田中靖洋
千葉ロッテマリーンズ #47 | |
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![]() 2019年6月7日、東京ドームにて | |
基本情報 | |
国籍 |
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出身地 | 石川県小松市[1] |
生年月日 | 1987年6月21日(33歳) |
身長 体重 |
183 cm 88 kg |
選手情報 | |
投球・打席 | 右投右打 |
ポジション | 投手 |
プロ入り | 2005年 高校生ドラフト4巡目 |
初出場 | 2010年4月15日 |
年俸 | 2,700万円(2021年)[2] |
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度) | |
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派遣歴 | |
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この表について
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田中 靖洋(たなか やすひろ、1987年6月21日 - )は、千葉ロッテマリーンズに所属する石川県小松市出身[1]のプロ野球選手(投手)。右投右打。実兄の田中良平は元プロ野球選手で、靖洋の前に投手としてロッテに所属していた[3]。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
高校生までは捕手を中心に内外野すべてをこなしていたが、高校2年生の時に本格的に投手に転向した[4]。3年生時に石川県選抜チームのメンバーに選ばれ、日米親善試合に出場した。夏の甲子園・石川大会の1回戦に県立加賀高校の五番・投手として出場したが、同校はこの試合で敗退した[5]。
2005年10月3日に行われたプロ野球ドラフト会議で西武ライオンズから高校生ドラフト4位指名を受け入団[6]。
西武時代[編集]
プロ入り後4年間は一軍公式戦に出場なし。2009年(4年目)のオフにダルビッシュ有、野上亮磨らと共に自主トレを行った[7]。
2010年4月15日の東北楽天ゴールデンイーグルス戦の9回に4番手でプロ初登板し、1回を投げ1失点[8][9]だった。29日の千葉ロッテマリーンズ戦で初めて先発投手を務めたが、3回までに4点を奪われて敗戦投手になった[8][10]。その後、右肘の痛みが原因で出場選手登録を抹消され、8月に右肘の靭帯再建手術を受けた[8]。
2012年に一軍へ2年ぶりに復帰すると、中継ぎとして5試合に登板した。
2013年は一軍公式戦の出場機会がなかったが、イースタン・リーグでは公式戦38試合に登板。チーム最多の9セーブを挙げた[12]。シーズン終了後には、チームメイトの岩尾利弘、相内誠、藤澤亨明と共に、オーストラリアン・ベースボールリーグのメルボルン・エイシズへ派遣。現地のウインターリーグに参加した[13]。なお、シーズン中の5月26日には、東京都練馬区内で自家用車を運転中に環状8号線の井荻トンネル内で追突事故を起こしている[14]。
2014年には、中継ぎ投手として一軍公式戦8試合に登板した。2015年8月31日の楽天戦(楽天Koboスタジアム宮城)で一軍初セーブを記録した。[15]9月12日の北海道日本ハムファイターズ戦(西武プリンスドーム)では、同点の11回表二死から登板し、1/3回を投げて日本ハム・中田翔に勝ち越し適時打を許した(この失点が記録されたのは、その前に登板していた武隈祥太)が、11回裏に中村剛也がサヨナラ本塁打を打ったために、入団10年目にして一軍初勝利を挙げた[16][17]。イースタン・リーグ公式戦には28試合に登板し、チーム最多にしてリーグ2位の11セーブを記録した[18]が、球団は翌2016年の戦力構想から田中を外したうえで、NPBの他球団にトレードを打診。成立に至らなかった[19]ため、10月27日に戦力外通告を受けた[20]。12月2日付で、NPBから自由契約選手として公示[21]。
西武退団後[編集]
NPB他球団での現役続行を希望していたことから、2015年11月10日に12球団合同トライアウト(静岡草薙球場)へ参加。打者3人に対するシートバッティング形式での対戦で、前年まで東京ヤクルトスワローズに育成選手として所属していた佐藤貴規に二塁打を浴びた[22]が、参加した投手の中では最速の147km/hをストレートで計測した[19]。
トライアウト直後の2015年11月17日からは、実兄の良平がかつて所属していた千葉ロッテマリーンズの秋季キャンプに参加。入団テストを兼ねて登板した紅白戦で、最速147km/hのストレートを投げたこと[19]などが評価された末に、合格へ至った。
