ちびうさ

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ちびうさ
美少女戦士セーラームーンのキャラクター
登場(最初) Act 14「終結そして始まり—Petit etranger」[注 1]
美少女戦士セーラームーンR・第60話「天使? 悪魔? 空から来た謎の少女」
作者 武内直子
声優 荒木香恵(テレビアニメ)
福圓美里(『Crystal』)
俳優 #キャストを参照
プロフィール
愛称 ちびうさ、ちびうさちゃん、スモール・レディ
別名 プリンセス・うさぎ・スモールレディ・セレニティ
月野うさぎ
セーラーちびムーン
ブラック・レディ
プリンセス・レディ・セレニティ
月野ちびうさ(ぱられるせぇらぁむ〜ん)
性別
種類 地球人
親戚 キング・エンディミオン(父)
ネオ・クイーン・セレニティ(母)
クイーン・セレニティ(前世の祖母)
テンプレートを表示

ちびうさは、メディアミックス作品『美少女戦士セーラームーン』のキャラクター

原作と『Crystal』では第二期、テレビアニメでは『R』後半から登場。DICエンターテイメントによる北米版の名前はRini(リニ)で、変身後はSailor Mini Moon(セーラーミニムーン)。

人物

セーラーちびムーンに変身する小さな女の子。ピンク色のお団子付きツインテール(実際はシニヨンが尖ってお団子とは言いがたく、ツインテールはコロネ型)、ハート型の前髪と赤い目[注 2]を持つ。「区立十番小学校」の1年1組に通っている。青と赤のセーラー服を着ることが多い。

初登場時は月野うさぎの「幻の銀水晶」を探して空から落ち、変幻自在の万能ロボット・ルナPボールの不思議な力でうさぎの従姉妹になりすまして月野家に居候する。なぜか「月野うさぎ」を名乗って「ちびうさ」というあだ名をつけられた。正体は未来の世界から来たうさぎと地場衛の娘で30世紀の未来都市「クリスタル・トーキョー」[注 3]の王女うさぎ・スモールレディ・セレニティ

両親譲りの正義感の持ち主。外見とドジな所は母親そっくりだが、頭も良くしっかりしていてこの辺は父親の衛に似た様子。初登場時は生意気でませた性格だったが、それは寂しさの裏返しでブラック・ムーン事件が解決すると素直な性格になる。現代のうさぎとの関係は姉妹に近く行動パターンもそっくりで、テレビアニメの衛いわく「一卵性双生児のように気の合うやつら」。

衛を未来の父親と知りながら恋に近い感情を持ち[注 4]、うさぎと衛がいい雰囲気になると邪魔することもある。しかし、第四期でエリオスに恋をすると二人の邪魔をすることは減った。

セーラープルートやお付きの猫ダイアナ、未来の両親には「スモール・レディ」と呼ばれる。プルートを「プー」、うさぎの母・育子を「育子ママ」、うさぎの父・謙之を「謙之パパ」と呼んでいる(実質的には育子と謙之は母方の祖父母)。ワイズマンやパラパラの術で大人に変身した姿は、うさぎにそっくりだが肉付きはうさぎよりも良い。

主人公の月野うさぎとうさぎの仲間たちは『なかよし』読者層よりも上の中学2年生だったが、ちびうさの登場で『なかよし』読者層、特に小学校低学年女児の人気は一気にちびうさへと傾いた。1994年2月号(1月発売)『なかよし』誌上で募集され、3月号(2月発売)で結果発表されたセーラームーンのキャラクター投票では、主役の月野うさぎを抑えてちびうさが1位になったほどである。ただしこの集計では月野うさぎとセーラームーンなど変身前と後の人格を分けて集計しており、当時ちびうさはセーラーちびムーンへの変身はまだなかった。セーラーちびムーンの初登場シーンは1994年3月号に掲載された。

プロフィール

  • 年齢:900〜902歳(原作。外見上は6〜8歳。テレビアニメ版では見た目通りの年齢)
  • 誕生日:6月30日(月野うさぎと同じ)
  • 誕生石:真珠ムーンストーン
  • 星座:蟹座(蟹座の守護星
  • 血液型:O型
  • 性格:かなりワガママ
  • 好きな色:ピンク
  • 好きな食べ物:プリン(テレビアニメではホットケーキ
  • 苦手な食べ物:ニンジン(月野うさぎと同じ。テレビアニメでは64話まで)、(テレビアニメ67話まで)[注 5]
  • 好きな教科:図工
  • 苦手な教科︰国語
  • 趣味:うさぎのグッズ集め
  • 特技:おねだり
  • 苦手な物:お留守番
  • 将来の夢:ママみたいな素敵なレディ
  • 好きな宝石:ダイヤ(月野うさぎと同じ)
  • 経歴:区立十番小学校

