火野レイ
火野 レイ(ひの レイ)は、武内直子作の漫画作品『美少女戦士セーラームーン』に登場する架空の人物。
アニメ版で声を演じた声優は富沢美智恵。実写版では北川景子が演じた。
英語名(北米版)はRaye Hino(レイ・ヒノ)。
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人物 [編集]
原作・実写版では第3話、アニメ版では第10話で初登場。セーラーマーズに変身する。黒髪(紫に近い)でストレートのロングヘアー。気の強い性格の少女。
普段は中高一貫の私立T.A女学院[1]に通う。アニメでは文化祭の実行委員長を務め、在校生達から絶大な人気を誇っていた[2]。
祖父は自身の住む神社の宮司で、父親(ドラマ版では隆司という名前)は政治家。母親は既に亡くなっており、キリスト教の墓地に埋葬されている。家が神社であるため、家にいる際は巫女装束を身につけている。自身も生まれながら強い霊感を持っており、迫りくる危機を察知したりする。また、炎の力を借りた占いやおまじないが得意。アニメ第19話では風邪を引いたため、うさぎを助けに行くのに、遅れたことがある。
神社の名称は「火川神社」で[3]、九字を切り護摩を焚く、神仏分離を免れた社のようである。フォボスとディモスという名前の2羽のカラスをこの神社で飼っており、ピンチのときに助けに来たこともある。
アニメ第45話では、うさぎを抜けば最後まで生き残り、DDガールズの一人相手に「ファイアー・ソウル」で倒すも、もう一人のDDガールによって重症を負う。しかし、最後の力を振り絞って残りのDDガールも倒して死亡したが、のちに銀水晶の力によって蘇った。
原作とアニメの相違 [編集]
アニメと原作でのキャラの違いが、他のキャラクターに比べて顕著である。
うさぎのことを原作では最初は「うさぎちゃん」、途中から「うさぎ」と呼ぶようになった。アニメ・実写では最初から「うさぎ」と呼んでいる(アニメのみ、ほかにも「バカうさ」や「ドジうさぎ」など)。実写ドラマは原作の設定をベースとしているが、ミュージカル版では演じるキャストによって設定が変わり、原作がベースの場合もあれば、アニメ版がベースとなっている場合もある。また、レイの祖父のキャラクター像も原作とアニメ版では異なっている。
そもそもこういった違いが生まれた背景には、原作者とアニメスタッフの六本木地区に対する印象の違いによるものとされている。T・A女学院のモデルである東洋英和女学院もアニメが放映されているテレビ朝日も六本木地区にあるのだが、前者の周辺には大使館などが多く、落ち着いた印象を与えている一方、後者の周辺にはディスコなどのある繁華街がある。このため、原作版とアニメ版とのキャラクター性の違いが生まれたのではないかとされている。
- 原作漫画・実写ドラマの性格
- うさぎたちとは一線を引き、常に凛とした態度を保っている。いわゆるクールビューティーである。原作では同じ学校の生徒に対しては「~ですわ」など、お嬢様口調で話している。神秘的な雰囲気の美人である為、男女問わず人気がある。
- 実写版では原作同様に凛としているが、うさぎに対して何か一言を言いながらも、世話を焼くお姉さん的存在でもあり、愛野美奈子にからかわれて嫌いなカラオケをアイドル「マーズ・れい子」として歌わされたりと周囲に振り回されているものの、負けず嫌いな性格。また、対立しながらも美奈子が病死したことを知って人一倍号泣するなど、感情深い面もある。
- アニメの性格
- うさぎとの漫才のような喧嘩がお約束で、ミーハー且つお馬鹿キャラである。しかし、基本的にしっかりとしていて、抜けた所のある他セーラー戦士たちの数少ないツッコミ役でもあり、『R』以降はしっかり者のツッコミ役としての面が強調されている。「プリンセスと従者」というイメージが強い原作に比べると、よりうさぎと対等な立場。
- 炎の戦士らしく情熱的な性格で、意地悪なことを言うこともあるが、本当はセーラー戦士の中で一番の友達思いである。また、うさぎの身を誰よりも案じており、うさぎが危険な目に遭うと、その身を挺して庇おうとした(その純粋さゆえか、ピュアな心をセーラー戦士の中で最初にダイモーンに狙われた)。
