グッドモーニング, ベトナム
| グッドモーニング, ベトナム | |
|---|---|
| Good Morning, Vietnam | |
| 監督 | バリー・レヴィンソン |
| 脚本 | ミッチ・マーコウィッツ |
| 製作 | マーク・ジョンソン ラリー・ブレズナー |
| 出演者 | ロビン・ウィリアムズ フォレスト・ウィテカー ドゥング・タン・トラン |
| 音楽 | アレックス・ノース |
| 撮影 | ピーター・ソーヴァ |
| 編集 | ステュー・リンダー |
| 配給 | |
| 公開 | |
| 上映時間 | 121分 |
| 製作国 | |
| 言語 | 英語 |
| 製作費 | $13,000,000 |
| 興行収入 | $123,922,370[1] |
| allcinema | |
| キネマ旬報 | |
| AllRovi | |
| IMDb | |
『グッドモーニング, ベトナム』(英語: Good Morning, Vietnam)は、1987年製作のアメリカ映画。一人のAFNDJが、兵士達を笑いとロックで癒し、ベトナム人と触れ、戦争の冷酷さに翻弄される5ヶ月を描いたベトナム戦争映画の中でも異色の作品。
目次 |
[編集] 概要
ベトナム戦争の拡大期の1965年、アメリカが南ベトナムに兵を送り込み続けていたサイゴン(現ホーチミン市)とその近辺を舞台に、兵士の士気高揚のために送り込まれた一人のDJが、AFRS(Armed Forces Radio Saigon、軍放送サイゴン支局)で規則無視のハイテンションで型破りなラジオ放送を行う。
『レインマン』のバリー・レヴィンソン監督がメガホンを取り、ロビン・ウィリアムスが人間味溢れる型破りなDJ、エイドリアン・クロンナウアを熱演している。サイゴン市内におけるベトコンによる爆弾テロなどのシーンこそあるものの、交戦シーンや残酷なシーンなどの戦争映画に付き物のシーンがほとんどと言っていいほどない点が、他のベトナム戦争映画と一線を画する。
他のベトナム戦争映画に多くみられるような、あからさまな反戦(そして戦争の美化)を謳いはしないが、戦争のむなしさや冷酷さ、アメリカ軍内の硬化した体質や情報操作、アメリカ人のベトナム人に対する人種差別やベトナム人女性蔑視、そしてアメリカによる他国への一方的な価値観の押し売りを柔らかに批判した快作と評され、ロビン・ウィリアムスがアカデミー主演男優賞とゴールデングローブ賞主演男優賞候補になるなど高い評価を得ている。なお、主人公エイドリアン・クロンナウアは実在の人物で、現在は弁護士をしている。
[編集] キャスト
| 役名 | 俳優 | 日本語吹き替え | |
|---|---|---|---|
| VHS | フジテレビ | ||
| エイドリアン・クロンナウア上等兵(DJ) | ロビン・ウィリアムズ | 安原義人 | 江原正士 |
| エドワード・ガーリック上等兵(同僚) | フォレスト・ウィテカー | 水島裕 | 安西正弘 |
| ツアン(サイゴンの少年) | ドゥング・タン・トラン | 松田洋治 | |
| トリン(サイゴンの少女) | チンタラー・スカパット | 佐々木優子 | |
| ホーク少尉(上官) | ブルーノ・カービー | 三ツ矢雄二 | |
| ドライウィッツ(同僚) | ロバート・ウール | 安西正弘 | |
| ディッカーソン上級曹長(上官) | J・T・ウォルシュ | 堀勝之祐 | |
| テイラー少将(局長) | ノーブル・ウイリンハム | 小林修 | |
- VHS版吹き替え:バンダイビデオネットワークから発売されていたVHSにのみ収録。
- 現在ブエナビスタから発売されているDVDには収録されていない。
[編集] スタッフ
- 監督:バリー・レビンソン
- 製作:マーク・ジョンソン、ラリー・ブレズナー
- 原作:ミッチ・マーコヴィッツ
- 共同製作:ベン・モーゼズ
[編集] 挿入曲
ルイ・アームストロングの1967年のヒット曲「この素晴らしき世界」がサウンドトラックに使われ、全米32位まで上昇というリバイバル・ヒットとなった。
[編集] あらすじ
注意:以降の記述で物語・作品・登場人物に関する核心部分が明かされています。免責事項もお読みください。
[編集] 新任DJ
