卒業証明書

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卒業証明書(そつぎょうしょうめいしょ)とは、学校等の教育機関において必要な課程を修了し、卒業したことを証明する書面。

発行主体による相違点[編集]

一口に卒業証明書と言った場合は、「学校教育法に定める学校の発行したもの」又は「指定自動車教習所の発行したもの」を指す場合が多い。

学校教育法に定める学校の卒業証明書[編集]

学校教育法に定める学校の発行する卒業証明書は、卒業証書や学位記のように1枚のみ交付、再交付不可というような条件はなく、必要に応じて申請することによりいつでも枚数無制限に交付されることから、対外的に卒業を証明したい場合(進学時や就職時)に利用されることが多い。

場合によっては厳封されていることがあり、その場合は開封すると無効になるので注意が必要である[1]。あるいは、厳封の如何に関わらず、改竄防止処理を施して、複写機でコピーしたものには、「複写無効」、「unofficial」などの文字が浮き出てくる証明書用紙を採用する場合も多い(この場合は、提出先により、本来は厳封が必要と判断される場合でも厳封不要とされる場合もある)。

加えて、卒業直前に控えた者が同様に不確定ではあるものの間もなく卒業することを対外的に証明するために卒業見込証明書が発行されたり、その他退学証明書在籍(期間)証明書[2]など在籍期間があったことを証明する書類の発行を受けることができる。

なお、大学院の場合は、「修了証明書」となる。通信教育の場合は「通信教育課程」と表記される。

発行にかかる料金は、大学専修学校が発行する卒業証明書・卒業見込証明書は、私立大学の場合は有料[3]であることがほとんどである(国公立大学の場合はこの限りではなく、返信用封筒に貼付する郵送料相当の切手のみというケースもある)。高等学校も、公立であれば管理する地方自治体の条例、私立であればそれぞれの学校が定めた規則に従って発行手数料がかかる。一方、中学校小学校では、郵送料を除き無料で発行される。

卒業後、学校統合や廃校により在籍学校が無くなった場合でも、卒業証書授与台帳学籍簿の保管を引き受け証明発行事務を継承した学校がある場合は、その学校で発行を受けることができる。ただ学校法人が経営破綻した場合(例:酒田短期大学創造学園大学)といった特殊ケースでは、結果として文部科学省や各都道府県が発行業務を引き継いだ例もある[4][5]

なお、学校により、卒業証明書(修了証明書)に記載される内容が微妙に異なることがあり、例えば、学位名[6]の表示がない、卒業(修了)年月は表示されているが卒業(修了)年月までは表示されない、などがあり、提出先によっては補足証明を要求されたり、証明書自体の不備(もちろん、提出者の落ち度はなく、発行者側の問題である)として差戻(リジェクト)をしたりするケースもある。

大学により、改竄防止処理がなされた証明書を発行するケースとそうでないケースとがある。成績証明書などとは異なり、改竄防止処理をしていなくとも、発行者厳封にしないケースも見られる。

指定自動車教習所の卒業証明書[編集]

指定自動車教習所の卒業証明書の例

道路交通法に基づき、指定自動車教習所では教習課程を全て修了した者は卒業検定を受検する。卒業検定の検定課題や採点方法は自動車運転免許試験における技能試験に準じて行われる。そのため、卒業検定に合格し指定自動車教習所を卒業をしたことは即ち技能試験合格の基準を満たしたことを意味する。教習所卒業後に運転免許試験場で運転免許試験を受験する際、卒業証明書を添付することで運転免許試験場での技能試験及び取得時講習が免除される。卒業証明書は卒業検定の合格日より起算して一年間有効である。

卒業証明書は、前記の卒業証明書とは異なり原則再交付不可なので、紛失等には注意すべきである。だだし再発行可能な場合がありその場合でも卒業検定合格した日を起算して一年間は変わらない、再発行した場合は右上に朱書きで「再発行」と記載される。指定自動車教習所業務指導の標準について - 警察庁 第6 卒業証明書等の記載方法 1 卒業証明書(法第99条の5第5項及び゙府令第34条の2第2項) (2) 再発行の場合の記載要領”. 警視庁. 2014年4月22日閲覧。

類似する書類・混同する恐れのある書類[編集]

卒業を証明するという同じ役割を持つ書面としては、卒業証書学位記がある。保育所や幼稚園では卒園証明書と呼ばれる。

関連する書類[編集]

  • 学力に関する証明書2009年4月以降法定された、教育職員免許状の授与申請等に必要とされる書類。別表1,2,2-2での申請の場合は、卒業証明書で証明されるべき内容(基礎資格と称する)が記載されるため、単位修得機関と基礎資格が成立する機関が同一である場合[7]は、セットで卒業証明書を提出する必要がない。

注釈[編集]

  1. ^ 学校によっては、提出先の指定に応じた対応をするケースが多いことを理由に、申込書に厳封の要否の記入をさせる場合もある。
  2. ^ 通常は、入学日(入学式の年月日)から卒業日(学位記授与式の年月日)の期間が表示されるが、大学によっては年月のみしか表示しないケースもある。中途退学満期退学の場合は、入学日から実際に退学した年月日の表示となる。同様に、年月日となるか年月までの表示かはその大学により異なる。
  3. ^ 発行料の決済は、教育機関により、窓口に直接来室した場合は現金決済(証明書発行機ないしは教育機関独自の証紙[要曖昧さ回避]での硬貨投入を含む)でも可能なケースが大半だが、郵送の場合は郵便切手同封、定額小為替証書、後日のゆうちょ銀行宛ての電信振替など、対応がまちまちとなっている。また、切手を貼付した返信用封筒が別途必要なケースと発行料や同時に別途請求するために返信用封筒の同封不可とするケースなどがある。
  4. ^ 経営難で大学が閉鎖 卒業生履歴のゆくえは?(西島美保、オールアバウトブックス、2013年)
  5. ^ 文部科学省が破綻した大学の学籍簿の管理及び証明書発行の業務を大学評価・学位授与機構へ移管 - Clear Consideration(大学職員の教育分析)・2013年4月9日
  6. ^ 例えば、「法学部法律学科を卒業したことを証明する」と記載があっても、「よって「法学士(あるいは「学士(法律学)」)」の学位を授与した」とまでは明記されないケースがある。このため、大学の卒業が学士の学位を得ることとほぼ同等であると暗黙の了解事項であったとしても、「学士の学位」を要件とする資格の証明書としては不足と解釈されることもある。
  7. ^ すなわち、卒業と単位修得完了が同一あるいは、あらかじめ一括申請を行うことによって、学位記授与式に免許状も学校を通して授与されるケースを含む。