ロッテ時代[編集]
2015年12月7日に、ロッテへの入団が正式に発表された[23]。推定年俸は550万円で、背番号は47。
2016年には、春季キャンプ前の1月に一般女性と結婚[24]。一軍公式戦では、8月7日の対オリックス戦(京セラドーム大阪)で移籍後初登板を果たした[25]ことを皮切りに17試合へ登板。防御率は2.76で、9月7日の対日本ハム戦(札幌ドーム)ではプロ初ホールドを記録した。
2017年には、前年に続いて、夏場から一軍に合流。9月6日の対埼玉西武ライオンズ戦(メットライフドーム)延長10回裏での救援登板では、一軍公式戦初登板の成田翔が招いたピンチを抑えた末に、西武時代の2015年以来2年振りのセーブを挙げた。一軍公式戦全体では13試合の登板ながら、防御率を1.98にとどめるなど好投を続けた。
2018年には、一軍公式戦32試合の登板で2勝1敗5ホールドをマーク。防御率は4.44ながら、本人曰く「濃い1年だった」とのことで、シーズン終了後に推定年俸2,000万円(前年から750万円増)という条件で契約を更改した[26]。
2019年には、8月に一時戦線を離脱しながらも、一軍公式戦でキャリアハイの登板数(44試合)と勝利数(4勝)を達成。防御率も2.72にとどめたことから、シーズン終了後には、推定年俸3,500万円(前年から1,500万円増)という好条件で契約を更改した[27]。
2020年は、開幕1軍入りし、公式戦8試合の登板で1勝2ホールドをマークし、防御率は2.45だったが、7月22日に出場選手登録を抹消[28]。8月3日に球団から右肘の後方骨棘切除術及び遊離体除去術を受けたことが発表された[29]。全治は3か月の見込み。
選手としての特徴[編集]
西武時代までの投球フォームはオーバースローだったが、ロッテへの移籍を機に、サイドスローへ変更[30]。右打者へのシュートを武器に、30代の前半からロッテの一軍救援陣へ食い込んでいる[27]。
2019年4月にチームメイトの中村奨吾が守備練習中に左目の下を10針縫う大けがを負った際、顔の傷口が治るまで1人で洗髪するのに苦労していたのに田中が気づき、傷口を避けながらシャンプーで頭を洗ってくれたというエピソードを中村が明かしている[31]。
詳細情報[編集]
年度別投手成績[編集]
年 度 |
球 団 |
登 板 |
先 発 |
完 投 |
完 封 |
無 四 球 |
勝 利 |
敗 戦 |
セ 丨 ブ |
ホ 丨 ル ド |
勝 率 |
打 者 |
投 球 回 |
被 安 打 |
被 本 塁 打 |
与 四 球 |
敬 遠 |
与 死 球 |
奪 三 振 |
暴 投 |
ボ 丨 ク |
失 点 |
自 責 点 |
防 御 率 |
W H I P |
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2010 | 西武 | 11 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 60 | 12.2 | 16 | 1 | 6 | 0 | 0 | 7 | 0 | 0 | 9 | 7 | 4.97 | 1.75 |
2012 | 5 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | .000 | 40 | 8.1 | 10 | 1 | 6 | 0 | 0 | 6 | 0 | 0 | 6 | 6 | 6.48 | 1.92 | |
2014 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | .000 | 35 | 7.0 | 11 | 1 | 5 | 0 | 1 | 2 | 0 | 0 | 5 | 5 | 6.43 | 2.29 | |
2015 | 18 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 1 | 0 | .500 | 105 | 26.2 | 23 | 1 | 7 | 0 | 0 | 13 | 0 | 0 | 4 | 4 | 1.35 | 1.13 | |
2016 | ロッテ | 17 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | .000 | 68 | 16.1 | 16 | 2 | 5 | 0 | 2 | 11 | 1 | 0 | 5 | 5 | 2.76 | 1.29 |
2017 | 13 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 1.000 | 50 | 13.2 | 5 | 0 | 4 | 0 | 1 | 6 | 1 | 0 | 3 | 3 | 1.98 | 0.66 | |
