リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い
リーグ・オブ・レジェンド /時空を超えた戦い | |
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The League of Extraordinary Gentlemen | |
監督 | スティーヴン・ノリントン |
脚本 | ジェームズ・デイル・ロビンソン |
原作 |
アラン・ムーア ケヴィン・オニール 『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』 |
製作 |
ドン・マーフィー トレヴァー・アルバート |
製作総指揮 |
ショーン・コネリー マーク・ゴードン |
出演者 |
ショーン・コネリー スチュアート・タウンゼント ジェイソン・フレミング |
音楽 | トレヴァー・ジョーンズ |
撮影 | ダン・ローストセン |
編集 | ポール・ルベル |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
2003年7月11日 2003年10月11日 |
上映時間 | 110分 |
製作国 |
アメリカ合衆国 ドイツ チェコ イギリス |
言語 |
英語 ドイツ語 イタリア語 |
製作費 | $78,000,000[1] |
興行収入 |
$179,265,204[1] 12.1億円[2] |
『リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い』(リーグ・オブ・レジェンド/じくうをこえたたたかい、The League of Extraordinary Gentlemen)は、アメコミ作品『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』を原作とした映画。2003年に20世紀フォックスにより、スティーヴン・ノリントン監督で映画化された。原作とはほぼ別物になっている。
概要
[編集]映画版では、ヴェネツィアで催される国際平和会議の妨害によって世界大戦を引き起こそうとする仮面の武器商人ファントムの陰謀を、怪人連盟が阻止するというオリジナルストーリーが採用されている。怪人連盟のメンバーには原作の5人に加えて、不死身の貴族ドリアン・グレイとアメリカ合衆国の諜報員トム・ソーヤーが参加しており、透明人間役はホーレイ・グリフィン博士でなく、透明薬を盗み出したロドニー・スキナーという盗賊になっている。また、麻薬中毒のクォーターメインや少女強姦者の透明人間といった設定はカットされている。
本作では監督ノリントンと制作・主演のショーン・コネリーの間でトラブルがあったため、ノリントンは長期の沈黙期間を経ることとなり、一方のショーン・コネリーもこれ以降、声のみの出演を除き映画に出演しないまま2006年に引退宣言をし、2020年に死去した。
あらすじ
[編集]1899年、アフリカで隠遁生活を送っていたアラン・クォーターメインは英国からの要請を受けて帰国を果たす。ロンドンでは“M”を名乗る人物によって、国際的な武器密輸組織を率いる仮面の男ファントムを逮捕するため「超人同盟」の会合が開かれていた。ファントムの組織に襲撃を受けた超人同盟は、米国スパイのトム・ソーヤーを加えてこれを撃退し、ファントムを追跡する。
しかし追跡の中で“M”の正体がファントム、そして死んだはずのジェームズ・モリアーティ教授である事が判明。さらにドリアン・グレイが超人同盟の裏切り者で、メンバーの超能力を盗むことが目的であったことが明らかになる。
一度はバラバラになったかに見えた超人同盟のメンバーは、自分たちの能力をコピーした超人兵士の量産を防ぐため、南極にあるモリアーティの基地を襲撃する。戦いの中でクォーターメインはトム・ソーヤーに後を託して死に、トム・ソーヤーはクォーターメインの銃を使ってモリアーティを射殺する。
その後クォーターメインは彼の望み通りアフリカの大地に埋葬された。超人同盟はクォーターメインの埋葬に立ち会い、その場を後にする。しかし葬儀を取り計らった呪術師の「アフリカは彼を死なせない」という言葉通り、クォーターメインの墓が内側から揺れ動くシーンで映画は幕を閉じる。
登場人物
[編集]怪人同盟
[編集]- アラン・クォーターメイン
