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自動車教習所

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運転者教育から転送)

自動車教習所(じどうしゃ きょうしゅうじょ、英語:Driving school、英略:DS)は、運転免許を取得しようとする者などに対して、自動車運転するのに必要な知識技能教習する施設である。

日本の自動車教習所

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各車の練習風景

日本では、都道府県公安委員会道路交通法第九十九条に基づいて指定した指定自動車教習所、および届出自動車教習所のことを指す。都道府県により各種学校の認定を受けている自動車教習所[注 1]は、学校教育に類する教育を行う教育施設である(学校教育法第134条)。

道路交通法の上では「自動車教習所」とされているが、名称(屋号)は「〜自動車学校」「〜自動車練習所」「〜ドライバーズスクール」「〜ドライビングスクール」「〜モータースクール」「〜ドライビングカレッジ」など多岐にわたる。一般に「自動車学校」「教習所」と呼ばれることが多いが、地域によっては「車校」「自練」など独特の略称が用いられる例もある[1]株式会社有限会社の運営する教習所が多いが、一部には市町村が設置した公立の教習所、学校法人交通安全協会の運営している教習所も存在する。都市部では二輪教習専門の教習所もある。

普通自動車免許に関する技能教習、学科教習、技能検定などが主な業務となるが、教習所によっては大型自動車中型自動車準中型自動車大型自動二輪車普通自動二輪車大型特殊自動車牽引自動車などの教習・検定も実施している。また、公安委員会の委託を受けて、高齢者講習や運転免許取消処分者講習、運転免許取得時講習、初心運転者講習などを実施している。ペーパードライバーや高齢者、プロドライバーなど免許保有者に対して運転免許取得者認定教育を行っている教習所もある。

フォークリフト運転などの技能講習特別教育を定期的、もしくは不定期に行っているところも一部で存在しているが、これらの講習は都道府県労働局長登録教習機関として行っており、自動車教習所の業務とは別物である。

多くの自動車教習所では普通自動車においては、おおよそ60時間程度の講習カリキュラムが組まれており、これらを数週間から数か月の期間で習得させていく[注 2]。そのため、在校生は自宅から教習所へ通う方法を採るが、一部の自動車教習所では(近隣に指定自動車教習所がない遠隔地在住者向けプランとしてや、短期間で免許取得を取得したいというニーズを満たすため)ホテル旅館といった宿泊施設に泊まりこみながら教習を行う、合宿免許と呼ばれる合宿教習を行っている所もある。

歴史

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区分

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指定自動車教習所

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道路交通法第九十九条によって公安委員会の指定を受けた教習所のことを指す。公認自動車教習所とも称するが法律用語ではない。

修了検定(仮免許技能試験)、仮免許学科試験は教習所内、卒業検定(本免許技能試験)はその周辺の路上で行い、本免許学科試験のみ運転免許試験場で実施する。卒業検定に合格した卒業者には卒業証明書が発行され、1年以内に運転免許試験場へ持参すれば技能試験(実技試験)が免除される。運転免許試験場における技能試験に通るのが非常に難しいこともあり、新規に普通自動車免許を取得する者のうち95%が指定自動車教習所の卒業生である。2005年末時点で、全国で約1450校が存在し、卒業生は年間188万人となる。業務の中核となる普通免許の卒業者は136万人で、18歳人口の減少もあり、ピークだった1990年の3分2以下に減少している。廃業する教習所も増えており、この10年で80校が閉鎖した。指定自動車教習所には検定期限と教習期限があり、教習期限は大型特殊第一種とけん引第一種および限定解除審査は3カ月、その他は9カ月が限度であるため、この間に技能教習と学科教習を全て修了しなくてはならない(期限切れの場合は教習記録が全て無効となり、学費を再納入したうえで第一段階からやり直しとなる)。また、検定期限は全車種において全ての教習を修了させた日から3か月以内に卒業検定に合格しなくてはならないこととなっている。

全国の都道府県警公式サイトでは「当該都道府県内における指定自動車教習所卒業生事故率」を(所轄の各警察署管内にある)各教習所ごとに公開しており、卒業生の事故率が高い教習所は公認取り消しとなる場合がある。

届出自動車教習所

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公安委員会に届出を出している教習所のこと。全国に約130校ほど存在するが、その統計的データは未整備である。

自ら検定や仮免許試験を実施している指定校と比べると、未指定の届出校では、それらの実施が認められておらず、在校生自らが運転免許試験場まで行って仮免許技能試験、仮免許学科試験、本免許技能試験を受けなければならないというのが大きな違いである。しかし学科や技能の教習に関する規則がほとんど定められておらず、自由度が高いことが挙げられる。免許取得までのカリキュラムや最低教習時間というものが義務付けられておらず、その分、教習料金を安く抑えることも可能なため、免許の取消処分者など運転技量に自信のある人間が受験する場合には料金面と時間面で有利な場合がある。大型免許やけん引免許など運転経験が求められるコースも同様である。

一方、仮免許・本免許の技能試験、仮免学科試験を届出校では実施できないため、在籍生自らが運転免許試験場で試験を受けねばならないという負担もある。手続きは基本的に受講生自らが行わなければならない。運転免許試験場での技能試験は指定自動車教習所の技能検定より難しく(法律上の難易度は同じであるが、初めて通る道といつも通り慣れている道では、試験の際のメンタル面で違うためや、指定教習所はぎりぎりのところで甘く判定している場合が少なくないため)、初心運転者で途中で挫折して指定校への転校をするケースがあり経済的な負担が大きい。また、届出校は入校の際に、公安委員会の指定校ではないデメリットを伏せて募集するため、実情を知らずに勘違いして入校した在籍生とのトラブルもある。

なお、届出自動車教習所のうち、国家公安委員会規則で定められた特定教習を実施することができる教習所のことを特定届出自動車教習所と呼ぶ。これを終了した者は免許取得後に受けなければならない取得時講習が免除される。仮免許合格後に、所定の5日間以上10時間以上の教習を受けた後、この特定教習を受けておけば、路上試験合格後に即日免許が交付されるという特典がある。

指定外自動車教習所

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公安委員会の指導・監督を受けていない教習所のこと。主に運転練習することを目的としている。車両と指導員だけで路上や私有地で教習するプライベートな教習所もあり、ペーパードライバー講習として利用する人もある。

指定自動車教習所の教習カリキュラム

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ここでは第一種普通自動車運転免許について言及する。

教習方法を定める規則

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教習の時間及び方法は「指定自動車教習所等の教習の基準の細目に関する規則」(国家公安委員会規則第十三号)などで定められている。この関連法令、及び各公安委員会の指導の元で、全国の指定自動車教習所は同一の基準でカリキュラムを組んでいる[注 3]

