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ファンディ湾

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  ファンディ湾
ファンディ湾の位置(ノバスコシア州内)
ファンディ湾
ファンディ湾の位置(カナダ ノバスコシア州

ファンディ湾(ファンディわん、英語: Bay of Fundyフランス語: Baie de Fundy)は、北アメリカ大西洋岸にある

概要

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メイン湾の北東端、カナダニューブランズウィック州ノバスコシア州の間に位置し、ごく一部はアメリカ合衆国メイン州にも面している。

ファンディ湾はの干満が激しいことで知られ、干満差世界一の座をケベック州アンガヴァ湾イギリスセヴァーン川河口と競っている。

名称

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「ファンディ」という名称は、16世紀にポルトガル人たちがこの湾を Rio Fundo(深い川)と呼んだことに由来すると考えられている。

この湾はまた、探検家サミュエル・ド・シャンプラン1604年に訪れた際にフランス湾Baie Française)と名付けられていた。

潮汐

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満潮時のファンディ湾
干潮時の同一地点

先住民ミクマク族の民間伝承では、ファンディ湾の潮の干満は、水の中で跳ね回る巨大なクジラによって起こされていると伝えられる。

海洋学者は、干満の原因を潮の共鳴によるものとしている。これは、大きな波が湾の入口から端まで移動してまた戻る時間と、潮の干満の時間が同じことに由来する。12.4時間の間に、1,150億tもの水が湾を出入りし[1]、干満差は15mにも及ぶ。

干満差の調査が進んだ結果、ファンディ湾奥部のミナス湾英語版(または「マイナス湾」、Minas Basin)と、アンガヴァ湾奥部のリーフ湾(Leaf Basin)との間で、潮の干満差世界一を巡って競い合っている。

潮力発電

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ここ数十年間、ファンディ湾に潮力発電を建設する計画が進められた。主な内容は、湾内の小さな入り江をで仕切り、そこを通る水の力を発電に利用するというものである。

こうした設備のうち、現在唯一稼働中であるアナポリス・ロイヤル発電所英語版Annapolis Royal Generating Station)がノバスコシア州アナポリス・ロイヤルを流れるアナポリス川英語版Annapolis River)に堰と18メガワットの発電所を有しているが、これ以上の規模の計画は環境問題を含むさまざまな要因により進んでいない。

地理

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ファンディ湾は、約1億9千万年前に超大陸パンゲアが分裂し始めた頃に形成された地溝リフト・バレー)である。リフトrift)が北アメリカ大陸から分かれ始めるにつれて火山活動が起こり、火山洪水玄武岩を形成した。この洪水玄武岩は、ノバスコシア州南部の大部分において、いたるところに露出している。洪水玄武岩の一部は侵食によって失われたが、現在もノース・マウンテン英語版North Mountain)という玄武岩質の山脈を形成している。結果として、湾の底部の大部分は褐色の色を示すソレアイト質玄武岩英語版tholeiitic basalt)で構成されている。地溝は、大西洋中央海嶺が北アメリカ・ヨーロッパ・アフリカを分裂させてゆくにつれて、最終的には失われた。

ファンディ湾周辺一帯にはアカディ混交林、複雑な海岸線塩性湿地干潟があり、内陸部には急流断崖峡谷も見られる。湾付近の湿地一帯にはスパルティナ属英語版などの植物が生え[2]ハクトウワシカナダオオヤマネコピューマシノリガモハヤブサ[3]、海生端脚類Corophium volutator英語版ヒレアシトウネンアメリカヒバリシギなどの動物が生息している[4][5][6]

湾奥西側のセントマーティン英語版からタントラマー沼地英語版まで至る一帯は2007年にユネスコ生物圏保護区に指定され[3]、2020年にミナス湾英語版北岸一帯は「ファンディ・クリフユネスコ世界ジオパーク」に指定された[7][8]。また、「メアリーズ・ポイント英語版[4]シェポディ湾英語版[5]シグネクト湾英語版[2]と「ミナス湾英語版[6]の4カ所はラムサール条約登録地である。

支湾

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ファンディ湾周辺の地理
ノバスコシア半島から眺めたファンディ湾
5月初頭のファンディ湾

ファンディ湾の奥部は二股に分かれており、北東側がシグネクト湾英語版Chignecto Bay)、東側がミナス湾英語版Minas Basin)となっている。シグネクト湾はさらにカンバーランド湾英語版Cumberland Basin)とシェポディ湾英語版Shepody Bay)に分かれ、ミナス湾の最東部はコベクイド湾英語版Cobequid Bay)と呼ばれる。これら最奥部では赤い湾泥英語版bay mud)がむき出しになっていることがある。この湾泥の外見や生物学的生産性の面も注目されている。

