キングシーサー
キングシーサー | |
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ゴジラシリーズのキャラクター | |
初登場 | 『ゴジラ対メカゴジラ』 |
作者 | |
演 |
キングシーサー (King Caesar) は、東宝の特撮怪獣映画ゴジラシリーズに登場する架空の怪獣である。別名「伝説怪獣」[出典 1]。
特徴
獅子をかたどった沖縄の聖獣シーサーをモチーフとする怪獣[出典 2]。立ち上がったシーサーそのもの、という容姿を持つ。沖縄県八重瀬町富盛に所在する石獅子「富盛の石彫大獅子」がモデルとも言われている[要出典]。
英語圏では名前のスペルがジュリアス・シーザーなどと同じ「Caesar」であるため、「キングシーザー」と発音される。[要出典]
登場作品
- 映画
- ゴジラ対メカゴジラ(1974年)
- ゴジラ FINAL WARS(2004年)
- 特撮テレビ番組『ゴジラアイランド』(1997年)
『メカゴジラの逆襲』のオープニングの『ゴジラ対メカゴジラ』のダイジェストシーンに1カット写りこんでいる。
『ゴジラ対メカゴジラ』のキングシーサー
キングシーサー KING CAESAR[出典 3][注釈 1] | |
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別名 | 伝説怪獣[出典 1] |
身長 | 50m[出典 4][注釈 2] |
体重 | 3万t[出典 5] |
出身地 | |
出現地 |
琉球に危機が訪れるとき、眠りから覚めると言い伝えられている。沖縄県恩納村の万座毛の岩壁内部に眠っていたが、玉泉洞にある壁画の予言通り「美童(みやらび)の祈り」という唄に応えて目覚めて活動を始める[13][10]。当初はゴジラから沖縄を守るものと思われていたが、実際にはメカゴジラを敵と認識して戦いを挑む。戦闘時には耳が逆立つ[6][22]。
走力や跳躍力に優れ、全力疾走からの頭突きや体当たりなど、積極果敢な戦いを見せる。また、敵の放った光線を右眼から吸収して増幅し、威力を10倍に強化して左眼から発射するという特殊能力を持つ[出典 8][注釈 4]。プリズム光線と呼ばれるこの能力でメカゴジラのスペースビームを相手に善戦するが、ビーム以外にも実弾や火炎を用いる豊富な武装を持つメカゴジラへの決定打とはならず次第に劣勢へ追い込まれ、遅れて参戦してきたゴジラと共闘することにより、かろうじてメカゴジラの撃破に成功する。最後は岩壁内部へ戻り、ふたたび眠りにつく。
- 演技者は久須美護[出典 10]。
- デザインは井口昭彦[出典 11]。全身は炎をイメージしており、尾を垂らさないことを重視したという[7]。井口は、「不動明王的な仕上がり」と述べている[29]。腿にはアクセントとして鱗状のディテールが描かれていたが、造型では下半身全体にディテールが入れられており、井口は「狙いとは変わった」と述べている[29][22]。
- 造形は安丸信行[出典 12]と小林知己[出典 12]、小村完[3]、長沼孝[3][注釈 5]。眼は自動車のテールランプの流用。毛には浅草の専門店から取り寄せたモヘヤを用いている[7][30]。久須美は、スーツが軽量であったため、軽快な動きが可能であったと述べている[25]。座ったポーズの人形も製作され、岩の中に現れたキングシーサーのロングショットで用いられた[31][注釈 6]。
- 久須美によれば、キングシーサーの出現シーンは火薬の調整に時間がかかり、撮影は1日がかりになったという[26]。絵コンテでは、復活前のキングシーサーをメカゴジラがスペースビームで攻撃し、崖に埋もれさせるというシーンが存在した[33]。
- 予告編では高くジャンプしてメカゴジラに飛びかかるシーンが存在するが、本編ではカットされた[22]。
- 朝日ソノラマのムック[要文献特定詳細情報]では、「頭蓋骨がプリズム状になっており、光線をはじき返せた」という説が挙げられている。
- 本作品の原型となった検討用台本『残波岬の大決斗 ゴジラ対メカゴジラ』では沖縄の伝説怪獣「キングバルガン」が予定されており、準備稿では完成作品でのキングシーサーに近い設定となっている[16]。また、2作品前の『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』の原型となった脚本『ゴジラ対宇宙怪獣 地球防衛命令』には南米に伝承される神である魔神ツールが登場しており、後のキングシーサーを思わせるものであった[34]。
『ゴジラ FINAL WARS』のキングシーサー
キングシーサー KING CAESAR[出典 13] | |
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別名 | 伝説怪獣[出典 14] |
体長 | 100m[出典 15] |