原作・『Crystal』版

30世紀の人類は青年期から年を取らずに1000年は生きるが、ちびうさだけは子供の姿と心のまま900年の年月を生きてきた。全能の女神と呼ばれる母ネオ・クイーン・セレニティと、無敵の戦士だった過去の母・セーラームーンには憧れと同時にコンプレックスを持っている。セーラーちびムーンへの覚醒後は明るくなり、セーラームーンを目標に戦士見習いの修業中。原作番外編の「ちびうさ絵日記」では十番小学校での生活が描かれている。

第一期の敵組織・ダーク・キングダムとの最終決戦が終わった回の末尾で初登場。うさぎと衛のデート中に現れ、うさぎを本物そっくりのおもちゃの銃で脅迫して「幻の銀水晶」を要求する過激な展開を見せる。ブラック・ムーン一族の刺客に「ラビット(Rabbit)」と呼ばれて命を狙われ、うさぎ達に問い詰められても口を噤んだ。うさぎの幻の銀水晶が入った変身ブローチを盗み、元から持っていたもう一つの幻の銀水晶も持って未来に帰ろうとしたが時空のカギが反応せず、うさぎたちに助けを求める。

30世紀では「いつまでたってもチビのまま」「額に月の王家の三日月の印がない」「セーラー戦士に変身もできない」という理由で人々に偽の王女と疑われる孤独な日々を過ごしていた。たった一人の友達だったセーラープルートとは、いじめっ子から隠れようと時空の扉の部屋に迷い込んだ時に出会った。父のキング・エンディミオンは自信を持たせようとネオ・クイーン・セレニティとセーラームーンの話をするが、かえって劣等感を募らせてしまう。ある日いじめっ子たちに「プリンセスなら『幻の銀水晶』が使えるはずだ」と言われて銀水晶を持ち出すと、銀水晶の結界が消えたクリスタル・トーキョーはブラック・ムーン一族に襲撃されてしまい、セーラームーンと過去のセーラー戦士に助けを求めようとプルートから奪った時空のカギで20世紀の世界に向かった。

第二期後半ではうさぎをブラック・ムーンにさらわれてプルートに相談に行くが、いつもさびしそうなプルートが父と楽しそうに笑う様子を見て「自分の居場所はどこにもない」と絶望する。時空の門から荒れた時空に飛び出した隙にワイズマンに心の闇をつけ込まれ、邪黒水晶を受け入れてブラック・レディに急成長。洗脳した衛を恋人のように侍らせてクリスタル・トーキョーを襲い、うさぎの『過去の幻の銀水晶』を奪い取った。

しかし、持っていた『未来の幻の銀水晶』と『過去の幻の銀水晶』をデマンドに奪われ、禁じられた時間停止を行ったプルートが絶命してしまう。悲しみの涙が第三の幻の銀水晶に変わり、ブラック・レディの姿からセーラーちびムーンへと覚醒した。ネオ・クイーン・セレニティに託されたムーンロッドによるセーラームーンとの合体攻撃でデス・ファントムを倒し、うさぎ達と別れて未来に帰る。しかし、ネオ・クイーン・セレニティに「真の友達探しとセーラー戦士の修業」の課題を与えられ、すぐに20世紀に戻って来た。少し成長したちびうさは「セーラー戦士見習い」としてセーラームーンの仲間になるのだった。

第三期では無限学園で出会った土萠ほたると仲良くなり、ほたるの発作を変身ブローチの中の銀水晶の力で鎮めた。ネオ・クイーン・セレニティの力で転生したプルートたち外部戦士に出会い、ほたるの正体がセーラーサターンと聞いて会いに行くが、ほたるの体を乗っ取ったミストレス9に銀水晶を奪われて仮死状態になり、衛のエナジーを分け与えられる。ほたるの魂に銀水晶を返されて回復すると、ほたるの魂が消えていくのを見届けてデス・バスターズとの決戦に向かい、二つ目の「伝説の聖杯」を祈りの力で生み出してスーパーセーラーちびムーンにパワーアップする。

第四期では、エリュシオンを救うために「ゴールデン・クリスタル」を探しているペガサス(エリオス)に出会う。夢の中に真の姿で現れたエリオスに恋をし、ゴールデン・クリスタルを解放する力を持つ「乙女」探しを手伝う。エリオスが探している「乙女」を自分とは思えず、予感の通りに乙女の正体がうさぎだと知って泣いてしまう。しかし、エリオスにとっての乙女はちびうさで、エリオスに乙女の啓示を授けたプリンセスの正体も、成長した未来のちびうさ=プリンセス・レディ・セレニティだった。

