「青色申告」の版間の差分
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青色申告の承認を受けた納税者は、所定の帳簿の備付けと記帳義務を負う。 |
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*法人の場合、青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日まで。ただし普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度の場合には、設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までとされる。 |
*法人の場合、青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日まで。ただし普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度の場合には、設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までとされる。 |
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*上記の提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限になる。 |
*上記の提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限になる(個人のみ)。 |
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== 青色申告の特典 == |
== 青色申告の特典 == |
2018年12月9日 (日) 01:37時点における版
この記事は特に記述がない限り、日本国内の法令について解説しています。また最新の法令改正を反映していない場合があります。 |
青色申告(あおいろしんこく)とは、複式簿記の手法に基づいて帳簿を記載し、その記帳から正しい所得や所得税及び法人税を計算して申告することである。
概要
もともと青色の申告用紙を使用して申告することからこの名があるが、2001年(平成13年)以降の所得税申告書は青色ではなくなっている。法人税申告書では表紙(OCR用紙を除く別表一)が現在でも青色である。しかし各税法上で青色申告の規定があり、実務上でも青色申告と呼ばれている。
1949年(昭和24年)8月に発表された日本税制報告書(いわゆる「シャウプ勧告」)にもとづいて施行された、青色申告制度に由来する。当時コロンビア大学の教授だったカール・シャウプが、約4ヶ月にわたり日本国内を視察中「日本人は青色をどのような感じで受け止めるのでしょうか。」とある日本人に聞いたところ、「青色は気持ちのよい色です。青空のようにすっきりとした色ですからね。」という答えが返ってきたところから、青色にしたと伝えられている。
政府は、帳簿書類の備付けを促し、申告納税制度を普及する目的から、青色申告を奨励しており、租税特別措置法などにおいて各種特典を設けている。また、青色申告は一定の要件を満たし税務署の事前承認を前提としており、青色申告によらない申告は「白色申告」と呼ばれる。
青色申告ができる者
不動産所得・事業所得又は山林所得(通称:不事山=フジサン)を持つ個人及び株式会社などの法人が、各承認申請期限までに所管税務署長の承認を受けてすることができる(所得税法第143条、法人税法第121条)。過去に青色申告の取消を受けたなどの場合で限り、下記申請期限までに承認申請書を提出すれば青色申告が承認される。
青色申告の承認を受けた納税者は、所定の帳簿の備付けと記帳義務を負う。 なお一度承認を受けても、帳簿等の記帳保存義務を守らなかったこと、相当な虚偽の記帳をしたこと、申告書を期限内に提出しなかったこと(法人税のみ)などに該当するときは、青色申告の承認が取り消されることがある。
青色申告の承認申請期限
- 個人の場合、青色申告書による申告をしようとする年の3月15日まで(その年の1月16日以後、新たに事業(業務)を開始した場合には、その事業の開始日から2月以内。)。ただし青色申告の承認を受けていた被相続人の事業を相続により承継した場合は、相続開始を知った日(死亡の日)の時期に応じて、それぞれ次の期間内とされる。
- その死亡の日がその年の1月1日から8月31日までの場合には、死亡の日から4か月以内
- その死亡の日がその年の9月1日から10月31日までの場合には、その年の12月31日まで
- その死亡の日がその年の11月1日から12月31日までの場合には、その年の翌年の2月15日まで
- 法人の場合、青色申告によって申告書を提出しようとする事業年度開始の日の前日まで。ただし普通法人又は協同組合等の設立の日の属する事業年度の場合には、設立の日以後3月を経過した日と当該事業年度終了の日とのうちいずれか早い日の前日までとされる。
- 上記の提出期限が土・日曜日・祝日等に当たる場合は、これらの日の翌日が期限になる(個人のみ)。
青色申告の特典
所得税の青色申告特別控除
「正規の簿記の原則」による記帳を行っている不動産所得者(事業的規模に限る)および事業所得者に対する65万円特別控除と、正規の簿記の原則に該当しないが簡易な簿記による記帳を行っている者(不動産所得者、事業所得者、山林所得者)に対する10万円特別控除がある。
これらの措置により青色申告による所得税の金額は、白色申告による場合より小さくなるが、上記のような義務が発生するため、承認の申請をする際には注意が必要であり、事業主や家族・被用者に簿記会計の知識がある、若しくは公認会計士・税理士などの専門家に記帳・税務申告を依頼することが必要となる。今日では、クラウドコンピューティングを用いたクラウド型会計ソフトが普及[1]したため、専門家に依頼せずに、自社で直接それを活用して記帳するという手段を取るようになった。さらに、ICT化社会に入り、e-Taxを用いるオンライン利用者が大多数となり、簡便な申告ができるようになっている。
記帳業務が煩雑化するための手間を手当てするための概算経費としている。
少額減価償却資産特例
30万円未満の減価償却資産については、一定の要件のもとに、取得価額の全額を必要経費又は損金経理することが認められている。但し、取得した年分に使用が開始したものに限られ、年間累計額が300万円を上限とされる。
青色事業専従者給与
所得税では、同居家族に支払う給与は原則として必要経費として認められないが、青色申告者が青色事業専従者に支払う適正な給与は事前届出の範囲内で認められる。
貸倒引当金
所得税では、事業所得の遂行上生じた売掛金、貸付金などの貸倒損失の見込額として貸倒引当金の繰入(一括評価)が認められる。
純損失の繰越控除
個人の青色申告者の場合、純損失は翌年以降3年間の繰越が認められる。また前年も青色申告であれば、繰戻し還付も受けられる。
欠損金の繰越控除
法人の青色申告者の場合、欠損金の翌期以降9年間(2018年4月以後開始事業年度分は10年間)の繰越控除が認められる。また青色申告書を提出している資本金1億円以下の中小法人等であれば、直前1年以内の法人税の繰戻し還付ができる。
推計課税
白色申告者の場合、税務調査の際帳簿等で所得の補足が出来ないときは、納税者の財産債務の増減や収支の状況、従業員数、同業他社との比較等の資料をもとに、税務署の推計により納税額等を決定できる。
脚注
- ^ 谷口健 (2017.11.28). 『週刊エコノミスト』「AIに負けない!税理士・会計士」25頁. 毎日新聞出版
出典
関連項目
外部リンク
- ^ 青色申告ができる者、青色申告の承認申請期限、青色申告の特典で引用。