土萠ほたる

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土萠ほたる
ともえほたる
美少女戦士セーラームーンのキャラクター
登場(最初) Act 24「無限1—予感」
美少女戦士セーラームーンS・第111話「聖杯の神秘な力! ムーン二段変身」
作者 武内直子
声優 皆口裕子
プロフィール
別名 セーラーサターン
性別
種類 地球人
親戚 土萠創一(父)

土萠 ほたる(ともえ ほたる)は、武内直子著作の漫画作品『美少女戦士セーラームーン』に登場する架空の人物。テレビアニメ版での声優皆口裕子

初登場は原作ではAct 24「無限1—予感」、テレビアニメでは「美少女戦士セーラームーンS」第111話「聖杯の神秘な力! ムーン二段変身」。

人物[編集]

セーラーサターンに変身する。登場当初は無限学園小学部6年生。自身は病弱だが、癒しの能力を持つ。無表情で静かで慎ましい、ミステリアスな雰囲気の少女。髪は紫がかった黒いおかっぱ髪。

幼少時に事故[1]に巻き込まれ、原作では父親である土萠創一教授によってサイボーグにされていた(テレビアニメでは事故後にサイボーグ化されたとの描写は無い)。火災時に憑依していたミストレス9の復活に伴って、体を乗っ取られる。その際、魂は体の奥底に押し込められたが、後に彼女に飲み込まれたちびうさの魂と銀水晶、4守護神たちの聖体(魂)を抱え込んでかばう。その後、ミストレス9にそれらを奪われる前にと、抱え込んだすべてを手に魂だけ脱出。ちびうさたちの魂を元の体に返し、自身は一旦消滅するも、セーラームーンの『幻の銀水晶』と聖杯の力による特攻でのタリスマン発動の誘発でミストレス9が体から分離し(テレビアニメ版では最終的に彼女の強い心がミストレス9に打ち克ち)、戦士として覚醒。彼女はファラオ90と共にタウ星系へ開いた時空の門をくぐり、プルートに頼んで門を閉じた(テレビアニメ版では自らファラオ90の内部に飛び込み、ファラオ90を破壊すると同時に消滅した)が、セーラームーンの力によって赤子として再生した。

転生後は、はるか、みちる、せつなの3人に引き取られ、彼女達と一緒に暮らすこととなった(テレビアニメでは記憶を失った土萠創一教授に一旦託され、第五期の序章でサターンの力が必要になると判断したせつなが教授の下へ迎えに訪れている)。かつては病弱で暗かったが、転生後は元気で明るく少々おませな性格になっている(セーラーサターンに再覚醒後は冷静な性格も多く見られる)。

その後、原作では尋常ならざる速度で幼児まで成長しており(この時点で並外れた頭脳を見せている)、デッド・ムーンの侵入がきっかけで成長がさらに加速し、スーパーセーラーサターンとして再覚醒。その後、区立十番小学校三年三組に編入する。テレビアニメ版第5期のスターズ序章では、ギャラクシアの陰謀により、ちびうさの(表向きの)年齢と同じ8歳まで急成長し、再覚醒。こちらも人並み外れた頭脳を持ち、幼くして一般相対性理論を理解できるようになる。また、太陽系を高速でシミュレートする能力を見せるようになる。

ちびうさとは出会った時から縁があり、原作では「運命の出会いだと思った」とちびうさに語っている。転生後、同級生になってからはお互い友好な関係を育んでいる。

原作第5期ではセーラープルートがギャラクシアに襲われたのを察知して(サターンに変身せずに)冥王星に赴くが、共にギャラクシアに倒され、後にギャラクシアにより敵として復活し、他の太陽系セーラー戦士と共にセーラームーンたちに襲い掛かる。スターズ終盤では他の外部太陽系戦士と共にギャラクシアと対決するものの敗北し、配下にならないかというギャラクシアの誘いを拒否したため、ギャラクシアの配下になった(ふりをした)ウラヌスとネプチューンによってプルートと共に殺害された。いずれも最終的には復活し、元の生活に戻った。

