劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY
劇場版 BLEACH MEMORIES OF NOBODY | |
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監督 | 阿部記之 |
脚本 | 十川誠志 |
製作 |
深沢幹彦 萩野賢 |
出演者 |
森田成一 折笠富美子 松岡由貴 杉山紀彰 安元洋貴 真殿光昭 釘宮理恵 瀬那歩美 伊藤健太郎 置鮎龍太郎 朴璐美 三木眞一郎 立木文彦 川上とも子 斎藤千和 江原正士 |
音楽 | 鷺巣詩郎 |
主題歌 | Aqua Timez「千の夜をこえて」 |
編集 |
植松淳一 奥野英俊 |
制作会社 | studioぴえろ |
製作会社 | 劇場版BLEACH製作委員会 |
配給 | 東宝 |
公開 | 2006年12月16日 |
上映時間 | 93分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
興行収入 | 6.6億円[1] |
次作 | 劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸 |
『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』(げきじょうばん ブリーチ メモリーズ・オブ・ノーバディ)は2006年12月16日に東宝の配給で公開された日本の長編アニメーション映画。テレビアニメ『BLEACH』の劇場版第1作。アニメーション制作はstudioぴえろ。
概要
テレビアニメ『BLEACH』初の劇場版アニメーション作品。黒崎一護とオリジナルキャラクター・茜雫の交流を軸に描いた物語が展開される。キャッチコピーは「世界崩壊まで残り一時間。」「闇の勢力との最終決戦。」「魂よ、我が道を照らせ 刃よ、我と共に歩め」「死神たちよ、世界を護れ。」「死神たちよ、魂を解き放て」「大切な人を、命をかけて守れますか?」。
原作者である久保帯人が制作に参加しており、オリジナルキャラクターの茜雫、巌龍、欠魂などのデザインとネーミング、叫谷など設定類のネーミングを担当している[2]。
また、本作には、本人役で安田大サーカスが、かわいい店員役で森下千里がゲスト声優として出演している。タレントがゲスト声優として起用されるのは『BLEACH』のアニメシリーズの中で本作が唯一である。
作中に登場する町は東京都八王子市をモデルとしており、本作の制作にあたりロケハンが行われた。
ストーリー
空座町で認識不能の霊生物・欠魂(ブランク)が大量発生するという異変が起き、死神代行・黒崎一護は朽木ルキアとともに現場へ向かう。そこに突如として現れた死神の少女・茜雫(せんな)。所属する隊をはぐらかし、自身についても語ろうとしない奔放な茜雫に一護は振り回される羽目になるが、同じころ、尸魂界でも瀞霊廷上空に現世の街が浮かび上がるという異変が発生していた。世界崩壊の前触れとされるこれらの現象は、現世と尸魂界の間に存在する亜空間・断界の中に出現した新たな空間・叫谷が急速に拡張を続け、2つの世界に密着したことで起きた現象だった。
浦原喜助は、一連の現象を起こした首謀者は、輪廻を外れた魂魄から抜け落ちた記憶の集合体・思念珠を探しているのではないかと推測し、自身が敵の素性について調べている間、一護に思念珠を探すよう要請する。あてもなく思念珠を探す一護に呆れた茜雫は、一護の手伝いをすると約束するが、その矢先、厳龍(がんりゅう)率いる闇の一族・ダークワンが茜雫を狙って現世に放たれる。安全のため黒崎家に泊まることになった茜雫は、楽しそうな一護の家族を見て、自分の家族のことも語ろうとするが、さまざまな生前の家族の記憶が入り混ざり混乱をきたす。
