虚 (BLEACH)

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(ホロウ)は、漫画BLEACH』に登場する悪霊の総称である。本稿ではその概要とこれに該当する登場人物について記述する。

概要[編集]

現世を荒らす悪しき霊体。その正体は何らかの理由で堕ちた人間の魂。人間の魂魄が主食で、生きた人間を襲っては死に至らしめる。死神によって魂葬されなかった魂は、通常外部からの影響がない限り、数ヶ月、数年の時を経て胸に孔が開き霊子が霧散し再構成後、虚(ホロウ)となる。半虚(デミホロウ)のように胸に開きかけた孔を無理やりこじ開けることで強制的に虚にすることもできる。記憶や知能は残り、他者との会話も出来るが、心は失っているため捕食や戦闘と言う目的のためにのみ頭脳を駆使している事がほとんど。中には他の個体を統率して群れを成したり、死神に対して心理戦を仕掛けて来たりなど、かなり狡猾な個体も存在する。

虚圏と現世を自由に行き来できる神出鬼没の存在であり、個体によって様々な能力を有している場合が多い。

虚はある例外を除いて白い骸骨のような仮面を付けている。仮面は心を失った本能を隠すためと言われており、中央霊術院では顔面が弱点であると教育されている。弱点であるためという理由もあるが、一撃で仕留められず虚の正体を目の当たりしたとき、その正体が身内である場合止めを刺せず迷いが生まれてしまうことを防ぐためとも考えられる。

銀城によれば、死神に救われなかった苦しみから心を無くし、それによって胸の孔が開き、失くした心は仮面や固有の能力に変化すると言う。

虚は生まれ出た最初の行動として生前に想っていた人(親族や恋人等)を襲う習性があり、他の魂魄を襲うようになった虚はすでにそれが済んだ証拠といわれている。虚が親族や恋人を襲う理由としては、虚化した際心を失った為と考えられ、心を補うため心を欲するようになり魂魄を襲うとされる。

アニメでは人間の虚だけでなく犬などの動物の虚も登場し、2体の魂が1体の虚になっているものも登場した。虚圏ではトカゲのような虚も存在しており、人間サイズの虚でなければ虚圏にある霊子のみで生きていくぶんには事足りるようである。

魂喰いの特性[編集]

前述通り、虚は自身の心を補う為に魂魄を欲するが、その欲が極めて強い虚は整(プラス)ではなく虚の魂魄を欲するようになり共食いを行う。そうして、幾百の虚が共食いを繰り返し、最終的に生き残った個体は、強大な一体の虚「大虚(メノスグランデ)」へと姿を変える。

用語[編集]

