:5年 441 958 850 95 195 28 5 10 263 74 17 14 41 4 55 1 8 184 9 .229 .281 .309 .592
  • 2015年度シーズン終了時

年度別守備成績


外野
試合 刺殺 補殺 失策 併殺 守備率
2011 28 30 1 1 1 .969
2012 29 31 0 0 0 1.000
2013 108 122 4 2 1 .984
2014 120 155 3 1 1 .994
通算 285 338 8 4 3 .989
  • 2014年度シーズン終了時

記録

背番号

  • 8 (2011年 - )

登録名

  • 駿太 (しゅんた、2011年 - )

脚注

  1. ^ オリ駿太 いきなりマルチ 佑世代に負けない!! - 中日スポーツ
  2. ^ 岡田監督“上州のイチロー”「2番・右翼手」で使う - スポーツニッポン
  3. ^ オリ1位・後藤「群馬のイチロー」/ドラフト - サンスポ
  4. ^ 2010年 新人選手選択会議(オリックス・バファローズ)
  5. ^ 1位は“群馬のイチロー”前橋商・後藤「200本打つ」 スポーツニッポン、2010年10月29日。
  6. ^ 駿太が開幕戦先発出場!高卒新人外野手で52年ぶり - スポーツニッポン 2011年4月12日
  7. ^ オリックス駿太プロ初安打&初打点 - 日刊スポーツ 2011年4月21日
  8. ^ a b 【オリックス】スンあまりにも打てず… - 日刊スポーツ 2011年5月9日
  9. ^ オリックス駿太が4カ月ぶり一軍合流 - 日刊スポーツ 2011年9月16日
  10. ^ フレッシュ球宴 広島福井も優秀選手 - 日刊スポーツ 2011年7月21日
  11. ^ ソフトバンク-オリックス パ開幕スタメン - 日刊スポーツ 2012年3月29日
  12. ^ 駿太 2年連続開幕スタメン 外野手は張本以来52年ぶり - スポーツニッポン 2012年3月30日
  13. ^ オリックス伊藤&駿太 大引会長サポートするぞ - 日刊スポーツ 2012年12月9日
  14. ^ 【オリックス】開幕登録一覧 - 日刊スポーツ 2013年3月27日
  15. ^ 【オリックス】駿太「うれしい」プロ1号 - 日刊スポーツ 2013年6月30日
  16. ^ 【オリックス】駿太2試合連発で喜び爆発 - 日刊スポーツ 2013年7月2日
  17. ^ オリックス2014年開幕登録一覧 - 日刊スポーツ 2014年3月26日
  18. ^ オリックス駿太、代打の代打で人生初の満塁弾 - 日刊スポーツ 2014年6月11日
  19. ^ 代打の代打 オリックス駿太が満塁弾 - 日刊スポーツ 2014年6月12日
  20. ^ 週刊ベースボール2014年6月30日号97ページ
  21. ^ 黒髪の駿太でオリサヨナラ、止めた連敗やめた染め髪 - 日刊スポーツ 2015年4月8日
  22. ^ オリックス駿太「今年こそ」レギュラー奪取誓う - 日刊スポーツ 2016年1月13日
  23. ^ オリ1位“上州のイチロー”後藤大感激”. デイリースポーツオンライン. 2010年12月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年5月13日閲覧。
  24. ^ 珍事続く…「白くま」看板の上にボール消えた - 日刊スポーツ 2015年5月20日
  25. ^ a b c d 運命の日を前に ドラフト候補インタビュー『アマチュア野球』第29号、日刊スポーツ出版社、2010年、雑誌66835-98、82-83頁。
  26. ^ 注目の候補たち(1)前橋商・後藤駿太~スカウトを唸らせる守備範囲の広さと強肩 田尻賢誉 Web Sportiva、2010年10月4日。
  27. ^ MLB関係者も唸った島袋洋奨と後藤駿太 笹田幸嗣 Web Sportiva、2010年09月15日。
  28. ^ 駿太「1軍にいることに責任と自覚を持たないといけない」スポーツニッポン、2011年4月11日
  29. ^ “オリックス安達ら4選手をぐんま観光特使に”. 日刊スポーツ. (2014年9月12日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20140912-1365650.html 2015年11月10日閲覧。 
  30. ^ a b “オリに「後藤」復帰!?駿太改名プラン浮上”. 日刊スポーツ. (2013年12月21日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/p-bb-tp0-20131221-1234207.html 2016年2月7日閲覧。 
  31. ^ “オリックス駿太改名プラン 「後藤」で定位置獲り”. 日刊スポーツ. (2015年11月5日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/1562110.html 2016年2月7日閲覧。 
  32. ^ “オリックス駿太 活躍してないから改名やめる”. 日刊スポーツ. (2015年12月24日). http://www.nikkansports.com/baseball/news/1583175.html 2016年2月7日閲覧。 

関連項目

外部リンク