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1956年アルゼンチングランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アルゼンチン 1956年アルゼンチングランプリ
レース詳細
1956年F1世界選手権全8戦の第1戦
ブエノスアイレス・サーキット (レイアウトNo.2、1953-1960)
ブエノスアイレス・サーキット
(レイアウトNo.2、1953-1960)
日程 1956年1月22日
正式名称 IV Gran Premio de la Republica Argentina
開催地 ブエノスアイレス・サーキット
アルゼンチンの旗 アルゼンチン ブエノスアイレス
コース 恒久的レース施設
コース長 3.912 km (2.431 mi)
レース距離 98周 383.376 km (238.219 mi)
決勝日天候 曇(ドライ)
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 1:42.5
ファステストラップ
ドライバー アルゼンチン ファン・マヌエル・ファンジオ フェラーリ
タイム 1:45.3
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 マセラティ
3位 マセラティ

1956年アルゼンチングランプリ (1956 Argentine Grand Prix) は、1956年のF1世界選手権第1戦(開幕戦)として、1956年1月22日ブエノスアイレス・サーキットで開催された。

レース概要

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メルセデス前年をもって撤退したため、ファン・マヌエル・ファンジオフェラーリへ、スターリング・モスマセラティへそれぞれ移籍した。フェラーリはエースのファンジオの他、エウジェニオ・カステロッティルイジ・ムッソのイタリアの若手2人とイギリス人のピーター・コリンズが抜擢された[1]。マシンは前年にランチアから譲渡されたD50を改造した「ランチア・フェラーリ D50」が主力となった。当レースのグリッドは全てイタリアのマシン(フェラーリとマセラティ)が占めることになった。フェラーリとマセラティは5台をエントリーさせた。残りの3台はマセラティのプライベーター2チームで、オーウェン・レーシング・オーガニゼーション(BRM)マイク・ホーソーンを起用した。

予選はフェラーリ勢が上位3位までを占め、ポールポジションを獲得したファンジオは2位のカステロッティに2.2秒の差を付けた。しかし、決勝のスタートではマセラティのカルロス・メンディテギーとモスがリードし、ファンジオは燃料ポンプのトラブルでリタイアとなってしまった。ファンジオは29周目にムッソと交代して再び5位に上がりジャン・ベーラをパスするが、スピンを喫してベーラに抜かれてしまった。40周目から43周目にかけて上位陣にトラブルが発生する。3位カステロッティのギアボックスが壊れ、メンディテギーはドライブシャフトが破損、首位モスのエンジンからは白煙が吹き出し始めた。再びベーラを抜いたファンジオは66周目に手負いのモスをパスしてトップに立ち、3年連続で母国レースを制した。マセラティのチームマネージャーは、ファンジオがスピンした際に押しがけスタートしたと抗議したが、スチュワードとFIAによって却下された。

エントリーリスト

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No. ドライバー エントラント コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
2 イギリスの旗 スターリング・モス イタリアの旗 オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
4 フランスの旗 ジャン・ベーラ
6 アルゼンチンの旗 カルロス・メンディテギー
8 イタリアの旗 ルイジ・ピオッティ イタリアの旗 ルイジ・ピオッティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
10 ブラジルの旗 チコ・ランディ
イタリアの旗 ジェリーノ・ジェリーニ 1
イタリアの旗 オフィシーネ・アルフィエリ・マセラティ マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
12 アルゼンチンの旗 ホセ・フロイラン・ゴンザレス
14 イギリスの旗 マイク・ホーソーン イギリスの旗 オーウェン・レーシング・オーガニゼーション マセラティ 250F マセラティ 250F1 2.5L L6 P
16 ウルグアイの旗 アルベルト・ウリア
ウルグアイの旗 オスカル・ゴンザレス 2
ウルグアイの旗 アルベルト・ウリア マセラティ A6GCM マセラティ 250F1 2.5L L6 P
18 フランスの旗 ロベール・マンヅォン 3 フランスの旗 エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 23 2.5L L6 E
20 フランスの旗 エリー・バイヨル 3 T32 ゴルディーニ 25 2.5L L8
30 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ イタリアの旗 スクーデリア・フェラーリ フェラーリ D50 フェラーリ DS50 2.5L V8 E
32 イタリアの旗 エウジェニオ・カステロッティ
34 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ
36 イギリスの旗 ピーター・コリンズ 555 フェラーリ Tipo555 2.5L L4
38 ベルギーの旗 オリビエ・ジャンドビアン フェラーリ DS50 2.5L V8
ソース:[2]
追記
  • ^1 - 交代要員としてエントリーしたが出走せず
  • ^2 - 交代要員としてエントリー
  • ^3 - エントリーしたが出走せず

