水口大地

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水口 大地
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 長崎県諫早市[1]
生年月日 (1989-06-28) 1989年6月28日(34歳)
身長
体重
163 cm
70 kg
選手情報
投球・打席 右投左打
ポジション 三塁手二塁手左翼手
プロ入り NPB / 2012年 育成選手ドラフト1位
初出場 NPB / 2016年3月30日
最終出場 2020年11月9日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

水口 大地(みずぐち だいち、1989年6月28日 - )は、長崎県諫早市出身[1]の元プロ野球選手内野手)。右投左打。

経歴[編集]

独立リーグ時代[編集]

長崎県立大村工業高等学校を卒業後の2008年四国・九州アイランドリーグ長崎セインツに入団。セインツに入ったのは、土田瑞起がトライアウトを受ける際に「一人はいやだ」という理由で一緒に行くことになったのがきっかけだったという[2]。1年目は主に遊撃手として起用され、2009年はコーチの古屋剛に守備についての指導を受けたほか、二遊間を組んでいた二塁手松井宏次の技術を参考にしていた[3]2010年限りでチームが経営難で解散[3]、救済ドラフトにおいて香川オリーブガイナーズに指名され移籍した[4]。香川のコーチだった前田忠節は長崎時代から水口を評価し、球団首脳に救済ドラフトでの獲得を要望したと述べている[5]

2011年は左肘を痛め[3]、療養のために5月15日に選手契約を解除され練習生となり[6]、ホームゲームでマスコットの着ぐるみを着たり、スコアボードを操作するなど裏方の仕事を担った[3]。その後怪我の完治により、7月1日付で再度支配下選手契約された[7]2012年は1番・二塁手のレギュラーに定着[3]、9月度の成績が打率.455、出塁率.538で同月の月間MVPを受賞し[8]、シーズン通算37盗塁を記録して最多盗塁のタイトルを獲得した[9]

2012年10月25日に行われたプロ野球ドラフト会議埼玉西武ライオンズに育成1巡目で指名され[10]、支度金300万円、年俸300万円(金額は推定)で仮契約を結んだ[11]。背番号は「123」に決まった[12]

西武時代[編集]

2013年は二軍で二塁手、遊撃手として出場[13]

2014年には三塁手としても出場している[14]

2015年7月23日に支配下選手登録され、背番号が「00」へと変更された[15][16]。7月度、二軍戦で9試合に出場し、29打数12安打、打率.414の成績でイースタン・リーグの月間MVPを受賞した[17][18]

2016年は開幕を一軍で迎え[19]、3月30日の対福岡ソフトバンクホークス戦の9回に代走でプロ初出場した[20]。6月27日の対北海道日本ハムファイターズ戦では9番・二塁手で初先発出場、1回表に初打席に立ち、結果は二塁手へのゴロだった[21]。8月23日の対オリックス・バファローズ戦では、代走で途中出場後そのまま守備につき、7回表に回ってきた打席で初安打(中前安打)を打った[22]。9月1日の対ソフトバンク戦では8回裏、無死二、三塁の場面で二塁内野安打を打ち、プロ初打点を記録した[23]。二軍公式戦には54試合に出場し、外崎修汰と並んでチーム最多の16盗塁を記録した[24]

2017年は開幕一軍とはならなかった[25]が、4月29日に一軍に昇格する。同日の対千葉ロッテマリーンズ戦では「9番・二塁手」としてシーズン初の先発出場を果たす。しかし、西武の内野陣は浅村栄斗源田壮亮中村剛也がおり、なかなか先発出場をする機会がなかった。そのため、5月から外野の守備練習を始め[26]、7月11日にはプロ入り後初めて左翼の守備に就いた。最終的には自己最多の56試合に出場した。