翌日、思念珠を探していた一護と茜雫は、車で事故に遭い亡くなった魂魄の少年と出会い、事故で離ればなれになったという父親を探して空座町を歩きまわる。再会を果たした少年と父親は、茜雫のまわりに集まっているたくさんの魂魄によってここを見つけることができたといい、その魂魄は茜雫が呼んでくれたのだと礼を述べるが、茜雫は親子の言葉の意味を理解できず動揺する。そんななか、一護と茜雫の近くで穿界門が開かれ、中央四十六室からの厳令を受けた死神たちが、茜雫の身柄を拘束するために派遣されてくる。尸魂界は、茜雫こそが現世に戻った思念珠であり、厳龍の目的を思念珠の力を利用した世界破壊であると結論づけたのだった。尸魂界の決定に一護は反発してみせるが、そこにふたたびダークワンが現れ、厳龍の手により茜雫は叫谷へと連れ去られてしまう。
かつて尸魂界の覇権争いに敗れ、尸魂界を追われた一族である厳龍は、悲願とする尸魂界の破壊を果たすため、現世と尸魂界を思念珠の力で引き寄せ、衝突させることを企てていた。茜雫は欠魂の依り代として、叫谷の中央に備え付けられ、やがて叫谷との融合を始める。涅マユリは、隊首会の席で思念珠と欠魂の性質について説き、これを利用したダークワンの目論みにより、世界崩壊まであと1時間しかないことを告げる。山本総隊長は、ほかに方法はないとして、鬼道砲により叫谷と密着している接地面を空間ごと消滅させることを決断する。
茜雫を助け出すため、現世で発見した入口から単身叫谷に向かい、ダークワンと交戦していた一護のもとに、尸魂界に帰還していたルキアをはじめとする護廷十三隊の死神たちが集結する。各所で繰り広げられる戦闘の果てにダークワンは殲滅され、厳龍との激闘を制した一護の手により、茜雫は奪還される。鬼道砲が発射され、叫谷が崩壊を始めるなか、死神たちは現世への帰還を果たし、瀞霊廷は歓喜に沸く。しかし、現世と尸魂界の間には引力が生じ、すでに融合を始めていた。茜雫は、この世界と一護を護るため、断界面で自らの近くにいる欠魂たちのエネルギーを一度に放出し爆発させることで、2つの世界の融合を回避させる。
力を使い果たした茜雫は、かつて自分が生きていたことを確かめたいと願い、一護に背負われて生前の記憶に残る墓地を訪れる。墓碑に茜雫という名前は刻まれていなかったが、一護から「お前はこの街で生きてきた、家族もちゃんといた」と伝えられると、安心し、一護にまた会えることを確かめ、静かに消えていった。そこにルキアが近づき「もうすぐ、欠魂のエネルギーが尽きる。そして、茜雫についてのすべては、我々の記憶から消えるであろう」と告げる。
日常に帰った一護のもとへ、突風とともにどこからか赤いリボンが運ばれてくる。それを掴んだ一護の前を、茜雫によく似た少女が髪をなびかせて走り抜けていく。しばらくリボンを見つめたあと、ふたたび歩き出した一護の姿が描かれて、映画は幕を閉じる。
登場人物
原作キャラクター
- 黒崎一護(くろさき いちご)
- 声 - 森田成一
- 本作の主人公。空座町の死神代行として、ルキアとともに任務にあたっている。茜雫との出会いをきっかけに、闇の一族・ダークワンとの戦いに挑むことになる。
- 朽木ルキア(くちき ルキア)
- 声 - 折笠富美子
- 護廷十三隊十三番隊所属の隊士。空座町で一護とともに任務にあたっていたが、叫谷の拡張により尸魂界との通信が不能になったため、尸魂界に帰還する。ルキアの斬魄刀「袖白雪」は、テレビシリーズに先駆けて本作で披露された。
- 浦原喜助(うらはら きすけ)
- 声 - 三木眞一郎
- 尸魂界の霊具も扱う駄菓子屋・浦原商店店主。前護廷十三隊十二番隊隊長・技術開発局創設者。一護に叫谷、欠魂、思念珠について解説する役回りを演じる。自身が敵の素性について調べている間、一護に思念珠を探すよう要請する。