2018 | 32 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 1 | 0 | 5 | .667 | 113 | 26.1 | 27 | 3 | 5 | 3 | 1 | 16 | 1 | 0 | 13 | 13 | 4.44 | 1.22 | |
2019 | 44 | 0 | 0 | 0 | 0 | 4 | 1 | 0 | 2 | .800 | 166 | 39.2 | 42 | 2 | 12 | 2 | 3 | 29 | 0 | 0 | 12 | 12 | 2.72 | 1.36 | |
2020 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 2 | 1.000 | 30 | 7.1 | 5 | 1 | 4 | 0 | 0 | 8 | 0 | 0 | 2 | 2 | 2.45 | 1.23 | |
NPB:9年 | 156 | 1 | 0 | 0 | 0 | 9 | 6 | 2 | 10 | .600 | 667 | 158.0 | 155 | 12 | 54 | 5 | 8 | 98 | 3 | 0 | 59 | 57 | 3.25 | 1.32 |
- 2020年度シーズン終了時
年度別守備成績[編集]
年 度 |
球 団 |
投手 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
試 合 |
刺 殺 |
補 殺 |
失 策 |
併 殺 |
守 備 率 | ||
2010 | 西武 | 11 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1.000 |
2012 | 5 | 0 | 1 | 1 | 0 | .500 | |
2014 | 8 | 0 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
2015 | 18 | 2 | 2 | 0 | 1 | 1.000 | |
2016 | ロッテ | 17 | 1 | 4 | 0 | 0 | 1.000 |
2017 | 13 | 1 | 2 | 0 | 0 | 1.000 | |
2018 | 32 | 4 | 7 | 0 | 0 | 1.000 | |
2019 | 44 | 1 | 9 | 0 | 1 | 1.000 | |
2020 | 8 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1.000 | |
通算 | 156 | 10 | 29 | 1 | 2 | .975 |
- 2020年度シーズン終了時
記録[編集]
- 初登板:2010年4月15日、対東北楽天ゴールデンイーグルス5回戦(西武ドーム)、9回表に4番手で救援登板・完了、1回1失点
- 初先発:2010年4月29日、対千葉ロッテマリーンズ9回戦(西武ドーム)、3回4失点で敗戦投手
- 初奪三振:同上、1回表に西岡剛から空振り三振
- 初セーブ:2015年8月31日、対東北楽天ゴールデンイーグルス22回戦(楽天Koboスタジアム宮城)、7回裏に3番手で救援登板・完了、3回無失点
- 初勝利:2015年9月12日、対北海道日本ハムファイターズ23回戦(西武プリンスドーム)、11回表に7番手で救援登板・完了、1/3回無失点
- 初ホールド:2016年9月7日、対北海道日本ハムファイターズ21回戦(札幌ドーム)、10回裏に6番手で救援登板、1回無失点
背番号[編集]
- 57 (2006年 - 2008年)
- 66 (2009年[32] - 2015年)
- 47 (2016年 - )
登場曲[編集]
- 「Not Afraid」EMINEM
脚注[編集]
- ^ a b 「2015プロ野球 12球団全選手 カラー百科名鑑」 廣済堂出版発行 97頁
- ^ ロッテ - 契約更改 - プロ野球. 日刊スポーツ. 2020年12月5日閲覧。
- ^ 田中 オリオールズとマイナー契約へ! スポニチ Sponichi Annex 2009年5月3日掲載
- ^ 12球団選手カラー百科名鑑 2006 日本スポーツ出版社 P66
- ^ 2008年度西武ライオンズ名鑑 田中 靖洋 スポニチ Sponichi Annex
- ^ 2005年 新人選手選択会議(埼玉西武ライオンズ) 日本野球機構オフィシャルサイト
- ^ ダルビッシュが練習公開 若手のコーチ役も 47NEWS 2010年1月24日掲載
- ^ a b c 監督から信頼の言葉 1年かかっても田中再起目指す スポニチ Sponichi Annex 2010年9月9日掲載
