キリスト教福音宣教会

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キリスト教福音宣教会は、韓国発祥のキリスト教宗教団体。

活動内容[編集]

韓国日本台湾香港中国本土、マレーシアイタリアアメリカなど、世界各地に30万人の信者がいるとのこと[1]。 日本には約3,000人の信者がいると言われている。

この信者数は、あくまで教義を最後まで学んだ者の数字であり、まだ正式な信者になる以前のサークルなどで活動している者を入れると更にその数は増える。

鄭明析がすべてのものを通じて神様を賛美するという思いから、説教以外に文学、美術、スポーツなど行うことから通常の宣教活動の他、文化芸術活動も行っている。

韓国では2002年より全国規模の明るい笑顔キャンペーンを実施。ワールドカップ前夜祭ではキリスト教福音宣教会の芸術団がチアショーを公演。その他禁煙・禁酒キャンペーン、塾暴力追放運動、麻薬撲滅運動、ゴミ拾い環境保全運動、障害者文化祭、アダルトサイト閲覧防止運動、リハビリ施設でのボランティア活動等、老人障害者を対象とした医療ボランティア活動などの社会奉仕活動も行っている。また、社交ダンス交流、スポーツや芸術の国際交流活動を行っている。

1999年からフランス、イタリア、アメリカ等各国で国際サッカー大会を開催し、各国でサッカーを通した国際交流を行っている。 また毎年、鄭明析の故郷で教団施設のある忠清南道錦山郡のウォルミョンドン(月明洞)においてスポーツ大会や修練会、国際文化交流などを行っている。ウォルミョンドン(月明洞)は定期的に一般開放もしている。

日本では1985年頃から宣教活動を開始している。筑波大学大学院に入学した韓国人の会員によって、筑波大学から宣教を開始した。全国50以上の大学で活動を行っている。

日本の会員の大半は、全国の国立大学や有名私立大学の学生や卒業生など20・30代の若者が多く、男女比はおよそ4対6。また、大手企業の社員や医師など社会的地位のある会員もおり、韓国人の元Jリーガーなどの著名人も在籍している。

教典および教義[編集]

礼拝に出る前の入門教義として、2009年以前は聖書を解釈した『30講論(正しくは「30個論」)』(別名『バイブルスタディ』(略称BS)、2009年以降は専ら『バイブルスタディ(BS)』(別名『25個論』もしくは『8個論』)という講義を教える。キリスト教であるため教典である聖書の通読をすすめている。

バイブルスタディーでは人間を「霊・魂・肉」に分けている。生きている人にはこの3つがあるが、人が死ぬと「霊」のみになるとされ、イエス・キリストが再臨するときは、「肉」が復活するのではなく、「霊」が再臨し、イエスがキリストとして人々を引き上げると説いている。

再臨がどのように進行するかについての教義は明確に示されている。とりわけ特徴的なのは、「コリント人への第一の手紙の15章51節~54節」と、「テサロニケ人への第一の手紙の4章16節~18節」を明確に区別し、前者を「イエス・キリストが、ご自身の肉体としてその時代に選んだ使命者を通して伝えられる御言葉のラッパ」とし、後者を「イエス・キリストが霊で再臨する合図である、天使長のラッパ」としている事である。 前者における「使命者」とは、鄭明析氏の事を暗示しているが、直接彼の名が示される事はあまり無いようである。

前者の「使命者を通して伝えられる御言葉」に聞き従い、心と行いが変化した肉体の功績「義」により、霊も肉体が行ったとおりに変化し、完全に変化した霊だけが、イエス・キリストが霊で再臨する時に、完全な天国の霊に変化し、天国に引き上げられる。そして、肉体はそのまま地上に残り、生涯を全うするが、引き上げられた霊は、天国と地上を自由に行き来し、必要に応じて肉体を助け、肉体が死んでからは、完全な天国の住人となる。この肉体の変化を「第一次引き上げ」、イエス・キリストの霊での再臨を「第二次引き上げ」と呼ぶ事もある。

この教義は、全信者が完全に理解し、伝える事も出来るようになる事が望ましいとされている。

また、イエス・キリストの愛を説く説教の他、物理、生物、文学、芸術、数学などの学問を引用し、説教の内容は多岐に渡る。早朝に起きて祈り、酒、たばこ、夜遊びをしないなど健全な生活を実践することが求められる。説教を聞くだけではなく、実質的な生活の変化の重要性を教えられる。イエス・キリストの霊の再臨を目前に、当時は伝え切れなかった福音が伝えられ、「新しい時代」が訪れると説く。

宣教方法[編集]