- 原作漫画・実写ドラマの設定
- 原作・実写共に男嫌いを自称しているものの、神社に来た理由や男嫌いの原因が異なり、実写では母親が亡くなった後、神社へ預けられた父親への反抗心から出たことが主な原因であり、原作では正確には信条的に「恋をしない」と決めているためで、男性に対して生理的嫌悪を抱くものではない[4]。また、神社に居座ったのも自ら父に反発した行動であることが祖父から語られている。
- テレビが嫌いで、新書刊コミックス第13巻に収録された外伝「レイと美奈子の女子校バトル」では「男ってバカだと思ってる」、テレビは「うるさいしくだらないし」と発言しているが、カルピスこども劇場とデビルマンは見ていたという。
- アニメの設定
- 原作・実写とは対象的に恋愛事に積極的であり、自らアプローチを仕掛けている。面食いでもあり、自己紹介する際に「レイちゃんって呼んでください」と言ったり[5]、自身の一人称に「レイちゃん」を使ったりすることがある。神社へ来た理由も、美奈子との深い関係も特に描かれていない。
- 登場当初はタキシード仮面(地場衛)に対してうさぎと同様に好意の態度を示しており、一時は交際していたものの、うさぎがプリンセスとして目覚めてからは自然消滅した。また、オリジナルキャラの熊田雄一郎に好意を抱かれ、レイ自身も第45話で「雄一郎とキスしとけばよかった」と発言するなど、満更でもなかったようだが(ただし、第30話では一応キスしている)、その後、作中で恋人同士になったような描写はなかった。
- テレビ嫌いを自称する原作とは対象的に、アニメスタジオの見学シーンが登場するエピソードなどではアニヲタとしての言動を表していた。
プロフィール [編集]
- 年齢:14〜16歳
- 誕生日:4月17日
- 誕生石:ダイヤモンド
- 星座:牡羊座
- 血液型:AB型
- 好きな色:赤、黒
- 好きな食べ物:フグ
- 苦手な食べ物:缶詰のアスパラ
- 好きな教科:古文
- 苦手な教科:現代社会
- 趣味:占い
- 特技:座禅
- 嫌いなもの:テレビ番組(原作。#原作とアニメの相違を参照)
- 将来の夢:宮司(アニメでは国際派キャリアウーマン)
セーラーマーズ [編集]
火星を守護星に持つ炎と情熱の戦士。
セーラー戦士に変身後も戦闘にお札を用い、相手の動きを止める。不思議な霊能力も持っている。決め台詞は「ハイヒールでおしおきよ!(原作)」・「火星に代わって折檻よ!(アニメ)」・「悪霊退散(3DO対戦格闘ゲーム)」。「赤いハイヒールが炎となってお怒りよ!(アニメ)」・「浄化の炎で祓いたまえ、清めたまえ!(アニメ)」など豊富にある。原作第三期の登場台詞は「火の星! 火星を守護にもつ戦いの戦士! セーラーマーズ参上!」。アニメ第56話の名乗りは「情熱の炎と臨・兵・闘・者! 祈りの力で悪を討つ! 赤いヒールのセーラーマーズ!」。ミュージカルでの登場台詞は「愛と情熱の戦士、セーラーマーズ!」。セーラー戦闘服は赤色メインで、胸前のリボンは紫色、後ろ腰は赤色。イメージカラーは赤色。最も鋭い霊感と熱い闘志で、炎の力を巧みに使う攻撃はセーラー戦士たちの軍神として恐れられている[6][7]。
登場当初から戦闘担当的な描き方をされていて、セーラージュピターと並んで彼女の高い攻撃力を強調する戦闘シーンが多かったが、R以降は戦闘シーンにおいてもギャグ的色合いが多くなり、戦闘力の高さを生かした描き方はされなかった。戦闘力の高いセーラーマーズはセーラー戦士の中では、戦闘隊長のような役割[8]。
- スーパーセーラーマーズ
- ペガサスのパワーを受けてパワーアップする姿(原作第四期ではセーラークリスタルの力がパワーアップした形態)。他のセーラー戦士と同じハート型のブローチ、リボンや肩の部分など変わった。最強武器「マーズ・アロー」を獲得した。以前の必殺技や戦闘力なども強化されている。ピアスは以前の五角星形が六角星に変わった。
- プリンセス・マーズ
