1952年ドイツグランプリ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ナビゲーションに移動 検索に移動
西ドイツの旗 1952年ドイツグランプリ
レース詳細
1952年F1世界選手権全8戦の第6戦
Circuit Nürburgring-1927-Nordschleife.svg
日程 1952年シーズン第6戦
決勝開催日 8月3日
正式名称 XV Groser Preis von Deutschland
開催地 ニュルブルクリンク
西ドイツニュルブルク
コース長 22.810 km (14.173 mi)
レース距離 18周 410.580 km (255.123 mi)
決勝日天候 Sunny
ポールポジション
ドライバー フェラーリ
タイム 9:56.0
ファステストラップ
ドライバー イタリアの旗 アルベルト・アスカリ フェラーリ
タイム 10:05.1 (5周目)
決勝順位
優勝 フェラーリ
2位 フェラーリ
3位 フェラーリ

1952年ドイツグランプリ (XV Großer Preis von Deutschland) は、1952年8月3日にニュルブルクリンクで開催されたフォーミュラ2のレース。このレースは1952年のF1世界選手権の第6戦でもあったが、通常適用されるフォーミュラ1のレギュレーションではなく、1952年と1953年はフォーミュラ2のレギュレーションが適用された。

レース概要[編集]

マセラティファクトリーチームは新車、A6GCMフェリーチェ・ボネットに託した。その他、エスクーデリア・バンディランテスのジノ・ビアンコアイテル・カントーニもA6CGMをドライブした。フェラーリのドライバーはアルベルト・アスカリニーノ・ファリーナピエロ・タルッフィのトリオであった。プライベイターではエキュリー・エスパドンのルディ・フィッシャールドルフ・シェーラー、エキュリー・フランコルシャンのロジェ・ローラン、スクーデリア・マルゾットのピエロ・カリーニがフェラーリをドライブした。肩の負傷が回復したジャン・ベーラプリンス・ビラに代わってゴルディーニで復帰し、ロベール・マンヅォンモーリス・トランティニアンと共に参加した。HWMは3台を投入、レギュラードライバーのピーター・コリンズベルギー人ドライバーペアのポール・フレールジョニー・クレエと共に参加し、オーストラリア人ドライバーのトニー・ゲイズはプライベイターとしてHWMをドライブした。ビル・アストンアストン・バターワースで参加し、残るグリッドはドイツ人プライベイターで埋められた(ヴェリタスAFMBMW)。

フェラーリが予選で最速タイムを記録し、アスカリとファリーナがフロントロー、ゴルディーニのトランティニアンとマンヅォンが2列目に並んだ。もう1人のフェラーリワークスドライバー、タルッフィはセカンドローに並び、エキュリー・エスパドンのプライベイターフェラーリ、フィッシャーおよびヴェリタスのパウル・ピーチが続いた。ボネットのワークスマセラティは3列目、ゴルディーニのジャン・ベーラ、地元ドライバーのヴェリタスをドライブするハンス・クレンク、AFMをドライブするヴィリー・ヒークスと並んだ。

レースは番狂わせもなく、順当に展開した。アスカリがファリーナを従え、最初の16ラップを走行した。残る2ラップ、彼は給油のためピットインし、10秒後にファリーナが現れた。次のラップでアスカリは素早く作業を終え、ピットからちょうど1マイルの位置にファリーナを捉え、数秒後退屈なレースに勝利した。ピエロ・タルッフィはチームメイトに次いで3位を走行したが、ゴール直前にサスペンションとブレーキに問題を生じ、ルディ・フィッシャーに抜かれ4位となった。フィッシャーが表彰台、タルッフィが4位になったことでフェラーリの1-2-3-4が達成された。マンヅォンはレース前半のほとんどをタルッフィとフィッシャーの間、4位で走行したが、ホイールが脱落しリタイアを余儀なくされた。これによってチームメイトのベーラは5位に入賞、ポイントを得ることができた。ベーラのゴルディーニに続いて、ロジェ・ローランが6位に入った。マセラティワークスのフェリーチェ・ボネットは第1ラップでスピンした際、押しがけを行ったことで失格となった。

アスカリは4連勝を達成し、4回連続でファステストラップを記録、シーズンで獲得できる最大限の36ポイントを得て、4度のベストな結果を達成した唯一のドライバーであった。結果として、彼は2戦を残してタイトルを獲得した初のドライバーとなった[1]。タイトルが確定した8月3日は、ジム・クラーク1965年シーズンに8月1日で更新するまで、最も早くタイトルを確定した日程であった。アスカリのチームメイト、タルッフィとファリーナはランキング2位、3位となり、フィッシャーが2度目の表彰台を得たことでランキング4位に浮上した。

