ルーク・ファンミル

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ルーク・ファンミル
Loek van Mil
東北楽天ゴールデンイーグルス時代
(2014年9月13日 西武ドームにて)
基本情報
国籍 オランダの旗 オランダ
出身地 北ブラバント州オス
生年月日 (1984-09-15) 1984年9月15日
没年月日 (2019-07-28) 2019年7月28日(34歳没)
身長
体重
7' 1" =約215.9 cm
260 lb =約117.9 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2005年
初出場 NPB / 2014年9月14日
最終出場 NPB / 2014年
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
派遣歴
国際大会
代表チーム オランダの旗 オランダ代表
五輪 2008年
WBC 2013年2017年
プレミア12 2015年
獲得メダル
男子 野球
オランダの旗 オランダ
ヨーロッパ野球選手権大会
2016 野球
ハーレムベースボールウィーク
2016 野球
フランス国際野球大会
2016 野球

ルドフィクス・ヤコブ・マリア・ファン・ミル(Ludovicus Jacobus Maria van Mil、1984年9月15日 - 2019年7月28日)は、オランダ北ブラバント州オス出身のプロ野球選手投手)。

NPBでの登録名は前置詞と姓を繋げた「ファンミル[注釈 1]

日本プロ野球史上最高身長及び初のオランダ本国出身の選手。尚、NPB初のオランダ「国籍」の選手はオランダ自治領キュラソー島出身のヘンスリー・ミューレンスが初。

経歴[編集]

プロ入り前[編集]

2005年まではオランダホーフトクラッセでプレーしていた。

ツインズ傘下時代[編集]

ニューブリテン・ロックキャッツ時代
(2009年8月)

2005年7月7日にミネソタ・ツインズと7年契約を結ぶ[1]

2006年はルーキー級ガルフ・コーストリーグ・ツインズで10試合(8試合で先発)登板し、1勝2敗、防御率3.30、24奪三振を記録した[2]

2007年はルーキー級エリザベストン・ツインズで13試合に登板し、2勝2敗、防御率2.63、23奪三振を記録した[2]

2008年はA級ベロイト・スナッパーズで開幕を迎えた。シーズン途中の8月には北京オリンピック野球オランダ代表に選出された[3]。シーズンでは、28試合に登板し、2勝2敗、防御率2.63、23奪三振を記録した[2]

2009年はA+級フォートマイヤーズ・ミラクルで開幕を迎え、25試合に登板。0勝0敗5セーブ、防御率2.86、23奪三振を記録し[2]、8月13日にAA級ニューブリテン・ロックキャッツへ昇格[4]。8試合に登板し、1勝1敗1セーブ、防御率2.45、5奪三振を記録した[2]。オフの11月20日にマイナー契約で再契約した[5]

2010年3月14日にAA級ニューブリテンへ異動した[6]が、5月11日にA+級フォートマイヤーズへ降格した[7]。A+級で3試合に登板後[2]、5月17日にAA級ニューブリテンへ昇格[8]。23試合に登板し、1勝2敗、防御率6.37と結果を残せず[2]、8月27日にDFAとなった[9]

エンゼルス傘下時代[編集]

2010年9月1日にブライアン・フエンテスとの交換トレードでロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイムに移籍し[10]。9月2日にAA級アーカンソー・トラベラーズへ配属された[11]。1試合の登板に終わった[2]

2011年3月15日にAA級アーカンソーへ異動[12]。4月3日に7日間の故障者リストに登録された[13]。4月28日に7日間の故障者リストから復帰し[13]、この年は30試合(1試合で先発)登板。3勝5敗、防御率2.04、46奪三振を記録した[2]。オフの11月17日にAAA級ソルトレイク・ビーズへ昇格した[14]

2012年はAAA級ソルトレイクで8試合に登板し、1勝0敗、防御率6.30、5奪三振を記録した[2]

インディアンス傘下時代[編集]

2012年5月5日にトレードでクリーブランド・インディアンスへ移籍し[15]、5月6日にAAA級コロンバス・クリッパーズへ配属された[16]。5月7日にAA級アクロン・エアロズへ降格した[17]。8月14日にAAA級コロンバスへ昇格[18]。この年はAA級アクロンで27試合に登板し、1勝1敗、防御率1.94、40奪三振を記録[2]。AAA級コロンバスでは、6試合に登板し、0勝0敗、防御率6.48、4奪三振を記録した[2]