- 演 - ショーン・コネリー
- H.R.ハガード作『ソロモン王の洞窟』などの主人公。
- 作中一時期イギリス政府からの要請で諜報活動を行っていたが。息子を亡くした事で協力要請を拒んでいた。
- 原作コミックのようにアヘン中毒の描写はない。老眼で遠距離射撃の際はメガネを使用する。
- 原作小説『ソロモン王の洞窟』でアフリカでは先住民を救った事で、アフリカの土地は決してアランを殺す事はないと肉体の復活を約束されている。
- ミナ・ハーカー
- 演 - ペータ・ウィルソン
- ブラム・ストーカー作『吸血鬼ドラキュラ』のヒロイン。
- チーム紅一点の女性科学者。原作小説では吸血鬼にされなかったが、本作では半分吸血鬼になってしまっている。
- また原作コミック及び原作小説では結婚前のマリーの名字であったが、本作ではジョナサンと結婚してハーカーになっている。
- 原作コミックではピアノ教師だが、本作では科学者に設定が変更された。制作段階ではモニカ・ベルッチの出演が決まっていたが急遽変更された。
- ドリアン・グレイ
- 演 - スチュアート・タウンゼント
- オスカー・ワイルド作『ドリアン・グレイの肖像』の主人公。
- 本作ではミナ・マリーの知己の貴族という設定になっている。またクォーターメインは学生時代にドリアンの講義を受けたという設定になっている。チームの中ではステッキに仕込まれた剣を使用する。しかし、チームを裏切ったためにミナの手で葬り去られた。
- 原作小説では不老不死となった代償に老けて行く肖像画が破壊される事が弱点となるが。本作では肖像画を自分で見る事が弱点となっている。
- 原作『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』では、外伝にのみ登場。
- トム・ソーヤー
- 演 - シェーン・ウェスト
- マーク・トウェイン作『トム・ソーヤーの冒険』の主人公。
- 本作では20代の青年で、アメリカの諜報部員。原作『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン』には登場しないが、ハリウッド映画ということで登場することになった。
- 本作の未公開シーン及びノベライズ版では親友かつ諜報部の同僚であったハックの仇をとるためにリーグに志願した。
- ヘンリー・ジキル博士/エドワード・ハイド氏
- 演 - ジェイソン・フレミング
- スティーブンソン作『ジキル博士とハイド氏』の主人公。
- 優秀な外科医だが臆病なジキル博士と性格を逆転させたハイド氏。原作小説ではハイド氏は醜悪で残酷な小男だが、本作では力任せで乱暴だが仲間思いの巨漢に設定変更されている。
- 本作の原作コミックの説明によると当初は原作小説と同じ小男のハイドであったが、凶悪な性格が暴走するごとに体が肥大化したとのこと。
- イギリスを逃亡後、パリのモルグ街で連続殺人を行っていたがクォーターメインに仕留められてメンバーに加わる。ハイド変身時に当初は巨大なシルクハットを被っていた。
- ロドニー・スキナー
- 演 - トニー・カラン
- H.G.ウエルズ作『透明人間』からの翻案キャラクター。
- グリフィン博士が開発した透明薬を服用した泥棒。紳士泥棒を自称する。
- 白塗りのドーランとツルなしのサングラスで顔を見せてるが、服はコートと帽子しか着ていない。お調子者でひょうきんな性格で、掴みどころがない。
- 原作ではグリフィン博士本人が登場するが、殺人を厭わず強姦癖があるなど極めて自己中心的でモラルの低い危険人物として描かれており、ひょうきんな性格以外ロドニーとはかけ離れている。
- ネモ船長
- 演 - ナシールッディーン・シャー
- ジュール・ヴェルヌ作『海底二万里』と『神秘の島』の主人公。
- ノーチラス号の艦長で自身も腕の立つ武芸者。原作小説および本作の原作コミックの人間嫌いの孤高の存在とは異なり、チームに対しては比較的に好感的。
その他の登場人物
[編集]- M
- 演 - リチャード・ロクスバーグ
- 『007』に出てくる上司と同じ略称になっている。本作でもリーグへの指示を出す立場にあり、『シャーロック・ホームズ』に出てくるディオゲネスクラブ会員を彷彿とさせる。
- 原作では当初姿を隠しており、ホームズの兄であるマイクロフト(頭文字「M」)ではないかと思われていた。
- ファントム
- 演 - ?
