ダフ屋
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ダフ屋(ダフや)とは、スポーツの試合やコンサート、イベント列車の人気チケットを転売目的で入手し、その会場近辺などの場で、チケットを買えなかった人、買いたい人に違法に売りさばく者、または業者のこと。
ダフ屋がチケットや券を不正に売りさばいたり、売りさばこうとする行為を、ダフ屋行為と呼ばれる。また、ダフ屋からチケットを購入した買い手も場合によっては迷惑防止条例などで禁止されているダフ屋行為と見なされることもあり、処罰の対象となりうる。
「だふ」という言葉は、単純にチケットや券の意である「ふだ(札)」を逆にした倒語である(広辞苑より)。ショバ代が場所に、ゴト師が仕事に由来しているのと同じで、このような倒語は、多くが江戸時代の商人の間で広まった[1]。また、企業等が発行する社債を額面金額より高く発行する打歩発行からきていると主張する人もいるが、ダフ屋の呼び名自体が打歩発行の呼び名以前からある以上ありえない。
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[編集] 定義
以下の2つの項目が、1つでも当てはまればダフ屋行為に該当する。
- 転売目的でチケットや券を、公衆に対して発売する場所において購入すること。
- 公衆の場で、チケットを他者に転売すること。
ただし違法になるかどうかについては、条例の内容が各都道府県によって異なるので、一概には言えない。金券ショップなどは、正当な営業行為である「古物売買」に当たるとされる。
インターネットオークションで不要なチケットを出品する場合は、ダフ屋行為と見なされない場合が多いが、多数出品した場合、あるいは購入価格より高額で出品した場合はダフ行為とみなされる場合がある。多数、あるいは高額になった場合は、特定商取引法に抵触する場合もある。
[編集] ダフ屋の特徴
かつては暴力団関係者が多いとされ、ダフ屋行為は暴力団の資金源の一つとして、警察庁から目を付けられている。そのため、逮捕されることを覚悟してダフ屋行為に携わる人間も多い。
近年はインターネットの普及に伴い、インターネットオークションで高額なチケットを小遣い目的で売りさばくなど、一般人のダフ屋も増加している。暴力団関係ではない一般人のダフ屋を指して「シロダフ」(素人-シロウト-のダフ屋)とも呼ばれる。彼らは大抵小遣稼ぎのためにダフ屋行為に走るが法律をよく理解していないことが多く、警察に捕まって初めて「違法である」ことを知る場合が多い。
2005年2月には、サッカーワールドカップアジア最終予選日本対北朝鮮戦の観戦チケットをネットオークションに出品した会社員が逮捕されている。「小遣い稼ぎの目的のため」という安直な動機でしかも犯罪意識がなく、ダフ屋行為に手を染める者が増えている。
[編集] 違法性の境界と社会問題
インターネットはその性質上、世界にまたがる通信媒体であり現行法上は取り締まりが難しいとされている。これは現行でダフ行為を禁じているのが地域条例に拠るため、チケット転売行為をしている者の所在地が、地域条例の適用範囲の内にあるのか否かも調査を要することにも絡む。またチケット取得が転売目的であったかどうかも立証しがたい。ただ、こういった通信媒体を使ったとしても実際的にチケットがやり取りされるにあたり、使用された銀行口座から関係者を洗い出すことや、通信記録から関係者を技術的に特定可能で、それによって違法性が認められたために逮捕に至ったケースも存在する。上記ワールドカップ関連の逮捕者が出た同月には、NHKのファミリーコンサートのチケットを購入した人物が、転売目的で購入した罪で逮捕されている。三鷹の森ジブリ美術館のチケットおよびチケット引換券については、2002年・2009年にそれぞれ、コンビニエンスストアにおいて転売する目的でチケットを大量に購入し、東京都の迷惑禁止条例に違反したとして、逮捕者も出ている[2]。
