109 (商業施設)

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SHIBUYA109・夜景

109(イチマルキュー)は、東京急行電鉄の完全子会社である東急モールズデベロップメント(TMD)が展開するファッションビルの名称。

名称の由来

由来は「東急(とうきゅう)」の読みを数字の「10-9」 → 「いち・まる・きゅう」にあてた語呂合わせから。また、「営業時間が午前10時から午後9時まで」という意味も盛り込まれている。

概要と沿革

SHIBUYA109(渋谷)

SHIBUYA 109
渋谷駅ハチ公口前のスクランブル交差点から望む
店舗概要
所在地 150-0043
東京都渋谷区道玄坂二丁目29-1
座標 北緯35度39分34秒 東経139度41分56.5秒 / 北緯35.65944度 東経139.699028度 / 35.65944; 139.699028 (109)座標: 北緯35度39分34秒 東経139度41分56.5秒 / 北緯35.65944度 東経139.699028度 / 35.65944; 139.699028 (109)
開業日 1979年4月28日
正式名称 道玄坂共同ビル
施設所有者 丸国産業株式会社、三丸興産株式会社ほか(土地・建物)
東急百貨店東急モールズデベロップメント(建物賃借)
施設管理者 東急モールズデベロップメント
商業施設面積 10,220 m²
店舗数 121店
営業時間 物販/10:00-21:00
飲食 7F/11:00-22:30、8F/11:00-23:00
前身 戦後の闇市 ・焼け跡マーケット(恋文横丁)
→ファッションコミュニティー109 (1979-1989年)
外部リンク http://www.shibuya109.jp/
東急グループ東急
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渋谷区宇田川町周辺で展開するセゾングループ渋谷公園通りの開発に対抗して、東急グループ東急百貨店本店に続く東急本店通り(現・文化村通り)に顧客を吸引するために、TMDの前身である旧「東急商業開発」が1979年昭和54年)4月東京都渋谷区道玄坂二丁目の道玄坂下交差点に面した鋭角の角地にオープンさせた「ファッションコミュニティ109」(現・SHIBUYA109)が初の店舗であり、今なお売上の多くを占める旗艦店である。

開業当初は20代後半から30代の女性向けテナントを集積させていたが、その後方針を転換。現在では店内のほとんどが10代後半から20代前半の女性向けのテナントで占められている。その購買層からは「マルキュー」の略称で呼ばれている。 鋭角の立地を活かした円柱形のエレベーター・タワー(シリンダーと呼ぶ)が特徴の設計は、ポストモダン建築で有名な竹山実による。アルミパネルで覆われたその壁面は、渋谷駅ハチ公口前の渋谷駅前交差点(スクランブル)などからも容易に見通せるため、化粧品携帯電話や旬の歌手などの広告が掲げられ、その時々の商業戦略をうかがうことができる。

また、正面玄関前および道玄坂側の店舗前にある「109スクエア」は、シリンダー広告と連動、あるいは単独でのイベントスペースとなっている。新製品のプロモーション、サンプリング、タレントの出演など、店舗の顧客層をターゲットにすることはもちろん、地の利により多数の通行人の目に付きやすいため、週末を中心に宣伝媒体の一つとして利用されている。なお、シリンダー広告のスポンサーの決定後にイベントスペースのスポンサーが決定するため、広告が競合する場合は利用できないことがある。

渋谷のシンボルとして定着しているため、『ガメラ3 邪神覚醒』、『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』、『ドラゴンヘッド』、『日本沈没』など多くの作品で破壊される描写が登場する。

かつてはBunkamuraなどとともに東急線の車両のつり革に広告を出しており、地方に譲渡されたこれらの車両には当時の広告がいまだに残っているものもある。

店舗

109本体

SHIBUYA 109

  • 東京都渋谷区道玄坂1979年昭和54年)4月28日開業、地上8階地下2階。TOKYUポイント加盟店(一部テナントを除く)。2014年現在の営業面積は10,220m²、テナント数は121店舗。
    元「恋文横丁」や三丸洋品店跡[1]に丸國産業が中心となり、地権者や商店主(人)が協同して、東急百貨店の計画のもとに「道玄坂共同ビル」を建設。旧TMD→東急商業開発(現在の東急モールズデベロップメント)がデベロッパーとして管理・運営にあたり、ビルオーナー関係の20店舗とテナント70店舗で、「ファッションコミュニティー109」として開業。1989年平成元年)より現在の「SHIBUYA 109」に名称変更された。