スーパーセーラーサターンに変身したほたると再会し、幻の銀水晶が進化したセーラークリスタル『ピンク・ムーン・クリスタル』の力でエターナルセーラーちびムーンにパワーアップ。敵幹部のアマゾネス・カルテットが変身した守護戦士のセーラーカルテットに出会い、ちびムーンの成長を待って眠りについたカルテットと別れ、最後は未来に帰った。

第五期では20世紀がシャドウ・ギャラクティカに襲われた影響で30世紀に異変が起こり、偵察に向かったダイアナが殺されるとセーラーカルテットを連れて20世紀に向かった。ギャラクシアに操られた衛達と戦い、衛のスターシードをコルドロンの海に還されるとちびうさが生まれる未来も消えてしまうが、ちびちびが変身した遥かな未来のうさぎ・セーラーコスモスの力を受けたコルドロンの中で再生する。

番外編『ぱられるせぇらぁむ〜ん』では、平行宇宙の東京に住む中学3年生の「月野ちびうさ」として登場。成績優秀で眼鏡をかけ、専業主婦の母・うさぎのだらしなさに呆れ、妹のこうさぎのドジっぷりにも手を焼いている。親友のほたると日本を牛耳ろうと東大合格を目指し、亜美を「先輩」と呼んで憧れている。

テレビアニメ

『R』ではアニメオリジナル「魔界樹編」を挟んだ後の後半「ブラック・ムーン編」から登場。30世紀は天変地異による長い眠りの後の世界で、ちびうさの年齢は不明(見た目と同じ6〜7歳の可能性が高い)。最初は家族やレイ達に甘えるうさぎを「ワガママで無責任」と嫌っていたが、UFO事件からはうさぎを信頼する。『R』ラストまではうさぎと衛が過去の両親と知らない。うさぎを尊敬しているが素直になれず、衛を取り合ったり張り合うなどで喧嘩ばかりしている。

初登場時はセーラープルートの指示で「幻の銀水晶」を探し、ルナPボールの通信機能でプルートと連絡を取っていた。うさぎと衛との出会いは原作と同じ流れで、ルナPボールの力でうさぎの家族を洗脳して月野家に居候する。ブラック・ムーン一族の刺客に「ラビット」と呼ばれて命を狙われ、泣き叫ぶと額に三日月の印を光らせて金色のエナジーを放出した。過去を追求しない衛やタキシード仮面に懐き、殆どの時間を彼に甘えてうさぎをヤキモキさせる(ちびうさがいたお陰でうさぎと衛は絶交期間中も一緒に過ごせている)。『R』22話(68話)でうさぎの布団に潜り込んで「おねしょ」をしてしまいうさぎに怒られた。

クリスタル・トーキョーが攻撃を受けたのは、母の真似をしようと「幻の銀水晶」に触って銀水晶が消失したため[注 6]。自分を庇った母が攻撃された上にクリスタルに閉じ込められて大きなショックを受け、セーラー戦士の力で過去の銀水晶を探しに来た。「月野うさぎが銀水晶を持っている」と聞いてはいたが詳しい情報は知らず、一人で銀水晶を探す孤独に耐えられず未来の両親の元に帰りたがっていた。ブラック・ムーン事件までは両親やセーラー戦士と幸せに暮らしており、いじめられてもやり返す威勢はある。改心したあやかしの四姉妹には懐いていた。

紅のルベウス達から自分を守ってくれていたセーラームーン達の正体を知ると大ショックを受け、育子の優しさを台無しにしたうさぎに怒って銀水晶入りの変身ブローチを盗んでしまう。そのまま未来に帰ろうとしたが時空のカギが反応せず、ちびうさを探しに出たマーズ達がルベウスに捕まってうさぎに怒鳴られ、責任を感じてルベウスのUFOに突入したうさぎについて行く。UFOを制御する邪黒水晶を自力で破壊するが、邪黒水晶の力が体に入って倒れ、プルートの力で精神世界に来たムーンが自分を見捨てないと分かると心を開いて邪黒水晶の力を祓われた。

転入した十番小学校1年1組で桃原桃子と友達になり、邪黒水晶のダルクヘンジを打ち込まれた小学校で、憎しみを増幅された桃子を守ろうと怒りのエナジーを暴走させる。エナジーを浴びて正気に返った桃子に庇われると母を重ねてエナジーをパワーアップさせた。怪我をした桃子のためにも母と未来の世界を助けようと決心し、時空のカギの力でムーン達を未来に連れていくが、ムーンの銀水晶でも母が目覚めずにクリスタル・パレスから飛び出した隙に、ワイズマンに記憶を書き換えられて「自分は孤独で誰にも愛されていなかった」と思い込まされる。邪黒水晶の力を受け入れてブラック・レディに変身[注 7]し、ブラック・ムーン一族の仲間に入ってムーン達を襲うが、ルナPボールが近寄ってくると側に置いた[注 8]

