ギー

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ギー
Butterschmalz-3.jpg
ヒンディー語 घी(ghī ギー)
ベンガル語 ঘী(ghī ギー)
パンジャーブ語 ਘਿਉ(ghyo ギョ)
グジャラート語 ઘી(ghī ギー)
ネパール語マイティリー語 घ्यू(ghyū ギュー)
ウルドゥー語 گھی(ghī ギー)
オリヤー語 ଘିଅ(gheeo ギーオ)
マラーティー語コンカニ語 तूप(tūp トゥープ)
カンナダ語 ತುಪ್ಪ
(tuppa トゥッパ)
マラヤーラム語 നെയ്യ്(ney ネイ)
タミル語 நெய்(ney ネイ)
テルグ語 నెయ్యి
(neyyi ネイイ)
ペルシア語 روغن حیوانی
(roghan-e heivani
ローガネ・へイヴァーニー)
ダリー語 روغن زرد
(roghan-e zard
ローガネ・ザルド)
英語 ghee

ギーは、インドアフガニスタンなどで古くから作られ、食用にされている乳脂肪製品。澄ましバターの一種。バターに似ているが、加熱する過程でメイラード反応により独特の香ばしい香りが生まれる。語源はサンスクリット語で「ふりかけられた」を意味するグルタ(घृत ghṛta)。

ウシスイギュウヤギを沸騰させて加熱殺菌した後に乳酸発酵させ、 凝固したものを撹拌してバター状にする。これをゆっくり加熱して溶かし、溶けた脂肪分が黄金色になり、沈殿した固形分が褐色になったらろ過して容器に移し、冷ます。加熱ろ過の過程で水分、糖分、蛋白質などが除かれるため、バターよりも腐敗しにくくなり、平均気温の高い地域において長期間、常温で保存することが可能になる[1]

調理油として炒め物や菓子作りに用いるほか、炊いた白飯に混ぜたり、焼きたてのチャパティナーンに塗って食べる。

食用の他に、インドの宗教儀式にもギーは欠かせない。ヴェーダの宗教の儀式ではしばしばギーが神々に捧げられ(『ヤジュル・ヴェーダ』を参照)[1] 、ギーへの讃歌が存在する。ヒンドゥー教アールティAarti)の祭祀にもギーを燃やす。礼拝の際には神像をギーで沐浴させる他、結婚式や葬式にも用いられる。マハー・シヴァラートリーMaha Shivaratri)でのシヴァ神への祈祷を始めとするその他の祭祀には、聖なる物質である砂糖ヨーグルト蜂蜜に加えギーが供物とされる。『マハーバーラタ』によれば、ビーシュマBhishma)が犠牲として捧げたものの根本はギーであるという。

インドでは全乳生産量のうち約半分がギーの生産に用いられている。

ギーに類似する澄ましバターは、世界中の広い地域で食用とされている。古代メソポタミアには、すでに同様の澄ましバターが存在したらしい。よく似た食品にモロッコのスメン(سمن Smen)、歴史的シリアのサムネ(سمنة Samneh)またはサムナ、イラクのディヒン・フール(Dihin Hur)、エチオピアのニテル・キベ(ゲエズ語:ንጥር ቅቤ niṭer ḳibē)、ソマリアのスバーグ(subaag)、ブラジル北東部のマンテイガ=ヂ=ガハファ(Manteiga-de-garrafa)またはマンテイガ=ダ=テハ(anteiga-da-terra)などがある。フランス料理に用いられるブール・ノワゼット(beurre noisette)も同様の食品である。バクラヴァなどバターを使った菓子類には、保存性が良いため澄ましバターが好まれる。

ヘレン・バンナーマンの絵本の『ちびくろサンボ』では虎が溶けてギーになり、パンケーキ(ホットケーキ)が焼かれた。

脚注 [編集]

  1. ^ a b 森井 啓二 『ホメオパシー マテリアメディカ大全1(Abel-Agar)』 エンタプライズ、2008年7月27日、293頁。ISBN 978-4-87291-188-6