ゼロ時間へ

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ゼロ時間へ
Towards Zero
著者 アガサ・クリスティー
訳者 三川基好 ほか
発行日 アメリカ合衆国の旗1944年6月
イギリスの旗1944年7月
日本の旗1976年7月31日
発行元 アメリカ合衆国の旗Dodd, Mead and Company
イギリスの旗Collins Crime Club
日本の旗早川書房
ジャンル 推理小説
イギリスの旗 イギリス
前作 動く指
次作 死が最後にやってくる
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ゼロ時間へ』(原題:Towards Zero)は、1944年イギリス小説家アガサ・クリスティが発表した長編推理小説である。

ロンドン警視庁バトル警視が活躍する本作品においては、犯人が殺人の計画を策定する時間から始まり、犯行の瞬間「ゼロ時間」へ遡っていく独特な叙述法が採用されている。

登場人物

  • カミラ・トレリシアン夫人 - 金持ちの老未亡人
  • メリイ・アルディン - トレリシアンの遠縁の従妹
  • ネヴィル・ストレンジ - 万能スポーツマン
  • ケイ - ネヴィルの2番目の妻
  • オードリイ - ネヴィルの最初の妻
  • テッド・ラティマー - ケイの友人
  • トーマス・ロイド - オードリイの遠い従兄
  • ハーストール - 執事
  • ジェーン・バレット - 小間使い
  • アリス・ベンサム - 小間使い
  • エンマ・ウエルズ - 小間使い
  • スパイサー - 料理女
  • アンドリュー・マクハーター - 自殺しそこねた男
  • トリーヴス - 有名な弁護士団の一員
  • ロバート・ミッチェル - 警察署長
  • ラーゼンビイ博士 - 警察医
  • ジョーンズ - 部長刑事
  • バトル - 警視
  • ジェームズ・リーチ - 警部、バトルの甥

作品の評価

  • 1971年に行われた日本全国のクリスティ・ファン80余名の投票による作者ベストテンでは、本書は9位に挙げられている[1]
  • 1982年に行われた日本クリスティ・ファンクラブ員の投票による作者ベストテンでは、本書は7位に挙げられている[2]

出版

題名 出版社 文庫名 訳者 巻末 カバーデザイン 初版年月日 ページ数 ISBN
殺人準備完了 早川書房 世界傑作探偵小説シリーズ 第9巻 三宅 正太郎 1951年月日 297 B000JBF8WK 絶版
ゼロ時間へ 早川書房 世界傑作探偵小説全集(ハヤカワ・ポケット・ミステリ) 田村隆一 1958年月日 297 B000JBF8WK 絶版
ゼロ時間へ 早川書房 ハヤカワ・ミステリ文庫1-8 田村隆一 「ソルトリークの方へ」 福永武彦 真鍋博 1976年7月31日 327 4-15-070008-7 絶版
ゼロ時間へ 早川書房 クリスティー文庫82 三川基好 解説 権田萬治 Hayakawa Design 2004年5月14日 375 4-15-130082-0

映像化

映画

監督:パスカル・トマ 撮影:ルナン・ポレス 音楽:ラインハルト・ワーグナー 衣装:カトリーヌ・ブシャール 美術:カーチャ・ヴィシュコフ
出演:メルヴィル・プポーキアラ・マストロヤンニローラ・スメットダニエル・ダリュー、アレサンドラ・マルティネス、フランソワ・モレル(バタイユ警視)

TVドラマ

  • Verso l'ora zero1980年 イタリア)
監督・脚本:ステファノ・ロンコローニ 撮影:ロドヴィーコ・デッラ・トッレ 音楽:ジョルジョ・マグリ 衣装:ダリオ・チェッキ 美術:ダヴィデ・ネグロ 
出演:ラウラ・トロッター、セルジョ・ロッシ、ジュゼッペ・パンビエーリ、マルゲリータ・グッツィナーティ、アリダ・ヴァッリ、レナート・モンタルバーノ(バトル警視)
マープルが活躍するという設定で翻案されている。なお、倒叙の形式にはなっていない(作品の冒頭で、トリーヴスが、"ミステリーでは最初に殺人が描かれるが、殺人は最後におこなわれるものだ"と発言しているが)。
監督:デイヴィッド・グリンドリー 脚本:ケヴィン・エリオット 撮影:スー・ギブソン 音楽:ドミニク・シャーラー
出演:ジェラルディン・マクイーワン(ミス・マープル)、ジュリアン・サンズ、ゾーイ・タッパー、ポール・ニコルズ、グレッグ・ワイズ、サフロン・バローズ

脚注

  1. ^ 創元推理文庫ゴルフ場の殺人』1976年版の巻末解説参照。
  2. ^ 乱歩が選ぶ黄金時代ミステリーBEST10(6)『アクロイド殺害事件』(集英社文庫、1998年)巻末解説参照。
  3. ^ 原作の探偵役バトル警視を削除し、原作には登場しないミス・マープルが探偵役をつとめる脚本に改変している。

外部リンク