体重 | 5万t[出典 15] |
出身地 | 沖縄[40][注釈 7] |
初代よりも細身で足の指が3本から4本になっており、初代にあったかかとの突起物がない。[独自研究?]武器はタックルブレイク[出典 16]、フライング・シーサーアタック[出典 17]。
沖縄コンビナート地帯を襲撃した後、一度はほかの怪獣たちと同様にX星人の手によって消滅する。しかし、地球侵略の意図を見せたX星人によってふたたび地上に送り込まれるや、富士の裾野でアンギラスやラドンとともに、進撃を続けるゴジラに戦いを挑む。
敏捷さを生かした肉弾技中心の戦術でゴジラに立ち向かうが、単独では軽くいなされる。この戦闘は「ゴジラに向かってボール状になったアンギラスをサッカーのように蹴り飛ばす」「跳び膝蹴りをかわされて頭から岩山に激突し[37]、すでに圧倒されていたアンギラス、ラドンともども折り重なって気絶する」といったコミカルな表現で描かれており、脚本上で存在したとどめの放射熱線は省略されている。
- スーツアクターは中川素州[39][45]。着ぐるみは動きやすさが重視されており、機敏な動きを実現している[46]。
- デザインは西川伸司[出典 18]。スーツは、デザイン画よりも人間的な造形となった[50]。西川は、監督の北村龍平の指示により頭を大きく描き直したが、結局造型では小ぶりになっていたと述べている[出典 19]。頭部原型は藤原カクセイが手掛けた[51]。
- 沖縄襲撃の際、現地住民が「どうされたんじゃシーサー様」と発するシーンがあったが、本編ではカットされた。
- キングシーサーの選出については、監督の北村が個人的に好きな怪獣であったためとDVDのオーディオコメンタリーにて発言している[要文献特定詳細情報]。
- 書籍『ゴジラ大辞典【新装版】』では、名称をキングシーサー(2代目)と記載している[42]。
『ゴジラアイランド』のキングシーサー
ゴジラアイランドの悟りの森に生息する怪獣[52]。島の怪獣では一番の年配で「長老」と呼ばれている[52]。神秘の力に精通しており、ゴジラがガイガンに敗れた際には、修行によって新技を習得させる。また、「怪獣神社」の番人もしており、スペースゴジラの悪霊に取りつかれたゴジラを
メカキングギドラとの戦いでは口から光線を吐く。
- 造形物はバンダイのソフビ人形。初代にあった踵の突起物がない(元のソフビ人形自体に最初から付いていない)。
その他
- 劇団こがねむしによる怪獣人形劇『ゲキゴジ』には、キングシーサーがモチーフのキャラクターのヤングシーサー[53]とミヤラビちゃん[54]が登場する。
- アニメ映画『GODZILLA』の前日譚を描く小説『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』にも登場。2029年のメガロによる沖縄進行の際、恩納村万座毛付近から突如出現し、沖縄の守り神としてメガロと相打ちになって倒れるが、市街の被害は最小限に留まった[55]。
脚注
注釈
出典
- ^ a b c d e f ヒットブックスVSメカゴジラ 1993, p. 110, 「ゲストキャラクター研究」
- ^ a b c d e f ゴジラ大全集 1994, p. 126, 「東宝怪獣総進撃 キングシーサー」
- ^ a b c d e 大ゴジラ図鑑2 1995, pp. 138–139, 「キングシーサー」
- ^ ゴジラ画報 1999, p. 178, 「ゴジラ対メカゴジラ」
- ^ a b 東宝特撮映画大全集 2012, p. 169, 「『ゴジラ対メカゴジラ』作品解説」
- ^ a b c d e f g ゴジラ1954-1999超全集 2000, p. 159, 「ゴジラ対メカゴジラ キャラクター図鑑」
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- ^ a b c d e 超最新ゴジラ大図鑑 1992, p. 132, 「[ゴジラ対メカゴジラ]キングシーサー」
- ^ a b c d e f ゴジラ画報 1999, p. 37, 「東宝怪獣紳士録」
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- ^ a b c d e ゴジラ来襲 1998, p. 210, 「第7章 特選!東宝怪獣名鑑'98」
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- ^ @godziban_jpの2020年6月20日のツイート、2020年12月23日閲覧。
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出典(リンク)
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参考文献