- 山本元柳斎重國(やまもとげんりゅうさい しげくに)
- 声 - 塚田正昭
- 護廷十三隊一番隊隊長・護廷十三隊総隊長。隊首会の席で涅からの報告を受け、ほかに方法はないとして、鬼道砲により叫谷と密着している接地面を空間ごと消滅させることを決断する。隊首会の席に乗り込んできたルキアから、叫谷に向かった一護への援軍を求められるが、その要請は受け入れ難いと一蹴した。
- 砕蜂(ソイフォン)
- 声 - 川上とも子
- 護廷十三隊二番隊隊長・隠密機動総司令官。叫谷での戦いに加わる。作品冒頭、隠密機動は調査のため叫谷への侵入を試みるが失敗し、救援要請を出したのちに消息を絶っている。
- 朽木白哉(くちき びゃくや)
- 声 - 置鮎龍太郎
- 護廷十三隊六番隊隊長。ルキアの義兄。ダークワンとの戦いで窮地に陥ったルキアのもとに駆けつける。
- 京楽春水(きょうらく しゅんすい)
- 声 - 大塚明夫
- 護廷十三隊八番隊隊長。
- 日番谷冬獅郎(ひつがや とうしろう)
- 声 - 朴璐美
- 護廷十三隊十番隊隊長。尸魂界で起きた現象について調査するため、現世に派遣され指揮を執る。日番谷が派遣された理由は、乱菊によると「ほかの隊長は渋った」ため。叫谷での戦いに加わる。
- 更木剣八(ざらき けんぱち)
- 声 - 立木文彦
- 護廷十三隊十一番隊隊長。叫谷での戦いに加わる。
- 涅マユリ(くろつち マユリ)
- 声 - 中尾隆聖
- 護廷十三隊十二番隊隊長・技術開発局2代目局長。隊首会の席で欠魂の性質について説き、これを利用したダークワンの目論みにより、世界崩壊まであと1時間しかないことを告げる。
- 浮竹十四郎(うきたけ じゅうしろう)
- 声 - 石川英郎
- 護廷十三隊十三番隊隊長。隊首会の席で鬼道砲の使用を決断した総隊長に対し、尸魂界にも現世にも甚大な被害がおよぶ恐れがあるとして思いとどまるよう発言する。
- 吉良イヅル(きら イヅル)
- 声 - 櫻井孝宏
- 護廷十三隊三番隊副隊長。叫谷での戦いに加わる。
- 阿散井恋次(あばらい れんじ)
- 声 - 伊藤健太郎
- 護廷十三隊六番隊副隊長。ルキアの幼馴染。叫谷に向かった一護を助けようとするルキアに同行する。
- 射場鉄左衛門(いば てつざえもん)
- 声 - 西凛太朗
- 護廷十三隊七番隊副隊長。一角との勝負の最中、瀞霊廷上空に浮かび上がった現世の街を目撃する。叫谷での戦いに加わる。
- 檜佐木修兵(ひさぎ しゅうへい)
- 声 - 小西克幸
- 護廷十三隊九番隊副隊長。叫谷での戦いに加わる。
- 松本乱菊(まつもと らんぎく)
- 声 - 松谷彼哉
- 護廷十三隊十番隊副隊長。日番谷とともに現世に派遣され調査にあたる。叫谷での戦いに加わる。
- 草鹿やちる(くさじし やちる)
- 声 - 望月久代
- 護廷十三隊十一番隊副隊長。叫谷に突入した剣八に同行する。
- 斑目一角(まだらめ いっかく)
- 声 - 檜山修之
- 護廷十三隊十一番隊第三席。射場との勝負の最中、瀞霊廷上空に浮かび上がった現世の街を目撃する。叫谷での戦いに加わる。
- 綾瀬川弓親(あやせがわ ゆみちか)
- 声 - 福山潤
- 護廷十三隊十一番隊第五席。叫谷での戦いに加わる。
- コン
- 声 - 真殿光昭
- 対虚用の戦闘用改造魂魄。普段はライオンのぬいぐるみの中に入れられている。一護とルキアの任務に同行しており、欠魂が大量発生した現場で厳龍を目撃したため、浦原により記憶を映像化して解析される。
- 茶渡泰虎(さど やすとら)、石田雨竜(いしだ うりゅう)、井上織姫(いのうえ おりひめ)
- 声 - 安元洋貴(茶渡)、杉山紀彰(石田)、松岡由貴(織姫)