ムーン達の説得と銀水晶の力で記憶が戻りかけても幻覚と区別できずワイズマンに言いくるめられてしまうが、最後はネオ・クイーン・セレニティの姿に変身したムーンとタキシード仮面に抱きしめられ、本当の記憶を思い出して元の姿に戻った。『過去の銀水晶』の力を使いながら苦戦するムーンを見て後悔の涙を流し、涙が消えたはずの『未来の銀水晶』に変わってプリンセス・スモールレディ・セレニティの姿に変身。『過去と未来の銀水晶』の合体攻撃でデス・ファントムと邪黒水晶を倒して力を使い果たすが、復活した本物のネオ・クイーン・セレニティに救出された。戦いが終わるとうさぎ達と別れて未来に帰り、両親に再会する。

『S』シリーズの後半からはセーラーちびムーンに変身する力を手に入れ、ネオ・クイーン・セレニティに「友達探しとセーラー戦士の修業」の課題を与えられて20世紀に帰ってくる。ムーンを助けに再登場したが、戦闘能力はほぼ皆無のためムーンと同じく逃げ専門だった。友達を求めて十番街の美少年達に出会うがどれも不調に終わり、十番自然公園で帽子を拾ってくれた土萠ほたると友達になる。不気味な何か(ミストレス9)に怯えるほたるを助けたいと思い、セーラーサターンが目覚める前にほたるの抹殺に動いた冥王せつなことプルート達外部戦士と対立した。

終盤ではミストレス9に「ほたるを最も想うピュアな心」を狙われ、「ピュアな心の結晶」を抜き取られて仮死状態になってしまう。ルナの力で衛のエナジーを分け与えられたが、サターンに覚醒したほたるの幻にピュアな心を返されて回復した。戦いが終わるとほたるとプルートの行方を探し、赤子に転生したほたるを見つけて実体を失ったプルートの幻に説明を受けた。帰りを待つ両親の手紙が届いてお別れパーティーを開かれ、一度は未来に帰ろうとしたが、ダイモーンの生き残りが現れてそのまま20世紀に留まった。

『SuperS』では事実上の主人公として登場。人間たちの美しい夢を守る番人・ペガサスに恋をし、ペガサスの力でスーパーセーラーちびムーンにパワーアップ、ペガサスに祈りを捧げてセーラームーンに戦う力を与えた。第一話によると「女の子だからって白馬の王子様を待ってちゃだめよ。時には自分で白馬に乗って素敵な王子様を探しに行かなきゃ。運命の出会いにできるかどうかはその人次第なのよ」と信じている。

夢の世界でペガサスと秘密の逢瀬を繰り返しながら、通信アイテムの「スタリオン・オーブ」でおしゃべりした。周りの友達同士と比べて何も教えてくれないペガサスのことを知りたがるが、パラパラの逆玉の魔法で大人に変身するとペガサスを呼べなくなり、夢の世界に現れたペガサスから彼の正体と夢の森・エリュシオンの存在を知らされ、子供の姿を受け入れて魔法を解かれた。デッド・ムーンのネヘレニアの呪いの力が増すと、「ゴールデン・クリスタル」を解放できる人間を探す使命を明かしたペガサスに別れを告げられ、うさぎ達を連れてデッド・ムーンのアジトに乗り込む。

アマゾネス・カルテットとの戦いでネヘレニアにペガサスの宿主と知られてさらわれ、ペガサスもカルテットに捕まってしまう。暴走して炎に包まれたペガサスをなだめ、真の姿を取り戻したエリオス(ペガサス)と出会うが、ネヘレニアに引き離された上に呪いで眠らされてしまった。エナジーを口に含んだエリオスのキスで救われると、エリオスの励ましを受けて美しい夢を持つ地球の人々に祈りを捧げ、ゴールデン・クリスタルに力を届けてデッド・ムーンを滅ぼした。しかし、ネヘレニアの最後のあがきで城から突き落とされてしまい、セーラームーンの想いに反応したゴールデン・クリスタルに翼を授かって生還する。戦いが終わるとうさぎ達や改心したカルテットに見守られ、エリュシオンに帰るエリオスと別れた。

『スターズ』序盤ではネヘレニアの事件の影響で30世紀に帰れなくなる。衛をさらったネヘレニアとの戦いでサターンに覚醒したほたると再会するが、衛の心を支配されてうさぎと衛が結ばれる歴史が変わり、破滅の力を使おうとしたサターンを庇いながら消滅してしまう。うさぎの愛に衛が共鳴すると復活し、サターンの隣でうさぎに力を送ってエターナルセーラームーンにパワーアップさせた。