教習生が受ける教習は、教室で教本や動画(教習所に備え付けのBD/DVD教材)を使って交通規則や安全知識を学ぶ学科教習と、実車などで運転技術を習得する技能教習の二つがある[注 4]。また技能&学科教習は基礎的な運転や知識を学ぶ「第一段階」と、その応用となる「第二段階」に分けられる。

教習時間は、1教習時限につき50分と定められている。なお免許を保有していない場合、普通自動車免許を取得するまでに必要な教習最短時限数は、技能教習34時限(AT限定は31時限)、学科教習26時限である。二輪免許を持っている場合、技能教習32時限(AT限定は29時限)、学科教習2時限である。大型特殊(限定なし)免許を持っている場合、技能教習26時限(AT限定は23時限)、学科教習5時限である。大型特殊(カタピラ限定)免許を持っている場合、技能教習34時限(AT限定31時限)、学科教習5時限である[注 5]

教習受講料は主に「基本料金(教本代金)・(修了検定・卒業検定などの)各種検定料・(仮免・検定合格証などの)各種免許証及び証明書発行手数料・(高速教習時における)有料道路普通車通行料金・追加教習料金」で構成されており、夜間(18時以降)教習の場合は「夜間料金」が上乗せされる教習所もある。それら教習料金は全て「前払い(前納)制」となっており、所定の受講料支払いを受付窓口が確認したのち教習開始となる(技能教習の場合は規定標準時間分及び追加教習分の「教習券」を窓口にて購入し担当教習指導員へ教習原簿と一緒に提出、夜間教習時に「夜間割り増し券」を同時提出させる教習所もある。学科教習は教習券不要で原簿のみを担当教習指導員へ提出)。

技能教習は(第一段階・第二段階いずれも)予約制となっており、連続受講可能時間は最大3時限連続となる単元(高速教習・危険予測ディスカッション・応急救護&心肺蘇生法講習・一部教習所で実施されている無線教習)を除き「最大2時限まで」と定められている[注 6][注 7]

各教習生には入校手続き(教習費用納入)時に「教習原簿」が作成・配付され、学科・技能各教習受講時に教習原簿を提出して担当教習指導員より印鑑を押してもらうことにより、自分が履修済みの単元と未履修の単元が(捺印の有無により学科・技能の各項目別に)一目で判別できるようになっている(教習原簿には各教習生ごとに独自の管理番号を割り当て)[注 8][注 9]

教習所によっては、「教習手帳」と呼ばれる原簿の控えのようなものを教習生に渡す学校もある。

なお入校から卒業まで自分と相性の良い教習指導員(指導員)に自分が受講する技能教習を(第一・第二両段階共に)一括担当してもらえる「指名(担任)制度」を設けている教習所もある(修了検定卒業検定は検定員資格を有する教習指導員が担当するので、自分が受講した技能教習時とは別の教習指導員となる場合もある。また自分が指名した当該教習指導員が休暇・出張などで不在の場合、同一車種の教習&検定員資格を有する別の教習指導員が当該時限教習の代役を務める場合あり)[注 10][注 11]

定休日は教習所により異なっており、「GW(ゴールデンウィーク)・お盆・年末年始以外は無休」としている教習所もあれば、「週に一度の定休日」を設けたり「土日祝は(学科教習を行わず)技能教習のみ」としている教習所もある[注 12]。さらに積雪の多い地区では「12月〜翌年3月までの冬期間は自動二輪車教習を休止」する教習所が多い[注 13]

ほとんどの教習所では通学で運転免許を取得、及び高齢者講習違反者講習を受講する教習生が利用可能な無料送迎バスを各教習所営業エリア(商圏)内にて運行しているが、利用客の少ないコースを運行する便は事前予約が必要となったり、土日祝は(人員・人件費・車両台数の関係上)全系統或いは一部系統が運休となる場合がある[注 14]。なお各教習所送迎バス運転手は「技能&学科教習及び検定担当教習指導員が各時限の(技能・学科教習・検定予約が入っていない)空き時間を利用して担当する」場合と「送迎バス専任運転手を技能&学科教習・検定担当教習指導員とは別に配置する」場合の二通りある[注 15]。さらに就職活動を控えた学生の多くは(「入社時までに普通運転免許取得必須[注 16][注 17]」を採用条件に掲げる企業への就職に対応すべく)在学中に運転免許を取得することから、各教習所送迎バスは利便性向上のため近隣の各大学敷地内道路へ乗り入れる場合も多い。また教習所送迎バスは(当該教習所の商圏内にある)決まったルートの幹線道路上を運行するのが基本だが、事前予約を必要とする系統は要望に応じて当該教習生の自宅近くへ立ち寄る「デマンドバス(ピンポイント送迎)方式」を採る場合もある(希望乗降場所は窓口での予約時に職員・教習指導員と相談)[注 18]

修了検定及び卒業検定実施日は教習所により異なっており、毎日実施ではない(主に平日午前中の実施となる場合が多い)。また不正行為(カンニング・設問事前漏洩・妨害行為など)に関与した教習生は、当該日実施の検定・試験が全て不合格となる。

教習車には取得する免許の車種(普通MT・普通AT・大型・中型・準中型・自動二輪・牽引・特殊・原付)ごとに(MT01・AT01などの形で)号車番号が割り当てられており、技能教習担当教習指導員は教習する担当号車を(取得している免許及び指導員・検定員資格の車種ごとに分類する形で)固定して割り当てる場合が多い(自分が受講する技能教習の担当教習指導員が毎回異なる場合、自分が乗る教習車の号車番号も毎回異なってくる。同じ教習指導員より通しで技能教習を受けられる「指名」制度を導入している教習所でも当該教習指導員受け持ち教習車が車検・定期点検・修理により運用離脱となったり予約が混雑している場合、当日自分が乗る教習車の号車番号が臨時に変更される場合あり[注 19]。また検定受検時は技能教習時と異なる号車番号の教習車が割り当てられることが多く、検定実施時は「検定中」と書かれた三角看板や四角看板(都道府県により異なる)を屋根に磁石で吸着させる・及び車体後部の仮免許練習表示板差しに「検定中」と書かれた表示板を差し込む形により掲示)。