シグネクト岬英語版Cape Chignecto)がシグネクト湾を、スプリット岬英語版Cape Split)がミナス湾の入口となるミナス海峡を区切っている。

ファンディ湾の湾口部にも4つの主要な支湾が存在する。ニューブランズウィック州の沿岸にパサマクウォディ湾英語版Passamaquoddy Bay)とバック湾英語版Back Bay)、メイン州沿岸にコブスクック湾英語版Cobscook Bay)、そしてノバスコシア州沿岸にアナポリス湾英語版Annapolis Basin)がある。

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湾内にはいくつかのが存在する。最も大きなものはメイン湾との境界に位置するグランド・マナン島英語版Grand Manan Island)である。ほかに主要な島としては、パサマクウォディ湾内にカンポベロ島Campobello Island)、ムース島英語版Moose Island)、ディア島Deer Island)がある。湾の南部にはブライアー島英語版Brier Island)やロング島英語版Long Island)があり、他方でシグネクト岬の奥にはオート島英語版Isle Haute)がある。さらに小さな小島はパサマクウォディ湾やバック湾、アナポリス湾などに存在する。ミナス湾内のファイブ・アイランズ英語版Five Islands)は特に景勝地として知られる。

河川

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ファンディ湾にはいくつかの河川が流入している。主なものとしては以下のものがある:

海嘯

湾の極端に大きな潮の干満差は、そこへ流れ込む多くの河川にいくつかの興味深い現象を引き起こしている。

セント・ジョン川では満潮時に逆流が見られ、セント・ジョン市の中ほどで川が湾に流れ込む場所に存在する有名なリバーシング・フォールズ英語版Reversing Falls)で急流を起こしている。

ファンディ湾奥に位置する河川はセント・ジョン川よりも流れの規模が小さく、傾斜も浅くなっている。その結果、河川内の潮の届く範囲に広大な泥干潟が形成されている。

これら湾奥部の河川で起こるもうひとつの現象が「海嘯」で、これは上げ潮によって川の流れが完全に逆流する現象である。海嘯の顕著な例の一つはトゥルーロ英語版Truro)の町とメイトランド英語版Maitland)の村の近くを流れるシュブナカディー川で見られ、ここでは地元のエコツーリズムの企画者たちが逆流する波の上でのラフティングを経験する機会を提供している。もう1ヶ所海嘯がよく見られる可能性があるのが、トゥルーロの町中を流れるサーモン川である。かつては有名であったペティコーディアック川とエイヴォン川の海嘯は、1960年代から1970年代にかけて土手道causeway)の建設が原因で沈泥が過度の堆積を起こし、きわめて小規模なものとなった。

地域社会

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ファンディ湾周辺で最大の都市はニューブランズウィック州セント・ジョンである。また、ペティコーディアック川上流にあるモンクトンMoncton)もファンディ湾としばしば関わりをもっている。

そのほか、ニューブランズウィック州セントアンドルーズ英語版、ノバスコシア州トゥルーロ英語版ウィンザー英語版アナポリス・ロイヤルなどの町もファンディ湾に面している。

港と海運

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セント・ジョンの港は、製紙工場やアーヴィング石油精製工場と繋がりをもつ。エイヴォン川沿いのハンツポート英語版(Hantsport)の町は製紙工場の拠点であるほか、アメリカ合衆国へ輸出する石膏の船積み場でもある。

ニューブランズウィック州ベイサイド(セント・アンドルーズ近郊)やメイン州イーストポートも、地元の重要な港である。

船舶の交通量増加の結果として、船とタイセイヨウセミクジラの衝突事故が増加する可能性が取りざたされている。2003年カナダ沿岸警備隊Canadian Coast Guard)が衝突の危険性を減少させるために、ファンディ湾入口にあるクジラの重要な採餌場所を横切る船舶航行用の通路を設けた。

脚注

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  1. ^ World's Highest Tides - Town of Parrsboro, Nova Scotia”. 2007年9月10日閲覧。
  2. ^ a b Chignecto | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org. 2023年3月10日閲覧。
  3. ^ a b Fundy Biosphere Reserve, Canada” (英語). UNESCO (2018年10月). 2023年3月10日閲覧。
  4. ^ a b Mary's Point | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org. 2023年3月10日閲覧。
  5. ^ a b Shepody Bay | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org. 2023年3月10日閲覧。
  6. ^ a b Southern Bight-Minas Basin | Ramsar Sites Information Service”. rsis.ramsar.org. 2023年3月10日閲覧。
  7. ^ UNESCO designates 15 new Geoparks in Asia, Europe, and Latin America” (英語). UNESCO (2020年7月10日). 2022年10月21日閲覧。
  8. ^ Cliffs of Fundy UNESCO Global Geopark” (英語). UNESCO (2021年7月26日). 2022年10月21日閲覧。

関連項目

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外部リンク

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座標: 北緯45度0分 西経65度48分 / 北緯45.000度 西経65.800度 / 45.000; -65.800