その後は30世紀に帰り、すぐに衛がギャラクシアに消されたために最後まで登場しない。うさぎは衛とちびうさとの3人で撮った写真を持っているが、星野光が月野家に来た時には同じ構図でちびうさがいない写真が登場した[1]

セーラーちびムーン

守護星に持つ未来の戦士[2]。次世代のセーラームーンとなるセーラー戦士見習いで、変身すると少しだけ身長が伸びる[3]。テレビアニメではムーンと同じく逃げ専門で、必殺技は威力と射程に欠けてしばしば不発である。原作ではスーパー変身を機に戦士見習いを卒業し、原作第五部では独り立ちして守護戦士のセーラーカルテットを仲間にしている。

コスチュームの色はチェリーピンク(原作はパステルピンク(シュガーピンク))[注 9]で、リボンの色は赤色ティアラの宝石の色は原作と『Crystal』がピンク、テレビアニメが赤。羽根入りの赤い超音波増幅バレッタ、羽根ピン、ハートのチョーカー、三日月のピアス、ピンクのロングブーツを着用する。

決めゼリフは「愛と正義のセーラー服美少女戦士見習い、セーラーちびムーン!未来の月に代わっておしおきよ!」。名乗り方はセーラームーンと同じだが、テレビアニメの最初の決めポーズは振り向きざまで、背景もピンクのレース模様と金色の光。『Crystal』及び『Eternal』での名乗りシーンの背景は、2期では三日月と朝顔の花、3期ではピンクのハートとピンクと白の薔薇の花。テレビアニメ『SuperS』及び『Eternal』では、セーラームーンと一緒の名乗りのため背景も同じ。

パワーアップ形態

スーパーセーラーちびムーン(原作第四期、テレビアニメ『SuperS』、『Eternal』)
セーラーちびムーンがスーパー変身した姿。スーパーセーラームーンと色違いの虹色のコスチュームで、肩に透明なフリルがつき、腰のリボンも透明になってたっぷりと伸び、ティアラの宝石は三日月の形になる。
原作とアニメでは細部が異なる(原作はスカート下半分の彩色は黄色→ピンク→赤、襟も黄色のグラデーションがかかるが、アニメではスカートは黄色とピンクの2色で、襟はピンク一色のまま。テレビアニメではスカートの2色がくっきり分かれているが、『Crystal』では境界線がぼやけている)。
原作・『Crystal』では第三期終盤に「セーラームーンのようになりたい」という祈りで2つ目の聖杯が誕生、セーラームーンのスーパー変身と同時に戦士達の力を受け取った。
テレビアニメでは第四期でペガサスにセーラームーンと同時に力を与えられ、ペガサスを召喚する力でスーパーセーラームーンをサポートする。
プリンセス・スモールレディ・セレニティ(原作第四期、『Eternal』)
ちびうさのプリンセスの姿。原作では裾を丸くカットして真珠を飾ったピンクのエンパイアドレス、テレビアニメではプリンセス・セレニティと同じ白いエンパイアドレスを着ている。
原作第四期で新しい聖杯が誕生して変身し、「30世紀のクリスタル・パレス」の力を召喚した。
プリンセス・レディ・セレニティ(原作第四期、『Eternal』)
大人になった未来のちびうさの姿で、エリオスに啓示を授けたプリンセスである。目のハイライトとドレスのデザインを除けばブラック・レディにそっくり。
エターナルセーラーちびムーン(原作漫画第四期終盤以降、『Eternal』)
セーラーちびムーンがエターナル変身した姿。コスチュームはムーン以外の戦士と同じ。ブローチ・ピアス・ティアラの宝石は星型になり、肩のプロテクターがピンクの球体に、スカートは二重に、ブーツが白くなる。