教習所内にある車両・備品などを故意に破損させたり、他の教習生や教習指導員へ迷惑をかける(暴言や暴力行為、乱暴や煽り運転などの教習および検定妨害、備品・他の教習生の私物・現金などを盗む、検定でカンニングする、運動靴以外の運転に不適とされる履物を履いたり飲酒・薬物乱用・体調不良状態で教習を受けようとする、教習への無断遅刻や欠席・検定料や追加教習料金の滞納を正当な理由なく繰り返す)など、規則違反により教習所内の風紀を乱した教習生へは「強制退校処分」が課される場合がある(教習記録は全て無効となり、これまで支払った授業料・検定料なども返金されない)。また技能・学科教習いずれも「時間厳守」が徹底されており、教習開始時間に1秒でも遅刻すれば当該時限の教習は受けられない(技能教習の場合、教習開始時間への遅刻は「無断キャンセル」扱いとなり・当該時限分のキャンセル料を支払う必要が生じる)。

本人の自己都合による「中退」や「転校」の場合、それら事務手続きに伴う手数料(教習所により異なる)が別途発生する場合がある他、これまでに納入した入学金・授業料・検定料などは原則返金されない。

教習所入所時に用意するもの

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  • 住民票(本籍地記載のもの)。既に(自動二輪・原付・小特・第一種大型特殊自動車・第一種普通自動車などの)免許を有していて(自動二輪・原付免許・小特免許や第一種大型特殊自動車免許・第一種普通自動車免許を取得後3年以上経過してから取得可能となる[注 20]第二種免許・準中型・中型・大型・牽引免許」などの)他車種運転免許を取得する場合は、有効期限内のそれら既取得免許証も併せて用意する(この場合、教習所によっては本籍地記載の住民票提出が不要となる場合あり)。なお、2016年1月から自治体窓口にて住民票の写しを発行する際にマイナンバー記載の有無が選択できるようになったが、教習所に提出するものについては原則マイナンバーが記載されてないものを提出するよう案内されている。
  • 有効期限内の公的身分証明書健康保険証パスポートマイナンバーカードなど。コピーは不可・必ず原本を用意)。
  • 証明書(教習原簿貼り付け)用顔写真(入校手続き時に教習所内で撮影可能な場合もある。必要枚数は教習所及び取得免許の種類により異なる)。
  • 眼鏡又はコンタクトレンズ使用者は教習時に必ず着用する。
  • 入学金・教習受講料&追加教習料・各種検定料&証明書発行手数料・(技能&学科教習で用いる)教本及び副読本代金[注 21](標準で合計約30万円前後)。
  • 印鑑認め印シャチハタでも可)。

(死傷事故・飲酒運転による検挙・交通違反点数累積により)運転免許を取り消された場合、(免許再取得不可となる)最短2年・最長10年の「欠格期間」が解かれない間は教習所への入所不可。また麻薬・覚せい剤・危険ドラッグ常習者、及び認知症やアルコール依存症で安全教習に支障をきたすと判断された者についても教習所への入所が認められない場合がある。

入校申し込みは当該教習所の窓口のみならず、各教習所公式サイト内専用フォームからも受け付ける場合が多い(インターネットで入校申し込みすれば教習料金が割引になるサービスを実施している教習所もある)。窓口での入校申し込みは「営業時間内であれば毎日受け付ける」教習所と「入校申し込み受付実施日を個別指定」する教習所の二通りある。諸経費納入を済ませた教習生は「入校式」に臨み、「教習受講時の心構え」などについて職員より説明を受ける。

教習有効期間内(入校金及び教習費納入日から起算して9ヶ月以内)に転居した場合、必ず「住所変更届」を当該教習所に提出しなければならない(自分の教習原簿にある「現住所」欄記載を新住所へ変更してもらうため。この時も本籍地が書かれた新住所地の住民票提出が必要)。また遠隔地へ転居するため教習所を(在校中の教習有効期間内に)転校しなければならない場合、これまで(以前通っていた教習所で)の教習記録は(退校届を出さない限り)転居先にある(転校届を出した)指定自動車教習所へそのまま引き継がれるので、(転校先教習所への)入校手続きやり直しや入学金再納入は(以前通っていた教習所を退校しない限り)不要となる(日本国内にある指定自動車教習所であれば退校届を出したり教習有効期限を過ぎない限り、所定の手続きを踏むだけでどこへでも転校可能)。

第一段階

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学科教習第一段階は、道路上で運転するための基本的な知識を学習する。最短時限数は10時限であるが、学科教習1番(運転者の心得)は必ず最初に受講する。残りの2番から10番は順番に関係なく受講できる。

技能教習第一段階(基本操作及び基本走行)は、全て教習所の場内で実施する。最短時限数はMT車の場合15時限、AT車は12時限である。また、教習生の疲労などを考慮して、技能教習の1日あたり最大時限数は2時限とされている。

技能教習のうち1時限は模擬運転装置(トレーチャー)での運転練習となる。ただし教習所によっては、すべて実車での教習となる場合もある。実車の教習の際、最初は教習生を助手席に乗せて、指導員がお手本で運転する教習所が多い。また、無線指導装置による無線教習が最大3時限まで実施されることもある。監視室にいる指導員からの無線連絡によって、教習生が自力で場内において運転を実施する。教習生の技量、教習所の方針によって、実施しないこともある。

技量が上達せず項目をクリアーできない場合、追加教習として時限が延長されていき、その分の追加料金が発生する。最後の教習時限には、教習効果を確認するための「みきわめ」(見極め)を行う。検定に合格するレベルに達していない場合、延長教習としてさらに時限数が延びる。この追加教習・延長教習による技能教習の追加時間及び追加料金は、教習生の技量によって大きく異なる。

修了検定と仮運転免許学科試験

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第一段階の学科教習を全て受け、技能教習のみきわめに合格すると、修了検定になる。運転装置を操作する能力、交通法規に従って運転する能力などの基本運転が身についているかどうかを判定することが目的である。警察庁交通局長通達による運転免許技能試験実施基準に準じた方法により、検定の方法や採点基準は全国的な統一が図られているが、さらに具体的な採点方法などの細部については各都道府県の公安委員会ごとで定められる技能検定基準や技能検定実施要領などが基準となるので、都道府県ごとに若干の差異が認められる。

技能検定員は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなされている(みなし公務員)。当日、視力検査など適性試験を受けた後、助手席に技能検定員、後部座席には不正防止のため他の受験者を同乗させ場内コースを運転する。コース、担当検定員は当日発表される。これに合格すれば、仮運転免許学科試験、不合格なら1時限以上の補習教習を受講して再検定となる。

検定に受かれば仮運転免許学科試験である。公安委員会から教習所に委託された公的な試験であり、30分間に○×式50問で45問以上正解で合格となる。これに合格すれば、仮運転免許証が発行される(有効期限は発行日から起算して6ヶ月)。

