ルパン三世 sweet lost night 〜魔法のランプは悪夢の予感〜
『ルパン三世 sweet lost night 〜魔法のランプは悪夢の予感〜』(ルパンさんせい スウィート ロスト ナイト 〜まほうのランプはあくむのよかん〜)は、モンキー・パンチ原作のアニメ『ルパン三世』のTVスペシャルシリーズ第20作。2008年7月25日に日本テレビ系の『金曜特別ロードショー』にて放送された。視聴率は14.4%。2011年11月28日には日本テレビ深夜の『映画天国』枠で『ルパン三世 血の刻印 〜永遠のMermaid〜』の宣伝を兼ねて再放送された。
あらすじ
不二子の頼みで、どんな願いも叶う「魔法のランプ」を手に入れたルパン。しかし銭形の妨害により、次元との待ち合わせ場所から遠ざかってしまう。ルパンは「擦れば魔人が出てきて助けてくれるのでは?」と冗談半分でランプを擦ると、ランプから妖精と名乗る美女が出てきて願いを叶えてくれるという。ただし、人生の半分を失ってしまうと言うリスクを聞いた途端、突然ルパンは見知らぬ場所におり、半日分の記憶を失ってしまう。何故ルパンは記憶を失ってしまったのか?そして「魔法のランプ」に秘められた謎とは?
ゲストキャラクター
- アダム
- 声 - 萩原聖人(子供時代 - 庄司宇芽香)
- 行方不明のドリューの兄で、戦災孤児である。一見穏やかに見えるが、犯罪者達の記憶操作をして自分に従わせたり、言う事を聞かない妹のドリューの記憶まで奪う等、その行動は独善的である。戦争を心から憎んでいたがアイヒマンと出会った事で彼の戦争を憎む心に魅了されてしまい、ドリューと共に彼のスタッフに加わり、アイヒマンの片腕として活動していた。アイヒマンの死後は彼を盲信し続け、彼の記憶を自分の記憶に移す事でその意思を継ごうと彼に変装していた。しかし、アイヒマンの記憶を自分に移植することをドリューに反対されて何度も言い争いになったため、アイヒマンが階段から落ちた時点から3年分の彼女の記憶を奪った。その後、ルパンを実験台にするために五ェ門の邪念を取り出す事で彼を味方に付け、一度はルパンを捕まえたがドリューに裏切られて失敗、最期は自らの過ちを悟ってガーリックと対峙し、墜落したヘリに押し潰され死亡した。
- ドリュー
- 声 - 田中美里(子供時代 - 須藤祐実)
- ルパンが出会ったランプの妖精だが、ランプから出てきた妖精はアイヒマンが作ったホログラムである。兄のアダムと3年分の記憶を探していて、ルパンに助けを求め、最後はアダムと再会して3年間の記憶を取り戻すが、ルパンとの記憶を失ってしまった。
- ガーリック大佐
- 声 - 銀河万丈
- 裏社会で「戦争屋」と恐れられている男。顔に痣があり、左目に眼帯を付けている。不二子と組んでルパンからランプを奪うため、街中で平気で騒動を起こす。しかし、アイヒマン(実はアダム)と取引をしていた不二子に裏切られ、記憶を消された部下達に撃たれて重傷を負いながらも逃走した。その後はアイヒマンと不二子に復讐をするため、アイヒマンの研究所を重火器で大量武装したアパッチで襲撃し、洗脳されてしまった自分の部下達も容赦無く攻撃するが、最期はアダムに気を取られたところを五ェ門の斬鉄剣でアパッチごと斬られて爆死した。
- アイヒマン博士
- 声 - 佐々木敏
- 魔法のランプの開発者。脳科学の見地から戦争を撲滅する研究をしており、その過程で記憶のスキャナー装置「LAMP」を開発し、戦災孤児だったドリューとアダムを拾い、彼ら兄妹を自分のスタッフに加えた。しかし、次第に人道を踏み外した研究を行うマッドサイエンティストになっていき、遂には人体実験まで行おうとしたため、人体実験の強行についてドリューと口論し、揉み合いとなって階段から転落死したと思われていたが、アダムによるとこの時には実は生きており、数年前に病気で死亡した。
- ゴードン
- 声 - 菅生隆之
- インターポール・アジア局長で、銭形の上司。記憶喪失のまま病院を脱走した銭形を連れ戻しに来たが、事情の分からない銭形に背負い投げをお見舞いされてしまう。
- ヘネシー
- 声 - 田原アルノ
- シンガポール警察署長。記憶喪失のまま病院を脱走した銭形を連れ戻しに来たが、事情の分からない銭形に逃げられてしまう。
- ジョーダン
- 声 - 納谷六朗
- ランプが保管されているビルの最上階に勤務する医師。警備上の理由で立ち退きを求めた銭形に突如精神検査を行ったり、検査の一環として彼の目や舌をいじったり等冗談めいた行動をしたが、実はルパンの変装であった。