オフの9月に第32回ヨーロッパ野球選手権大会のオランダ代表に選出されている。11月2日にFAとなった。

レッズ傘下時代[編集]

2012年12月14日シンシナティ・レッズとマイナー契約を結んだ。12月15日にAA級ペンサコーラ・ブルーワフーズへ配属された[19]

2013年開幕前の3月に開催された第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)オランダ代表に選出された[20]

シーズンでは開幕をAA級ペンサコーラで迎え、48試合に登板。0勝9敗8セーブ、防御率3.38、32奪三振を記録[2]。8月26日にAAA級ルイビル・バッツへ昇格した[21]。昇格後は3試合に登板し、0勝1敗、防御率6.75、2奪三振を記録した[2]。オフの11月4日にFAとなった。その後は福岡ソフトバンクホークスの秋季キャンプにテスト生として参加した[22]ものの、契約に至らなかった。

楽天時代[編集]

2014年2月に東北楽天ゴールデンイーグルスの春季キャンプにテスト生として参加した[23]3月3日に育成選手としての契約で同球団と合意した。当初の背番号は「146」だったが、3月25日に支配下登録選手へ移行し、背番号を「46」に変更した。9月14日の対西武戦(西武ドーム)で中継ぎでプロ初登板を果たした[24]。この試合では、1回を投げて無失点だった[24]。オフの12月2日に自由契約公示された[25]

オランダ球界時代[編集]

2015年2月17日に「GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン 対 欧州代表」の欧州代表に選出された[26][27]。3月10日の第1戦に5番手として登板し、敗戦投手となっている[28]。来日中の3月3日に、母国オランダのホーフトクラッセのキュラソー・ネプテューヌスと契約を結んだ[29][30]。これにより、9年振りのオランダ球界復帰となった。

シーズン中の4月13日に第15回ワールドポート・トーナメント第1回WBSCプレミア12のオランダ代表候補選手に選出された[31]。6月30日に第15回ワールドポート・トーナメントのオランダ代表に選出された[32]

ツインズ復帰[編集]

2015年7月29日に古巣のツインズとマイナー契約を結んだ。9月1日にAAA級ロチェスター・レッドウイングスへ配属された[33]。同年は、3試合に登板し、1奪三振を記録した[2]

オフの10月12日に第1回WBSCプレミア12のオランダ代表候補選手36名に選出され[34]、10月20日に同大会のオランダ代表選手28名に選出された[35]

2016年4月25日に解雇された。

ネプテューヌス復帰[編集]

2016年シーズン途中にネプテューヌスに復帰した。7月9日に第28回ハーレムベースボールウィークオランダ代表に選出された[36]

オフの8月25日に第2回フランス国際野球大会オランダ代表に選出された[37]。9月7日に第34回ヨーロッパ野球選手権大会オランダ代表に選出された[38]。両大会で優勝を果たした[39]

10月18日に日本代表との強化試合のオランダ代表に選出された[40]

11月にオーストラリアウィンターリーグであるオーストラリアン・ベースボールリーグ(ABL)のアデレード・バイトと契約を結んだ。日本代表との強化試合終了後に参加した。

2017年開幕前の2月7日に同年のアメリカ遠征のオランダ代表に選出された[41]2月9日第4回WBCオランダ代表に選出され、2大会連続2度目の選出を果たした[42]

オフの10月20日に3年連続でABLに参加し、バイトでプレーすることになった[43]

2018年、シーズンオフにブリスベン・バンディッツと契約を結び、4年連続でABLに参加することになったが、後述の事故により途中離脱。しかし驚異的な回復を見せて1月に復帰するとプレーオフでは4回2/3を投げて防御率1.93の好記録を残した。

2019年7月28日にファンミルが所属していたブリスベンは公式ツイッターで死亡事故に遭ったと発表した[44][45]。満34歳没。

選手としての特徴[編集]

身長は216cmで、NPB球団への所属経験がある選手では歴代最長身に当たる[46]

2mを超す長身であるため、高めのスリークォーターから150km/hを超えるストレート(日本での最速は152km/h[24])は、非常に鋭い角度を伴う。また、スライダーチェンジアップに加えて、落差はないものの小さい変化で鋭く落ちるスプリットをウィニングショットに使う[47]

人物[編集]