2018年2019年は合計30試合の出場機会を得るも、2年連続で無安打に終わった。

2020年も7試合の出場にとどまり、9月6日の対日本ハム戦で3シーズンぶりの一軍での安打を記録したものの、11月13日、球団より戦力外通告を受けた[27]。 同年限りで現役引退し[28]、アカデミーコーチに就任する[29]。戦力外通告自体のショックはなく、12球団合同トライアウトの受験も考えたが、アカデミーコーチの話が持ち込まれて「子供たちに“この体でもプロになれるぞ”と教えたくなった」と将来の指導者への道も見据えて受諾したという[30]。その傍ら、2021年9月13日放送のスポーツライブ+での二軍戦、西武対楽天戦にてゲスト解説者として初出演。

選手としての特徴・人物[編集]

独立リーグ時代で50メートル走のタイムは5秒8[3]

長崎セインツ時代から香川オリーブガイナーズ入団時には打席を両打ちとしていたが[3][4]、その後左打ちに専念し[3]、香川2年目および西武入団時は左打ちとして登録されている[9][10]

憧れの選手は、俊足の二塁手という共通点がある片岡易之[3]。非常に小さい体つきだが力強い打撃も持ち味としている。

身長を高校時代は175cm[31]、西武入団時は165cmとサバを読んで登録していたが、3年目開幕前には実際の高さである163cmに修正した[30]。2015年の支配下登録時点では、当時DeNA内村賢介と並び、NPBの現役選手で最も低身長だった[32]

詳細情報[編集]

年度別打撃成績[編集]

















































O
P
S
2016 西武 20 6 6 5 3 0 0 0 3 1 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .500 .500 .500 1.000
2017 56 51 50 17 14 3 0 0 17 4 5 4 0 0 1 0 0 6 1 .280 .294 .340 .634
2018 10 3 3 2 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 .000 .000 .000 .000
2019 20 11 10 5 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 1 0 0 4 0 .000 .000 .000 .000
2020 7 6 6 2 1 0 0 0 1 0 1 0 0 0 0 0 0 2 0 .167 .167 .167 .333
NPB:5年 113 77 75 31 18 3 0 0 21 5 8 4 0 0 2 0 0 14 1 .240 .260 .280 .540

年度別守備成績[編集]



二塁 三塁 外野




































2016 西武 1 2 3 0 2 1.000 11 2 3 0 0 1.000 -
2017 11 15 18 0 4 1.000 3 0 0 0 0 ---- 2 2 0 0 0 1.000
2018 - 5 1 1 0 0 1.000 -
2019 3 2 3 0 2 1.000 3 1 8 1 0 .900 -
2020 2 4 1 0 1 1.000 2 0 1 0 0 1.000 -
通算 17 23 25 0 9 1.000 24 4 13 1 0 .944 2 2 0 0 0 1.000
  • 2020年度シーズン終了時

表彰[編集]

NPB

記録[編集]

NPB

背番号[編集]

  • 123 (2013年 - 2015年7月22日)
  • 00 (2015年7月23日 - 2017年)
  • 0 (2018年 - 2020年)

登場曲[編集]

  • 「HOT LIMIT」T.M.Revolution (2017年 - )
  • 「WHITE BREATH」T.M. Revolution (2017年7月 - ) ※偶数打席

独立リーグでの打撃成績[編集]































2008 長崎 40 108 7 20 0 10 1 7 0 4 1 19 .185
2009 79 297 43 73 0 16 4 18 0 29 2 42 .246
2010 75 278 31 76 0 17 7 17 0 29 1 36 .273
2011 香川 39 123 13 36 0 10 15 9 0 8 0 19 .293
2012 79 302 51 83 0 24 37 5 1 40 3 36 .275
通算:5年 312 1108 145 288 0 77 64 56 1 110 7 152 .260
  • 各年度の太字はリーグ最高

独立リーグでのタイトル[編集]

  • 最多盗塁:1回 (2012年)

出演[編集]

テレビ[編集]

脚注[編集]