第二段階

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MT・ATともに、学科教習の最短時限数は16時限、技能教習の最短時限数は19時限になる。教習生のレベルによって追加教習・延長教習で技能教習時間が長くなる点は第一段階と同様である。技能については、方向変換・縦列駐車などの項目については場内で実施する。また、第二段階での技能教習の一日当たり最大時限数は3時限とされている(連続3時限乗ることはできず、2時限受けたら1時限以上空けることが義務付け)。

第一段階とは異なり、特徴的な教習がいくつかある。1994年より新たに教習項目に加えられた、後半に1時限(あるいは複数教習と組み合わせて実質2時限)実施される高速教習がその代表である。複数で教習車に乗り込み、教習所の近くのインターチェンジに向かい、一人あたり15キロメートル程度、高速道路を走行する。ただ、近くに制限時速60キロメートルを超えるスピードで走ることができる高速道路がない都市部や過疎地の校所では、運転シミュレーターによって代用されることもある(当該教習所の近くを通る高速・自専道が事故や悪天候などで通行止めとなった場合も高速教習実施日が延期される場合あり)。またこの教習は、教習を実施する高速道路で50km/h規制(速度規制)が実施された時点で教習が無効になり、後日、再び実施されるか、運転シミュレーターにて代用される[注 22]。なお高速教習時はMT免許を取得する場合でも(変速&クラッチ操作などのミスによる本線上でのエンスト立ち往生など事故・トラブル予防のため)大半の教習所がAT車を用いている[注 23]

学科1時限、技能1時限を組み合わせた危険予測ディスカッションという項目もある。最大3名で交替して運転をした後、教室に戻って指導員を交えながら交通場面に潜む危険要素の発見の仕方、対処について話し合う時間である。また、学科では応急救護教習も3時限実施する。こちらも1994年から追加された比較的新しい教習項目であり、交通事故による負傷者に対する応急処置を学習する時間で、模擬人体装置や自動体外式除細動器などで実習を行う。医師歯科医師看護師救急救命士などの資格を持つ者は免除される(救命講習修了や赤十字救急法救急員は認められない)。

第二段階の学科教習を全て受け、技能教習のみきわめに合格すると、卒業検定になる。路上検定は、交通実態に対処する運転者の主体的な対応能力を判定することが目的である。道路場面や周囲の交通、危険予測に対応できる運転ができるかどうかが試される。助手席に技能検定員、後部座席に他の受験者を同乗させ、当日発表された路上コースを運転する。終了後、場内に戻り、縦列駐車か方向転換かどちらかを実施する。これに合格すれば、直後に行なわれる卒業式で仮運転免許証及び卒業証明書と卒業祝いの初心者マークが手渡される。不合格なら補習教習を1時限以上受けて再試験になる。なお卒業検定には全教習履修完了日から起算して3か月以内に合格しなければならない。

この卒業証明書と仮運転免許証などを持って、合格から1年以内に住民票のある都道府県の運転免許試験場へ行き、視力検査など適性試験を受けた後、本免許学科試験に合格すれば運転免許証の交付を受けることになる[注 24]

届出自動車教習所の教習カリキュラム

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教習の時間および方法については特に定められていない。その代わり、運転免許試験場で仮免許技能試験、仮免許学科試験、本免許技能試験などを受験しなければならない。また、本免許技能試験に合格した後、指定自動車教習所、または、特定届出自動車教習所へ行って、普通自動車免許の場合は7時間(危険予測講習2時間、高速道路講習2時間・応急救護処置教習3時間)の取得時講習を受講しなければ免許証が交付されない。

なお、特定届出自動車教習所では、国家公安委員会規則で定められた特定講習を受講することができる。普通自動車免許を取得する場合は、高速教習・危険予測・応急救護など計7時間。これを受けると終了証明書を取得することができ、取得時講習が免除される。

自動車教習所の設備

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公安委員会が指定した自動車教習所の場合、以下の3つの基準を満たさなければならない。

  • 人的基準 法令上の資格要件を備えた管理者とともに、公安委員会の審査に合格した指導員・検定員を配置しなければならない。
    • 教習指導員 - 俗に教官と呼ばれている。指定自動車教習所では一定の資格を持った、指定自動車教習所指導員が必要。
    • 技能検定員 - 修了検定および卒業検定を実施する試験官。運転免許試験場の試験官の業務を代行しているため、みなし公務員とされる。主に教習指導員と兼任する事が多い。
    • 副管理者 - 管理者を補佐する立場にいる人物。私立学校における教頭的役割を果たす。1校に約3名配置している教習所がほとんどで、副管理者が検定や学科教習を行っている場合が多い。
    • 管理者 - 教習業務における監督的立場にいる人物。私立学校における校長的役割を果たす。道路交通法施行令第35条で「道路の交通に関する業務における管理的又は監督的地位に3年以上あつた者その他自動車教習所の管理について必要な知識及び経験を有する者」と定められている。都道府県によっては、監督官庁より天下りをした警察OBが民間である教習所の管理者に就く場合が少なくない。
    • 設置者 - 俗に所長と呼ばれている。教習の経営側にいる人物。私立学校の理事長に近い立場で、教習所の社長や経営責任者を兼ねている場合がほとんどである。
  • 物的基準 指定自動車教習所では運転免許試験場と同等以上の広さが必要となる。道路交通法施行令第35条イにより「コース敷地の面積が8000平方メートル」以上必要(二輪の教習所は3500平方メートル以上)とされ、坂道発進・狭路通過などコースの種類、形状および構造が法令に定める基準に適合する必要がある。また、技能教習や技能検定を行うために必要な種類の教習車、そして学科教習を行うために必要な建物、教室、その他の模擬運転装置やシミュレーターなど各種設備や機材を備えていなければならない。
    • 教本 自動車教習所で使用するテキストのこと。主に学科教習用の「学科教本」と技能教習用の「運転教本」に分かれる。トヨタ系の中部日本自動車学校愛知県)がそのシェアの70%を占める他、コヤマ交通教育サービス、東京平尾出版、エイト道交法出版なども発行している。東京指定自動車教習所協会や北海道指定自動車教習所協会では独自の教本が使用されている。また、第2段階の特定の教習で使用される「安全運転の知識」と「応急救護処置」の2冊は全日本指定自動車教習所協会連合会作成の教本が使用されている。
    • 教習車
  • 運営基準 教習は、法令に定められた所定の教習課程表に基づいて、教習方法、教習時間の基準に適合するようにしなければならない。普通自動車免許を取得しようとすると、学科教習課程最短26時限、技能教習最短34時限を行う必要がある。新規に開設した教習所や自衛隊自動車教習所を除き指定校として認可を受けるためには、それぞれの車種ごとに連続して10名の一発試験合格者を輩出させなければならないなど、基準は厳格に設定されている[注 25]