10歳まで、1964年の東京オリンピック柔道無差別級で金メダルを獲得したアントン・ヘーシンクの主催する道場で柔道を習っていた[48]

2018年12月8日にプライベートでハイキングに行っていた際、岩に足を滑らせて頭を強打してしまい後に「脳出血・14ヶ所の頭蓋骨骨折・鼓膜破裂・4ヶ所の出血」と診断される大怪我を負い、一時意識不明の重体になった。しかし翌日に意識を取り戻すと自力で下山し、偶然出くわしたハイカーによって病院に連れられたため大事には至らなかった。1月にはプレーできるまでに回復していたが、2019年7月28日、事故により死去。34歳没[49]

詳細情報[編集]

年度別投手成績[編集]





















































W
H
I
P
2014 楽天 7 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 39 8.2 7 0 7 0 1 7 0 0 4 4 4.15 1.62
通算:1年 7 0 0 0 0 0 1 0 0 .000 39 8.2 7 0 7 0 1 7 0 0 4 4 4.15 1.62
  • 2018年度シーズン終了時

記録[編集]

背番号[編集]

  • 146 (2014年当初 - 2014年3月24日)
  • 46 (2014年3月25日 - 同年終了)
  • 46 侍JAPAN強化試合・オランダ代表

代表歴[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Major League Transaction Impacts Rock Cats' Roster
  2. ^ a b c d e f g h i j k l m n o Loek van Mil stats MiLB.com (英語)
  3. ^ 北京五輪 スポニチ Sponichi Annex 野球
  4. ^ Eastern League Transactions 2009 August MiLB.com (英語) (2009年8月13日) 2015年10月20日閲覧
  5. ^ Eastern League Transactions 2009 November MiLB.com (英語) (2009年11月20日) 2015年10月20日閲覧
  6. ^ Eastern League Transactions 2010 March MiLB.com (英語) (2010年3月14日) 2015年10月20日閲覧
  7. ^ Florida State League Transactions 2010 May MiLB.com (英語) (2010年5月11日) 2015年10月20日閲覧
  8. ^ Eastern League Transactions 2010 May MiLB.com (英語) (2010年5月17日) 2015年10月20日閲覧
  9. ^ Eastern League Transactions 2010 August MiLB.com (英語) (2010年8月27日) 2015年10月20日閲覧
  10. ^ Twins send Van Mil to Angels completing Fuentes trade
  11. ^ Texas League Transactions 2010 September MiLB.com (英語) (2010年9月2日) 2015年10月20日閲覧
  12. ^ Texas League Transactions 2011 March MiLB.com (英語) (2011年3月15日) 2015年10月20日閲覧
  13. ^ a b Texas League Transactions 2011 April MiLB.com (英語) 2015年10月20日閲覧
  14. ^ Pacific Coast League Transactions 2015 October MiLB.com (英語) (2011年11月17日) 2015年10月20日閲覧
  15. ^ Angels trade 7-foot-1 Van Mil to Indians
  16. ^ International League Transactions 2012 May MiLB.com (英語) (2012年5月6日) 2015年10月20日閲覧
  17. ^ Eastern League Transactions 2012 May MiLB.com (英語) (2012年5月7日) 2015年10月20日閲覧
  18. ^ International League Transactions 2012 August MiLB.com (英語) (2012年8月14日) 2015年10月20日閲覧
  19. ^ Southern League Transactions 2012 December MiLB.com (英語) (2012年12月15日) 2015年10月20日閲覧
  20. ^ 2013 Tournament Roster Archived 2015年2月19日, at Archive.is The official site of World Baseball Classic (英語) 2015年3月6日閲覧 [リンク切れ]
  21. ^ International League Transactions 2013 August MiLB.com (英語) (2013年8月26日) 2015年10月20日閲覧
  22. ^ ソフトバンク 秋季キャンプで外国人3投手をテスト”. スポニチ Sponichi Annex (2013年11月8日). 2013年11月25日閲覧。
  23. ^ 楽天がミトレ、ファンミル両投手をテスト”. 日刊スポーツ (2014年2月6日). 2014年2月7日閲覧。
  24. ^ a b c d “216センチ楽天ファンミルが衝撃デビュー”. 日刊スポーツ. (2014年9月14日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/f-bb-tp0-20140914-1366646.html 2014年9月15日閲覧。 