- 一護のクラスメイト。人間であるため、霊子の世界である叫谷には行けず、叫谷に向かった一護たちの帰りを現世で待つ。原作者の久保により3人の戦闘シーンのプロットが考案されていたが、尺の関係でお蔵入りになった。
- 握菱テッサイ(つかびし テッサイ)、花刈ジン太(はなかり ジンた)
- 声 - 梁田清之(テッサイ)、本田貴子(ジン太)
- 浦原商店の店員。
- 黒崎一心(くろさき いっしん)、黒崎夏梨(くろさき かりん)、黒崎遊子(くろさき ゆず)
- 声 - 森川智之(一心)、釘宮理恵(夏梨)、瀬那歩美(遊子)
- 一護の家族。一護が茜雫を黒崎家に連れてきたことで(夏梨を除いて)大盛り上がりになる。
- 阿近(あこん)、壺府リン(つぼくら リン)
- 声 - 奥田啓人(阿近)、斉木美帆(リン)
- 技術開発局局員。
オリジナルキャラクター
- 茜雫(せんな)
- 声 - 斎藤千和
- 欠魂が大量発生した現場で、一護とルキアの前に現れた死神の少女。後ろの髪を高い位置でまとめ、リボンで結んでいる。物語序盤では黄色のリボンを付けていたが、ショッピングモールで一護に赤いリボンを買ってもらって以降、そちらを愛用するようになった。普段はベージュのブレザーを着用している。高いところが好き。
- 自由奔放な性格で、所属する隊をはぐらかし、自身についても語ろうとしない。さまざまな生前の記憶が入り混ざり、混乱をきたすことがある。
- その正体は、輪廻を外れた魂魄から抜け落ちた記憶の集合体・思念珠であり、帯刀している斬魄刀・弥勒丸は、百年前、持ち主の死神とともに断界で拘流に飲み込まれたもの。欠魂のエネルギーが尽きると、茜雫の存在は人々の記憶から消失する。
- 現世と尸魂界を思念珠の力で引き寄せ、衝突させることを企てるダークワンにより、欠魂の依り代として叫谷の中央に備え付けられる。やがて叫谷との融合を始めるが、厳龍との激闘を制した一護の手により救出された。しかし、現世と尸魂界の間には引力が生じ、融合を始めていたため、断界面で自らの近くにいる欠魂たちのエネルギーを一度に放出し爆発させることで、2つの世界の融合を回避させた。
- 力を使い果たした茜雫は、かつて自分が生きていたことを確かめたいと願い、一護に背負われて生前の記憶に残る墓地を訪ねる。墓碑に茜雫という名前は刻まれていなかったが、一護から「お前はこの街で生きてきた、家族もちゃんといた」と伝えられると、安心し、静かに消えていった。
- PlayStation Portable用ゲーム『BLEACH~ヒート・ザ・ソウル5~』、『BLEACH~ヒート・ザ・ソウル6~』、『BLEACH~ヒート・ザ・ソウル7~』にプレイヤーキャラクターとして登場する。
- 厳龍(がんりゅう)
- 声 - 江原正士
- 闇の一族・ダークワンを率いる男。祖父の代に尸魂界の覇権争いに敗れ、尸魂界を追われた重権貴族・龍堂寺家の末裔。千年あまりにわたり断界で流浪の民となり、拘流から逃れ続けて生き延びてきた。そのなかで、欠魂を自らの力として使う術を手に入れている。尸魂界を統治する正統な主権者という意識はとうに捨てており、悲願とする尸魂界の破壊を果たすため、現世と尸魂界を思念珠の力で引き寄せ、衝突させることを企てる。欠魂のエネルギーから作られた剣を使い戦う。一護との思念珠・茜雫を巡る戦いに敗れ消滅した。
- ジャイ
- 声 - 松本大
- ダークワンのメンバー。厳龍のことを「我らの王」と形容する。両手に巨大な圈状の武器を持ち、接近戦はもとより、投擲武器としても使用する。欠魂を取り込むことで欠損した肉体を再生させる能力を持つ。
- 叫谷では一護の足止めを試みるが、駆けつけたルキアにより阻まれる。ルキアの「初の舞・月白」により粉々に砕かれるが、残された武器から再生し、その個体を増殖させる。白哉の卍解「千本桜景厳」により殲滅された。