1965年、アメリカは「反共の南ベトナムへの支援」を名目にベトナムに兵を送り込み続け、戦況は拡大の一途を辿り、サイゴン市内でもベトコンによるテロが頻発するようになっていた。その様な状況下で、軍サイゴン放送局の局長テイラー少将は、兵の士気高揚のため、クレタ島から一人の人気DJを呼び寄せる。空軍のエイドリアン・クロンナウア(ロビン・ウィリアムス)である。ユナイテッド航空のダグラスDC-8で到着したクロンナウアは、陽気なガーリック(フォレスト・ウィテカー)に迎えられタンソンニャット基地から局へと向かうが、さっそく現地のアオザイの女性に目を奪われる。
局へ着いたクロンナウアは軍により指定された推薦曲を無視し、「グーッモーニーン、ヴィートナーム!」のシャウトと共に、マシンガントークとロックンロールで放送を始める。ギャグ・ジョーク・皮肉・モノマネ満載のDJトークは、ガーリックやドライウィッツ(ロバート・ウール)、ラジオ局内、戦場の兵達に熱烈な支持を受ける。しかし、ギャグのセンスがズレているホーク(ブルーノ・カービー)と、上司で軍内の規律を重視する元特殊部隊隊長のディカーソン(J・T・ウォルシュ)の二人の上官は、それを苦々しく感じていた。
[編集] トリンとツアン
外のGIバーに出かけたクロンナウアはアオザイの少女に一目惚れし、南ベトナムを圧倒的な金と物量で「支援」するアメリカ軍の姿そのものに、金に物を言わせむりやり自転車を調達して追いかける。たどり着いた先はアメリカ軍がベトナム人との交流促進を図り主催している英語教室。彼は教師に袖の下を握らせ、代わりに「生きた英語」と称してスラングたっぷりの授業を行う。最初は当惑していた生徒たちだが、だんだんとクロンナウアのトークに乗ってきた。教室が終わり、アオザイの少女トリン(チンタラ・スカバタナ)を口説こうとするクロンナウアを、トリンの兄ツアン(ドゥング・タン・トラン)が制止する。
ツアンは「アメリカ人は皆ベトナム女性を口説いてしまう」と思っているし、クロンナウアはベトナム女性の繊細さと純情さを理解しようとすらしていなかった。しかしツアンは親交の証にと、屋台で魚団子のニョクマムスープを食べさせる。むせるクロンナウアを笑うツアン。その後、クロンナウアはツアンを連れて南ベトナム人が経営するアメリカ兵向けのGIバーに行くが、そこで居合わせた粗暴なアメリカ兵がツアンを「グーク(ベトナム人に対する差別的呼称)」と馬鹿にして突き飛ばしてしまったため、クロンナウアはそのアメリカ兵達と殴り合いの喧嘩をしてしまう。彼は「友人」であるツアンのために身体を張ったのだった。
[編集] 爆弾テロ
ただでさえクロンナウアを快く思っていなかった上官達は、この件で更に神経質になる。テレタイプが次々と打ち出すニュースは国防総省スタッフにより検閲され読めない。そこへニクソン副大統領のテープが届く。これを編集して笑いのネタにしたあと、局を出た。
GIバーで飲んでいたところ、ツアンに「トリンが会いたがっている」と強く誘われる。注文した飲み物を飲み干すことも出来ずに店を出た直後、バーに仕掛けられていた爆弾が爆発。ショックを受けながらも死傷者を運ぶクロンナウア。服に血がついたまま局に戻り、テレタイプが刻むこの事件のニュースを放送しようとしたが、国防総省の検閲官とディカーソンに制止される。普通に放送を始めた彼は、しばし沈黙し、そして爆弾テロのニュースを報じ始める。上官達はすぐにスタジオの電源を切らせ局長に上奏。局長は、彼の停職を命じざるを得なくなった。
[編集] 落胆
ツアンは落ち込んでいるクロンナウアを自分の村へ連れて行く。ベトナムの農村と農民の朴訥さに触れるが、そこでトリンに「友達にもなれない、私たち違いすぎる、友達違う」と、たどたどしい英語で断られる。
局ではクロンナウアに代わりホークがDJを勤めるが、笑えないジョークを飛ばし、ポルカをかける彼の放送を聞いた兵士達から、罵倒と共に「クロンナウアに戻せ」という電話と手紙が殺到する。手紙だけで1,100通。戦場の兵士達は笑いに飢えていたのだ。局長はクロンナウアの復職を指示するが、クロンナウアは復帰を拒否する。真実のニュースも読めない、皮肉も言えない。クロンナウアは辞めるつもりだった。
[編集] 復活