  25. ^ 2014年度 自由契約選手 日本野球機構オフィシャルサイト 2014年12月4日閲覧。
  26. ^ 欧州代表が選手発表!NPB所属の2選手も招集[リンク切れ] 侍ジャパンオフィシャルサイト (2015年2月17日) 2015年2月18日閲覧
  27. ^ Europe vs Japan Rosters Announced; Asics Sponsors Europe as Official Outfitter CONFEDERATION OF EUROPEAN BASEBALL (英語) (2015年2月17日) 2015年2月18日閲覧
  28. ^ ひかりTV 4K GLOBAL BASEBALL MATCH 2015 侍ジャパン 対 欧州代表 第1戦 2015年3月10日(火) 東京ドーム 打席結果・投打成績[リンク切れ] 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2015年3月10日) 2016年3月10日閲覧
  29. ^ Loek van Mil terug in de hoofdklasse de Nederlandse honkbalsite (オランダ語) (2015年3月3日) 2015年3月6日閲覧
  30. ^ Loek van Mil completeert selectie Curacao Neptunus キュラソー・ネプテューヌス公式サイト (オランダ語) (2015年3月3日) 2015年3月6日閲覧
  31. ^ Leonora in voorselectie van Oranje[リンク切れ] KNBSB (オランダ語) (2015年4月13日) 2015年4月26日閲覧
  32. ^ Steve Janssen maakt selectie voor WPT bekend[リンク切れ] KNBSB (オランダ語) (2015年6月30日) 2015年8月1日閲覧
  33. ^ International League Transactions 2015 September MiLB.com (英語) (2015年9月1日) 2015年10月20日閲覧
  34. ^ Bernadina en Jones in selectie voor Premier 12[リンク切れ] de Nederlandse honkbalsite (オランダ語) (2015年10月12日) 2015年10月20日閲覧
  35. ^ Definitieve selectie Kingdom of the Netherlands voor de Premier12[リンク切れ] KNBSB (オランダ語) (2015年10月20日) 2015年10月20日閲覧
  36. ^ Garia en de Caster meest opvallende namen in selectie Honkbalweek KNBSB (オランダ語) (2016年7月9日) 2016年7月17日閲覧
  37. ^ Rob Cordemans met Koninkrijksteam naar Sénart Honkbalsite | Honkbalnieuws uit Nederland (オランダ語) (2016年8月25日) 2016年11月8日閲覧
  38. ^ Bernadina voor EK terug in nationale ploeg Honkbalsite | Honkbalnieuws uit Nederland (オランダ語) (2016年8月25日) 2016年9月2日閲覧
  39. ^ Netherlands win European Championship 2016 The official site of Confederation of European Baseball (英語) (2016年9月18日) 2016年11月8日閲覧
  40. ^ [1] KNBSB Nieuws (knbsb.nieuws) - Facebook (2016年10月18日) 2016年11月8日閲覧
  41. ^ Selectie Koninkrijksteam voor trainingskamp Arizona Honkbalsite | Honkbalnieuws uit Nederland (オランダ語) (2017年2月7日) 2017年3月7日閲覧
  42. ^ Tien hoofdklassers in definitieve WBC-selectie Honkbalsite | Honkbalnieuws uit Nederland (オランダ語) (2017年2月9日) 2017年3月3日閲覧
  43. ^ Rising Astro signs as star Dutchman returns ABL.com (英語) (2017年10月20日) 2017年10月22日閲覧
  44. ^ 元楽天の長身右腕ファンミル投手が事故死 34歳”. 日刊スポーツ (2019年7月28日). 2020年11月13日閲覧。
  45. ^ 元楽天投手 ファンミル氏が34歳で死去 死因は「ヨーロッパでの事故」 デイリースポーツ 2019年7月29日[リンク切れ]
  46. ^ 楽天 史上最長身2メートル16、ファンミルと育成契約「結果残したい」”. スポニチアネックス (2014年3月3日). 2014年3月3日閲覧。
  47. ^ 王さん驚く馬場さんよりデカイ216cm投手”. nikkansports.com (2013年11月14日). 2013年11月16日閲覧。
  48. ^ ソフトB 2メートル16腕、キャンプ地に“襲来””. スポニチ Sponichi Annex (2013年11月12日). 2013年11月16日閲覧。
  49. ^ ルーク・ファンミル氏死去=元プロ野球楽天投手 時事 2019年7月29日

注釈[編集]

  1. ^ ユニフォームの背中に記される名前は「VAN MIL」。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]