ミマス (衛星)

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ミマス
Mimas
Mimas PIA06258.jpg
1980年ボイジャー1号が撮影したミマス。
右上のクレーターはハーシェルクレーター
仮符号・別名 Saturn I, S 1
視等級 (V) 12.8(平均)
分類 衛星
軌道の種類 内大衛星群
発見
発見日 1789年9月17日
発見者 ウィリアム・ハーシェル
軌道要素と性質
軌道長半径 (a) 185,404 km
近日点距離 (q) 181,700 km
遠日点距離 (Q) 189,100 km
離心率 (e) 0.0202[1]
公転周期 (P) 約 22 時間 40 分
(0.9424218 日[1]
軌道傾斜角 (i) 1.51
(土星の赤道に対する)
土星の衛星
物理的性質
三軸径 414.8 × 394.4
× 381.4 km [2]
半径 198.3 ± 0.6 km
表面積 490,000 km2
体積 ~3.29 ×107 km3
質量 3.84 ×1019 kg
土星との相対質量 6.75 ×10−8
平均密度 ~1.17 g/cm3
表面重力 0.077 m/s2
脱出速度 ~0.16 km/s
自転周期 0.9424218 日
(公転と同期)
アルベド(反射能) 0.962
表面温度 ~64 K
大気圧 0 Pa
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ミマス (Saturn I Mimas) は、土星の第1衛星1789年に天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見された。その後、ウィリアムの息子のジョン・ハーシェル1847年ギリシア神話巨人族の一人ミマースにちなみ命名、発表した。

軌道[編集]

ミマスは半径18.6万kmのほぼ円軌道を約22時間40分ごとに一周する天体で、土星の主要な衛星の中では最も土星の近くにある[3]。Fリングの小さな羊飼い衛星であるパンドラは、ミマスとの軌道共鳴により公転周期がミマスに対して2:3の整数比となる軌道を回っており、ミマス自身も2つ外側を周回する更に大きな衛星テティスと1:2の軌道共鳴を保っている。

ミマスは、軌道の内側にある土星の環にも影響を及ぼしている。例えば土星の環のうち構成粒子の公転周期がミマスと1:2の比になる場所では軌道共鳴によって粒子が取り除かれる現象が起き、カッシーニの間隙が形作られている[4]

物理的特性[編集]

カッシーニ探査機が撮影したミマス。

ミマスの密度は1.17と低く、氷および少量の岩石だけで構成されると考えられている。衛星の自転による遠心力と土星から受ける潮汐力のため、ミマスは415×394×381kmの三軸不等楕円体で近似される形に歪んでいる[2]

また、一般的な天体は昼の半球の赤道付近が最も高温になるが、ミマスの表面温度はこの単純な分布には従っていない。原因としては、ミマス表面の氷の状態に地域差があり、熱を逃がす効率が異なっているためという説がある[5]

宇宙探査機カッシーニは、2005年以降ミマスへの接近・調査を行っている。

地形[編集]

ミマスの主な地形はクレーターと峡谷であり、アーサー王物語およびティーターンにちなみ命名されている。

ミマス最大のクレーターであるハーシェル(ウィリアム・ハーシェルにちなむ)は直径130kmに達し、ミマスの直径の3分の1に及ぶ。クレーターの壁は高さ約5km、深さは10kmで、底の中央丘は高さ6kmになる。この比率を地球に置き換えれば、直径4,000km以上に達したであろう。このクレーターを作った衝撃はほとんどミマスを完全に破壊するところであった。ハーシェルクレーターの反対側では、クレーターを作った衝突によると思しき破砕跡を見ることができる。

ミマスの表面はクレーターで満たされているが、それらはハーシェルよりもはるかに小さい。また、クレーターの分布は一定ではなく、表面の大部分は直径40km以上のクレーターで覆われているが、南極領域では20km以上のクレーターは見当たらない。これは、何らかの過程により南極地域から大きいクレーターが失われたと考えられる。

人類とミマス[編集]

ミマスの外見は、アメリカ映画スター・ウォーズ』に登場する宇宙要塞「デス・スター」に似通っており、このことは報道や研究機関のリリースでもしばしば言及されている[5][6]。しかし、ミマスがボイジャー1号によって撮影されたのは第1作公開の3年後であるため、これは単に偶然の一致である。

ミマスを扱った作品[編集]

脚注[編集]

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  1. ^ a b [1]
  2. ^ a b Thomas, P. C. et al. (2006年). “Shapes of the Saturnian Icy Satellite”. 37th Lunar and Planetary Science Conference. 2010年3月31日閲覧。
  3. ^ David R. Williams. “Saturnian Satellite Fact Sheet”. NASA. 2010年4月3日閲覧。
  4. ^ http://www.astronomy.ohio-state.edu/~pogge/Ast161/Unit6/rings.html
  5. ^ a b “1980s Video Icon Glows on Saturn Moon”. NASA JPL. (2010年3月29日). http://www.jpl.nasa.gov/news/news.cfm?release=2010-103 2010年3月30日閲覧。 
  6. ^ Kelly Young (2005年2月11日). “Saturn's moon is Death Star's twin”. New Scientist. http://www.newscientist.com/article/dn6999 2010年3月31日閲覧。 

外部リンク[編集]