- ベニン
- 声 - 本田貴子
- ダークワンで唯一の女性メンバー。乱菊に勝るとも劣らない巨乳。鎖鎌状の武器のほか、クロスボウなどの飛び道具を使用する。
- 叫谷では思念珠奪還のために突入してきた死神たちと交戦。その後、再戦した砕蜂の斬魄刀「雀蜂」の能力により消滅した。
- ムエ
- ダークワンのメンバー。正面から戦おうとせず、物陰から手裏剣を投げて攻撃する。また、さまざまな仕掛けが施された剣を所持し、戦況に応じて剣身の形状を変化させながら戦う。
- 叫谷で交戦した剣八には、上記の戦法が一切通用せず、あっさりと斬り倒された。
- リャン
- 声 - 森川智之
- ダークワンのメンバー。厳龍のことを「尸魂界を統治する正統な主権者」と主張する。背中に背負った箱状の発射装置から射出される有線誘導ミサイルのような武器を使用する。発射装置の下部から取り込んだ欠魂を動力としており、欠魂が存在する限り無限に弾体を撃ち続けられる。また、接近戦では箱から直接取り出した武器を形状を変化させながら戦う。
- 叫谷では日番谷と再戦し、日番谷の卍解「大紅蓮氷輪丸」により倒された。
- バウ
- 声 - 梁田清之
- ダークワンのメンバー。顔を布で覆った巨体の男。使用する巨大な棍棒状の武器は、仕掛けを繰り出すことにより爆発を起こすことができる。素顔は醜い。
- 叫谷では一護の足止めを試みるが、駆けつけた恋次により阻まれる。恋次の卍解「狒狒王蛇尾丸」により倒された。
- 友哉
- 声 - 小阪友覇
- 父親と車で祭りを見に行く途中、事故に遭い亡くなった魂魄の少年。一護、茜雫とともに、離ればなれになった父親を探して空座町を歩き回る。
- 安田大サーカス
- 声 - 団長、HIRO、クロちゃん
- ショッピングモール内の広場に設けられたステージでネタを行っている。作中でHIROは、ドクターストップがかかり封印していたオレンジジュースの一気飲みを解禁している[3]。舞台のモデルになったラ・フェット 多摩南大沢では、実際、毎週土日・祝日にストリートアーティストによる実演が行われている。
- かわいい店員
- 声 - 森下千里
- 一護が赤いリボンを購入した店の店員。
用語
- ダークワン
- 厳龍が率いる闇の一族。祖父の代に尸魂界の覇権争いに敗れ、尸魂界を追われた重権貴族・龍堂寺家の一族。千年あまりにわたり断界で流浪の民となり、拘流から逃れ続けて生き延びてきた。そのなかで、欠魂を自らの力として使う術を手に入れている。
- 叫谷(きょうごく)
- 断界を通過中の事故などにより、輪廻から外れて断界を彷徨い続けた魂魄が、長い年月のうちに徐々に集まり、その集合体が断界内に発生させた空間。叫谷の発生は自然現象であり、過去にも何度か確認されている。尸魂界から叫谷へと繋がる穿界門は存在せず、現世にある思念珠が出現するときにできた入り口からしか、空間内部へ侵入することはできない。鬼道砲が発射されたことにより、空間は崩壊した。
- 原作の千年決戦篇では、雪緒とリルカが小さな叫谷を部屋とレールに作り変え、霊王宮の零番離殿から霊王宮大内裏へ気づかれずに移動するための手段として利用した。原作の第625話では、一護が「俺は一度叫谷に入ったことがある」と発言しており、原作単行本の第69巻では、劇場版の1作目を参照と記述された。
- 小説『BLEACH Can't Fear Your Own World』では、綱彌代時灘の命令で、アウラが黒腔に最大級の叫谷を発見し、空間内部に新たな霊王宮となる空中楼閣と巨大宮殿を作り出した。京楽たちの追跡を逃れた時灘一派と京楽たち混成部隊の決戦の舞台となる。
- 欠魂(ブランク)