また、建築基準法による用途規制として、第一種低層住居専用地域第二種低層住居専用地域第一種中高層住居専用地域第二種中高層住居専用地域には建設できない。また第一種住居地域では法令上は建設可能でも3000平方メートル以下に制限されるため、実質的には建設不可能。

自動車教習所淘汰の時代

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閉鎖した自動車教習所

18歳人口の減少(少子化)や若者の車離れが顕著になった1990年代末頃から、都市部を中心に各教習所間の競争が激化している。売上が減少していく中で、サービス・接遇に取り組む教習所がある一方、料金のディスカウント(値下げ競争)も激しくなっている。地方部の不採算校では合宿教習に取り組むところも増えてきたが、宿泊施設などの管理や仲介業者への手数料負担が重くのしかかってくる。厳しい経営環境で回復の見込みが立たないこともあって関連企業の意向や他業種への転換を狙っての廃業が2000年頃から目立っている。通常、閉鎖する半年前に(所轄の都道府県)公安委員会に報告して入校を取りやめ、近隣校へ教習生の引き継ぎを行うという指導がなされてきたが、2008年10月に東京地方裁判所に破産手続き開始の申し立てを行った東京都の八王子自動車教習所(指定校)は約1700人いる教習生に総額2億円とも言われる料金の返済をしなかったため、さまざまな所で問題となった[3]。また、北海道札幌市の愛育安全相互自動車学校グループも、同年11月、安全相互二輪免許専門校(指定校)を閉鎖し、授業料を返金できないまま破産手続きに入った。

廃校した旧自動車教習所で使われていた教習車・送迎車の大半は(旧教習所の)近隣にある別の自動車教習所や運転免許試験場へ譲渡される事もある。

欧米の自動車教習所

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イギリス

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イギリスの自動車教習所にもインストラクターの資格の制度があり監督も行われている[4]。自動車教習所にはBSMのように全土に組織を持つものもあるが、それは例外で多くは一定の規模で中には事務所のみの自動車教習所もある[4]。イギリスではLマークを車体に付け、免許所有者が助手席で同乗していれば路上を走行できる[4]。多くは資格を持つインストラクターが同乗して二重のブレーキ装置の付いた自動車で教習を行う教習所が利用される[4]

アメリカ合衆国

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アメリカ合衆国では州の陸運局での簡単な筆記試験を受けた後、個人で運転技術を習得してドライビングテストを受ければ自動車の運転免許を取得できる[5]。助手席に2年以上の運転歴を有する人が同乗していれば路上で運転の練習を行うことができる[5]。そのため親から運転を教わって運転免許を取得する者も多い[6]。運転技術を教習するサービスを行っている会社もあるが、特定の施設に通うというシステムがとられることは稀であり、1時間単位の料金制で路上に出て運転技術を教える形態がとられることが多い[5]

カナダ

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オンタリオ州の場合、交通法規と交通標識の書籍で自習したのち、コンピュータによる択一式の筆記試験を受け、一定の点数を取れれば合格となり仮免許が交付される[6]。仮免許が交付されれば助手席に運転免許保有者を同乗させることで路上を運転でき、運転技術を習得した後、試験場で試験をパスすれば自動車の運転免許を取得できる[6]。ドライビングスクールもあるが、親から運転を教わって運転免許を取得する者も多い[6]

一方、ケベック州の場合、免許試験前のドライビング教習は16~17歳の免許取得希望者に限定されていたが、1983年の法改正ですべての免許取得希望者にドライビング教習が義務付けられた[6]。ただし、一般にドライビングスクールに通うという形態はとられておらず、教官が免許取得希望者の自宅に自動車で迎えに来たあとで、免許取得希望者が運転席に乗り込み路上で運転の練習を行うという形態がとられている[6]