アイテム

ルナPボール(原作漫画第二期、テレビアニメ)
ルナの頭を模したお供のロボット。額にアンテナがつき、ゴム毬のように弾ませて催眠効果入りの傘など不思議なアイテムを取り出す。
原作と『Crystal』では喋らせることができる。登場当初のちびうさは寂しさを紛らわすのに使ったり、クラウンのゲームを操作したりしている。原作ではブラック・レディに壊されたが以前にも何度か壊れている。
テレビアニメでは何度も弾ませながら「ルナP変化!」と唱えてアイテムを取り出したり、モニター画面を映し出してセーラープルートや仲間と通信できる。ちびうさが変身したブラック・レディにも従い、ブラック・レディが攻撃と防御に使用したルナP変化はパワーが増した。
時空のカギ(原作漫画第二期、テレビアニメ『R』)
時空の扉を開けて時間を移動するためのアイテム。宝石を下げたハート型の金の鍵で、ちびうさはペンダントにして身に着けている。原作では20世紀に行くために管理人のセーラープルートから奪い取った。テレビアニメではセーラープルートから預かっている。
時空の扉を開ける呪文は「時の衛人よ!時空の扉 天空を裂き 我に開け放て!我は汝の真の名を呼ぶ 全能なる時の神 衛人の父 クロノスよ 我を導きたまえ!我を守りたまえ!光の道を我に!」。
幻の銀水晶(原作漫画第二期以降、『Crystal』)
ちびうさの涙から現れた銀水晶で、ちびうさをセーラーちびムーンに変身させた。連載時の能力解放形態はうさぎの銀水晶と同じの花の形だったが、新装版以降は牡丹の花の形に変更された。
原作第二部ではネオ・クイーン・セレニティに無断拝借した銀水晶をペンダントにつけていたが、ちびうさ専用の銀水晶を入手した後はうさぎ同様に変身ブローチに入れている。
テレビアニメで涙から現れたのはネオ・クイーン・セレニティの銀水晶で、『S』になっても登場しない。『SuperS』のちびうさの変身ブローチには銀水晶らしき宝石が入っているが、それがちびうさ専用の銀水晶かは不明。
ピンクシュガーコンパクト(テレビアニメではプリズムハートコンパクト)(原作漫画第二期終盤、テレビアニメ『S』、『Crystal』)
ちびうさの最初の変身ブローチ。ハートの宝石を重ねたパステルピンクの丸いブローチで、外部三戦士カラーの宝石入りの王冠がチェリーピンクのハートの上に乗っている。
テレビアニメでは蓋を開けずに外蓋の宝石を光らせるが、原作と『Crystal』では内蓋の中に幻の銀水晶が入っている。
ピンクムーンスティック(原作漫画第三期、テレビアニメ『S』、『Crystal』)
ちびムーンの最初の武器。星を乗せたハートの宝石のステッキで、柄の付け根に羽根つきの王冠と星のボタンがついている。チェリーピンクのハートの宝石から必殺技を発射する。原作と『Crystal』ではルナPボールが変化したアイテムとして登場。
ちびムーンコンパクト(原作漫画第四期、テレビアニメ『SuperS』、『Eternal』)
ちびうさの二番目の変身ブローチ。チェリーピンクの大きな宝石を重ねたハート型のブローチで、一番上に三日月入りの星をはめた金の翼が乗っている。コンパクトの中の内蓋には虹のリボンの装飾をかけたハート型の銀水晶が入っている。
クリスタルカリヨン(原作漫画第四期、テレビアニメ『SuperS』、『Eternal』)
ペガサス(エリオス)を呼び出すためのベル。ハート型の持ち手にがついている。
原作では華奢な小さい銀の鈴で名前も出ない。ちびうさがエリオスを呼ぶ時に使うが、エリオスから鳴らしたこともある。必殺技の発動には関与しない。
テレビアニメではペガサスの力でピンクムーンスティックが変化したアイテムで、赤と金の大きなサイズ。スーパーセーラームーンが必殺技を使う時は鳴らしてペガサスを呼ばなければならない。ピンクシュガーハートアタックを繰り出したこともある。
ちびムーンカレイドスコープ(原作第四期、劇場版『SuperS』、『Eternal』)
ちびムーン専用のムーンカレイドスコープ。第四期のスーパーセーラームーンのスコープと見た目も同じ。
スタリオンレーヴ(テレビアニメ『SuperS』)
ペガサスと通信できるオブジェ型アイテム。宝珠を巻きつけたクリスタルのオーブの中にペガサスを映し出す。
ディープ・アクア・ミラー(原作漫画第四期前半、『Eternal』)
セーラーネプチューンのタリスマン。外系戦士と別れた時にみちるから預かった再会の約束のしるし。返すとなぜか「サブマリン・ミラー」と唱えている。
ピンクムーン・クリスタル(原作漫画第四期終盤)
ちびうさのセーラークリスタル。セーラー戦士のセーラークリスタルが星型に変わると、ちびうさの銀水晶も専用アイテムのピンクムーン・クリスタルにパワーアップした。
エターナルティアル(原作漫画番外編「ヒミツのハンマープライス堂」)
ちびムーン専用のエターナルティアル。セーラームーンのエターナルティアルと見た目はほぼ同じ。