エントリーリスト[編集]

No ドライバー チーム コンストラクター シャシー エンジン タイヤ
101 イタリアの旗 アルベルト・アスカリ スクーデリア・フェラーリ フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
102 イタリアの旗 ニーノ・ファリーナ フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
103 イタリアの旗 ピエロ・タルッフィ フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
104 イタリアの旗 ピエロ・カリーニ スクーデリア・マルゾット フェラーリ フェラーリ・166F2-50 フェラーリ 125 F1 1.5 V12 P
105 イタリアの旗 フェリーチェ・ボネット オフィチーネ・アルフィエーリ・マセラティ マセラティ マセラティ・A6GCM マセラティ A6G 2.0 L6 P
107 フランスの旗 ロベール・マンヅォン エキップ・ゴルディーニ ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0 L6 E
108 フランスの旗 ジャン・ベーラ ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0 L6 E
109 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ ゴルディーニ T16 ゴルディーニ 20 2.0 L6 E
110 フランスの旗 マルセル・バルサ マルセル・バルサ BMW BMW Balsa Eigenbau BMW 328 2.0 L6 ?
111 イギリスの旗 ピーター・コリンズ HWモータース HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
112 ベルギーの旗 ポール・フレール HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
113 ベルギーの旗 ジョニー・クレエ HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
114 イギリスの旗 ビル・アストン W.S.アストン アストン-バターワース アストン・NB41 バターワース F4 2.0 F4 D
115 ブラジルの旗 ジノ・ビアンコ エスクーデリア・バンディランテス マセラティ マセラティ・A6GCM マセラティ A6G 2.0 L6 P
116 ウルグアイの旗 アイテル・カントーニ マセラティ マセラティ・A6GCM マセラティ A6G 2.0 L6 P
117 スイスの旗 ルディ・フィッシャー エキュリー・エスパドン フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
118 スイスの旗 ルドルフ・シェーラー フェラーリ フェラーリ・212 フェラーリ 125 F1 1.5 V12 P
119 ベルギーの旗 ロジェ・ローラン エキュリー・フランコルシャン フェラーリ フェラーリ・500 フェラーリ Type 500 2.0 L4 P
120 オーストラリアの旗 トニー・ゲイズ トニー・ゲイズ HWM-アルタ HWM 52 アルタ F2 2.0 L4 D
121 西ドイツの旗 フリッツ・リース フリッツ・リース ヴェリタス-BMW ヴェリタス RS BMW 328 2.0 L6 ?
122 西ドイツの旗 テオ・ヘルフリッヒ テオ・ヘルフリッヒ ヴェリタス-BMW ヴェリタス RS BMW 328 2.0 L6 ?
123 西ドイツの旗 ヴィリー・ヒークス ヴィリー・ヒークス AFM-BMW AFM 50 (M8) BMW 328 2.0 L6 ?
124 西ドイツの旗 ヘルムート・ニーダーメイヤー ヴィリー・ヒークス AFM-BMW AFM 50 (M6) BMW 328 2.0 L6 ?
125 西ドイツの旗 トニ・ウルメン トニ・ウルメン ヴェリタス-BMW ヴェリタス・モーター BMW 328 2.0 L6 ?
126 西ドイツの旗 アドルフ・ブルデス アドルフ・ブルデス ヴェリタス-BMW ヴェリタス RS BMW 328 2.0 L6 ?
127 西ドイツの旗 パウル・ピーチ モトーア・プレッセ・フェアラーク ヴェリタス ヴェリタス・モーター ヴェリタス 2.0 L6 ?
128 西ドイツの旗 ハンス・クレンク ハンス・クレンク ヴェリタス ヴェリタス・モーター ヴェリタス 2.0 L6 ?
129 西ドイツの旗 ヨセフ・ペーターズ ヨセフ・ペーターズ ヴェリタス-BMW ヴェリタス RS BMW 328 2.0 L6 ?
130 西ドイツの旗 ギュンター・ベチェム Bernd Nacke BMW BMW Nacke Eigenbau BMW 328 2.0 L6 ?
131 西ドイツの旗 ルートヴィヒ・フィッシャー ルートヴィヒ・フィッシャー AFM-BMW AFM 49 BMW 328 2.0 L6 ?
133 西ドイツの旗 ヴィリー・クラカウ ヴィリー・クラカウ AFM-BMW AFM 50 (M3) BMW 328 2.0 L6 ?
134 西ドイツの旗 ハリー・マーケル BMW BMW Krakau Eigenbau BMW 328 2.0 L6 ?
135 東ドイツの旗 エルンスト・クロドヴィヒ エルンスト・クロドヴィヒ BMW BMW Heck Eigenbau BMW 328 2.0 L6 ?
136 東ドイツの旗 ルドルフ・クラウゼ ルドルフ・クラウゼ BMW BMW Greifzu Eigenbau BMW 328 2.0 L6 ?
Sources: [2][3]