脚注

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注釈

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  1. ^ 各種学校の認定を受けている自動車教習所は、各種学校#外部リンクにある各都道府県の各種学校一覧で確認することができる。
  2. ^ 全ての教習は入校日(入学金納入日)より起算して9か月以内に終わらせなければならない。9か月を過ぎて教習を消化できない場合は教習記録が全て無効となり、全ての教習料金も(教習所側のやむを得ない事由でない限り)原則返還されない(入校日から9か月以内に一身上の都合などにより教習生が自主退校を申し出た場合は、取消手数料などの経費を差し引いた上で期間中の教習料金を返還)。さらに仮免許の有効期限は(仮免試験に合格し仮免許証が交付された日から起算して)6か月である。
  3. ^ 1時限の教習時間は学科・技能いずれも「毎正時から50分間」と定められており、各業間には10分間の休憩を、正午からは1時間の昼休みをそれぞれ挟む(「毎時10分開始・正時終了」と定めている教習所もある。路上教習及び検定時は最大3時限連続となる単元を除き、開始から1時限枠の50分以内に路上コースから当該教習所内へ戻れるよう、当該時限担当教習指導員及び検定員がコース・ダイヤを即断即決で組む)。教習は「午前の部が9時開始・午後の部が13時開始、平日は午後及び夜間教習を19:50まで、土日祝の午後教習は16:50まで」とそれぞれ定めている教習所が大半を占める(教習の開始・終了時刻は一般の学校教育施設同様、チャイムによる館内自動放送にて告知)。なお「教習受講及び検定受検時は(技能・学科いずれも)携帯電話スマートフォン・その他携帯機器の電源を必ず切り、現金及び貴重品は教習生各自で肌身離さず持ち歩く」旨が規定されている(カンニングがあった場合は検定中止となり、カンニング該当者は検定不合格となる)。さらに殆どの教習所では敷地内を(送迎車・教習車の車内も含め)「(指定場所以外)終日禁煙」、かつ「(飲酒運転防止の観点から)アルコール類の持ち込み一切厳禁」と定めている。
  4. ^ 学科教習を行う教室には(正しい交通ルールや運転マナーなどを学ぶ)BD/DVD教材を上映するための視聴覚機器として、大型スクリーン&プロジェクター、大型プラズマ・液晶ディスプレイ、BD/DVDプレーヤーOHPなどが完備されている(学科教習用BD/DVD教材ソフトはテクニカAVが制作し、全国の教習所と運転免許試験場へ販売。一般市販はされず全て非売品となっており、外部への持ち出しや転売は厳禁)。ただし一般テレビ放送視聴用アンテナ線は繋がっておらず、一般テレビ放送は教習生用待合室、飲食&休憩コーナー、談話スペース、無料託児室に備え付けのテレビ受像機でのみ視聴可)。また学科教習で用いる教材は教習指導員が手作りした各教習所オリジナルの物もある。
  5. ^ 標準の総受講費用は一括で支払うと税込み30万円前後だが、低所得者や就職活動を控えた学生なども免許を取得しやすいよう、免許ローンや分割払いなどの各種プランを提示している教習所も多い。
  6. ^ 学科教習は「応急救護処置&心肺蘇生法」の単元を除き予約不要で、営業時間内であれば当日連続受講可能時間に制限はない。なお予約キャンセル時は所定の取り消し手数料が発生する他、自分が受講予定の教習車が先方の予約で埋まっている場合は順番が前後する場合がある。
  7. ^ 大半の教習所には、子育て中の主婦が(今まで免許がなくても公共交通機関・自転車・徒歩で間に合っていた大都市圏からマイカーがないと不便な地区への転居などに伴い)免許を取得するため技能&学科講習・検定を受講する間は子供を預けられる「無料託児室」が設けられている(公認保育士が常駐。無料託児室が設けられていない小規模の指定自動車教習所へ通う場合でも、教習・検定を受講している間に近隣の保育所へ子供を預ける際の費用一部助成を当該教習所より受けられる場合あり)。
  8. ^ 教習開始時刻になると技能教習予約をした当該教習生原簿を担当教習指導員が保管棚より取り出して(当該教習生の)名前を呼んだのち、乗車する教習車がある場所まで案内。当該時限の技能教習が終わったら担当教習指導員が当該教習生原簿を保管棚へ戻す。なお次時限以降の学科教習を当該時限技能教習より連続受講する場合は技能教習担当教習指導員が原簿を当該教習生へ直接渡しておき、技能・学科教習を当日分全て受講し終えたら原簿を速やかに窓口へ返却するよう告知している(学科教習を先に受講する場合、教習生自ら窓口へ申し出て自分の原簿をもらう。教習生が自ら窓口へ返却した原簿は受付担当職員又は教習指導員が保管棚へ戻す)。
  9. ^ 原簿は紛失及び個人情報流出防止のため外部への持ち出しが一切厳禁となっており、当日の全教習終了後は必ず原簿を当該教習所内の保管棚にて厳重保管するよう規定されている。このため教習生は当日分の技能・学科教習を全て受講し終えたら原簿を窓口へ返却し、同時に次回(明日)以降の技能教習予約も行う(これら予約を元に配車担当&各教習指導員勤務表作成担当職員が翌日以降の教習車及び担当教習指導員稼働ダイヤを組むので、技能教習予約は午前・午後・夜間いずれの部も必ず受講予定の前日までに済ませなければならない。予約する技能教習時間帯は学業や仕事などとの両立・その他都合を勘案し自分自身で決める)。なお「(技能教習予約用)自動チェックイン機」が設置されていたり、当該教習所公式サイトよりインターネットでも技能教習予約が可能な教習所もある(教習所によっては教習生待合室に大型プラズマまたは液晶ディスプレイを設け、そちらの画面に当日及び翌日以降の教習車技能教習予約状況を一覧表示する場合あり)。
  10. ^ 大半の教習所では教習生に「当該教習所の雰囲気・各種サービス・技能教習時における教習指導員の教え方や言葉遣いなど」についてのアンケートを行っており、寄せられた回答・要望は今後の教習所運営改善資料として活用している。
  11. ^ (パトカー・白バイ・消防自動車・救急車などの)緊急車両運転技能習熟訓練は(一般車両との人身・物損・接触事故を決して起こさず、救急搬送・現場急行・不審車両追跡のための「緊急走行」が迅速かつ安全にできるプロの仕事人を育てるという性格上)一般自動車教習所より手厳しく、その担当教習指導員になるまでの道のり(審査・認定基準など)も一般自動車教習所教習指導員より険しい。
  12. ^ 道路交通法で定められた「高齢者講習」及び「違反者講習」を実施する日・時間帯は(当該教習所の場内コース及び教習車がそちらへ使われるため)教習生への技能教習を実施しない(学科教習のみとする)場合がある。
  13. ^ 学業などで平日忙しい学生などに配慮し、教習所はGW・お盆・年末年始を除いた土日祝も営業する場合がほとんどである。教習所の営業時間はほとんどが平日「8時〜20時」・土日祝「8時〜18時」と定めているため、教習所職員(教習指導員)の勤務時間・休暇は「シフト(早番・遅番)制」を採用している(昼休み前後に職員の早番・遅番勤務交替を実施。また有給を含めた休暇は職員及び教習指導員が各自交替で取得)。
