ヨッシーのクッキー

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ヨッシーのクッキー
Yoshi's Cookie
ジャンル パズルゲーム
対応機種 ファミリーコンピュータ(FC)
ゲームボーイ(GB)
スーパーファミコン(SFC)
Wii
開発元 トーセ
発売元 任天堂
プロデューサー 横井軍平
ディレクター 山本雅央
山上仁志
たかさごたつひろ
RYOJIN
プログラマー ヂュー・リー
よしかわのなえ
山本雄一
音楽 生田ノブヤ
佐藤亜希羅
TSUTOMU
西坂紀子
美術 日野重文
松本千恵子
いのうえみか
シリーズ ヨッシーシリーズ
人数 1 - 2人(対戦プレイ)
メディア FC
1.5メガビットロムカセット
GB
1メガビットロムカセット
発売日 FC, GB
日本の旗 1992年11月21日
アメリカ合衆国の旗 1993年4月
欧州連合の旗 1993年4月28日
SFC
アメリカ合衆国の旗 1993年6月
日本の旗 1993年7月9日
Wii
欧州連合の旗 2008年4月4日
アメリカ合衆国の旗 2008年4月7日
日本の旗 2008年6月10日
対象年齢 CEROA(全年齢対象)
売上本数 FC
世界 112万本[1]
GB
世界 153万本[1]
その他 FC
日本 HVC-CI
アメリカ合衆国 NES-CH-USA
GB
日本 DMG-CIJ-JPN
アメリカ合衆国 DMG-CI-USA
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ヨッシーのクッキー』 (Yoshi's Cookie) は、任天堂より1992年11月21日に発売されたファミリーコンピュータ(FC)用およびゲームボーイ(GB)用パズルゲームマリオシリーズに登場するマリオヨッシークッキー作りを行うパズルゲームであり、同じ種類ごとに揃えて消滅させる1人プレイと、消滅させる速さを競うVSプレイが存在する。

1993年、新たなモードを追加したスーパーファミコン(SFC)版がBPSより発売された。また2003年発売のニンテンドーゲームキューブ(GC)用ソフト『NINTENDOパズルコレクション』(以下GC版)にはリメイク版が収録されているほか、GC本体とゲームボーイアドバンス(GBA)本体をGBAケーブルで接続することでGBA上でFC版の1人用モードをプレイできる。2008年にはWiiバーチャルコンソール対応ソフトとしてFC版の配信が開始されたが、2013年をもって配信を終了した。

システム[編集]

フィールド(1人プレイ時は8マス×8マス、VSモード時は5マス×5マス)内に一定数のクッキーが配置された状態から始まる。クッキーの種類は、ハート、フラワー、チェック、ダイヤモンド、サークル、ヨッシーの6種類(後述の隠しラウンドでは異なる)。配置されたクッキーは、縦や横の特定の一列を選択し1個分ずらすことができる(端のクッキーの位置は上下または左右でループする)。同じ種類のクッキーが一列に並ぶとその列が消滅する。ヨッシークッキーは全てのクッキーの代わりに用いることができる。

スコアは消した列の個数に応じた素点(2個で10、3個で20と倍々に増加)が加点され、その後の連鎖毎に、その回数に応じた得点倍率(2回で2倍、3回で4倍と倍化)が素点に掛けられて加点されていく。

1人プレイ[編集]

8マス×8マスのフィールドで行われるモード。

フィールド内のクッキーを全て消すとステージクリアになり次のステージへ進む。フィールドにはプレイヤーが操作するクッキーが左下に集められており、一定時間経過ごと現在のクッキーの列数に沿って上端と右端からクッキーが徐々に接近し、接触すると補充される(接近中にフィールドの列数が減ると、補充分の列も削られる)。縦または横の端までクッキーが詰まるとゲームオーバーとなる。補充されるクッキーは任意で速度を上げて出現させられる他、ゲームレベルに応じて補充頻度が高速化するが、フィールド内のクッキーの消去が発生することで少しずつ後退するようになっており、連鎖をすることで画面端に追い込むことができる。

画面右下には全種類のクッキーの絵柄の横にクッキーゲージが表示されており、消したクッキーの種類に応じたものへそれぞれ溜まっていく。1種類のゲージがいっぱいになると、クッキーの列が補充され、ゲージは0に戻り、フィールドに「ヨッシークッキー」が出現する。