- 空座町に大量発生した認識不能の霊生物。叫谷で魂魄は記憶とエネルギーに分離され、輪廻の輪に戻る準備をするが、この記憶が抜け落ちた魂のことを欠魂と呼ぶ。だだし、欠魂は個を一度に失うわけではなく、抜け殻となりながらも、しばらくの間は自らの記憶を求めて彷徨う性質を持つ。叫谷の中央に思念珠を備え付け、この性質を活性化させると、欠魂は争うように思念珠に近づこうとして叫谷の空間そのものを収縮させる。この力は、断界によって隔たれている現世と尸魂界を衝突させるほどの引力を発生させるものとなる。欠魂を魂葬をすることはできない。
- 思念珠(しねんじゅ)
- 魂魄から抜け落ちた記憶の集合体。その思念は現世に戻るといわれている。叫谷の中央に備え付けられた思念珠は、自らの記憶を求めて彷徨う性質を持つ欠魂に取り付かれることで、やがて叫谷との融合を始める。
- 鬼道砲(きどうほう)
- 尸魂界にある兵器。叫谷と密着している接地面を空間ごと消滅させるほどの破壊力を持つ。
スタッフ
- 原作 - 久保帯人
- 監督 - 阿部記之
- 脚本 - 十川誠志
- キャラクターデザイン・総作画監督 - 工藤昌史
- 絵コンテ - 阿部記之、橘秀樹
- チーフ演出 - 橘秀樹
- 演出 - 別所誠人
- 作画監督 - 高木弘樹、河野悦隆、吉岡毅、小木曽伸吾、橋本英樹、石野聡、大西雅也
- エフェクト作画監督 - 橋本敬史
- 美術監督 - 高木佐和子
- 色彩設計 - 上谷秀夫、安斉寛美、阿部紀子
- 撮影監督 - 福島敏行
- 編集 - 植松淳一、奥野英俊
- 音楽 - 鷺巣詩郎
- プロデューサー - 深沢幹彦、萩野賢
- アニメーション制作 - studioぴえろ
- 製作 - 劇場版BLEACH製作委員会(テレビ東京、集英社、ぴえろ、電通、アニプレックス、東宝、バンダイ、セガ、ソニー・コンピュータエンタテインメント)
主題歌
- 「千の夜をこえて」
- 作詞・作曲 - 太志 / 編曲・歌 - Aqua Timez
プロモーション
劇場版の公開に先立ち、特別番組『劇場版BLEACH公開記念! BLEACH攻略ナビ!!』が2006年12月10日11時から11時25分にテレビ東京にて放送され、本作にゲスト声優として参加した安田大サーカスと森下千里が出演した。また、12月11日・18日には、テレビシリーズからセレクトした6話を2週連続で一挙放送する『劇場版BLEACH公開記念! BLEACH NIGHT 決戦前夜』がテレビ東京にて放送された。前編は12月11日2時40分から4時5分(10日深夜)に、後編は12月18日3時10分から4時5分(17日深夜)に放送され、俳優の栗山千明、主題歌を担当したAqua Timezが出演した。
プロモーションの一環として、テレビアニメの第106話から第109話では、オープニング・エンディングが劇場版仕様となり、本作の映像が使用された。
2006年12月3日、ニッショーホールにて完成披露試写会が行われ、上映前の舞台挨拶では監督の阿部記之、原作者の久保帯人、黒崎一護役の森田成一、朽木ルキア役の折笠富美子、ゲスト声優の安田大サーカス、森下千里が登壇した。また、スペシャルゲストとして登場したAqua Timezによるシークレットライブが行われ、本作の主題歌「千の夜をこえて」が演奏された[3][4]。
テレビ放送
2007年12月24日(月)にテレビ東京で放送された。
テレビ東京系列での放送は不明だが、12月15日の時点でテレビせとうち・テレビ愛知で同時ネット放送され、その他の地域については時差放送となる。
- 放送時間(放送局)
関連商品
DVD
2007年9月5日にアニプレックスから完全生産限定版と通常版の2形態で発売された。完全生産限定版は初週で2万枚を、通常版は1万9000枚を売り上げ、2007年9月10日付オリコンチャートDVD総合部門で第1位と第2位を独占した[5]。また、同日よりレンタルも開始された[6]。