- ガストン・ルルー作『オペラ座の怪人』の主人公[3]。
- パリのオペラ座を震撼させた怪人。オペラ座の事件の直後、死亡したかに思われていたが。軍隊を率いてロンドンの銀行、パリの兵器工場を最新兵器を使って攻撃。世界が混乱する事となる。
- ダンテ
- 演 - マックス・ライアン
- イタリアの詩人「ダンテ・アリギエーリ」の翻案キャラクター[4]。
- ファントムの忠実な部下。終盤でジキル博士から盗み出した薬物の複製品を飲んで怪物化する。
- イシュマエル
- 演 - テリー・オニール
- ハーマン・メルヴィル作 『白鯨』の主人公。
- ネモの忠実な部下で、ネモービルの運転、ノーチラス号の副艦長を務める。
- ナイジェル
- 演 - デヴィッド・ヘミングス
- H.R.ハガード作『ソロモン王の洞窟』などの登場人物の一人。
- アランの代わりに冒険話を任されている人物。
- サンダーソン・リード
- 演 - トム・グッドマン=ヒル
- 映画版のみに登場する出典なしのオリジナルキャラクター。リーグのメンバー達をスカウトすべく世界各地を回る。後にスキナーの皮膚のサンプルによって体が透明化する。
- キャンピオン・ボンド
- 原作とノベライズ版のみに登場するオリジナルキャラクター。
- 007の暗号名を持つ英国諜報員で、原作ではリーグのメンバー達を招集した人物。ジェームズ・ボンドの祖父とされる。
- 火星人
- H.G.ウエルズ作『宇宙戦争』のクリーチャーたち。
- ドリアン・グレイ宅に到着する際に、号外ポスターにロンドン上空に巨大隕石飛来と書かれている。(続編への布石としてポスターが貼られた事が音声解説により監督が説明している。)
日本語吹替
[編集]役名 | 俳優 | 日本語吹替 | ||
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ソフト版 | 劇場公開版[5] | 機内上映版 | ||
アラン・クォーターメイン | ショーン・コネリー | 若山弦蔵 | 麦人 | |
ミナ・ハーカー | ペータ・ウィルソン | 高乃麗 | 五十嵐麗 | |
ドリアン・グレイ | スチュアート・タウンゼント | 家中宏 | 咲野俊介 | |
トム・ソーヤー | シェーン・ウェスト | 神奈延年 | 千葉進歩 | |
ジキル博士/ハイド氏 | ジェイソン・フレミング | 内田直哉 | 清水明彦 | 楠大典 |
ロドニー・スキナー | トニー・カラン | 北沢洋 | 天田益男 | |
ネモ船長 | ナシールッディーン・シャー | 三夏紳 | 羽佐間道夫 | 辻親八 |
M | リチャード・ロクスバーグ | 野島昭生 | 小山武宏 | |
ファントム | ? | 石塚運昇 | ||
ダンテ | マックス・ライアン | 鳥畑洋人 | ||
イシュマエル | テリー・オニール | 巻島直樹 | ||
ナイジェル | デヴィッド・ヘミングス | 加藤精三 | 松井範雄 | |
サンダーソン・リード | トム・グッドマン=ヒル | 清水明彦 | 樫井笙人 | |
その他 | 境賢一 嶋崎伸夫 秋元羊介 堀井真吾 松岡文雄 岩田安生 田村聖子 佐藤淳 西前忠久 |
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ナレーション | 池田昌子 |
登場兵器
[編集]- ノーチラス号
- ネモ船長が開発した『海底二万里』と『神秘の島』で主に活躍する潜水艦。
- ヴェルヌの原作小説及び本作の原作コミックでは8本の触手のある葉巻型の潜水艦として描かれているが、本作では予算の都合上触手を再現する事が不可能となったので剣の形をした潜水艦へと変更された。
- ネモービル
- ネモ船長が開発した六輪車で映画オリジナルのマシーン。時代設定的にはまだ車は開発されていないが、監督の希望により登場。トム・ソーヤーが乗って活躍し、ミサイルによって爆破した。
- 戦車
- ファントム率いる軍隊が冒頭で乗った初期型の戦車。当時、戦車自体が発明されたばかりで警官たちは機械だと知らずに止めようとし一人が轢死する。
続編企画
[編集]本作は当初は2部構成で制作される予定で本作が好調であれば原作通り、リーグのメンバー達がH・G・ウェルズ原作の『宇宙戦争』の火星人と戦う予定だったが、本作の興行収入が不調だったため、実質的な制作中止へとなった。
参考文献
[編集]- ^ a b “The League of Extraordinary Gentlemen” (英語). Box Office Mojo. Amazon.com. 2011年11月4日閲覧。
- ^ 2003年興行収入10億円以上番組 (PDF) - 日本映画製作者連盟
- ^ ノベライズ小説による。
- ^ DVD音声解説による。
- ^ “日本語吹替え版も熱い!「リーグ・オブ・レジェンド/時空を超えた戦い」いよいよ明日公開!”. 20世紀フォックス. 2019年4月18日閲覧。
外部リンク
[編集]- 2003年の映画
- ドイツの冒険映画
- チェコの映画作品
- イギリスの冒険映画
- アメリカ合衆国のアクション・アドベンチャー映画
- アメリカ合衆国のSFアクション映画
- スチームパンク映画
- ロシアを舞台とした映画作品
- ロンドンを舞台とした映画作品
- パリを舞台とした映画作品
- ヴェネツィアを舞台とした映画作品
- ケニアを舞台とした映画作品
- 19世紀を舞台とした映画作品
- チェコで製作された映画作品
- モロッコで製作された映画作品
- シャーロック・ホームズシリーズを題材とした映画作品
- 吸血鬼ドラキュラを題材とした映画作品
- ジュール・ヴェルヌの小説を題材とした映画作品
- 他の作品を題材とした作品
- 映画のクロスオーバー作品
- トレヴァー・ジョーンズの作曲映画
- 20世紀フォックスの作品
- DCコミックスの映画作品
- コミック原作の実写化映画
- トム・ソーヤーの冒険
- アラン・ムーア