BLEACH破面の項目でも述べているが、この虚で使われている用語にも、スペイン語、それに類似した表現が使われている。例を挙げると、以下のようになる。

  • 虚圏(ウェコムンド/Hueco Mundo):空虚の世界
  • 大虚(メノスグランデ/Menos Grande):偉大なる虚(意訳。また、英語での「Grand Minus」と同義)
  • 反膜(ネガシオン/Negación):否定
巨大虚(ヒュージ・ホロウ)
名前が示す通りの巨大な虚。大虚の様に幾百の虚が寄り集まった存在ではなく、単独で既に巨大(ギリアン級大虚ほどではない)。
大虚(メノスグランデ)
幾百の虚が互いを喰らい続け生まれた、強大な力を持つ虚で、通称メノス。大型のギリアン級、中型のアジューカス級、小型のヴァストローデ級という3階級が存在し、小型になればなるほど強い。現世に現れる頻度は通常の虚に比べると低いようだがそれは後述のとおり、大虚(特にアジューカス級以降)が人間の捕食より同族との生存競争を重視する生態を持つゆえと考えられる。
最下級大虚(ギリアン)
大虚の中での最下層であり、人間で例えるならば雑兵。数も多く全て同じ姿(頭から黒い布状のものをすっぽりかぶり、鼻の部分がとがった仮面をつけている)をしており、尸魂界で一般的に大虚として教本などに載せられているタイプである。虚が互いに喰らい合って一体となり生まれる。多数の魂が溶け合って生まれた存在である為明確な自我を持たず知能は獣並みで、巨大で動きが緩慢。通常の虚に比べれば遥かに強大な存在であり、隊長格ならともかく、普通の死神が単独で渡り合える相手ではない。
前述通り、ギリアン級大虚は個体ごとに外見の差は無いが、ギリアン級大虚が生まれる過程の共食いの中に特に強い力や自我を持つ虚(巨大虚等)がいた場合、そのギリアン級大虚は明確な自我を持ち、通常とは異なる仮面を持つ。そういった大虚の変異種ともいえる存在は他のギリアン級大虚と更なる共食いを続け、やがてアジューカス級へと進化する。
中級大虚(アジューカス)
強い自我を持つ特別なギリアン級大虚が進化した姿。容姿は個体ごとに異なっており、ギリアンよりもやや小さく数も少ない。知能が高く、戦闘能力はギリアンの数倍である。数の多いギリアンをまとめる存在。その霊力と個を保ち続ける為には他のアジューカス級大虚を喰らい続ける必要があり、それを怠ると再びギリアン級へと退化してしまい、自我と知性を失い、再び個を持つ大虚には戻れなくなる。体の一部を喰われるだけでも進化が不可能になり、現状維持か退化していくこととなる。さらに一部のアジューカス以外は、捕食を続けても途中で進化が止まってしまうようである。その為群れることも出来ず、血で血を洗う状態だった。アニメ132話で初めてこのタイプの大虚が登場した。巨大虚より頭身が高く洗練された姿をしており、中には装飾品を身に付けていたり、動物型や、植物に似た姿をしたものもいる。
最上級大虚(ヴァストローデ)
最上級の大虚であり、大きさは虚としては小型で人間程度。また現十刃バラガンやハリベルのように、身体的特徴が人間に近くなっている。極めて数が少なく、虚圏全域で数体しかいないと見られている。その戦闘能力は護廷十三隊隊長格の死神をも凌ぐと言われている。
虚閃(セロ)
大虚の放つ、霊圧の集中された破壊の閃光。基本的に赤い色をしている。
虚食反応(プレデイション)
大虚が他の虚を捕食する現象。ギリアンの場合、舌で複数の虚を刺し貫いて一度に捕食する。
反膜(ネガシオン)
大虚が同族の虚を助ける時に放つ光。 対象が光に包まれたが最後、光の内と外は干渉不可能な完全に隔絶された世界となり、触ることすらかなわない。
超速再生(ちょうそくさいせい)
虚の持つ能力で、攻撃されて損傷した部分を即時に回復する。

虚一覧[編集]

現世[編集]

