CH-53E (航空機)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動先: 案内検索

CH-53E スーパースタリオン

アメリカ海軍のCH-53E

アメリカ海軍のCH-53E

CH-53Eは、シコルスキー・エアクラフト・ディビジョン社がアメリカ海兵隊の要望によって開発した、重輸送を目的としたヘリコプター。愛称はスーパースタリオン(Super Stallion)、スタリオンは種牡馬の意。社内呼称はS-80E。

CH-53 シースタリオン(S-65)の改良型で、その後継機として作られた、現在西側諸国最大のヘリコプターである。

概要[編集]

CH-53 シースタリオンの機体中央部左側に3基目のエンジンを増設した機体である。開発は1971年より開始され、1981年から部隊配備が開始された。エンジンが増設されるとともに、各エンジンの出力向上も図られている。そのため、ローターのブレード数が6枚から7枚に増え、直径も2m拡大された。テール形状も変更され、テールローターは左側に20度傾けられている。

積載能力は30,000lb(13,610kg)、吊り下げ能力も36,000lb(16,330kg)と大幅に増加し、LAV-25の吊り下げ輸送も可能である。また、空中給油プローブも当初から装備している。

MH-53E[編集]

海上自衛隊のMH-53E

掃海用のMH-53E シードラゴン(Sea Dragon)は、CH-53Eの機体にRH-53Dの掃海用装置を組み合わせたもので、機体両側に大型のスポンソンを取り付けられているのがCH-53Eとの大きな違いである。このスポンソンは燃料タンクであり、燃料搭載量は3倍近くに増加している。この結果、基地から30分進出した先で約4時間以上に渡って機雷掃海を実施することができる。開発は1980年に開始され、翌年に試作機が初飛行している。

派生型[編集]

CH-53E
輸送型。
MH-53E シードラゴン
機雷掃海型。
CH-53K キングスタリオン
CH-53Eの近代化改修型。2015年米国でロールアウトした最新モデル。最大積載量などの点から、現行では西側諸国製として最大のヘリコプター回転翼機)といわれている。

運用国[編集]

アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
日本の旗 日本
  • 海上自衛隊
    • 海上自衛隊では、FMSによって1989年(平成元年)からMH-53Eの取得を開始した後、第51航空隊で試験を行い、1990年(平成2年)3月30日、岩国基地所属の第111航空隊に配備された。1994年(平成6年)までの間に11機が取得されている。耐用命数時間は6,000時間とされている。機首右には空中給油プローブに代わり、気象レーダーを取り付けている。1995年(平成7年)、事故により1機が失われた。2009年(平成21年)3月以降、耐用命数時間に達した機から逐次除籍が開始され、2017年(平成29年)3月3日に最後の機体(8625号機・8631号機)が除籍され、運用が終了した[1]。後継機はMCH-101である。退役した機体の部品は同機を運用しかつ生産終了のため、部品の不足が見込まれていたアメリカに売却されている[2][3]

性能・主要諸元(MH-53E)[編集]

磁気掃海具MK-105を曳航するMH-53E
  • 全長(胴体のみ):30.19(22.35)m
  • 高さ:8.46m
  • 幅:8.41m
  • 主回転翼直径:24.1m
  • 発動機:3基(名称:T64-GE-416/419、出力:4,380SHP×3(パワータービン出力回転数14,280rpm時)
  • 機体重量(自重/全備):15.071t/33.339t
  • 速度(巡航):150KIAS=M0.23
  • 上昇率(海面上):664m/m
  • 上昇限度(実用/限界):5,640m/3,520m(地面効果付きホバリング限界)
  • 航続距離:2,070km(空輸時)
  • 乗員:3名

事故[編集]

登場作品[編集]

映画[編集]

トランスフォーマー/リベンジ
ディセプティコンのメンバーである、グラインダーが変形する。

アニメ・漫画[編集]

最臭兵器
対主人公装備に身を包んだNavy SEALs隊員を輸送する。
続・戦国自衛隊
戦国時代タイムスリップしたアメリカ海兵隊の装備を、同じくタイムスリップした自衛隊奪取して使用する。

ゲーム[編集]

Wargame Red Dragon英語版
NATO陣営のアメリカ軍デッキで使用可能なヘリコプターとして登場する。

脚注[編集]

[ヘルプ]
  1. ^ 被災地でも活躍、海自ヘリが退役…岩国航空基地 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
  2. ^ 防衛省、用途廃止したMH-53Eの部品などをアメリカに売却へ
  3. ^ 用途廃止したMH-53Eの部品等の米国への提供について 2015.5.13防衛省
  4. ^ オスプレイ事故 10万時間当たり3.99件 海兵隊平均上回る”. 琉球新報 (2012年2月11日). 2017年10月12日閲覧。
  5. ^ 掃海・輸送ヘリ:全11機が退役 阪神大震災、東日本大震災、熊本地震にも派遣 海自岩国基地 /山口.毎日新聞(2017年3月4日)2017年10月19日閲覧
  6. ^ 3遺体収容、1人不明/米軍ヘリ墜落/国頭沖、夜間訓練中/普天間合意後初の死亡事故”. 琉球新報 (1999年4月20日). 2017年10月12日閲覧。
  7. ^ 炎上ヘリ、住宅から200メートル 米軍CH53、民間地で大破 沖国大墜落機の後継型”. 琉球新報 (2017年10月12日). 2017年10月12日閲覧。
  8. ^ 米軍ヘリ 沖縄で炎上 北部訓練場近く 民間地に着陸”. 東京新聞 (2017年10月12日). 2017年10月12日閲覧。
  9. ^ 10 Die in Crash of U.S. Helicopter Off Djibouti”. ニューヨーク・タイムズ (2006年2月19日). 2017年10月12日閲覧。(英語)
  10. ^ JON RABIROFF, ASHLEY ROWLAND AND YOO KYONG CHANG (2013年4月16日). “21 injured when US helo makes hard landing in South Korea”. 星条旗新聞. 2017年10月13日閲覧。(英語)
  11. ^ 普天間所属ヘリ韓国で事故 県や宜野湾市が申し入れ”. Qプラス. 琉球朝日放送 (2013年4月17日). 2017年10月13日閲覧。
  12. ^ 米でCH53ヘリ墜落 1人死亡、11人負傷”. 琉球新報 (2015年9月5日). 2017年10月13日閲覧。
  13. ^ 米海兵隊のヘリ2機が衝突、ハワイ沖 乗員12人不明”. AFP (2016年1月16日). 2017年10月13日閲覧。
  14. ^ 米陸軍ヘリがハワイ沖で墜落 5人が行方不明”. 琉球新報 (2017年8月17日). 2017年10月13日閲覧。
  15. ^ 菅長官が謝罪「何でもします」 米軍ヘリ炎上で緊迫する高江”. 沖縄タイムス (2017年10月12日). 2017年10月12日閲覧。
  16. ^ エンジン異常で不時着 高江米軍ヘリ炎上 同型機、運用停止4日間”. 琉球新報 (2017年10月13日). 2017年10月13日閲覧。
  17. ^ 米軍ヘリ 訓練場付近で着陸後に炎上 沖縄”. NHKニュース. 日本放送協会 (2017年10月11日). 2017年10月13日閲覧。

外部リンク[編集]