- ^ 2010年4月15日 埼玉西武 対 楽天イーグルス 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2008年12月10日配信
- ^ 2010年4月29日 埼玉西武 対 千葉ロッテ 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
- ^ 「宝島別冊 プロ野球選手データ名鑑2012」 宝島社発行 49頁
- ^ 2013年度 埼玉西武ライオンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ) 日本野球機構オフィシャルサイト
- ^ オーストラリア ウインターリーグ参加メンバーのお知らせ 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2013年10月23日配信
- ^ 西武田中が追突事故、相手は軽傷 日刊スポーツ 2013年5月27日掲載
- ^ 2015年8月31日 楽天イーグルス 対 埼玉西武 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイトを参照。西武が8点をリードしている7回裏の先頭から登板し、リードを保ったまま試合終了までの3イニングを完了したため(公認野球規則9.19(d)(3))。2015年のNPB公式戦において、この規定によりセーブが記録されたのは、他に8月19日の巨人対阪神戦における巨人・小山雄輝のみである。
- ^ 西武 秋山先頭弾に始まり、おかわり逆転サヨナラ37号締め スポニチ Sponichi Annex 2015年9月13日掲載
- ^ 2015年9月12日 埼玉西武 対 北海道日本ハム 成績詳細 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト
- ^ 2015年度 埼玉西武ライオンズ 個人投手成績(イースタン・リーグ)、2015年度 イースタン・リーグ リーダーズ(投手部門) 日本野球機構オフィシャルサイト
- ^ a b c 西武戦力外 田中が見せた「神対応」 来年はロッテで… スポニチ Sponichi Annex 2015年11月24日掲載
- ^ 埼玉西武ライオンズ選手来季契約について 埼玉西武ライオンズオフィシャルサイト 2015年10月27日
- ^ 2015年度 自由契約選手 日本野球機構オフィシャルサイト
- ^ ソフトバンク白根が3安打/合同トライアウト詳細 日刊スポーツ 2015年11月10日掲載
- ^ 田中靖洋投手の入団について 千葉ロッテマリーンズ オフィシャルサイト 2015年12月7日配信
- ^ “ロッテ田中靖 一般女性と結婚していた 増額1000万円でサイン”. スポニチアネックス. (2016年11月28日) 2016年11月28日閲覧。
- ^ “ロッテ田中靖洋が移籍後初登板「やっとチームの一員に」”. 日刊スポーツ. (2016年8月7日) 2017年2月1日閲覧。
- ^ “ロッテ田中750万増「濃い」自己最多32試合登板”. 日刊スポーツ. (2018年11月27日) 2019年12月5日閲覧。
- ^ a b “ロッテ 田中、1500万円増で更改 44試合登板、自己最多4勝「シュートが安定して投げられた」”. スポーツニッポン. (2019年12月5日) 2019年12月5日閲覧。
- ^ "【ロッテ】中継ぎの田中靖洋が右肘手術 全治3か月の見込み". スポーツ報知. 報知新聞社. 4 August 2020. 2020年8月4日閲覧。
- ^ "田中靖投手の手術について". 球団公式サイト. 千葉ロッテマリーンズ. 3 August 2020. 2020年8月4日閲覧。
- ^ “ロッテ田中靖450万↑ 新妻に「何かプレゼントを」”. 日刊スポーツ. (2016年11月28日) 2017年2月1日閲覧。
- ^ “「シャンプー田中」SNSでファンとつながるロッテ”. 日刊スポーツ. 2020年4月26日閲覧。
- ^ 2009年 背番号のお知らせ 埼玉西武ライオンズ オフィシャルサイト 2008年12月10日配信
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
- 個人年度別成績 田中靖洋 - NPB.jp 日本野球機構
- 選手の各国通算成績 Baseball-Reference (Japan)、 The Baseball Cube
- Yasuhiro Tanaka Official Blog - Ameba Blog 公式ブログ
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