- 『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』完全生産限定版(2007年9月5日、ANZB-2181)
- 『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』通常版(2007年9月5日、ANSB-2181)
CD
- 『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY Original Soundtrack』(SVWC-7420)
書籍
- 『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY MOVIE GUIDE』週刊少年ジャンプ2007年1月20日増刊、集英社、2006年12月8日
- 松原真琴ほか『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』集英社〈ジャンプ ジェイ ブックス〉2006年12月18日[7]、ISBN 4-08-703174-8
- 松原真琴による本作のノベライゼーション。若干のアレンジが加えられ、本編では描かれていないシーンも挿入されている。また、僅かではあるが本編には登場しない四楓院夜一が登場している。
- ジャンプ・コミック出版編集部編『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY アニメコミックス』集英社〈ジャンプ・コミックス〉、2007年12月9日第1刷発行、ISBN 978-4-08-874202-1
- 巻末には、原作者である久保帯人へのインタビュー、久保によるオリジナルキャラクターの初期デザインイラストが掲載されている。2010年11月8日には、集英社ジャンプリミックスより廉価版コミックスが発売された[8]。
脚注
- ^ 「2007年 日本映画・外国映画 業界総決算 経営/製作/配給/興行のすべて」『キネマ旬報』2008年(平成20年)2月下旬号、キネマ旬報社、2008年、164頁。
- ^ ジャンプ・コミック出版編集部 編『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY アニメコミックス』集英社〈ジャンプ・コミックス〉2007年12月9日第1刷発行、342-347頁。ISBN 978-4-08-874202-1。
- ^ a b “安田大サーカスが声優に挑戦!「劇場版BLEACH」”. 映画.com. エイガ・ドット・コム (2006年12月5日). 2022年9月16日閲覧。
- ^ “劇場版BLEACH -完成披露試写会レポート”. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “人気アニメ『BLEACH』劇場版作品が、総合1、2 位を独占!”. ORICON NEWS. oricon ME (2007年9月11日). 2022年9月16日閲覧。
- ^ “TV ANIMATION BLEACH - アニプレックス”. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “劇場版BLEACH ―MEMORIES OF NOBODY―”. 集英社. 2022年9月16日閲覧。
- ^ “劇場版の興奮がフルカラーコミックスで鮮やかに甦る! 集英社ジャンプリミックス「劇場版BLEACHアニメコミックス」(原作:久保帯人)が11月8日(月)にコンビニエンスストア各店で発売!!”. ドリームニュース. グローバルインデックス (2010年11月8日). 2021年9月16日閲覧。