10のステージで1つのラウンドとして区切られ、全てのステージをクリアすると次のラウンドへ進むことになる。その間には寸劇が見られる。ラウンド10をクリアしてエンディングが流れた後しばらく放置すると、隠しラウンドへの進み方が表示される[2]。ラウンド11以降に登場するクッキーは、パックンフラワーテレサゲッソークリボースーパーキノコノコノコの甲羅、ヨッシーの7種類になる。ラウンド99をクリアした後のエンディングは、ラウンド10をクリアした時のものと比べて豪華になっている。また、ラウンド11以降のBGMは1曲だけラウンド1〜10と異なる。

VSプレイ[編集]

5マス×5マスのフィールドで行われるモード。FC・SFC版では2人、GB・GC版では2〜4人で対戦する。BGMの一つにはクシコス・ポストが使われている。

フィールド内は常にクッキーで満たされた状態で、クッキーを消した後には即時補充される。クッキーを消すごとに「ポイントゲージ」が溜まっていき相手よりも先にゲージが上限(25点)に達すると勝利となる。また、クッキーを消さない状態が続くと「タイムゲージ」が増え続け、ゲージが溜まりきると敗北となる(SFC版とGC版では導火線という形で表現)。こうした勝負を繰り返し、3勝すると全体的な勝利者となる。

クッキーを消すごとに、補充されるクッキーの中にヨッシークッキーが1つ現れる。ただし2連鎖または2列同時消しを行うとヨッシークッキーが5つ現れる。1人プレイ時とは異なり、ヨッシークッキーは同種のものを並べた時のみ消すことができる。自フィールドの上部には「(プレーヤー番号またはプレーヤー名)(特殊効果名)」の形で表示されている。ヨッシークッキーを消した際には、ここに表示されているプレーヤーに対し、表示されている内容の特殊効果が発動する。GB・SFC・GC版では、発動効果が自身に有利か不利かが〇または×の札で示されている。発動内容は以下の通り。

  • -7、-3、+3:対象プレイヤーのポイントゲージがそれぞれの数値分だけ増減する。
  • BLIND:一定時間、フィールド中央の3マス×3マスの枠が「?」で覆われて見えなくなる。
  • PANIC:一定時間、クッキーの位置がシャッフルされ続ける。受けた人はこの間クッキーの並べ替えはできない。
  • SLAVE:一定時間、カーソルやクッキー並べ替えの動作が発動した人と同じになり、受けた人は一切操作できない。自身に対して発動した場合は何も起こらない。

なお、PANICとSLAVEを受けている間は持ち時間が減らない。

キャラクター[編集]

対戦で使用できるキャラクターはFC版を除く作品では、マリオヨッシーピーチクッパの4人が登場する。GB版の対コンピュータ(CPU)戦ではプレイヤーが選べるのはマリオのみで、ヨッシー・ピーチ・クッパの順でクッキーを消すスピードや妨害を仕掛けてくる頻度が上がる。SFC版とGC版のキャラクターは以下のような能力を持ち、一定条件を満たすとCPUの思考能力が上がる。

マリオ
平均的な能力を持っている。
ヨッシー
BLIND・PANIC・SLAVE攻撃を受けた際の影響時間が短い。ヨッシークッキーの効果内容が変わる周期が長い。
ピーチ
BLIND・PANIC・SLAVE攻撃を受けると長時間影響される。ヨッシークッキーの効果内容が変わる周期が短い。
クッパ
BLIND・PANIC・SLAVE攻撃の影響を長時間与えることができる。クッキーを消すまでの時間制限が短い。

移植版[編集]