結果

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予選

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順位 No. ドライバー コンストラクター タイム
1 30 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ フェラーリ 1:42.5
2 32 イタリアの旗 エウジェニオ・カステロッティ フェラーリ 1:44.7 + 2.2
3 34 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ フェラーリ 1:44.7 + 2.2
4 4 フランスの旗 ジャン・ベーラ マセラティ 1:45.1 + 2.6
5 12 アルゼンチンの旗 ホセ・フロイラン・ゴンザレス マセラティ 1:45.4 + 2.9
6 6 アルゼンチンの旗 カルロス・メンディテギー マセラティ 1:45.6 + 3.1
7 2 イギリスの旗 スターリング・モス マセラティ 1:46.9 + 4.4
8 14 イギリスの旗 マイク・ホーソーン マセラティ 1:47.4 + 4.9
9 36 イギリスの旗 ピーター・コリンズ フェラーリ 1:47.7 + 5.2
10 38 ベルギーの旗 オリビエ・ジャンドビアン フェラーリ 1:50.4 + 7.9
11 10 ブラジルの旗 チコ・ランディ マセラティ 1:57.9 + 15.4
12 8 イタリアの旗 ルイジ・ピオッティ マセラティ 1:57.9 + 15.4
13 16 ウルグアイの旗 アルベルト・ウリア マセラティ No Time
ソース:[3]

決勝

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順位 No. ドライバー コンストラクター 周回数 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 34 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ
アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ
フェラーリ 98 3:00:03.7 3 4
5 1
2 4 フランスの旗 ジャン・ベーラ マセラティ 98 +24.4 4 6
3 14 イギリスの旗 マイク・ホーソーン マセラティ 98 +2 Laps 8 4
4 10 ブラジルの旗 チコ・ランディ
イタリアの旗 ジェリーノ・ジェリーニ
マセラティ 92 +6 Laps 11 1.5
1.5
5 38 ベルギーの旗 オリビエ・ジャンドビアン フェラーリ 91 +7 Laps 10 2
6 16 ウルグアイの旗 アルベルト・ウリア
ウルグアイの旗 オスカル・ゴンザレス
マセラティ 88 +10 Laps 13
Ret 2 イギリスの旗 スターリング・モス マセラティ 81 エンジン 7
Ret 36 イギリスの旗 ピーター・コリンズ フェラーリ 58 アクシデント 9
Ret 8 イタリアの旗 ルイジ・ピオッティ マセラティ 57 アクシデント 12
Ret 6 アルゼンチンの旗 カルロス・メンディテギー マセラティ 42 ハーフシャフト 6
Ret 32 イタリアの旗 エウジェニオ・カステロッティ フェラーリ 40 ギアボックス 2
Ret 12 アルゼンチンの旗 ホセ・フロイラン・ゴンザレス マセラティ 24 エンジン 5
Ret 30 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ フェラーリ 22 燃料ポンプ 1
ソース:[4]
追記

注記

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第1戦終了時点のランキング

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ドライバーズ・チャンピオンシップ
順位 ドライバー ポイント
1 フランスの旗 ジャン・ベーラ 6
2 アルゼンチンの旗 ファン・マヌエル・ファンジオ 5
3 イタリアの旗 ルイジ・ムッソ 4
4 イギリスの旗 マイク・ホーソーン 4
5 ベルギーの旗 オリビエ・ジャンドビアン 2
  • : トップ5のみ表示。ベスト5戦のみがカウントされる。

脚注

[編集]
  1. ^ (林信次 1999, p. 18)
  2. ^ Argentina 1956 - Race entrants”. statsf1.com. 2018年1月2日閲覧。
  3. ^ Argentina 1956 - Qualifications”. statsf1.com. 2018年1月2日閲覧。
  4. ^ 1956 Argentine Grand Prix”. formula1.com. 19 March 2014時点のオリジナルよりアーカイブ。9 August 2015閲覧。

参照文献

[編集]
  • 林信次『F1全史 1956-1960』ニューズ出版、1999年。ISBN 4-938495-27-9 

外部リンク

[編集]
FIA F1世界選手権
1956年シーズン
次戦
1956年モナコグランプリ
前回開催
1955年アルゼンチングランプリ
アルゼンチンの旗 アルゼンチングランプリ 次回開催
1957年アルゼンチングランプリ