- 原作の第4期末で新しい聖杯が誕生した時に変化したプリンセスの姿。火星のセーラープリンセスの城として「フォボス・ディモスキャッスル」という城を持っている。コスチュームの基本カラーは赤色で、胸元の薄赤色の部分が、フリルになった同色のスカートの中間部と繋がったデザインが特徴。
- 備考
- セーラーマーズの特質は、主に中国名「火星」の五行「火」から着想されている。マーズ=ローマ神話のマルス、ギリシャ神話のアレスは一般に戦神とされるが、火星そのものや神話のマルス・アレスから取材されたと思われる性質は、二羽のカラスフォボス・ディモスを飼っていることと攻撃力の高さがある。「フレイム・スナイパー」はマーズ・アロー(火の矢)を放つ技だが、SuperS以降の弓矢を思わせる紋章は、元来盾と槍から成る火星の紋章(惑星記号)に独自のアレンジを加えた創作である。一方「バーニング・マンダラー」は明らかに変身前のレイの習合巫女の特質と曼荼羅より取材されている。
アイテム [編集]
- 変身ペン
- ルナから授かった初の変身アイテム。色は赤色。
- ペタンコ御札
- 精神統一の言葉を発し、「悪霊退散」の黒い文字を記した札を相手の額に当て憑りついた邪気や妖魔を退ける。また、カードのように投げつけたり、動こうとする人間を足止めしたりと用途は多数。原作番外編ではヴィーナスも無断拝借してやっていた。実写版のみお札の文字の色は赤色。
- 赤いマニキュア
- セーラーマーズの爪甲を付けた赤色のマニキュア。原作の初期設定ではレーザービームを発する攻撃が可能。
- まっ赤な石のブローチ(原作新装版、実写)
- セーラーマーズの腰についている赤い宝石のブローチ。原作の初期設定ではレイが自らのペンダントヘッドを変えたもので、火炎を放つことで敵を焼き殺せる。
- スター・パワー・スティック (原作第2期、アニメR中期〜SuperS初期)
- セーラー戦士としての前世の記憶を取りもどした後、ルナが渡した二番目の変身アイテム。先端についた星型の飾りの中央にマーズの紋章が刻まれた赤色の石がついている。
- クリスタル・チェンジ・ロッド(アニメSuperS中期以降)
- ペガサスの力を受けてパワーアップした時に、スター・パワー・スティックから変化した三番目の変身ペン。先端にはマーズの紋章と弓矢が刻まれた赤い玉が付いている。このペンを得て以降はレイはスーパーセーラーマーズに変身する。
- マーズ・クリスタル(原作第4期)
- 原作でフォボスとディモスから授かったハート形の守護石。これによってレイはパワーアップした。エターナル化の際に、形が星型へ変化する。
- マーズ・アロー(原作第4期)
- スーパーセーラーマーズの専用武器であり、破魔矢が炎をまとって変化したアイテム。全身全霊を止めの矢に注ぎ、これを炎の弓で敵に射る。
- 変身携帯テレティアS(実写)
- 銀のブレスレット(実写)
- レイが自らのブレスレットを変えたものである。セーラーマーズへ変身する時にジュエリー・スター・ブレスレットに変化する。
- ジュエリー・スター・ブレスレット(実写)
- 実写版での変身アイテム。中央の宝石の色は赤。
- セーラー・スター・タンバリン(実写)
- 先端の宝石は赤色。固有技はないが、タンバリンが赤色に光った後に鳴らし叩くと、五光星のようなエネルギーや赤色の光弾を複数放つ攻撃ができる。
- マーズ・デッガース(実写)
- セーラー・スター・タンバリンが変化した二本で一対の両刃の短剣。最終決戦を前に死んだ美奈子の力と自分の力をあわせて召喚した(故に片方は美奈子のタンバリン)。短剣を生成した時に金色の輝く炎を発している場面が見られる。
変身呪文 [編集]
- マーズ・パワー! メイクアップ!
- アニメでは変身ペンが火星のマークを回転させて、真っ赤な炎の輪がレイの全身に回転する後にセーラーマーズへ変身した。ポーズを決めると、燃える烈炎の背景が現れる。
- 実写では変身時に真っ赤な花びらが舞うように見えるとされる。
- マーズ・スターパワー! メイクアップ!
- マーズ・プラネットパワー! メイクアップ!(原作第3期)
- マーズ・クリスタルパワー! メイクアップ!