サークル活動を通して、教会のメンバーたちと信頼関係を深めつつ、基本的な節度を持つと判断された参加者(「新入生」と呼ばれる)は、信者のマンションでの食事会などに誘われるようになる。キリスト教福音宣教会であることを知らされないまま食事会に誘われることが多い。新入生は個別に聖書の話を切り出され、キリスト教福音宣教会独自の教義『バイブルスタディ』の講義を受ける。『バイブルスタディ』をすべて聞き終わるまでには団体が「キリスト教福音宣教会」であることが明かされ、代表者が「鄭明析」であることが明かされる。『バイブルスタディ』を学び終えた新入生は、修了式という総復習の行事を経てキリスト教福音宣教会の会員(「メンバー」と呼ばれる)となり、日曜礼拝、水曜礼拝、聖霊運動、早朝のお祈り会のほか、各種活動に参加することができるようになる。

日本での活動拠点[編集]

現在は大阪京都神戸、など関西に20箇所、東京千葉横浜など関東に35数箇所、北海道仙台名古屋岡山広島福岡熊本大分鹿児島など、日本全国約80箇所に教会がある。

会員への指導[編集]

まずは自分自身が成長すること、そして将来に良い結婚、良い家庭を作ることが教義にある。聖書に基づく婚姻、結婚に関する教育を結婚適齢期の会員にはしている。

教義上の理由により男女の交際を厳しく禁じている。これを破った信者は自主的・強制的に断食をする

会員の中には海外宣教のために韓国語、英語、中国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語を勉強している者が多い。

キリスト教福音宣教会の入門教理であるバイブルスタディでは、ひと時ふた時と半時などの講義により鄭明析が成約時代のメシアであることが暗示され、キリスト教福音宣教会の中では鄭明析が神様から送られた方であることは公然の秘密となっていたが、2008年に鄭明析が公判で「私は自分をメシアとは教えていない」と発言して以降、鄭明析をキリストと信じていたのは信者たちの間違いであり、キリストはイエス・キリストのみであると教えられるようになり、2009年3月にはバイブルスタディの内容もそのように変更するよう通達がなされた。 現在は、鄭明析に御子イエスの霊が共にしているという考え方を持つよう指導されている。
また、この変更により、30個論も講義が削除、統合され25個論となり、説教の中で「イエス様が用意した命がたくさんいるから、そのような人が早く礼拝に出られるようにしなさい」と言われたことから、本当に早く礼拝に参加させたい新入生用に8個論が作られた。講義の呼称については、2010年に「講義の個数ではなく、その中身が重要である」との通達がなされ、2011年現在は専ら『バイブルスタディ(BS)』の呼称が用いられている。
今までは既存のキリスト教との差異を強調していたが、そのようなことはせず、むしろ三位一体論を導入して、同調する動きもある。既存のキリスト教を批判するような説教もしてはならないと言われる。イエスについても、今まではイエスが人であったことに重点が置かれていたが、今は神のひとり子として世の初めから存在した霊的な存在として教えられる。

2011年、東日本大震災の際には、鄭明析は教団幹部に即座に被災地を訪問、支援するように指示した。 また会員だけでなく、被害に遭った会員の家族にも、見舞い金を渡した。

教団の起源[編集]

教団創始者の鄭明析は1945年、大韓民国中部、忠清南道錦山郡珍山(チンサン)面ソンマンリ生まれ。幼い頃からキリスト教(プロテスタント長老派)の信仰を持っており、日曜学校に通っていた。1966年、1968年の2度にわたりベトナム戦争に参戦して得た資金を、錦山・チンサンのソンマック教会の建設に出資している。

鄭明析は1975年に統一協会に入信したが、1977年に脱退した。勝共連合の講師を務めたとも言われる。

1978年6月1日、ソウル西大門区(ソデムング)南加佐洞(ナムガジャドン)において宣教を開始し、1980年2月頃、キリスト教・プロテスタント系新宗教「愛天教会」を設立した。

1983年にはキリスト教・メソジスト派のヨハンウェスレー神学校に通い、1985年に牧師按手を受けた。

その後、愛天教会は「明星教会」、「韓国大学生宣教会」、「世界青年大学生MS連盟」、「国際クリスチャン連合」、「JMS (Jesus Morning Star)」、「キリスト教福音宣教会」などと組織と名称を変え、現在に至る。韓国での通称である「JMS」は鄭明析のイニシャルでもある。日本では1999年以前は「MS教」、最近では「摂理」と呼ばれることが多い。

献金[編集]

全国の「教会」で毎週日曜日に行われる「主日礼拝」の際に献金の時間がある。

献金するかしないかは個人の自由とされ、毎週の献金額は基本的に自由である。真心の献金が良いとされる。一般的なキリスト教と同様、聖書の記述(創世記、マラキ書等)に従って、年に収入の10分の1の献金(什一献金)をするのが平均的と指導され、毎週日曜の説教の後にも別に献金をささげる。また、人によって、感謝献金や、鄭明析の指示で開発を続けているウォルミョンドン開発費に捧げる人たちもいる。 無理矢理にする献金や、いい加減にする献金、義務的にする献金は禁止されている。