フィッシュボーンD
黒崎一護が初めて戦った虚。全体的な形状は人型に近いが顔は魚のようになっており、一護からは「魚ヅラ」と呼ばれた。この虚の黒崎家襲撃がきっかけで一護は死神となった。席官に匹敵する実力を持つ朽木ルキアが驚くほどの霊圧を持つが追加給金は0環。
一部のゲーム版では「ワイドボーン」という名称になっている。
ヘキサポダス
一護が二番目に斬った六本足の虚。クモに似た外見をしている。原作では、この虚との戦闘後に一護は死神代行を引き受ける。追加給金0環。
アシッドワイヤー
声 - うえだゆうじ
井上織姫を襲った虚。上半身は人間、下半身はヘビのように長い。正体は死んだ織姫の兄「井上昊(そら)」。織姫を魂魄にした後に食いかかろうとしたが、駆けつけた一護によって防がれた。一護に襲いかかろうとするが、正体が自分の兄だとわかった織姫が身を挺して止めた。一時的に正気を取り戻したアシッドワイヤーは一護に兄の役目を説かれた後、一護の斬魄刀を使い自らを貫いた。口から酸を吐く「ヴィトリアルショット」と、尻尾を打ちつける「テイルシェイカー」という技を得意とする。尻尾の部分は硬い鱗で覆われており、対戦した一護の斬魄刀の刃も通りにくかった。アニメではこの戦いの後、一護は死神代行を引き受ける決意をした。追加給金0環。
アニメ版では織姫をかつての姿で見守っていた所を別の虚達に襲われてしまい無理矢理虚になってしまう場面が追加されている。この際、グランドフィッシャーの姿もあった。
シュリーカー
声 - 江川央生
インコのシバタを追い回していた虚。コウモリのような姿をしており、人を殺す事に愉悦を感じている。生前は連続殺人鬼として世間を騒がせていた男で、生前のシバタの母親を殺した際にシバタが取った行動により死亡し虚となった。以降、シバタの魂をインコの中に入れ、シバタの逃げ回る先々でシバタに関わった人間を殺すことをゲームとして楽しんでいた。以前、死神を二人喰らっている。追加給金5000環。
小虚(ミューズ)という子分のような分身を連れており、小虚は頭部からヒルを敵に向けて発射する「スパウティング」という技を使う。ヒルは爆弾で、本体の舌笛に反応して爆発させる「チューニング・フォーク・ボム」という技を使う。ルキアとチャドを甚振って追い詰めるが一護との戦いで敗北し、最終的に地獄へ引き渡された。
アニメ版「地獄編序章」では地獄の咎人として復活、朱蓮たちが現世に出るための実験体として現世に送られた。ルキアへの復讐を企てており、彼女をおびき出すために死神を無差別に殺していた。咎人となった事で戦闘能力は飛躍的に上昇している(腕に巻いた布の隙間からヒルを飛ばせるようになっている)。ルキアと恋次を追いつめるも深手を負い、地獄へと帰った。しかし、その後朱蓮達によって口封じのために始末された模様。また、ルキアとの戦闘中に服がはだけた際に、あと一歩まで追いつめておきながら攻撃の手を緩めてまで慌てて服を元に戻した(これは地獄の番人であるクシャナーダに見つかるのを恐れての行動であり、クシャナーダに見つかれば地獄に強制的に戻されるためである)。
一部のゲーム版では「スクリーマー」という名称になっており、小虚が「使い魔」という名で別の設定になっている。
グランドフィッシャー
声 - 茶風林
一護の母・真咲を殺した虚。卑怯で狡猾。50年以上も死神達を退け続けてきた実力者で、人間の姿をした疑似餌を用い、それが見えた霊的濃度の高い人間、特に女性を襲う。表皮を覆う毛を伸ばして攻撃する「圧髪(オプレッション)」や爪を伸ばして相手を貫き、敵の記憶からその敵が斬ることのできない相手を読み取り、その姿を疑似餌にとらせることで相手に動揺を誘うことが出来る「脳写(トランスクライブ)」という技を使う。また、傷ついた側が疑似餌や本体に逃げ込んで回復する「移胴(ミグレイション)」という能力や、四肢を斬られても瞬時に再生する能力も持つ。一度一護と戦ったが、手を抜いたため疑似餌能力を使った防御の隙を突かれ、一護は心の隙を見せてしまい、互いに重傷を負い、自らトドメを刺さずに逃亡。双方に絶対に倒すべき相手という思いが生まれ、以来ひそかに復讐の機会を狙う。
能力を強化し破面(もどき)となってからは、体が巨大化しさらにビルほどの大きさの巨大な斬魄刀を用いることも出来るようになった。仮面の上半分を破壊し巨大化できる。大虚の如く空間を裂いて虚園から現世へ移動することも可能。一護への復讐のため現世へやってきて、一護の体に入っていたコンを本物の一護だと思い襲撃するが、助けに現れた一心に一撃で斬り伏せられた(唯一の目撃者(コン)が口止めをされているため、一護はその事実を未だ知らない)。アニメではりりん、蔵人、乃芭もその場に居合わせ、自分達の意思で黙っている。
一部のゲーム版では「グランサベージ」という名称になっている。
半虚
コードネームは無く、カエルのような風貌を持つ。元は廃病院に棲みついていた地縛霊だったが、虚のことを知らないドン・観音寺に無理やり孔を広げられたことで完全な虚の姿へと変貌した。口から「スティッカーフレム」という粘着性のある液体を吐く。一護と観音寺に襲いかかるも、最後は一護によって倒される。
バルバスG
石田雨竜の撒き餌に引き寄せられたシーサーのような外見の凶暴な虚。茶渡泰虎(チャド)を執拗に狙っていたが、覚醒したチャドの変化した右腕から放たれた拳撃で倒された。
ナムシャンデリア
声 - 沢海陽子
石田の撒き餌に引き寄せられた女のような言葉遣いをする虚。卑劣かつ残忍な性格で、頭部から打ち出される種子を人間に打ち込み、体を自在に操って戦わせる「バルブスキャッター」という技を使う。空中からも攻撃してくる浮遊型。一護の通う学校を襲撃し、たつきをはじめとする生徒達に種子を打ち込み操ったが、覚醒した織姫の「盾舜六花」の力の前に何もできず、孤天斬盾を受けて倒された。
アニメでのクレジットはタコを意味する「オクトパシー」、一部のゲーム版では「ナムジェリー」という名称になっている。
大虚(破面)
破面編において、グランドフィッシャーと同時に出現した虚。空間を裂いて現れる、舌を用いて攻撃するなど大虚のような性質を持つが、仮面の左頬部分が割れている。実際は上半身しかない人型と、独楽のような姿をした2体の虚が上下に合わさっている。
滅却師の能力を失っている石田を襲撃するが、突然現れた石田竜弦によって2体とも超速再生する間もなく倒される。
ゾンザイン
声 - 安元洋貴
単行本おまけで登場した虚。名前のとおり雑な姿をした巨大虚。カラクライザー(コン)の代わりに主人公と名乗ったり、追い詰めたりしていたが、途中から来たカラクライザースピリッツ(ドン・観音寺)によって明確な描写がされぬまま倒された。
アニメ版ではカラクライザーの偶然のキックで大泣き(しかも攻撃可能)でカラクライザーを追い詰めていたが、ライザービームで倒された。
ホワイト
一護の父・一心の回想に登場した、藍染一派が作り出した試作虚の一体。ヴァストローデ級のごとく人間程度の大きさで、刀状の両腕、肉塊状の物質で塞がった孔、仮面部分以外が真っ黒な体色が特徴。二本角の仮面は完全虚化時の一護を思わせる。数多くの死神の魂魄を重ねて作られており、当時の十番隊隊長だった一心とも渡りあうほどの高い実力を持つ。黒い鎧をまとっているがその下の皮膚の白さゆえ「ホワイト」と東仙要に命名された。空座町の隣町・鳴木市でひと月に一度出現し、死神を襲っていたが一心と交戦。加勢に入った黒崎真咲を襲い噛みつくも、ゼロ距離からの神聖滅矢を受けて倒される。しかしその咬み傷から自らを真咲の体内に転移させており、これにより真咲は虚化に苦しむことになる。浦原の協力を得た一心が真咲の虚化を食い止めたことで症状は抑えられ、その力は二人の息子である一護に受け継がれた。