必死に説得するガーリックとジープに乗るが、道は故障車により通行できなくなったアメリカ軍のトラックでいっぱいだった。ガーリックはトラックの兵達に「ここにいるのは誰だと思う?……あのクロンナウアだ!」と紹介。「ホントか?」、「いつものアレをやってくれ」という兵達のリクエストに、最初は嫌がっていたものの、ミック・ジャガーのモノマネによるシャウトからマシンガントークへ。兵達から名前や出身地を聞き、それをネタにトークを繰り広げる。笑顔を見せる兵士たち。やがて道が開け、トラックが戦場に向け出発していく。腕を振り上げてクロンナウアに別れを告げる兵士達。クロンナウアは「君たちを忘れない」と、笑顔でそれを見送る。その後の放送で、クロンナウアはトラックの兵達に捧げると前置きして「この素晴らしき世界」をかける。
[編集] 戦場へ
クロンナウアは戦場からDJをやりたいと申し出る。ディッカーソンは、現地アン・ラクへのルートがベトコンの支配地域で、アメリカ兵にとって非常に危険であるために立ち入りが禁止されていることを確認した上で、それを許可する。
案の定、クロンナウアとガーリックが乗ったジープはベトコンの仕掛け爆弾で横転してしまう。見つからずにベトコンをやり過ごした彼らは徒歩で移動する。一方、ツアンはクロンナウアが授業に出てこないことを心配して、局まで走る。アン・ラクに向かったことを知ったツアンは、車を盗んでまで彼らを追いかける。横転したジープの近くで2人を見つけるが、盗んできた車のエンジンがかからない。アメリカ軍に燃やされた村までたどり着いた時、運良く海兵隊のヘリが通りかかって3人をサイゴンに送り返してくれた。
[編集] 名誉除隊
しかしその後、ディッカーソンはクロンナウアに名誉除隊を言い渡す。クロンナウアが「親友」だと思っていたツアンが実は別名で活動しているベトコンの一員で、GIバーでの爆弾テロの犯人だと正体を告げられたのだ。アン・ラクという、南ベトナム人にとってさえ危険な地域をクロンナウアを追って行き、2人を連れ帰らすことが出来たのもそのためであった。
クロンナウアはディッカーソンに捨てぜりふを残して去る。怒って追いかけようとしたディッカーソンをテイラー局長が制止し「君はあまりにやり過ぎだ、グアムへ異動だ」と告げる。テイラー局長はディッカーソンがアン・ラクが危険だと知りながら、クロンナウアに取材に行く許可を出したことを知っていた。兵士を癒すことが目的のAFNに、ディッカーソンの異常なまでの非情さと冷酷さは必要ないとの判断である。
クロンナウアは英語教室へ行き、トリンに「ツアンを助けたから除隊になった、彼の正体がばれた為彼の身が危ない、すぐに彼のところに連れて行け」と説得する。ツアンを見つけたクロンナウアは必死で追いかける。途中で見失ったクロンナウアは「親友だったのに、信じていたのに、敵だったなんて!」と叫ぶ。ツアンはその声に答えて姿を現し、「アメリカ軍の無差別攻撃で自分の母や周りの人達を亡くしたのだ、敵は自らの利益のためにベトナムで戦うお前達じゃないか」と、涙ながらに反駁して姿を消す。親友との辛い別れと、アメリカ軍による南ベトナムへの「支援」は、実はアメリカによる一方的な善意の押し付けであったという真実に、クロンナウアは悲嘆に暮れる。
基地に戻る前に英語教室の生徒達と、ボールがないので果物で代用してソフトボールをする。その場にトリンが最後の別れを言いに現れる。帰りのユナイテッド航空機に乗る寸前、クロンナウアはガーリックに最後の放送のテープを託す。
[編集] エピソード
- ロビン・ウィリアムズがアカデミー主演男優賞とゴールデングローブ賞主演男優賞にノミネートされ、ゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞した。
- 撮影当時はベトナムとアメリカの国交が回復していなかったために、撮影はベトナムの隣国のタイ王国で行われた。そのため、劇中にタイ仕様の右ハンドル車が多く登場する(ベトナムは右側通行、左ハンドル)。
- ヒロインを演じたチンタラー・スカパットはタイのスター女優である。
- ベトナムの仏教僧と仏像が登場するシーンがあるが、なぜか上座部仏教のスタイルである。
- 日本国内で入手できるリージョン2DVDがビスタサイズしかない。
- 陸軍と空軍の仲の悪さも少しだけ描かれている。
- 2人組デュオゆずのリーダー北川悠仁はこの作品のファン。2003年に本作をモチーフにした『グッドモーニング』という曲を発表している。
[編集] 出典
- ^ “Good Morning, Vietnam (1987)” (英語). Box Office Mojo. 2010年8月1日閲覧。
[編集] 関連項目
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