変身呪文

ムーン・プリズムパワー!メイクアップ!(原作漫画第三期、テレビアニメ『S』、『Crystal』)
セーラーちびムーンの変身呪文。
テレビアニメでは大抵変身シーンは省略され、三日月を浮かべたピンクの空を背景にポーズを取って現れる。変身シーンではピンクのハートに囲まれて全身を光らせ、新体操のように宙返りしてレオタードを着用する。ハートを散らしてアクセサリーを一つずつ装備し、最後にハートをチョーカーに乗せ、五つの星入りのリボンをかけたハートの前で決めポーズを取る。
ムーン・クライシス!メイクアップ!(原作漫画第四期、テレビアニメ『SuperS』、『Eternal』)
スーパーセーラーちびムーンの変身呪文。
テレビアニメではうさぎと同時にコンパクトを光らせて開き、ブローチから溢れ出したリボンを浴び、スピンしてリボンをレオタードに変えていく。ひらめく2枚のスカートをムーンと背中合わせに装着し、光の三日月を散らしてムーンの頬に唇を近づける位置に移動。アクセサリーを装備してムーンと見つめ合い、二人で向かい合いながら決めポーズを取る。
ピンクムーン・クリスタルパワー!メイクアップ!(原作漫画第四期終盤以降)
エターナルセーラーちびムーンに変身する呪文。
アブラ・カダブラ・ポン(原作漫画第二期、『Crystal』)
厳密には変身呪文ではないが、プルートに教わった「楽しくなる呪文」。ルナPボールから取り出した傘から鳩を出した。由来は「アブラカダブラ」。

セーラーちびムーンの必殺技

超音波攻撃(テレビアニメ)
泣き声を超音波バレッタで超音波に増幅させる。『SuperS』でセーラームーンと一緒に一回のみ使用。
ムーン・プリンセス・ハレーション(原作漫画第二期、『Crystal』)
ネオ・クイーン・セレニティのムーンロッドを借りた、セーラームーンとの合体技。
ピンク・シュガー・ハート・アタック(原作漫画第三期、テレビアニメ『S』、『Crystal』)
原作では、ピンクムーンスティックからエナジー(番外編によると「ピンクの砂糖」)を放つ攻撃。威力は若干低いが仲間と同じ浄化技で、新装版では無数のハートを放つ。
テレビアニメではピンクムーンスティックを掲げて高速スピンし、振り返るポーズを取って光のハートの輪を連射して、発射音のメロディーも鳴らす。まだ経験値が足りないせいかうまく使いこなせず、「重力で届く前に落ちる」「出ないと見せかけて暴発して自分に当たりそうになる」などで不発に終わったり、命中しても少し痛い程度で大したダメージにならないので、ギャグ要素的な削り技である。
『Crystal』では原作新装版に準じ、ロッドの先端からハート型のエネルギーを周囲360°の方向に放つ。原作同様に威力は低いが通常の浄化技である。
虹色双月心激レインボー・ダブルムーン・ハート・エイク(原作漫画第三期終盤、『Crystal』)
スーパーセーラームーンとの合体技。ピンクムーンスティックをムーンのハートムーンロッドと交差させる。
一角天馬召喚トゥインクル・エール(原作漫画第四期、テレビアニメ『SuperS』、『Eternal』)
クリスタルカリヨンの鈴を鳴らしてペガサス(エリオス)を召喚する技。
テレビアニメでは鐘の音を響かせて「お願いペガサス!みんなの夢を守って!」と跪いて祈り、オーロラを背景にカリヨンを掲げてエリオスを召喚する。ペガサスがいないとスーパーセーラームーンが必殺技を使えないので、非常に重要な技となっている。
ムーン・ゴージャス・メディテイション(原作漫画第四期、劇場版『SuperS』、『Eternal』)
スーパーセーラームーンとの合体技で、カレイドムーンスコープを使用。『Eternal』での動作は、セーラームーンの動作を逆向きで行う。
ムーン・クライシス・パワー(テレビアニメ『SuperS』第38話のみ)
地上の人々の美しい夢の力を集めてゴールデン・クリスタルの力を解き放ち、激しい金色の光でネヘレニアの力を奪った。
ピンクシュガー・タキシード・アタック(原作「かぐや姫の恋人」)
タキシード仮面の「タキシード・ラ・スモーキングボンバー」との合体技。
ピンクレディース・フリージング・キッス(原作第五期)
セーラーカルテットとの合体技。
スターライト・ハネムーン・ダブル・セラピー・キッス(原作漫画番外編「ヒミツのハンマープライス堂」、ミュージカル)
エターナルセーラームーンと二人同時にエターナルティアルを使用する合体技。

ブラック・レディ

ちびうさが第二期終盤でワイズマンに洗脳され、ダークパワーを浴びて急成長し、ブラック・ムーン一族の幹部になった姿。本人の「大人になりたい」というコンプレックスを反映してか、色気を纏う大人の女性の姿を持つ。

外見はうさぎに酷似しているが、ガラス玉のような瞳で目つきは冷たい。額にはブラック・ムーン一族の印である黒い逆さの三日月、耳には邪黒水晶のピアスを付けているが、ブラック・ムーン一族への忠誠心はなく、自分の意思で世界を滅ぼすために行動している。戦闘時には強力なダークパワーを操り、テレビアニメではちびうさだった時と同様にルナPボールを様々なものに変身させて攻撃する。