テレビアニメ版の彼女は、セーラー戦士の中で唯一変身シーンが描かれていない。ただしセガサターン版ゲーム「美少女戦士セーラームーン SuperS - Various Emotion」の挿入クリップ動画では変身シーンのアニメーションが見られる(動画は新たに書き加えられたものであると見られるが、音楽は他の戦士と共通)。また、テレビアニメ版第5期のスターズでも登場は少なく、前半のネヘレニアとの対決と終盤のギャラクシアとの対決くらいしか登場しなかった[2]。また、テレビアニメの劇場版でもレギュラーのセーラー戦士の中で彼女のみ登場していない。

ゲーム「Another Story」ではヘル・デスティニーが運命を変えようとしている事を察知したことで急成長して力を取り戻し、再びセーラーサターンに変身してセーラームーン達と共にヘル・デスティニーとの戦いに挑む。後にヘル・デスティニーが運命を変えたことにより再びミストレス9になってしまうが、セーラームーンたちに助けられて元に戻る。ヘル・デスティニーとの闘いが終わった後は再び赤子の姿に戻った。

プロフィール[編集]

プロフィールは殆ど原作のもの。

セーラーサターン[編集]

土星を守護星に持つ沈黙、そして破滅と誕生の戦士。

禁忌の滅びの星・土星が封印された太陽系の最後の戦士セーラーサターンの使命は幻の銀水晶の持ち主が戦死の際や滅びの瞬間に姿を現し(原作では3つのタリスマンはセーラーサターンの目覚める鍵となる。3つのタリスマンが揃うと共鳴し、セーラーサターン現身の予兆が見られる。ミュージカル版では「時空の扉」を侵入された強敵が現れる時に復活し、この前は変身不能)、再生のために世界を破滅に導き、滅びと死を消し去る(ミュージカル版では宇宙が消滅することがある)。

セーラーサターンが禁忌の必殺技を持ち、全てを終わらせて禁忌の破滅の力を解放させることで、その代価として使用者自身の命を失う。テレビアニメ第五期では「破滅の力は諸刃の刃、その力を使えば自らの肉体も滅びる」とネヘレニアに述べられている。スーパーセーラームーン(原作では救世主(メシア)のネオ・クイーン・セレニティ)の再生の力により、赤子として再生した。転生した後にスーパーセーラーサターンとして、プリンセスを守るために覚醒したことで、自らも外部太陽系戦士の一員と明言されている。

「死への案内人」、「破滅の神」と「死の淵よりの使者」の別名を持つ。決め台詞は「沈黙の星、土星を守護に持つ、破滅と誕生の戦士セーラーサターン」。原作第三期の登場台詞は「破滅の星!土星を守護にもつ沈黙の戦士!セーラーサターン!」。破滅をもたらす沈黙の戦士としてのイメージが纏わりついたため、ウラヌスら外部太陽系三戦士たちに警戒されていた。セーラー戦闘服は青紫色がメインで、胸前と後腰のリボンは深い赤黒色。胸のブローチ、袖の形、手袋などが、他のセーラー戦士とまったく違う形をしている。編み上げが施された膝まであるロングブーツを履いており、ブーツのヒールが高め。イメージカラーは紫色。

「破滅と誕生の戦士」の権能の行使を単純に高い攻撃力と解すことはふさわしくはないが、あえてそう理解するなら太陽系のセーラー戦士で最強であり、星系や一つの世界を簡単に破壊してしまうほどの強大な威力を持つ。また単に必殺技が強いだけでなく、本人のエナジーも強く、テレビアニメ版においては、セーラームーンがはじき飛ばされたファラオ90の内部へも侵入してしまえる高い能力を持ち、銀河最強を謳うセーラーギャラクシアの攻撃をも相撃ちにする程である。他のセーラー戦士に比べて戦闘経験は少ないが、秘めた実力は相当なものを持っている[3]