109MEN'S

109 MEN'S(渋谷)
  • 東京都渋谷区神南1987年(昭和62年)10月30日開業、地上7階地下2階。TOKYUポイント加盟店(一部テナントを除く)。2014年現在の営業面積は5,849m²、テナント数は49店舗。
    渋谷駅ハチ公口の北側向かい側にあり、旧称の109-2より「キューツー」の愛称で呼ぶ人もいる。
    建設前、当地の一角には三和銀行渋谷支店(現・三菱東京UFJ銀行渋谷中央支店)が入居するビル(三和銀行の自社ビル)があった。この縁で、同支店は現在も当施設の一部を借り上げ、自社ビル時代とほぼ同じ場所で営業している。
    2006年(平成18年)3月に5階、同年9月には6階がそれぞれリニューアルして、男性向けのテナントフロア「109MEN'S」として営業を開始している。改装される以前は「JUNIOR STATION 109」としてローティーン向けのテナントが営業していた。2008年(平成20年)4月には新たに7階が「109MEN'S」としてリニューアルオープンされた。
    2011年(平成23年)3月18日に「109-2」から「109MEN'S」に改称。

KOHRINBO 109

KOHRINBO 109
(金沢市香林坊)
  • 石川県金沢市香林坊1985年(昭和60年)9月21日開業、地上5階地下3階のうちの地上4階から地下1階での営業。TOKYUポイント加盟店(一部テナントを除く)。2014年現在の営業面積は7,738m²、テナント数は73店舗。
    109初の地方出店店舗。石川県唯一のミニシアターもある複合商業施設
    地下3階と地下2階は石川県県民ふれあい公社の香林坊地下駐車場、5階は2014年現在閉鎖中。

109 MACHIDA

109 MACHIDA
(東京都町田市原町田)
  • 東京都町田市原町田2002年(平成14年)7月20日開業、地上8階地下2階のうちの地上5階から地下1階での営業。TOKYUポイント加盟店(一部テナントを除く)。2015年12月現在の営業面積は6,516m²、テナント数39店
    町田市の再開発ビル「町田センタービル」に入居し、上階(6~8階)には町田市の「まちだ中央公民館」と「町田市生涯学習センター」が、地下2階には公民館利用者用の駐輪場も同居する複合商業施設。

SHIZUOKA 109

SHIZUOKA 109
(静岡市葵区伝馬町)
  • 静岡県静岡市葵区伝馬町、2007年(平成19年)10月6日開業、地上11階地下1階のうちの5階から地下1階での営業。2014年現在の営業面積は8,528m²、テナント数は65店舗。
    商業・事務所・住宅・ホテルの複合商業施設である「静岡伝馬町再開発ビル」の商業フロア全体(5階から地下1階)を賃借して運営。

SHIBUYA 109 ABENO

  • 大阪府大阪市阿倍野区阿倍野筋(大阪阿部野橋駅付近)、2011年(平成23年)4月26日開業、あべのキューズモールの2階の一部での営業。2014年現在の営業面積は3,827m²、テナント数は35店舗。
    阿倍野再開発事業地内に開業したあべのキューズタウンの「あべのキューズモール」内にオープン[2]
    関西初の109出店にあたり、1店舗ごとの面積はSHIBUYA 109より約5-10坪広い作りとしている。また、他地域の109業態と異なり、東急モールズデベロップメント109事業部が直接運営し、リーシングから販促、従業員教育まで一貫して行っている[3]

SHIBUYA 109 KAGOSHIMA

SHIBUYA 109 HONG KONG

  • 尖沙咀海港城港威商場L3、2015年(平成27年)12月10日開業、営業面積は9,000ft²、テナント数は13店舗。

109関連事業

109MEN'S

これまで109が不得手としていた男性向けテナントの専門店として、109の一部のフロアを順次、男性向けとした。

SHIBUYA 109 DREAMS同様の進出方法を用いた109以外のビルへの出店および地方進出として、福岡市へ第1号店を出店した。

かつては以下の一部のフロアでも109MEN'Sとして営業していたことがあった。

ネットショッピング

ファッション雑誌テレビ番組による全国的な知名度を生かし、2004年(平成16年)10月より「SHIBUYA 109 NET SHOP」のブランドでインターネットショッピングにも進出し、2006年(平成18年)11月には、109MEN'Sの新鋭人気ブランドを集積した「109MEN'S NET SHOP」を開設した。2012年(平成24年)11月には、次世代の109ブランドの発掘および育成を目的に「109NET PLUS」を開設した。