なおこれら過去の所謂「インターネットを介して転売することを目的とした購入」の逮捕事例では、主にダフ屋行為を禁じた迷惑禁止条例のある地域に位置するコンビニエンスストア内のチケット発行機で転売を目的としてチケット取得が成されたことで条例違反が疑われ逮捕に至っている。ただ、実際に違法行為だったかどうかを別にしても、チケットを発行しサービスを提供する側の中には、これら高値が付くことに目をつけての営利目的によるインターネット上でのチケット転売行為を問題視し、更にはそういった行為に絡んでやり取りされたチケットを不当だとみなすケースも存在する。例えばキッザニア東京のチケットでは施設アトラクションの性質から日時指定の予約制をとっているが、これの営利目的と見られる転売行為において人気の集中する時間帯への予約チケットに3倍近い価格が付くこともあるほか、同施設を運営するキッズシティージャパン調べによれば、同一人物が日付をずらして複数のチケットを購入、そのチケットで実際に来場するのはそれぞれ別の客で転売が疑われるケースもあるという。この問題に対して、警視庁では売買が何処(地域)で成立したか同定しにくく「ネットで購入してネットで転売された場合、手も足も出ない」という。しかし同社側では転売によって値がつり上がり不当な高値が付くなど客にとっても迷惑だとして、転売を禁止する意向を発表、予約制アトラクションであるため「やむにやまれぬ事情で来場できない」利用者に対して転売せずに済むよう1回限りで予約日を変更できるよう便宜を図ると共に、チケット購入に際して使用したクレジットカードなどで購入者と来場者が同じであることを確認するなど、対応に苦慮している。
このような状況に対して、社会問題としての扱いもマスメディア上に見られ、前述のキッザニアチケット転売行為にも関連して、警視庁幹部筋は「(このような転売を取り締まるためには)新しく法律を作る必要がある」としている[3]。
[編集] 場所
- 競技場や、野球場などのスポーツ施設、人気のある歌手のコンサートなどが行われるホール、大規模なイベントの会場などの周辺
- 駅 上記の施設の最寄り駅周辺でも見られる。
- インターネットオークション
[編集] 手口
[編集] チケット購入
ダフ屋はスポーツの試合やコンサートなどが開かれる事前に、大量にチケットや券を買い占めるケースが多い。主な理由として、大量に買い占めれば、観戦したくてもできない人が増え、それだけ自分たちが買い占めたチケットの価値や値段が向上するからである。
その購入方法として、チケット売り場に毎日継続的に数枚購入しに通ったり、大人数のホームレスを使って購入させるなどの方法が見られる。名古屋では栄の松坂屋の前に朝早くからホームレスが長蛇の列を作っている様子がみられる。ネットオークションに転売するために、大量のチケットを確保する人間を『チケットゲッター』と呼称されることもある。
また、ワールドカップの本戦やオリンピックなどの世界的な大会になると、ダフ屋自身もチケットを入手することが困難であるため、競技場周辺で急用ができて観戦することが不可能になり、チケットの処分に困った人のチケットを買い求める光景が見られることもある。しかしながら、その場合、転売目的でチケットを購入したわけでなくても、公の場でダフ屋に売ってしまえば、その人もダフ屋行為で罰せられる可能性もある。
[編集] 売買
ダフ屋から競技場周辺でうろついていたり、「チケットを買います」などのプラカードを持った人に声を掛ける場合が多い。しかし、自らダフ屋に声を掛けてチケットを求めてくる人もいる。
しかし、そこで直接チケットの売買が行われるわけではない。近年、警察当局の取り締まりが強化しているため、ダフ屋がチケットを持たなくて、どこか遠く離れた場所に保管し、そこで交換するというものである。
[編集] 人気商品の購入
ニンテンドーDS、Wiiなどの人気商品は、品薄を予測し、また購入希望者が多いことを予測し、事前に同商品を複数購入、または予約券などの実際に商品となっていない物を入手、ネットオークションなどに転売する行為が行われている(大手の家電量販店や玩具店ではほとんど「お一人様一台限り」としていて買占めの防止をしている)。
オークションサイト側で転売目的が許可されていないにも関わらず、この行為は公然と行われており、その結果品薄状態が続き、一般消費者の元へ商品が渡りにくくなる原因にもなっている。
本来の意味とは違うが、こういった行為も、ダフ屋行為として見るべきという意見がある。
[編集] 無料の整理券
このように古くからスポーツイベント、あるいはコンサートなどの有料で販売されているチケットにおいて、これの転売行為がダフ行為として取り締まられていたが、2005年日本国際博覧会では「サツキとメイの家」という『となりのトトロ』にちなんだ人気パビリオンの予約整理券(無料)では、事前にコンビニエンスストアに設置されたLoppiなどのチケット販売機などから大量予約され、2005年4月分が予約開始から1時間で完売するなど僅かな時間で予約枠が満杯になり、これがインターネットオークション上で数千円~4万円で売買されたり、同オークションシステムを利用しているインターネット通販の販売店が商品に添付する景品として利用するという事態が発生している。