尸魂界[編集]

メタスタシア
声 - 大塚芳忠
前十三番隊第三席(志波都)を殺した虚。藍染惣右介が実験により生み出した。霊体と融合する能力で海燕の体を乗っ取るが、ルキアに海燕ごと斬られる。仮面から触腕が生えており、一日に一度、これに最初に触れた死神の斬魄刀を消滅させる能力を有する。アニメでは都をすぐには殺さず、都と融合することで昏睡状態だと思い込ませた上で彼女を密かに操り十三番隊の死神達を襲うという描写が追加された。藍染にとっては失敗作であり、結果的には自らがルキアの心に闇を持たせ、約100年の時を経てルキアの意思を処刑に持って行きやすい状況を作っていた。破壊されると虚圏側で再構築されるようにされていたが、その後破面のアーロニーロ・アルルエリによって、虚圏に還った後に喰われ取り込まれた。
アニメでのクレジットは「テンタクルス」(アーロニーロのセリフ中では「メタスタシア」とコミック版の通りに呼称されている)、公式キャラクターブック「SOULs.」では「寄生型虚」となっていた。

アニメ版オリジナルの虚[編集]

  • ヘルマンティス
  • ゲジゲジムカデ
  • 破面もどき
  • テレスホルカン
  • アロマゾン
  • ベキュネス
  • パラテラウル