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 備考 Ref.
1 ヨッシーのクッキー アメリカ合衆国 1993061993年6月
日本 199307091993年7月9日
スーパーファミコン BPS アメリカ合衆国 任天堂
日本 BPS
4メガビットロムカセット[3] アメリカ合衆国 SNS-YC-USA
日本 SHVC-YC
新たなモードを追加
2 ヨッシーのクッキー
クルッポンオーブンでクッキー
日本 1993年
スーパーファミコン BPS National ロムカセット SHVC-YO SFC版に新たなモードを追加、非売品
3 NINTENDOパズルコレクション 日本 200302072003年2月7日
ゲームキューブ NST
トーセ
任天堂 8センチ光ディスク - リメイク作とFC版をプレイ可能 [4]
4 ヨッシーのクッキー ヨーロッパ 200804042008年4月4日
アメリカ合衆国 200804072008年4月7日
日本 200806102008年6月10日
Wii トーセ 任天堂 ダウンロード
バーチャルコンソール
- FC版の移植
2013年10月11日に配信終了
[5][6]
ヨッシーのクッキー(SFC版)
BPSより発売された。1人用モードの「ACTION」と2人用モード「VS」の他に、新たに少ない手数でクッキーの全消しを目指す「PUZZLE」モードが追加されている。
ヨッシーのクッキー クルッポンオーブンでクッキー
松下電器産業(現:パナソニック)のオーブンレンジ「クルッポンオーブン(NE-KC77)」の発売記念に500本ほど配られた非売品ソフト。クッキー生地の作成からNE-KC77を用いての焼成方法など、作り方を指南する「クッキング」モードがSFC版に追加されている。
NINTENDOパズルコレクション
収録作品のひとつとして登場した。1人プレイ用の「ストーリー」モードでは、様々なキャラクターとVSモードのルールで対戦しながらクッパの元へ向かう。ゲームのルールを詳しく解説するモードもある。また、対戦モードでは4人まで対戦できるようになった他、GC本体とGBA本体をGBAケーブルで接続することで、GBA上でFC版の1人用モードをプレイできる。ヨッシークッキーが全てのクッキーの代わりに用いることができなくなっている。

開発[編集]

トーセが開発を担当し、プロデューサーはアーケードゲームドンキーコング』(1981年)やディスクシステム用ソフト『メトロイド』(1986年)などを手掛けた横井軍平、ディレクターはスーパーファミコン用ソフト『スペースバズーカ』(1992年)を手掛けた山本雅央およびスーパーファミコン用ソフト『パネルでポン』(1995年)を手掛けた山上仁志、音楽はNOISE FACTORYに所属していた生田ノブヤおよびテクモから稼働されたアーケードゲーム『雷電』(1990年)を手掛けた佐藤亜希羅が担当している。

本作のゲームルールは、BPSとホームデータ(後の魔法株式会社)が開発したゲームソフト『ヘルメティカ』(アーケード、ロケテストのみ)の原型と似ている部分があり、SFC版では両社のクレジット表示がある[7]。またSFC版のスタッフロールによれば、このゲームのパズルそのものの考案は、『テトリス』の生みの親、アレクセイ・パジトノフによるものとされている。

スタッフ[編集]

FC・GB版

  • 音楽:生田ノブヤ 、佐藤亜希羅、TSUTOMU、西坂紀子
  • キャラクター・デザイン:日野重文、松本千恵子、いのうえみか
  • プログラマー:ヂュー・リー、よしかわのなえ、山本雄一
  • ディレクター:山本雅央、山上仁志、たかさごたつひろ、RYOJIN
  • スペシャル・サンクス:橋本賢一、ひのうえまさし、兼重力
  • プロデューサー:横井軍平

SFC版

評価[編集]

評価
レビュー結果
媒体結果
オールゲーム4/5stars (FC)[8]
4/5stars (SFC)[9]
エレクトロニック・ゲーミング・マンスリー27/40点 (GB)[10]
Eurogamer6/10点 (Wii)[11]
ファミ通29/40点 (GB)[12]
27/40点 (SFC)[13]
GamesMaster72% (SFC)[14]
IGN6/10点 (Wii)[15]
NintendoLife6/10stars (Wii)[16]
Nintendo Power3.4/5点 (GB)[17]
3.325/5点 (SFC)[18]
Official Nintendo Magazine75% (GB)[10]
87% (SFC)[14]
72% (Wii)[19]
ファミリーコンピュータMagazine21.3/30点 (FC)[20]
20.6/30点 (GB)[21]
21.3/30点 (SFC)[22]
Aktueller Software Markt8/12点 (SFC)[14]
ファミリーコンピュータ版
ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は21.3点(満30点)[20]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.7 3.4 3.6 3.5 3.7 3.5 21.3
ゲームボーイ版
ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計29点(満40点)[12]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は20.6点(満30点)[21]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.4 3.2 3.6 3.4 3.5 3.5 20.6
スーパーファミコン版
『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では、8・7・7・5の合計27点(満40点)[13]、『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は21.3点(満30点)[22]
項目 キャラクタ 音楽 お買得度 操作性 熱中度 オリジナリティ 総合
得点 3.8 3.3 3.5 3.5 3.7 3.4 21.3