スーパーセーラーサターン
テレビアニメ第五期ではセーラーサターンがセーラームーンの真の姿を告げる為に再生した姿(原作第四期ではプリンセスとプリンスの危機が近づいた時、再び覚醒)。以前に比べてちょっと小柄だが、パワーは数倍に持ね上がっている[4]。体よりも大きな「サイレンス・グレイブ」を最強武器に戦う。ボスとの決戦のみ現れる人物。第3期の初登場時と、再覚醒しスーパー変身した際のコスチュームは袖の形やハート型のブローチ、セーラー襟に白いラインが入り(ウラヌス・ネプチューン・プルートも同様)、手袋の紫の袖部分も尖っていたが、他のセーラー戦士と同じ、尖らない袖部分になり、それまでとは異なっている。
プリンセス・サターン
原作の第4期末で新しい聖杯が誕生した時に変化したプリンセスとしての姿。土星のセーラープリンセスの城として「タイタン・キャッスル」という城を持っている。コスチュームの基本カラーは紫色で、色以外は基本的にプリンセス・プルートと同じコスチュームである。主な相違点は、肩部のストラップと飾りが一つ少ないこと。
備考
サターンはローマの農耕神サトゥルヌスに由来。太陽から遠く運行が遅いことから年老いた神の名が付けられた。習合されるギリシャの農耕神はクロノスだが、前述の時間神とは別神であるものの、古代ギリシアでもすでに説話の混同が生じている。ユダヤ・キリスト教の悪魔、堕天使サタンとは無関係。まして「死」とも「滅亡」とも無関係で、セーラーサターンの設定は、農耕神の名残としてを持たせてみたところ、連想が死神に繋がったもの。占星術では土星が「老成」に関連付けられることとの関連を見るものもいる。原作の初期設定では守護星が土星であることからコスチュームの色が黄土色に設定されて、ドルイドの杖を持つ魔術を操るとされる特徴[5]

アイテム[編集]

  • 沈黙の鎌(サイレンス・グレイブ)
    • セーラーサターンの持つ巨大な鎌。「鎌」と訳されているが、「グレイブ」とも呼ばれるように、形状は農耕用の大鎌よりも戦鎌薙刀に近い。タリスマンより格上の威力を誇り、敵のパワーなどを吸収する力がある。この武器は総ての生と死を司ると言われ、「死の女神の鎌」の別名を持つ。沈黙の鎌が振り下ろされるとき、世界は崩壊するといわれている。
  • サターン・クリスタル(原作第4期)
    • 過去の自身が鏡に映ったことがきっかけで再覚醒した際、手に入れたセーラークリスタル。

変身呪文[編集]

  • サターン・プラネットパワー!メイクアップ! (対戦格闘ゲーム)
  • サターン・クリスタルパワー!メイクアップ! (原作第4期)

セーラーサターンの必殺技[編集]