韓国では冬場に、恵まれない人や心臓病の子供などに対する助け合いなどを名目に街頭や地下鉄で、ピーナッツ売りをしていたこともあった。他には石鹸、洗剤、浄水器、自動車のバックミラー、鯛焼きなどを売っていたという。集金は「ユニセフに送金」と言われるものの具体的な金銭の流通は一切明らかにされない。

祝福式[編集]

理想的な家庭をつくるために、結婚前は自分自身の信仰的成長に最大限力を注ぐ。なので、以前は結婚する人がなかなかいなかったが、1990年1月に教団の副総裁だった 安クヒョンが公式的に結婚したことを期に、信者の結婚が解禁された。その後、「祝福式」と呼ばれる信者同士の結婚式が行われるようになった。1992年には100組の祝福式が行われた。

近年は、2年に1回のペースで行われており、2010年の春までに、日本人信者を対象にした「祝福式」が7回行われ、150組以上が成婚した。 祝福行事は2泊3日ほどの合宿形式で行われ、男女とも27歳以上、信仰歴3年以上が参加条件とされる。

沿革[編集]

  • 1980年
    • 2月 - 鄭明析がソウル西大門区(ソデムング)南加佐洞(ナムガジャドン)に「愛天教会」を創設。当時は執事をしており、説教はしなかったという。
    • 11月 - 公式的伝道活動に入る。
  • 1982年
    • 鄭明析が「MS宣教会」を設立。
  • 1983年
    • 鄭明析がキリスト教メソジスト派の牧師となる。
  • 1985年
    • 「ウェスレー神学院」を開設。
  • 1990年
    • 田植えなどの奉仕活動を開始する。
    • 摂理神学院を開院。
  • 1993年
    • 地球をきれいに環境キャンペーン実施。
  • 1996年
    • 国際クリスチャン連合として組織を改編。
  • 1999年
    • キリスト教福音宣教会設立
    • フランス・パリ「第1回国際平和サッカー大会」
    • イタリア・ミラノ「第2回国際平和サッカー大会」
  • 2000年
    • ドイツ・シュトゥットガルト「第3回国際平和サッカー大会」
    • イギリス・ロンドン「第4回世界親善サッカー大会」
  • 2001年
    • 台湾・台北「第1回アジア平和杯サッカー大会2001」
    • アメリカ・ハワイ「第5回世界平和交流大会」
    • CGMボランティア団創立
  • 2002年
    • 韓国・大田「第6回GACPカンファレンス」
  • 2003年
    • カナダ・バンクーバー「第7回GACPカンファレンス」
    • スペイン・グラナダ「第1回ヨーロッパGACP平和カップ大会」
  • 2004年
    • 日本・長野「第8回GACPカンファレンス」
    • 韓国・忠清南道錦山郡珍山面月明洞(ウォルミョンドン)に世界宣教センターを起工した。
    • 光州 国土愛キャンペーン
  • 2005年
    • 韓国・月明洞(ウォルミョンドン)に構想美術館を開館。
    • 鄭明析著の「救い論」を出版
    • ワールドピース・スーパーモデル選抜大会
    • 韓国・月明洞(ウォルミョンドン)「世界平和テコンドーワークショップ」
    • ソウル 2005希望分かち合いマラソン大会
  • 2006年
    • 京畿道ヨンイン青少年ボランティア教室、ボランティアキャンプを進行
    • 仁川市長感謝杯受賞、ヨンイン優秀ボランティア団体受賞
  • 2007年
    • 仁川広域市政務部市長感謝杯受賞、忠南道知事賞を受賞
    • アジア国際文化祝典ボランティア
    • ヨンイン市長賞を受賞
  • 2009年
    • 全世界天国聖霊運動開始
  • 2013年
    • 鄭明析著の「詩の女」「詩で語る」を出版

教団の用語[編集]

先生
創始者の鄭明析(チョン・ミョンソク) ソンセンニム(韓国語)
JMS
鄭明析のイニシャル
SS
中学生や高校生の信徒(Shining Star)
銀河
キリスト教福音宣教会で結婚した夫婦から生まれた子供。
月明洞(ウォルミョンドン)
キリスト教福音宣教会の聖地である鄭明析の故郷。韓国 忠清南道 錦山郡 珍山面 月明洞。
自然聖殿
月明洞にある、芝生と岩からなる屋外の礼拝場
岩の造景
鄭明析の指導の下、信徒達が月明洞の斜面に多数の岩を並べて作った造形

関連項目[編集]

参考文献・出典[編集]

  1. ^ 摂理のポータルサイト出会いと対話によると2007年時点で世界50カ国、約20万人の会員。

外部リンク[編集]