脚注[編集]

  1. ^ a b 2021CESAゲーム白書 (2021 CESA Games White Papers). コンピュータエンターテインメント協会. (2021). ISBN 978-4-902346-43-5 
  2. ^ M.B.MOOK『懐かしゲームボーイパーフェクトガイド』 (ISBN 9784866400259)、27ページ
  3. ^ 『スーパーファミコン パーフェクトカタログ』、ジーウォーク、2019年9月28日、87頁、ISBN 9784862979131 
  4. ^ “なっち”妹・安倍麻美さん出演の『パズルコレクション』CMが1月24日より放映” (日本語). 電撃オンライン. KADOKAWA (2003年1月21日). 2020年5月16日閲覧。
  5. ^ 土本学 (2008年6月5日). “「バーチャルコンソール」6月10日配信開始タイトル” (日本語). iNSIDE. イード. 2020年5月16日閲覧。
  6. ^ ダイジェスト・ニュース” (日本語). GAME Watch. インプレス. 2020年5月16日閲覧。
  7. ^ 『マイコンBASICマガジン』第12巻第3号(1993年3月号)p.223
  8. ^ Weiss, Brett Alan. “Yoshi's Cookie Review”. Allgame. 2012年12月13日閲覧。
  9. ^ Marriott, Scott Alan. “Yoshi's Cookie Review”. Allgame. 2012年12月13日閲覧。
  10. ^ a b Yoshi's Cookie for Game Boy (1992)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2020年5月16日閲覧。
  11. ^ Whitehead, Dan (2008年4月11日). “Virtual Console Roundup Review”. Eurogamer. 2012年12月13日閲覧。
  12. ^ a b ヨッシーのクッキー [ゲームボーイ]”. ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年3月29日閲覧。
  13. ^ a b ヨッシーのクッキー [スーパーファミコン]”. ファミ通.com. KADOKAWA. 2015年3月29日閲覧。
  14. ^ a b c Yoshi's Cookie for SNES (1993)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2020年5月16日閲覧。
  15. ^ Yoshi's Cookie for Wii (2008)” (英語). Moby Games. Blue Flame Labs. 2020年5月16日閲覧。
  16. ^ Duyn, Marcel van (2008年4月5日). “Review: Yoshi's Cookie (Virtual Console / NES)”. NintendoLife. 2020年5月16日閲覧。
  17. ^ Yoshi's Cookie Reviews (GB)”. GameRankings. 2012年12月13日閲覧。
  18. ^ Yoshi's Cookie Reviews (SNES)”. GameRankings. 2012年12月13日閲覧。
  19. ^ Scullion, Chris (April 4, 2008). “Yoshi's Cookie Review”. Official Nintendo Magazine. http://www.officialnintendomagazine.co.uk/3970/reviews/yoshis-cookie-review/. 
  20. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、144頁、ASIN B00J16900U 
  21. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、538頁、ASIN B00J16900U 
  22. ^ a b 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、412頁、ASIN B00J16900U 

関連作品[編集]

サウンドトラック
『ファミコン サウンドヒストリーシリーズ「マリオ ザ ミュージック」』(2004年7月22日、サイトロン・デジタルコンテンツ[1]
収録楽曲内の一部として収録されている。

関連項目[編集]

  • テトリスDS - 一部で本作のFC版のゲーム画面や音楽が使用されている
  • 三波春夫 - CMでレゲエにアレンジされた「炭坑節」の替え歌を歌った

外部リンク[編集]

  1. ^ マリオをフィーチャーしたゲーム・ミュージックCD登場!”. CDジャーナル. 音楽出版 (2004年6月4日). 2020年5月16日閲覧。