結果[編集]

予選[編集]

順位 No ドライバー コンストラクター タイム
1 101 イタリアの旗 アルベルト・アスカリ フェラーリ 9:56.0 -
2 102 イタリアの旗 ニーノ・ファリーナ フェラーリ 9:58.4 + 2.4
3 109 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 9:59.0 + 3.0
4 107 フランスの旗 ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 10:01.0 + 5.0
5 103 イタリアの旗 ピエロ・タルッフィ フェラーリ 10:02.5 + 6.5
6 117 スイスの旗 ルディ・フィッシャー フェラーリ 10:04.0 + 8.0
7 127 西ドイツの旗 パウル・ピーチ ヴェリタス 10:05.3 + 9.3
8 128 西ドイツの旗 ハンス・クレンク ヴェリタス 10:08.5 + 12.5
9 123 西ドイツの旗 ヴィリー・ヒークス AFM-BMW 10:09.9 + 13.9
10 105 イタリアの旗 フェリーチェ・ボネット マセラティ 10:12.0 + 16.0
11 108 フランスの旗 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 10:13.8 + 17.8
12 121 西ドイツの旗 フリッツ・リース ヴェリタス-BMW 10:14.3 + 18.3
13 112 ベルギーの旗 ポール・フレール HWM-アルタ 10:16.0 + 20.0
14 120 オーストラリアの旗 トニー・ゲイズ HWM-アルタ 10:16.7 + 20.7
15 125 西ドイツの旗 トニ・ウルメン ヴェリタス-BMW 10:17.9 + 21.9
16 115 ブラジルの旗 ジノ・ビアンコ マセラティ 10:19.0 + 23.0
17 119 ベルギーの旗 ロジェ・ローラン フェラーリ 10:21.0 + 25.0
18 122 西ドイツの旗 テオ・ヘルフリッヒ ヴェリタス-BMW 10:22.0 + 26.0
19 126 西ドイツの旗 アドルフ・ブルデス ヴェリタス-BMW 10:24.1 + 28.1
20 129 西ドイツの旗 ヨセフ・ペーターズ ヴェリタス-BMW 10:24.5 + 28.5
21 114 イギリスの旗 ビル・アストン アストン・バターワース 10:25.0 + 29.0
22 124 西ドイツの旗 ヘルムート・ニーダーメイヤー AFM-BMW 10:26.0 + 30.0
23 136 東ドイツの旗 ルドルフ・クラウゼ BMW 10:27.6 + 31.0
24 118 スイスの旗 ルドルフ・シェーラー フェラーリ 10:29.1 + 33.1
25 110 フランスの旗 マルセル・バルサ BMW 10:30.4 + 34.4
26 116 ウルグアイの旗 アイテル・カントーニ マセラティ 10:31.2 + 35.2
27 104 イタリアの旗 ピエロ・カリーニ フェラーリ 10:35.5 + 39.5
28 133 西ドイツの旗 ヴィリー・クラカウ AFM-BMW No time ?
29 135 東ドイツの旗 エルンスト・クロドヴィヒ BMW 10:34.2 + 38.2
30 130 西ドイツの旗 ギュンター・ベチェム BMW 10:35.3 + 39.3
31 131 西ドイツの旗 ルートヴィヒ・フィッシャー AFM-BMW No time ?
32 113 ベルギーの旗 ジョニー・クレエ HWM-アルタ 10:41.0 + 45.0
33 111 イギリスの旗 ピーター・コリンズ HWM-アルタ No time ?
34 134 西ドイツの旗 ハリー・マーケル BMW No time ?