  14. ^ 教習車にカーラジオ・カーオーディオは搭載されていないが、送迎車は一般乗用車同様にカーラジオ・カーオーディオを搭載している(送迎業務中は当該地域の天気予報交通情報などを得る目的で地元のAM・FMラジオ放送を流すことも多い)。
  15. ^ 通勤用として用いている当該教習所教習指導員・職員の自家用車に教習生を乗せての送迎(いわゆる「白タク」まがいの行為)は社内規定で禁止されている場合が殆どである(万一事故を起こして教習生を死傷させた場合の責任・賠償を巡るトラブルや「教習生に教習車以外の車両=自分の自家用車で運転練習させる行為」予防のため。また「公用車」である教習車・送迎車・当該教習所に配備されている営業車の目的外使用も禁止。さらに渋滞緩和・飲酒運転防止などの観点から「マイカー通勤禁止」と規定している教習所も大都市圏を中心にある)。
  16. ^ タクシー・企業の営業車は大半がAT車のため「AT限定免許でも可」を採用条件に掲げる企業も増えてきたが、自動車メーカー・カーディーラー(中古車買取販売店も含む)・カー用品店・バイク&自転車販売店・自動車整備工場(ガソリンスタンドも含む)・レンタカー会社などはあらゆる車種の製造・販売・点検修理・部品交換・貸出・買取に対応できるよう「MT免許必須」を掲げる企業が多い。また路線バス・観光バス・トラック・建設車両などの大型車はMT車が大半を占めているので、原則「大型MT免許取得」が社の運転手採用条件に掲げられている。さらに「免許取得後1年以上経過(初心者マーク不可)」を採用条件に掲げる企業もある。
  17. ^ 就職を希望する高校生の場合、「原付・二輪は16歳・普通乗用車は18歳にそれぞれ達した時点で免許取得可能」としているが、各校では「運転免許を取得したい旨の届け出書面を担任教諭及び学校長へ事前提出した生徒にのみ教習所通学を許可し、免許取得活動は(長期休業期間などを活用し)学業に支障のない範囲で行わせる」と校則で定め、かつ「在学中に取得した免許は卒業時まで(当該生徒が所属する学級の)担任教諭が預かり、卒業証書を受け取るまでは自転車以外の車両運転を一切させない」方式を採用している(在学中に死傷事故を起こしたり交通違反で検挙されたことに起因する「就職内定取り消し」を防ぐため。教習所通学許可願の届け出書面には「免許取得を必要とする理由」を書く欄があり、私的趣味による在学中免許取得は原則許可されない=「入社時までに普通運転免許取得必須を採用条件に掲げる企業へ就職できるようにするため」という理由のみ許可。免許取得許可願の届け出書面を学校へ出さずに=担任及び学校長に内緒で教習所へ無断通学したり、通常授業を無断欠席して教習所通学した生徒へは「停学」又は「退学」処分が課される場合あり。また素行不良、学業成績不振、遅刻・欠席・早退過多の生徒も在学中の免許取得許可が下りない場合あり)。大学・短大・専門学校の場合、学則に運転免許取得に関する規定は特段設けておらず、「教習所通学は学業に支障のない範囲で行い、在学中に免許を取得した後は飲酒運転や交通違反で検挙・及び死傷事故を起こして就職内定取り消しを招かぬよう啓発」する程度にとどめている。
  18. ^ 運行時間は概ね「教習開始1時間前〜当日の最終教習時限終了1時間後まで(平日は8時台〜20時台、土日祝は8時台〜17時台。始発便は迎えのみ・最終便は送りのみのそれぞれ片道運行となり、始発便の往路=教習所から各コースへと最終便の復路=各コースから教習所へは回送)」となっており、自宅や学校などから教習所へ向かう利用者は(急カーブなど見通しの悪い場所・交差点・急勾配箇所・横断歩道・駐停車禁止箇所・路線バス停留所の近くを避けた)安全で見通しの良い運行経路上にて手を挙げて合図すれば乗車可能。車種は主にトヨタ・ハイエース日産キャラバンデリカなどのワゴン車・ライトバンなどが用いられており、各教習所ロゴが車体に印字されている(かつてはMT車が用いられていたが、近年は教習所送迎車両もワゴンタイプ・ライトバンはAT車を導入する場合が殆ど。利用者数の多い路線では三菱ふそう・ローザトヨタ・コースターなどのマイクロバスが用いられる場合があり、この場合は準中型・中型・大型の各免許を有する職員・教習指導員が運転)。また送迎車の左後ろドアは運転手のボタン操作により自動開閉となる場合と、利用する教習生自身が(一般の自家用車同様)手動で開閉する場合の二通りある。送迎車両運転手は担当する当該コースにおける各停留所乗降人員を運転日報へ記録し、担当区間運行終了後に教習車両管理者(安全運転管理者)へ(運転日報を提出する形で)それらを報告する(報告を受けた内容は今後の送迎車コース&ダイヤ作成資料として年に数回実施の当該教習所定例職員会議に諮られ、その席上にて送迎車各コース及び運行ダイヤを教習生からの要望などと総合的に勘案したうえで決定)。なお教習所送迎車は昼休み時間帯(正午〜13時の間)も運行されるため、当該時間帯に送迎車を運転する職員(教習指導員)は昼休み時間をずらしている。
  19. ^ 老朽化したり車検切れが迫った教習車・送迎車は新車へ置き換えられるが、号車は以前の車両番号をそのまま引き継ぐ場合が多い(ただしナンバープレート登録番号&記号は変更。また新車更新時は送迎車・教習車の免許種類ごとに車種・メーカー・車体色・車体に印字される当該教習所ロゴが以前と変わる場合あり。なお教習車は一般乗用車とは異なる特殊仕様&装備であるため、退役後は他社への譲渡などはされず原則廃車・解体)。
  20. ^ 将来指定自動車教習所指導員になりたい場合、「教習を担当したい車種(普通・原付・自動二輪・準中型・中型・大型・特殊・牽引)の第一種免許(MT)を取得した、志願時点で21歳以上の者」という条件を満たすことが「(教習所のある都道府県公安委員会が行う)教習指導員認定審査」及び「当該教習所社員採用試験」に応募する最低条件となる(普通・準中型・中型・大型・特殊・牽引の場合、AT限定免許では原則応募不可でありMT免許取得が最低条件。大半の自動車教習所では「自分が担当したい車種のMT免許を取得」した人材を面接などによる選抜を経て正社員として採用。入社直後は「見習い」として先輩指導員補助などを担当し、その後「教習指導員及び技能検定員認定審査」に合格して初めて指導員&検定員として独り立ちさせている)。教習及び検定は「自分が免許及び指導員&検定員資格を有する車種のみ担当可」とする旨が道路交通法で定められており、全車種の教習・検定を担当するには第1種・第2種合わせて22種類の指導員及び検定員資格を取得しなければならない(交通違反・飲酒運転などによる検挙及び事故歴が1回でもあり、認定審査&教習所社員採用試験応募時にそれら事実を隠した=履歴詐称した場合、審査&採用試験は不合格となり教習所指導員への道は閉ざされる。さらに殆どの教習所では「現役の教習所指導員が公用車・自家用車を問わず飲酒運転・交通違反で検挙されたり死傷事故を起こした場合、及び「免許を取り消されるなどして失効した旨を上司に申告せず無免許で教習したり公用車を運転し続けていた」場合は原則懲戒解雇」と規定。