かつて存在した店舗及び関連事業

ONE-OH-NINE

  • 東京都渋谷区宇田川町1986年(昭和61年)4月29日開業)、営業面積6,440m²
    テナントビル。109が10代女性向けのファッションビルへとリニューアルしたことに伴い、109が開業当初に想定していた本来の購買年齢層である20代女性向けのファッションビルとして開業した(さらに後には30代向けのONE-OH-NINE 30'sも隣接地に開業。後述)。1990年(平成2年)から1998年(平成10年)まではキーテナントにHMV渋谷店が入っていた。
    1995年(平成7年)のマルハン入居(HMV移転後増床)以降はアミューズメントビルに業態転換している(現在はマルハンパチンコタワー渋谷という名称がメーンとなっており、本来の名称は影に隠れた格好となっている)。

ONE-OH-NINE 30's

東京都渋谷区宇田川町。ONE-OH-NINEの西隣にあったテナントビル。当初は109の想定購買層変更(ビル名称の変更も伴う)により、20代女性向けのファッションビルとしてONE-OH-NINEが造られ、同様に30代女性向けのファッションビルとして同所がオープンした。しかしその後の経済状況の変化などに伴い、業態を変更した。1998年6月から2007年10月までのキーテナントはブックファースト渋谷店であった。2007年10月、建物の耐震性を理由に閉鎖。建物は直ちに取り壊され、現在跡地はShibuya Flag(キーテナントはH&M渋谷店)になっている。

TOYAMA 109

富山県富山市中央通り、1986年3月開業。北陸地方の地場不動産会社、大洋不動産がフランチャイズ契約を結び開店したが、2000年(平成12年)9月にビル名称をセプラに改称しフランチャイズ契約を解消し、109は閉店となった。

109 UTSUNOMIYA

栃木県宇都宮市江野町、オリオン通り内、2001年10月開業、旧山崎百貨店緑屋ams西武。21世紀最初に出店した109であったが、周辺の宇都宮パルコや郊外型大型ショッピングセンターとの競合もあって、売上げの不振が続き、2005年(平成17年)7月をもってわずか3年9ヶ月で閉鎖となった。建物は取り壊され、現在跡地はオリオンスクエアとして、ジャズコンサートなどのイベントに利用されている。

SHIBUYA 109 DREAMS

静岡県静岡市葵区伝馬町、2006年(平成18年)3月25日開業 - 現・SHIZUOKA 109の地下1階にてかつて営業していた[4]
「SHIBUYA 109」ブランドを活かし、地方主要都市のマーケティングに合わせた出店戦略[5]

MINATOMIRAI 109

SHIBUYA 109 OUTLET

提携クレジットカード

以下の提携クレジットカードが、2001年(平成13年)10月より発行されていた。2012年12月28日にて募集終了。2014年1月31日にて利用特典サービス終了。2月末にて取扱終了。[7]

特典として109各館及びクィーンズスクエアアット!八王子東急スクエア・SHIBUYA109 NET SHOPでのクレジットカード決済により請求時5%割引(年数回各10日間程度は10%割引、対象外施設あり)があった。

脚注

  1. ^ 三丸興産
  2. ^ SHIBUYA109ABENO 全35店の出店テナントが決定! 東急モールズデベロップメント 2011年1月31日
  3. ^ 大阪商業ビル戦争に伏兵!? シブヤ109ほか人気店を集めた「あべのマーケットパーク キューズモール」 日経トレンディ 2011年4月26日
  4. ^ 第1号店の静岡は入居していたビルのテナントフロア自体が後にSHIZUOKA 109となったが、もともとDREAMSが入居していた地下1階フロアは同名称のまま営業を続けていた。その後2012年の改装により一般フロア化したことで事実上名称は消滅した。
  5. ^ もともと、通信販売(ネットショッピング)での売り上げ(購入者居住地域)が群を抜いていた静岡地区への実店舗進出を念頭に置いて考え出された業態と言われている。第2号店以降の計画が具体化せず、静岡にあった同フロアも2012年のフロア改装によりその名称を廃し一般フロア化したため、同事業も事実上終了したとみられる。
  6. ^ みなとみらいに「マルキュー」-MINATOMIRAI 109が4月に誕生 ヨコハマ経済新聞 2010年2月5日閲覧
  7. ^ http://www.tokyu-tmd.co.jp/109card/ (「株式会社東急モールズデベロップメント」サイト内2014年1月7日閲覧)

関連項目

  • F-04C - SHIBUYA109のブランド「CECIL McBEE.」、「Pinky Girls」、「COCOLULU」とコラボレーションしたNTTドコモの携帯電話

外部リンク