アンタッチャブル (映画)

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アンタッチャブル
The Untouchables
監督 ブライアン・デ・パルマ
脚本 デイヴィッド・マメット
原作 オスカー・フレイリー
製作 アート・リンソン
出演者 ケヴィン・コスナー
ショーン・コネリー
ロバート・デ・ニーロ
音楽 エンニオ・モリコーネ
撮影 スティーヴン・H・ブラム
編集 ジェラルド・B・グリーンバーグ
ビル・パンコウ
配給 パラマウント映画
公開 アメリカ合衆国の旗 1987年6月5日
日本の旗 1987年10月3日
上映時間 119分
製作国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
製作費 $25,000,000 (概算)
興行収入 $76,270,454[1] アメリカ合衆国の旗カナダの旗
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アンタッチャブル』(The Untouchables)は、1987年アメリカ映画禁酒法時代のアメリカ・シカゴを舞台に、正義のためにギャングのボスであるアル・カポネを逮捕しようとするアメリカ財務省捜査官たちのチーム「アンタッチャブル」の戦いの日々を描く。

主人公を助ける老警官役のショーン・コネリー第60回(1987年度)アカデミー賞助演男優賞、第45回(1987年度)ゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞した。また、日本でも第30回(1987年度)ブルーリボン賞外国作品賞を受賞した。

ストーリー[編集]

1920年代から30年代初期の禁酒法は闇酒場を横行させ、犯罪組織は、酒の密造とカナダからの密輸により莫大な利益をあげていた。地元の警察や裁判所を買収しているギャングたちが市民への殺人も厭わない状況に政府はアメリカ第三の大都会であるシカゴへ財務省のエリオット・ネス(ケヴィン・コスナー)を派遣する。野心家で目立ちたがり屋のネスは赴任早々、密造酒摘発で手柄を立てようとして失敗。さらに新聞記者に写真にとられて落ちこむネスは、帰り道で会った初老の警官ジム・マローン(ショーン・コネリー)に警官の仕事は手柄を立てるのではなく無事に家に帰ることだと教えられる。

翌日、オフィスに来たネスは抗争の巻き添えになって死んだ少女の母親から諦めないでと励まされ、新たな決意を胸にマローンを呼び出す。周りに聴かれないように署を出て教会のベンチに座った二人。ネスはカポネ(ロバート・デニーロ)を逮捕する決意をマローンへ打ち明け、信頼できる仲間と班を編成するために協力してほしいと頼む。カポネの実力を知るゆえに躊躇うマローンだが警官としての生き方を貫くことを決意する。警察学校の生徒だった新米のジョージ・ストーン(アンディ・ガルシア)、財務省から応援にきた簿記係のオスカー・ウォーレス(チャールズ・マーティン・スミス)と四人が揃ったところでマローンが全員に銃を持たせて歩きだす。進んだら後戻りできない修羅の道、彼らはその一歩を踏み出していく。

スタッフ[編集]

キャスト[編集]

役名 俳優 日本語吹き替え
ソフト版 テレビ朝日版 テレビ東京版 フジテレビ版
エリオット・ネス ケヴィン・コスナー 大塚芳忠 山寺宏一 津嘉山正種 根津甚八
ジム・マローン ショーン・コネリー 坂口芳貞 有川博 若山弦蔵
ジョージ・ストーン アンディ・ガルシア 山野井仁 佐久田修 平田広明 江原正士
オスカー・ウォーレス チャールズ・マーティン・スミス 牛山茂 富山敬
アル・カポネ ロバート・デ・ニーロ 池田勝 小川真司 小林清志
フランク・ニッティ ビリー・ドラゴ 中多和宏 西凜太朗 小島敏彦
マイク署長 リチャード・ブラッドフォード 藤本譲 大塚周夫 今西正男
ウォルター・ペイン ジャック・キーホー 北村弘一
ジョージ ブラッド・サリヴァン 立木文彦 小島敏彦 谷口節
キャサリン・ネス パトリシア・クラークソン 佐藤しのぶ 安達忍
蝶ネクタイの男 ヴィトー・ダンブロシオ 池田勝
スクープ スティーブン・ゴールドステイン 檀臣幸 立木文彦
アンダーソン警部補 ピーター・エイルワード 大塚明夫
地方検事 クリフトン・ジェームズ 辻親八 大木民夫 滝口順平
隊長 ロバート・スワン 中庸助
市会議員 デル・クローズ 島香裕
ブラックマー夫人 コリーン・ベイド 鈴木れい子
ネスの娘 ケイトリン・モンゴメリー 坂本真綾
判事 アンソニー・モッカス・Sr 槐柳二
母親 メロディ・レイ さとうあい
その他の声の出演:大山高男稲葉実山口健
翻訳:佐藤一公、演出:小林守夫、調整:西村善雄、効果:リレーション、制作:東北新社、担当:別所孝治、宮澤徹
その他の声の出演:千田光男、稲葉実、小林優子宝亀克寿川田妙子星野充昭鈴木紀子、辻親八、水野龍司長島雄一青山穣鈴木正和
翻訳:たかしまちせこ 演出:伊達康将 調整:荒井孝
  • DVD版
その他の声の出演:小形満、稲葉実、滝沢久美子、水野龍司、遠藤純一清水敏孝奥島和美小野塚貴志斎藤恵理田尻ひろゆき小谷津央典
演出:伊達康将 翻訳:村治佳子 調整:オムニバス・ジャパン 制作:東北新社
その他の声の出演:水野龍司、桐本琢也、檀臣幸、松井範雄、辻親八、佐藤晴男青木誠佐藤祐四重松朋谷井あすか、斎藤恵理
翻訳:杉田朋子、演出:佐藤敏夫、調整:高久孝雄、効果:リレーション、制作・配給:東北新社