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- 『テレビマガジンビジュアル全集 ゴジラvsメカゴジラ』構成・執筆・編集 岩畠寿明、小野浩一郎(エープロダクション)、講談社〈講談社ヒットブックス43〉、1993年12月30日。ISBN 4-06-177741-6。
- 『増補改訂新版 超最新ゴジラ大図鑑』企画・構成・編集 安井尚志(クラフト団)、バンダイ〈エンターテイメントバイブルシリーズ50〉、1992年12月25日。ISBN 4-89189-284-6。
- 『テレビマガジン特別編集 誕生40周年記念 ゴジラ大全集』構成・執筆:岩畠寿明(エープロダクション)、赤井政尚、講談社、1994年9月1日。ISBN 4-06-178417-X。
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- 坂井由人、秋田英夫『ゴジラ来襲!! 東宝特撮映画再入門』KKロングセラーズ〈ムックセレクト635〉、1998年7月25日。ISBN 4-8454-0592-X。
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- てれびくんデラックス愛蔵版(小学館)
- 『ゴジラ1954-1999超全集』構成・執筆 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス 愛蔵版〉、2000年1月1日。ISBN 4-09-101470-4。
- 『ゴジラ ファイナルウォーズ超全集』構成 間宮“TAKI”尚彦、小学館〈てれびくんデラックス愛蔵版〉、2005年1月20日。ISBN 4-09-101498-4。
- 『東宝特撮映画大全集』執筆:元山掌 松野本和弘 浅井和康 鈴木宣孝 加藤まさし、ヴィレッジブックス、2012年9月28日。ISBN 978-4-86491-013-2。
- 洋泉社MOOK 別冊映画秘宝(洋泉社)
- 『別冊映画秘宝 オール東宝怪獣大図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2014年4月27日。ISBN 978-4-8003-0362-2。
- 友井健人 編『別冊映画秘宝 昭和メカゴジラ鋼鉄図鑑』洋泉社〈洋泉社MOOK〉、2019年4月6日。ISBN 978-4-8003-1628-8。
- 講談社 編『キャラクター大全 ゴジラ 東宝特撮映画全史』講談社、2014年7月15日。ISBN 978-4-06-219004-6。
- 『東宝特撮全怪獣図鑑』東宝 協力、小学館、2014年7月28日。ISBN 978-4-09-682090-2。
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- 『ゴジラ徹底研究 GODZILLA GODZILLA60:COMPLETE GUIDE』マガジンハウス〈MAGAZINE HOUSE MOOK〉、2014年9月5日。ISBN 978-4-8387-8944-3。
- 電撃ホビーマガジン編集部 編『ゴジラ 東宝チャンピオンまつり パーフェクション』KADOKAWA(アスキー・メディアワークス)〈DENGEKI HOBBY BOOKS〉、2014年11月29日。ISBN 978-4-04-866999-3。
- 西川伸司『西川伸司ゴジラ画集』洋泉社、2016年6月24日。ISBN 978-4-8003-0959-4。
- 『ゴジラの超常識』[協力] 東宝、双葉社、2016年7月24日(原著2014年7月6日)。ISBN 978-4-575-31156-3。
- 『シン・ゴジラWalker [怪獣王 新たなる伝説]』KADOKAWA、2016年8月6日。ISBN 978-4-04-895632-1。
- 『ゴジラ解体全書』宝島社〈TJ MOOK〉、2016年8月15日(原著2014年7月26日)。ISBN 978-4-8002-5699-7。
- 若狭新一『ゴジラの工房 若狭新一造形写真集』洋泉社、2017年10月21日。ISBN 978-4-8003-1343-0。
- 『「ゴジラ検定」公式テキスト』監修 東宝株式会社/協力 東宝 ゴジラ戦略会議、宝島社、2018年11月3日。ISBN 978-4-8002-8860-8。
- 西川伸司『西川伸司デザインワークス』玄光社、2019年2月1日。ISBN 978-4-7683-1150-9。
- 『ゴジラ 全怪獣大図鑑』講談社〈講談社 ポケット百科シリーズ〉、2021年7月2日。ISBN 978-4-06-523491-4。
- 小説
- 監修:虚淵玄、著者:大樹連司『GODZILLA プロジェクト・メカゴジラ』角川書店、2018年4月25日。ISBN 978-4-04-106345-3。