  • 死世界変革(デス・リボーン・レボリューション[6]。原作第3期)
    • 世界そのものを破滅させてしまう禁断の技。沈黙の鎌を掲げ、体を数回転させると無数のリボンが現れて消え、同時に負のエネルギーで全てを破滅させる(リボンはもともとコスチュームの袖部分)。その力は一つの世界、即ち星系一つを消滅させるほど。
    • 対戦格闘ゲームでは沈黙の鎌から発生した高い破壊力の衝撃波を飛ばすことで攻撃する。
  • 不動城壁(サイレンス・ウォール。テレビアニメではサイレント・ウォール。原作第4期、テレビアニメ第5期)
    • 原作では沈黙の鎌からエネルギーの障壁を出現させ、彼女自身および他者を敵の攻撃から保護する。
    • テレビアニメ版のサイレント・ウォールでは他者を敵の大規模や大きい音の強力攻撃から保護する。また、ギャラクシアのブレスレットから撃ち出した光弾に防ぐ力を持っている。
  • 沈黙鎌奇襲(サイレンス・グレイブ・サプライズ。原作第4期、テレビアニメ第5期)
    • 原作と対戦格闘ゲームでは他のセーラー戦士たちと同じ通常の必殺技で、沈黙の鎌の刃から発生した強力な電撃が敵を貫く。また雷光を飛ばして攻撃もできる。
    • テレビアニメでは沈黙の鎌から発生した高い破壊力のエネルギー光球を拡散させ、沈黙の鎌を頭上から振り下ろし、周囲の環境が破滅の閃光に包まれた後消滅する。この技は世界そのものを破滅させてしまう禁忌の技(原作における死世界変革)だが、ちびうさの体を張った説得で破壊力の片鱗を見せるに留まった。
  • ギャラクティカ鎌奇襲(ギャラクティカ・グレイブ・サプライズ、原作第5期)
    • 沈黙鎌奇襲のギャラクシアに操られたバージョン。
  • ギャラクティカ・キャノン(原作第5期)
    • ギャラクシアに操られた状態で、プルートとの武器を使った合体技。巨大なカノン砲を放つ攻撃。
  • サイレンス・バスター(対戦格闘ゲームのみ)
    • 沈黙の鎌の先端から連なったリング状のエネルギーを飛ばして攻撃する。
  • ブレス・クラッシャー(対戦格闘ゲームのみ)
    • 『美少女戦士セーラームーン SuperS 全員参加!! 主役争奪戦』では空中で沈黙の鎌を振るうことで、三日月状の衝撃波を飛ばして攻撃する。
    • 『美少女戦士セーラームーン SuperS - Various Emotion』では沈黙の鎌の先端から連なった螺旋状のエネルギー波を一直線に放つ攻撃。
  • デス・ドライブ・ブレイク(対戦格闘ゲームのみ)
    • 沈黙の鎌を振って相手を乱れ撃ちした後、「デス・リボン・レボリューション」を放って相手を倒す技。

反響[編集]

テレビアニメ第3期における、病弱で、しかも数々の不幸な運命という逆境に立たされつつも他人を思いやり、クライマックスにおいて自ら運命に向き合うという儚げなキャラクター像は、放送当時のファンの心を揺さぶり爆発的な人気を得た[7]。この頃からおたく層を発祥として、美少女キャラクターに対する好意を意味する「萌え」という俗語が普及するが、その語源に関する諸説の中には、土萠ほたるの名前をルーツに求める説もある[8][9]

脚注[編集]

  1. ^ 原作ではビル建設中の火災事故、テレビアニメでは父の研究所に見学に訪れていた際の爆発事故。
  2. ^ テレビアニメ版では転生後のほたるの学校生活はほとんど描かれていない。
  3. ^ 『美少女戦士セーラームーンSuperS - Various Emotion』ブックレット第27頁より。
  4. ^ 『テレビマガジンデラックス66 決定版 美少女戦士セーラームーン セーラースターズ』第41頁より。
  5. ^ 原作『美少女戦士セーラームーン』第9巻 - 第95頁の初期設定より。
  6. ^ 一部対戦型格闘ゲームでは「デス・リボン・レボリューション」という表記もある。
  7. ^ 「空想美少女整理箱 其の7 はかなげ」『空想美少女大百科 電脳萌え萌え美少女大集合!』 宝島社別冊宝島〉、1999年1月3日、143,146頁。ISBN ISBN 4-7966-9421-8
  8. ^ 苗村章夫 (2005年6月8日). “着実にマーケット広げる「萌え」に注目!”. nikkei BPnet. 日経BP. 2011年9月8日閲覧。
  9. ^ 斎藤環 『戦闘美少女の精神分析』 太田出版2000年4月27日、51頁。ISBN 4-87233-513-9