実話との相違点[編集]

  • エリオット・ネスは実在の人物であるが、その実像は映画やテレビで描かれてきたものとは大きくかけ離れている。これは晩年に多額の借金で苦しんでいたネスが、自叙伝をドラマチックに仕上げたためである。事実は当時、連邦政府から“国家の敵No.1”とされたカポネ摘発のための任を受けた司法省の検事、ジョージ・ジョンソンが、所得税法違反と禁酒法違反の2つのルートでカポネを挙げようと考え、目立ちたがり屋のネスを禁酒法チームの捜査主任に抜擢したのであるが、これは、脱税での摘発が本命で、気づかせないようにネスを囮に使ったのが真相である。
  • アンタッチャブルのメンバーは、映画ではネスが3人を選んでいるが、実際は財務省が任命した11人の役人であった。
  • 映画ではネスは妻子ある人物に描かれているが、現実には彼が家族を持ったのはカポネの逮捕の後である。
  • カポネ傘下の酒醸造所を摘発しているが、銃撃戦を交えたり、メンバーが殺されたことはない。自伝にも銃撃戦の描写があるが、メンバーは「一度も銃を撃つことはなかった」と証言している。実際のネスのチームは誰も喪うことなく職務を全うしている(ただし、正式メンバーでないネスの運転手が殺されている)。
  • 誰も買収には応じなかったとされているが、実際はメンバーの数人は買収されていた。
  • 映画では、脱税での立件もネスが主導しているが、実際は脱税チームが起訴したもので、ネスの禁酒法違反容疑での立件は見送られている。
  • ネスが生のカポネを目にしたのは、法廷での審理が初めてである。
  • フランク・ニッティは映画中では死ぬことになっているが、実際は逮捕・収監されたカポネの跡を継いでボスになり、1943年に逮捕される恐怖から自殺している[2]

その他[編集]

映画の時代のカナダ国旗
  • シカゴ・ユニオン駅でのカポネ一派との銃撃戦の「階段落ち」のシーンは『戦艦ポチョムキン』からの引用(ちなみにデ・パルマはもともと引用する気はなく、列車を舞台にした大がかりなアクションシーンを撮ろうとしたが、予算がなくなったので仕方なく「階段落ち」を思いついたという)。ちなみに、『裸の銃を持つ男 Part33 1/3』の冒頭でパロディー化されている。
  • カナダから密輸された酒を詰めた木箱にはカナダの象徴としてメープルリーフの焼き印が押されていたが当時のカナダの国旗は現在のようなメープルリーフを配したものではなく、時代考証としては誤り。
  • ネスのチームが最初に功績を上げるシーンにて、シカゴの路上を二階建てバスが走行しているが、この車両の開発が開始されたのは1947年からであり、プロトタイプが完成したのが1954年。したがって本作の時代設定には存在すらしていない乗り物を登場させてしまった、時代考証の誤りである。またこのバスは英国の左側通行基準の設計のままなので、右側通行のアメリカを走行する事は、実際には出来ない。
  • ロバート・デ・ニーロは実際に頭髪を抜いて、アル・カポネを演じた。体重は直後に別の映画出演が決まっていたので太るわけにいかず、ボディスーツを着用したが、顔だけは太らせて撮影に挑んだ。
  • 衣装はジョルジオ・アルマーニが担当。しかし、ショーン・コネリーは馬鹿げていると反対し、自前のスーツを着用した。
  • 監督は当初はシドニー・ポラックがすることになっていた。
  • フジテレビ『ゴールデン洋画劇場』で2回目に放送された際、ネスの自宅でのシーンなどがカットされ、ネスの家族は登場しなかった(1990年の初めての放送のときにはあった)。
  • 2011年3月、「スペシャル・コレクターズ・エディション」と題したBlu-ray Disc版がリリースされた。
  • 密造工場に除雪車で突進するシーンなど、1959年の『ザ・アンタッチャブル どてっ腹に穴をあけろ』と同じ演出がある。

アカデミー賞受賞[編集]

受賞 人物
助演男優賞 ショーン・コネリー
ノミネート
美術賞 パトリシア・フォン・ブランデンスタイン
ハル・ゴーズマン
衣装デザイン賞 マリリン・ヴァンス・ストレイカー
作曲賞 エンニオ・モリコーネ

脚注[編集]

  1. ^ The Untouchables (1987)” (英語). Box Office Mojo. 2010年2月9日閲覧。
  2. ^ 「映画になった奇跡の実話」 鉄人ノンフィクション編集部

参考文献[編集]

  • 鉄人ノンフィクション編集部『映画になった奇跡の実話』、2013年

外部リンク[編集]