- 大野雄二
- TVスペシャル『ルパン三世 炎の記憶~TOKYO CRISIS~』等と同様、今作でも大野雄二本人がキーボード奏者として登場している(台詞は無い)。ガーリックの装甲車に吹き飛ばされても素知らぬ顔で演奏を続けていた。
登場する武器、乗り物
武器
- ワルサーP38
- ルパンの愛銃。銃声が現実的なものになった。
- S&W M19
- 次元の愛銃。今回はスピードローダーを使用していた。こちらの銃声も現実的なものになった。
- シモノフPTRS1941
- ガーリック大佐のヘリ部隊の兵士と、それを鹵獲した次元が使用。なお、ルパン三世シリーズでシモノフ対戦車ライフルが登場したのは、『ルパン三世 カリオストロの城』以来である。
- FN ブローニングM1910
- 不二子の愛銃。アイヒマンに監禁されて不二子が窓に向け撃ったが防弾ガラスだったためビクともしなかった。
- AT-4
- ガーリック大佐の部下と、それを鹵獲した次元が使用。
- H&K MP5
- ガーリック大佐の部下が使用。
- イングラムM10
- ガーリック大佐の部下が使用。
乗り物
- AH-64D アパッチ・ロングボウ
- ガーリック大佐が使用。これでルパンやアイヒマンを追い詰めるが、最終的には研究所の頂に立つアダムを見て困惑しているところを、五ェ門にメインローターを斬られ墜落している。
- クーガー装甲車
- ガーリック大佐の部隊が使用。車体下からフロートを展開させ、水上を航行することができる。
- 三菱500
- お馴染みのフィアット500やメルセデス・ベンツ・SSKではなく青色の三菱500がルパン達の愛車として登場。余談だが三菱500は販売当時は販売台数が伸びず生産期間が短かったため現存台数が少なくmixi内のルパン三世関連のコミュニティ内で同車の現車オーナーから「青色の三菱500は自分が所有している個体しか現存していない」という旨の発言があった。他にもモブとしてマツダキャロル360やコニーグッピーと思われる国産旧車の軽自動車が登場している。
声の出演
- ルパン三世 - 栗田貫一
- 次元大介 - 小林清志
- 石川五エ門 - 井上真樹夫
- 峰不二子 - 増山江威子
- 銭形警部 - 納谷悟朗
- アダム - 萩原聖人
- ドリュー - 田中美里
- ガーリック大佐 - 銀河万丈
- アイヒマン博士 - 佐々木敏
- ゴードン - 菅生隆之
- ヘネシー - 田原アルノ
- ジョーダン - 納谷六朗
- 脳外科医 - 有本欽隆
- 子供時代のアダム - 庄司宇芽香
- 子供時代のドリュー - 須藤祐実
- 今大輔
- 伊牟田大
- 貴志昌文
- 皆木俊彦
- 雨宮弘樹
スタッフ
- 原作 - モンキー・パンチ(MPワークス、双葉社/ルパン三世officialマガジン刊)
- 企画 - 廣瀬健一、藤本鈴子
- 監督・絵コンテ - アミノテツロ
- 脚本 - 大川俊道
- 音楽 - 大野雄二
- 音楽監督 - 鈴木清司
- 録音監督 - 加藤敏
- 音響効果 - 倉橋静男、山谷尚人(サウンドボックス)
- 音響制作 - 東北新社
- 音響制作担当 - 大野拓也
- 美術監督 - 飯島由樹子
- 作画監督 - 鈴木藤雄、依田正彦、相馬満、奈須川充、柳瀬譲二
- 色彩設計 - 舟田圭一
- キャラクターデザイン - 平山智
- メカデザイン - 鈴木藤雄
- 撮影監督 - 野口龍生
- 編集 - 佐野由里子
- 制作担当 - 綿引圭、北村英治
- 演出 - 小倉宏文、徳本善信、奈須川充
- プロデューサー - 中谷敏夫、尾﨑穏通
- アシスタントプロデューサー - 青木隆介、小林三紀子、進藤友博
- 協力プロデューサー - 笠原陽介
- 音楽プロデューサー - 山田慎也、澤藤弘一
- エンディングテーマ「夜想曲」
- 作詞 - 山田稔明
- 作曲 - 大野雄二
- 歌 - 原田知世
- オリジナル・サウンドトラック - 「ルパン三世 sweet lost night」
- 制作協力 - エクラアニマル
- 企画・制作 - 日テレ、トムス・エンタテインメント
- 製作・著作 - トムス・エンタテインメント
外部リンク
- ルパン三世 sweet lost night 〜魔法のランプは悪夢の予感〜 - 金曜ロードショー(2008年7月25日放送分)