加えて「公金着服」・「公用車の私的(目的外)使用」・「規定通りの点呼不実施」・「粉飾決算や水増し」・「現役教習指導員&職員の飲酒運転・交通違反・死傷事故・無免許運転=更新せず失効した免許証や車種に適合しない免許証で運転」・「検定時におけるカンニングや設問漏洩など、特定の教習生が有利になるような八百長および贈収賄行為」・「現役指導員による教習生・同僚・先輩・部下などへの暴力・セクハラ・パワハラ・暴言行為」・「車検切れを放置したまま教習車・送迎車・営業車運行」・「飲酒検査での身代わり・替え玉行為」・「免許失効となり無免許状態で教習及び公用車運転」などが相次いだ教習所は、所轄の公安委員会より「一定期間の業務停止」・「教習車&送迎車数台を一定期間使用停止」・「公認剥奪」・「教習所の信用を著しく失墜させる問題行動を起こした当該人物を対象とした教習指導員及び検定員資格剥奪」など道路交通法に基づく行政処分が下される)。さらに「技能検定員」資格を取得して技能検定も担当したい場合は、「検定を担当したい車種の免許を取得して7年(志願時点で25歳)以上。かつ所属教習所における教習指導員としての実務経験4年以上」という条件を満たさなければならない。加えて道路交通法で定められた「高齢者講習」を担当したい場合は「高齢者講習指導員」資格が別途必要となる(志願時点で25歳以上、かつ教習指導員としての実務経験5年以上」の条件を満たせば受験可能)。なお年に数回の「全国指定自動車教習所指導員研修会」及び「新任教習指導員勉強会」は、名古屋市昭和区にある「中部日本自動車学校」にて実施されている。
  21. ^ 日本国内にある大半の指定自動車教習所では、トヨタの子会社「中部日本自動車学校」が発行している学科&技能教習用教本が用いられている(但し「応急救護処置」と「安全運転の基本」は全日本指定自動車教習所協会連合会発行の教本を使用)。
  22. ^ この運転シミュレーターは他の教習項目でも使われているが、画面を見ていて目眩を起こす教習生が少なくなく、またその教習効果について疑問視する意見もあり、現場での評判はあまり芳しくない。
  23. ^ 特に交通量の多い高速道路を教習ルートに選定している教習所では危険防止の観点から専らAT車が使用されている。これに関連する高速教習中の事故例もあり、特に重大なものとして高速教習開始直後の1994年6月20日京都市洛東自動車教習所(2016年閉校)の教習車が名神高速道路草津パーキングエリア付近において教習生の操作ミスにより高速道路本線上でエンストし立ち往生、そこに居眠り運転の大型トラックが追突し後部座席に座っていた教習生1名が死亡するに至った事例が存在する。
  24. ^ 緊急自動車パトロールカー白バイ消防自動車救急車など、所轄の都道府県警へ「緊急自動車」として登録しているパトライト及びサイレンを搭載した、いわゆる「サイレンカー」)は一般の自家用車同様「白ナンバー」及び「黄色ナンバー」車なので(現行の道路交通法には「緊急自動車を運転するために必要な独自運転免許制度」規定がないため)、(自動二輪・普通・準中型・中型・大型・特殊など)各車種に適合した第一種免許があれば運転可能だが、常に危険と隣り合わせである「緊急走行」を伴う性格上(道路交通法の「サイレンを鳴らしパトライトを点滅させての走行時は赤信号で停止しなくても良い」という例外規定が適用されるため)、配属先の組織(消防本部・警察本部)及び事業所において(一般車両との接触・物損・人身事故を未然に防ぐことを目的とした)運転技能習熟訓練&認定試験を(地元の運転免許試験場又は指定自動車教習所コースを借りる形で)独自に実施し、合格者に「緊急自動車運転認定証」を独自に発行している(ただ単に「普通・準中型・中型・大型・大型特殊・牽引・自動二輪の各免許を有している」のみでは緊急自動車の運転が出来ず、まず「車種に適合した第一種免許を取得後2年以上経過し=志願時点で20歳以上で、かつ無事故無違反を1年以上継続」という最低条件を満たさなければならない。警察の場合、各都道府県警組織内で一般自動車教習所より高度なパトカー及び白バイ運転技能習熟訓練&試験を独自に実施し、その運転技能に応じて「4級〜1級」までのレベルを設定(但しパトカー・白バイ運転習熟訓練に参加可能な警察官人数には上限が設けられており、技能試験の不合格が続くとパトカー・白バイの運転ができなくなる)。新人警察官は警察学校における研修期間中「3級」までの取得を目標とした車両運転訓練を実施。公道の緊急走行は「2級」以上へ昇進出来ないと不可で、3級以下は「『緊急走行が可能な車種と場面を絞る』という条件・制限付での運転」となる。最上級となる「1級」へ昇進すれば一般指定自動車教習所教習指導員より上位レベルとなる「パトカー&白バイ運転技能習熟訓練指導員」資格が得られ、後輩若手警察官へパトカーや白バイ運転方法などの指導が可能=教習指導員の多くは自動車警ら隊交通機動隊高速隊などの「パトカーのプロ集団」で活躍する現役ベテラン交通部門隊員。また白バイ隊員を対象とした「都道府県及び全国白バイ運転技能競技会」も年に数回実施されている。なおパトカー&白バイの運転技能習熟訓練は「普通MT免許及び自動二輪免許を取得後2年以上経過=志願時点で20歳以上」という条件を満たしている警察官のみ参加可能。パトカーはMT車が大半を占めているのでAT限定免許では原則運転不可。パトカー&白バイ運転技能検定は一般の運転免許技能試験より難しく、合格は狭き門となっている。また最も高度なパトカー&白バイ運転技能と臨機応変の判断力を必要とする「高速隊」へ配属されるためには、「交番」・「配属警察署交通課」・「自動車警ら隊」・「機動捜査隊」・「交通機動隊」など一般道路を管轄する各部署において実務&運転経験を一定期間積み重ねる必要があり、高速隊配属後も日夜厳しい訓練を積み重ねる)。さらに運転技能が正常に維持出来ているかを確認する「緊急車両運転技能考査」も毎年実施されており、これに不合格となった者は緊急車両の運転が一定期間出来なくなる。
  25. ^ 大型2種免許を指定自動車学校にて教習・技能検定を受講できるように法令改正された際、これまで大型2種を届出校として運用していた学校は、新たに指定を受けるために学費免除の学生を募集し検定一発合格できるよう指導を受けさせて連続10名の合格者を出せるような体制を行っていた

出典

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  1. ^ 自車校(青森)、車学(新潟)、自校(静岡)、自練(沖縄)...知らないと恥をかく?地域別「自動車教習所」の呼び方(2014.4 Jタウンネット東京都)
  2. ^ 下川耿史 家庭総合研究会 編『明治・大正家庭史年表:1868→1925』河出書房新社、2000年、415頁。ISBN 4-309-22361-3 
  3. ^ 「八王子自動車教習所」が突然の倒産-教習生に衝撃が広がる
  4. ^ a b c d 冨永誠美「運転免許制度の現状と問題点」国際交通安全学会誌(2021年1月29日閲覧)
  5. ^ a b c ICC国際交流委員会『Challenge Now!アメリカ大学留学決定版 2007年』、93頁
  6. ^ a b c d e f 芳賀繁『事故がなくならない理由: 安全対策の落とし穴』PHP新書、2012年、38-39頁

関連項目

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外部リンク

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