この問題により一般の入場者は整理券の入手が困難となり、逆にパビリオンでは一日800人の予約枠一杯に占有されたチケットが実際には利用されず来場者がまばらとなったため、急遽「転売し損ねて来ないであろう予約」を見越して1割ほど予約人数枠を拡大したり、一度に最大6人分まで予約可能としていたのを4人分に制限する・同万博の前売り入場券に記載された整理番号を添付しないと入手できなくするなどの方策を打ち出した。
このような販売されているわけではない整理券はいわゆる「チケット」ではないとして、またインターネットオークション上は東京都条例で定める「公共の場所(施設)」ではないとして、同問題に警視庁では2005年9月にダフ行為を禁じた東京都条例が適用できないとした[4]。
同博覧会終了後、この展示は愛・地球博記念公園に引き継がれたが、やはり整理券の扱いが問題となっており、不当に売買されたものと確認された場合には入場を断る[5]としている。
このような無償で提供される整理券は元来、特にダフ行為の定義には当てはまらないものではあったが、同事件以降には度々似たようなケースもみられるようになり、整理券配布元が転売行為を禁じるなどのアナウンスを行ったり、あるいは不正な整理券の入手として購入者が締め出される可能性も報じられている。
[編集] ダフ屋行為の違法性の是非
ダフ屋行為に対する違法性の認識が薄いことについては、それを定めているのが法律ではなく、あくまで各都道府県の条例であり、それぞれの都道府県で内容が異なることも原因のひとつである。ある都道府県では条例違反とされたことが、別の県では取り締まりとならない場合も多々ある。ネットオークションの普及において、チケット類が都道府県をまたいで売買されている現状を考えるに、早急な法整備が必要であると思われる。なお、2007年現在ダフ屋行為を処罰する規定を含んだ条例を制定しているのは47都道府県中39都道府県であり、条例を制定していないのは8府県[6]存在する。しかし、ダフ屋行為を処罰する条例がない京都府において物価統制令の適用による取り締まり事例も存在する[7]。
逆にダフ屋行為を取り締まるほうが、資本主義の原則からして問題であるという意見もある[8]。条例がチケットの転売目的購入や転売行為を全面的に禁止できないのも、独禁法に抵触することができないからである。そもそもダフ屋行為が禁じられたのは、戦後の食糧難の時代において、配給チケットの買い占め行為を取り締まるのが目的だった。放置しておいてはそれによる餓死者が出る恐れがあったため、時代の要請として緊急に取り締まる必要があったのである。また、東京都で最初に迷惑防止条例が制定されダフ屋行為規制が盛り込まれた1962年当時は暴力団の資金源を絶つ目的の他、ダフ屋によるつきまといや押し売りなどの不良行為が問題となっており、その排除が大きな目的の一つに挙げられていた[9]。
上述の通りダフ屋行為をめぐる状況は大きく様変わりしたが、一方でチケットが転売対象にされ本当に必要な人に行き渡らないことが迷惑であるとの世論も依然存在しており、2009年現在でも基本的に従来同様の取り締まりを続けているのが現状である。
[編集] 世界のダフ屋
ダフ屋は日本に限らない。
イギリスやイタリアなどは、サッカーが盛んで、サッカー場の周りでも散見され、オーストリアなど音楽が盛んな国では、音楽公演などが行われる国立劇場などでも見られる[要出典]。インドや中国では、入手困難な優待列車の乗車チケットを売りさばくダフ屋が、駅周辺で見られる[要出典]。
[編集] 脚注
- ^ http://www.nikkoku.net/ezine/asobi/asb19_02.html
- ^ INTERNET Watch記事
- ^ 朝日新聞記事「超人気「キッザニア」、チケットのネット転売横行」
- ^ スラッシュドット - 2005年9月18日、報道の紹介記事
- ^ 「サツキとメイの家」観覧について - 愛知県公園緑地課のページ
- ^ 青森県、山形県、京都府、鳥取県、山口県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県ではダフ屋行為を処罰する条例がない。
- ^ 参議院会議録情報 - 第159回国会 内閣委員会 第11号 平成十六年四月二十日
- ^ 阿部泰隆 『こんな法律はいらない』 東洋経済新報社、2000年
- ^ 「愚連隊にとどめを刺す―都で全国初の防止条例」『朝日新聞』1962年9月8日付朝刊

