スラング

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スラング(slang)は、特定のエスニック集団職業、年代、生活環境、ライフスタイル、趣味嗜好を共通にする集団の中でのみ通用する隠語略語俗語のこと。

解説[編集]

俗語と異なって閉鎖性が強く、同好者同士や同じ職種などの特定集団の中で使われる。そのため、口語として通用しているものと同じ単語でありながらも逆さま言葉であったり、違った読みをしていたりと、敢えて一般人には理解できないような用法が好んで用いられる。

隠語 (jargon) や専門用語とも異なり、遊び言葉のような意味を持ち、特定集団や分野の中であっても正式な言葉とみなされない傾向がある。ただし言葉の「経時変化」により、スラングから転じて公式な専門用語となることはある。

特に大都市の若者文化の中から生まれたスラング、薬物スケボー、若者ファッションに関するスラングは数が多い。若者言葉ギャル語という分類をされる言葉もスラングの一種である。

スラングの機能や起源[編集]

スラングは、公然の場で口に出すことが一般に躊躇されるような言葉[1]を、別の言葉で言い換えて表現することが、社会的な起源のひとつとなっている。性、暴力、犯罪、薬物、差別に関する場合は、特にこうした由来を持つことが多い。

また、特定の時代の風潮、ファッションやエンタテイメントの流行に伴って発生することも多く、その場合はそれらの起源や背景を知らなければその言葉の意味を理解できない。ゆえに、特定のスラングを理解しているかどうかで、その人物がその集団に帰属するかどうかを示す[2]、いわばリトマス試験紙として機能することがある。

スラングの例[編集]

英語圏[編集]

  • wanna(原音に近い日本語表記で:ウォナ) - want to(同様に:ウォン トゥ)
  • gonna(同上:ゴナ)- going to(同上:ゴーイング トゥ)

日本[編集]

  • 倒語やズージャ語など、単語の中の文字を入れ替えたもの。放送芸能関係者や犯罪者の間でよく用いられる。
    • 「ワイハ」 - ハワイ
    • 「ザギンでシースー」 - 銀座寿司
    • 「レツ」 - 連れ(同伴者、仲間)
  • 長い言葉を縮めたもの。女子学生が多用する傾向にある。
    • 「チョベリバ」- 超ベリーバッド (1990年代半ばごろに流行した)
    • 「ギャラ」 - 芸能人の出演報酬を意味する「ギャランティ」
  • 言葉をローマ字化し、そのそれぞれの頭文字だけをつないだもの。 - とくに女子高校生の間で流行した時期があり、ポケットベル携帯電話による電子メール掲示板の普及と相関が高い。
    • 「MK5」 - 「マジ (Maji) でキレ (Kire) る5秒前」
    • 「KY」 - 「空気が読めない[3]」(Kuuki ga Yomenai)

脚注[編集]

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  1. ^ 性別によってそれを口にするとみっともないと見なされるような性役割的なタブーなど
  2. ^ 一定の文化を共有しあうエスニック集団に固有のものとして発生したスラングにも同様の性質がある
  3. ^ 2007年流行語大賞にノミネートされた。これを受けてKY式略語関連の出版物も発売される。

関連項目[編集]