服装は胸元が広く開き、左右にスリットが入った黒いワンピースドレス(濃いピンク色のスカート裏地には青いオーガンジーが重なっている)、袖と胸部分は赤いオーガンジーで袖口にダイヤモンドが縫い付けられている。靴は赤いサテンハイヒールで、濃いピンク色のストールを羽衣のように纏っている。

原作・『Crystal』では「自分の居場所はどこにもない」という絶望を利用され、テレビアニメ版では「自分は誰からも愛されていなかった」と思い込まされて洗脳される。そのため、セーラー戦士に激しい憎悪を抱いている。原作では自らルナPを破壊したが、テレビアニメではルナPだけに心を開いて使い続けている(それを見たうさぎは正体がちびうさだと気づく)。

ゲーム「Another Story」ではヘル・デスティニーに運命を変えられてちびうさから独立した存在になり、シャーマン・アプスーの配下としてセーラー戦士たちの前に現れる。

なお原作act24の扉絵のイラストは、1993年にケイト・モスが出演したイヴ・サンローランの香水「Opium」の広告からインスパイアされている。

キャスト

声優
女優

海外版

  • 英語圏 - Rini リニ、Sailor Mini Moon セーラーミニムーン
  • フランス - アニメ Camille カミーユ、漫画(初版) Minibunny ミニバニー、変身後はSailor Chibi Moon セーラーシビムーン(フランス語式に発音)
  • イタリア - Chibiusa キビウーザ(イタリア語式に発音)、Sailor Chibiusa セーラーキビウーザ(Crystalではチビウーザと発音し、変身後はセーラーチビムーンと発音する)
  • スペイン - ちびうさ、グエリエーロ[注 16]・チビルーナ
  • ポルトガル - ちびうさ、ナヴィガンテ[注 17]・ちびムーン
  • ハンガリー - カミーユ、キス・ホールドトゥンダー
  • デンマーク - ちびうさ、セーラームーンジュニア
  • 韓国 - リトルセーラー、セーラーちびムーン
  • 香港 - 豆釘兔

脚注

注釈

  1. ^ ちびうさは女の子なので、フランス語の正しい表記は女性形でPetite étrangère。
  2. ^ うさぎと同じ目の形だがハイライトは衛と同じ。
  3. ^ 未来のうさぎことネオ・クイーン・セレニティの「幻の銀水晶」の力で東京の十番街を拠点に作られた世界。原作漫画では人類に永遠の若さと千年の寿命を与え、テレビアニメでは大変動でコールドスリープした世界を復活させて生まれた。
  4. ^ 原作・『Crystal』ではブラック・レディ時代に衛を洗脳した上でうさぎに見せつけるようにキスした。テレビアニメではうさぎと衛を取り合って喧嘩したり、「衛と結婚する」と言ったことがある。
  5. ^ 初めはレイから好き嫌い禁物と言われた後レイと衝突が生じたが、魚嫌いを克服。
  6. ^ 実際には銀水晶は消えておらず、ちびうさの体の中に隠されていた。
  7. ^ ブラック・レディの変身と同時にうさぎ達以外はちびうさの存在を忘れてしまうが、育子はちびうさの好みを覚えていた。
  8. ^ ムーン達はルナPボールを抱きしめたブラック・レディを見て正体に気づき、以降は「ちびうさ」と呼び続けた。
  9. ^ バンダイミュージカルでは見栄えを考慮してか赤みの強いピンク色だったが、ネルケミュージカルではシュガーピンクに変更された。
  10. ^ うさぎ役に最終選考まで残っていたことから、『無印』第44話から『R』第4話にあたる第44〜50話まで、三石琴乃の代役としてうさぎ役を演じた。
  11. ^ なかよしで公募されたちびうさ役のオーディション合格者。
  12. ^ 後に『永遠伝説』の初代ちびちび / セーラーちびちびムーン役と『誕生!暗黒のプリンセス ブラック・レディ』の初代ブラック・レディ役を演じた。
  13. ^ 後にネルケミュージカルで一部振付を担当している。
  14. ^ 四代目セーラーマーキュリー役の伊澤麻璃也の実妹であり、「決戦 / トランシルバニアの森」で姉妹共演を果たしている。
  15. ^ 後に「火球王妃降臨」で四代目ちびちび / セーラーちびちびムーン役を演じた。
  16. ^ 「戦士」の意。
  17. ^ 「船乗り」=セーラーの意。

出典

  1. ^ 第184話。
  2. ^ 「美少女戦士セーラームーン ANOTHER STORY」取扱説明書より。
  3. ^ 「美少女戦士セーラームーン設定資料集」より。