セーラーマーズの必殺技 [編集]
- 悪霊退散(原作漫画、アニメ、実写全てに登場。第一期以降)
- ファイヤー・ソウル(アニメ第一期より)
- ファイヤー・ソウル・バード(アニメ第二期第54話より初登場)
- 念入れした退散札をファイヤー・ソウルで焼き、炎の鳳凰ような式神を創り出す技。破壊力そのものは元技と変わらないが、相手の攻撃を避けるように飛んで相手にむかって行く。
- バーニング・マンダラー(原作漫画、アニメ、実写全てに登場。実写以外では第二期より)
- 原作では燃えた曼荼羅絵の炎で敵を爆破する。
- アニメでは指先から火で円環状を描いた曼荼羅絵を構えた両手に集中させ、焼きたての曼荼羅を八つの凄まじい炎のエネルギーリングに変えて攻撃する。
- 実写では召喚した八つの円状の曼荼羅に火の環を囲った曼荼羅絵を変えて、曼荼羅絵の燃える炎を両手に集中させ、右手のひらから灼熱の炎の波動を一直線で敵に放つ、炎の爆裂を起こす技。
- 蛇火炎(マーズ・スネイク・ファイヤー。原作第三期)
- プラネット・パワーで強化された技。顔の前で両腕をクロスした姿勢で、炎の蛇を呼び出し、相手を絡めとり、焼き焦がす。
- 対戦格闘ゲームでは蛇頭の形の炎が相手に纏わり付く技。この技の強化版「マーズ・スネイク・フレア」でもある。
- アニメ第三期のOPにのみ登場し、本編未使用。左手から灼熱の炎の蛇ような式神を巨大化して攻撃する。
- マーズ・フレイム・スナイパー(原作、アニメ第四期より)
- 原作では破魔矢の形をした「マーズ・アロー」を使って相手を射抜く攻撃。
- アニメでは手のひらに集めた火のエネルギーを炎の弓に変え、高熱の烈炎で作った光の矢の状態に凝縮して射撃する。原作と同じで、セーラーマーズ自身の成長によって、全身の気力と霊力を集中させる必要がある。また、アニメ152話・161話と対戦格闘ゲームなどでは灼熱の光の矢で命中した相手を焼き尽くす力を秘めている。特にスーパーセーラーマーキュリーの必殺技「マーキュリー・アクア・ラプソディー」との合体技で頻繁に用いられる。
- 妖魔退散(実写)
- 原作の悪霊退散と同じ技。両手で発生させて高熱の炎の球を敵妖魔めがけて投げつけ、焼き尽くす。戦士の力覚醒の際、大きな激しい火炎を発射する。2発以上の連射攻撃が可能であった。
- 激辛ファイヤー・ソウル(アニメ第二期第51話のみ登場)
- お札ハリケーン(ゲームのみ)
- 「悪霊退散」のお札を舞わせて相手を吹き飛ばすことができる。
- ランニング・ファイヤー[13](アーケードゲームのみ)
- アーケードゲームのオリジナル必殺技である。「激しい炎を欲しい! 我が守護火星よ!」と念を込め、左手に引いて真っ赤な火炎の柱を生成し全速で疾走させて攻撃する。
- 破邪炎舞脚(ゲームのみ)
- 地面に片手をつき、軸に回転しながら、敵を蹴り飛ばす。
- バーニング・ストーム(ゲームのみ)
- 前方に巨大な赤い炎の竜巻を起こす技。
- ファイヤー・ヒール・ドロップ(対戦格闘ゲームのみ)
- 前方に高速回転しながら踵を振り下ろして、攻撃を受けた相手はヒールからの火炎で焼き殺す。
補足 [編集]
- 女優・高梨臨は子どものころ、セーラーマーズが好きだった。
- 新世紀エヴァンゲリオンの綾波レイの名前のモデルは火野レイからである。
- 巫女になったのは、作者が大学時代に芝大神宮で巫女のアルバイトを経験したため。なお、初期設定では名前が「夜野みやび」だった[14]。
- アニメ版の決め台詞「火星に代わって折檻よ!」は、原作版があまりにもどぎついということから、「アニメージュ」の一般公募で決められた(マーキュリーの「水でもかぶって反省しなさい!」もこの時の公募作)。ただし採用作は「〜折檻じゃ!」だったが、完成作は女らしく「〜折檻よ!」となった。
脚注 [編集]
- ^ 麻布の近くにある東洋英和女学院がモデルとされる。
- ^ アニメ第54話「文化祭は私のため!? レイ女王熱唱」より。
- ^ 港区元麻布に実在する麻布氷川神社がモデルとされている。
- ^ 彼女がそう思うに至った経緯は原作番外編の「カサブランカ・メモリー」にて描かれている。
- ^ レイ役の富沢美智恵もインタビューでこう言っていた。
- ^ 『美少女戦士セーラームーンSuperS - Various Emotion』ブックレット第21頁より。
- ^ 『美少女戦士セーラームーンS こんどはパズルでおしおきよ! 取扱説明書』第14頁より。
- ^ 『テレビマガジンデラックス46 決定版 美少女戦士セーラームーンR ②対決!ブラック・ムーン』第15頁より。
- ^ 新装版では「フォボス・ディモス! 神火清明・神水清明・神風清明、炎よわが手に!」へと変更された。
- ^ 『テレビマガジンデラックス46 決定版 美少女戦士セーラームーンR ②対決!ブラック・ムーン』第14頁より。
- ^ 『映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム』第66頁より。
- ^ 『映画 美少女戦士セーラームーンR メモリアルアルバム』第69頁より。
- ^ 日本国外のゲームバージョンでは「バーニング・マンダラー」と唱えている。
- ^ 新装版第3巻あとがき4コマより。
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