決勝[編集]

順位 No ドライバー チーム 周回 タイム/リタイア原因 グリッド ポイント
1 101 イタリアの旗 アルベルト・アスカリ フェラーリ 18 3:06:13.3 1 9
2 102 イタリアの旗 ニーノ・ファリーナ フェラーリ 18 +14.1 2 6
3 117 スイスの旗 ルディ・フィッシャー フェラーリ 18 +7:10.1 6 4
4 103 イタリアの旗 ピエロ・タルッフィ フェラーリ 17 +1 lap 5 3
5 108 フランスの旗 ジャン・ベーラ ゴルディーニ 17 +1 lap 11 2
6 119 ベルギーの旗 ロジェ・ローラン フェラーリ 16 +2 laps 17
7 121 ドイツの旗 フリッツ・リース ヴェリタス-BMW 16 +2 laps 12
8 125 ドイツの旗 トニ・ウルメン ヴェリタス-BMW 16 +2 laps 15
9 124 ドイツの旗 ヘルムート・ニーダーメイヤー AFM-BMW 15 +3 laps 22
10 113 ベルギーの旗 ジョニー・クレエ HWM-アルタ 15 +3 laps 32
11 128 ドイツの旗 ハンス・クレンク ヴェリタス 14 +4 laps 8
12 135 ドイツの旗 エルンスト・クロドヴィヒ BMW 14 +4 laps 29
リタイア 107 フランスの旗 ロベール・マンヅォン ゴルディーニ 8 アクシデント 4
リタイア 123 ドイツの旗 ヴィリー・ヒークス AFM-BMW 7 リタイア 9
リタイア 120 オーストラリアの旗 トニー・ゲイズ HWM-アルタ 6 ギアボックス 14
リタイア 126 ドイツの旗 アドルフ・ブルデス ヴェリタス-BMW 5 エンジン 19
リタイア 110 フランスの旗 マルセル・バルサ BMW 5 リタイア 25
リタイア 130 ドイツの旗 ギュンター・ベチェム BMW 5 イグニッション 30
リタイア 116 ウルグアイの旗 アイテル・カントーニ マセラティ 4 アクセル 26
リタイア 136 東ドイツの旗 ルドルフ・クラウゼ BMW 3 リタイア 23
リタイア 118 スイスの旗 ルドルフ・シェーラー フェラーリ 3 サスペンション 24
リタイア 114 イギリスの旗 ビル・アストン アストン・バターワース 2 油圧 21
リタイア 109 フランスの旗 モーリス・トランティニアン ゴルディーニ 1 アクシデント 3
リタイア 127 ドイツの旗 パウル・ピーチ ヴェリタス 1 ギアボックス 7
リタイア 105 イタリアの旗 フェリーチェ・ボネット マセラティ 1 失格 10
リタイア 112 ベルギーの旗 ポール・フレール HWM-アルタ 1 ギアボックス 13
リタイア 122 ドイツの旗 テオ・ヘルフリッヒ ヴェリタス-BMW 1 リタイア 18
リタイア 129 ドイツの旗 ヨセフ・ペーターズ ヴェリタス-BMW 1 リタイア 20
リタイア 104 イタリアの旗 ピエロ・カリーニ フェラーリ 1 ブレーキ 27
リタイア 115 ブラジルの旗 ジノ・ビアンコ マセラティ 0 リタイア 16

[編集]

  • ポールポジション:アルベルト・アスカリ - 10:04.4
  • ファステストラップ:アルベルト・アスカリ - 10:05.1
  • アスカリはこのグランプリでタイトルを勝ち取った。シーズンで獲得できる最大限のポイントを得たため、2戦を残してタイトルを確定した。

第6戦終了時点でのランキング[編集]

順位 ドライバー ポイント
1rightarrow blue.svg 1 イタリアの旗 アルベルト・アスカリ 36
1rightarrow blue.svg 2 イタリアの旗 ピエロ・タルッフィィ 22
1rightarrow blue.svg 3 イタリアの旗 ニーノ・ファリーナ 18
1uparrow green.svg 3 4 スイスの旗 ルディ・フィッシャー 10
1downarrow red.svg 1 5 アメリカ合衆国の旗 トロイ・ラットマン 8
  • :トップ5のみ表示。ベスト4戦のみがカウントされる。

参照[編集]

  1. ^ German GP, 1952 Race Report”. Grandprix.com. 2013年2月3日閲覧。
  2. ^ 1952 German Grand Prix - Race Entries”. manipef1.com. 2012年5月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年1月2日閲覧。
  3. ^ 1952 German GP - Entry List”. chicanef1.com. 2014年1月2日閲覧。
前戦
1952年イギリスグランプリ
FIA F1世界選手権
1952年シーズン
次戦
1952年オランダグランプリ
前回開催
1951年ドイツグランプリ
ドイツの旗 ドイツグランプリ次回開催
1953年ドイツグランプリ