  1. ^ a b プロ野球12球団全選手カラー百科名鑑 廣済堂出版発行(ISBN 978-4-331-80325-7) 84頁
  2. ^ アイランドリーグ出身選手たちは今 〜土田瑞起(巨人)編〜 - SPORTS COMMUNICATIONS(2013年2月7日)
  3. ^ a b c d e f g h i 独立リーグ結果&ニュース : 西武育成1位・水口、憧れの片岡を追いかけて ~アイランドリーグ・ドラフト指名選手~ SPORTS COMMUNICATIONS 2012年11月13日掲載
  4. ^ a b 長崎球団所属選手救済ドラフトの結果について 四国アイランドリーグplus 2010年10月13日掲載
  5. ^ 「水口&亀澤は攻守のキーマン」野球西国巡り 第133回 - SPORTS COMMUNICATIONS(2011年9月6日、前田の執筆)
  6. ^ 支配下選手の契約及び解除のお知らせ 四国アイランドリーグplus 2011年5月15日掲載
  7. ^ 支配下選手契約のお知らせ 四国アイランドリーグplus 2011年7月1日掲載
  8. ^ 2012年9月度 月間MVP受賞選手の発表 四国アイランドリーグplus 2012年10月10日
  9. ^ a b 2012年 ドラフト情報 四国アイランドリーグplus
  10. ^ a b 2012年ドラフト会議 全指名選手 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2012年10月25日配信
  11. ^ 西武 育成1位水口と合意、支度金、年俸とも300万円 スポニチ Sponichi Annex 2012年11月9日掲載
  12. ^ 2012ドラフト指名選手 入団発表会! 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2012年12月13日配信
  13. ^ 2013年度 埼玉西武ライオンズ 個人守備成績(イースタン・リーグ) 日本野球機構オフィシャルサイト
  14. ^ 2014年度 埼玉西武ライオンズ 個人守備成績(イースタン・リーグ) 日本野球機構オフィシャルサイト
  15. ^ 支配下選手登録(2015年度シーズン途中・2月以降) 日本野球機構オフィシャルサイト
  16. ^ 水口大地選手 支配下登録のお知らせ 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2015年7月23日配信
  17. ^ 2015年7月度「ミズノ月間MVP」受賞選手 NPB.jp 日本野球機構
  18. ^ 水口選手がイースタン・リーグ7月度「ミズノ月間MVP」初受賞! 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2015年8月10日配信
  19. ^ 2016年 開幕登録選手発表! 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2016年3月23日配信
  20. ^ 2016年3月30日 福岡ソフトバンク 対 埼玉西武 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  21. ^ 2016年6月27日 北海道日本ハム 対 埼玉西武 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  22. ^ 2016年8月23日 オリックス 対 埼玉西武 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  23. ^ 2016年9月1日 埼玉西武 対 福岡ソフトバンク 一球速報 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
  24. ^ 2016年度 埼玉西武ライオンズ 個人打撃成績(イースタン・リーグ) NPB.jp 日本野球機構
  25. ^ 出場選手登録および抹消 日本野球機構
  26. ^ 西武が掬い上げた水口大地は163cm!「野球を辞めようと思った年に」”. Number Web (2017年7月11日). 2021年8月31日閲覧。
  27. ^ 埼玉西武ライオンズ選手来季契約について”. 埼玉西武ライオンズ (2020年11月13日). 2020年11月13日閲覧。
  28. ^ ““球界最小兵”西武水口大地が引退、アカデミーコーチ就任「子どもたちと一緒に成長」”. 西日本スポーツ. (2020年12月9日). https://www.nishinippon.co.jp/nsp/item/n/671847/ 2021年1月16日閲覧。 
  29. ^ 水口大地選手のアカデミーコーチ就任決定! アカデミーコーチ人事について”. 埼玉西武ライオンズ (2020年12月9日). 2020年12月18日閲覧。
  30. ^ a b “【惜別球人】西武・水口 子供たちに伝えたい“小兵魂””. スポーツニッポン. (2020年12月30日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2020/12/30/kiji/20201230s00001173005000c.html 2020年12月30日閲覧。 
  31. ^ a b 沢口靖子、56歳で身長伸びる!が、オードリー若林は“サバ読み”と疑いの目”. テレ朝POST. テレビ朝日 (2021年8月30日). 2021年8月31日閲覧。
  32. ^ 西武支配下登録の最小兵・水口 もう“サバ読み”ない! スポニチ Sponichi Annex 2015年7月24日掲載

関連項目[編集]

外部リンク[編集]