クレイジー・クライマー

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クレイジー・クライマー
ジャンル アクションゲーム
対応機種 アーケード
開発元 [AC]日物レジャーシステム
[AC]ジョルダン
[FC]日本物産
発売元 日本物産
人数 1~2人交互プレイ
発売日 1980年
デバイス ツインレバー
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クレイジー・クライマー』(Crazy Climber)とは1980年日本物産が発売したアーケードゲームで、縦スクロールのアクションゲームである。日本物産の子会社である日物レジャーシステムとジョルダンの共同開発作品であった[1]

概要[編集]

クライマーが命綱なしで超高層ビルを登るというゲーム内容で、レバー2本使用という操作形態をとっている。2周目の難易度も同じ完全4面ループ制。

2本の8方向レバーは、それぞれが両腕の動作に対応している。上下に倒せばそれぞれの腕を上げ下ろしし、左右に動くには両方のレバーを同じ方向に倒す。両レバーを外側に倒すことで、腕を広げることもできる。

クライマーは、腕を下ろしきると上の階の窓枠に手がとどくようになっている。こうして、腕を下ろしてはもう片方の腕を上げ、また腕を下ろしてはもう片方の腕を上げ……という繰り返しでビルを登っていく。素早く登るコツは、肩叩きの要領でリズミカルに左右交互にレバーを上げ下げすることである。しかし動作には若干のタイムラグがあり、モーションを考慮に入れて腕が充分に伸びきってから上げた腕を下ろさないと、ジタバタするばかりで一向に登ることはできない。更にこのとき、あまりに早くレバーを動かしていると、まれに腕が充分伸びきっていない(支えを持っていない)状態で反対側の手を動かして(離して)しまうことがある。こうなるともちろんミスになるので注意が必要。

一列の窓枠に沿って上っていくのが基本だが、両腕を広げることで二列の窓枠にまたいで登ることもできる。ビルの窓はランダムに開け閉めされていくので、閉じている窓や閉まろうとしている窓を避けるために臨機応変に登り方を変える必要がある。

プレイヤーは開いている窓にしか手をかけられない。手が掛かっている窓が閉められても手を挟まれることはないが、窓枠に片手しか掛かっていない状態でその窓が閉められてしまうと支えを失い転落死してしまう(同じ窓に両手を掛けている時にその窓が閉まった場合も同様)。登るモーションの最中は片手にしか体重が掛かっていないため、閉まろうとしている窓を使って登るのはもっとも危険である。

道中ではビルの住人から物が落とされるほか、さまざまな妨害がなされる。詳細は#フィーチャーを参照。

200階建てのビルを登りきり、屋上で待っているヘリコプターに手を掛けるとステージクリアとなる。クリアの際に最大で1万点(1面)~2万5千点(4面)のボーナススコアが貰えるが、このボーナススコアは道中で落下物に当たったり一定時間登れず「ガンバレ」の声を掛けられるたびに1%ずつ減らされていく。なお、ボーナススコアが開始時の半分になるか(本作には特に演出はないが、次作『クレイジークライマー2』ではこの時に画面横からヘリコプターが高速飛来しクライマーを連れ去ってしまう)、屋上到達後一定時間ヘリコプターに手を掛けることが出来ずヘリコプターが飛び去った場合は、クリアとして次のステージには進めるが、登頂失敗と見なされて、そのステージのボーナススコアを貰うことができない(このとき、ミス時と同じ音が流れる)。

サンプリングボイスによる合成音声が使用されており、落下物に当たったときの「イテッ」、一定時間登らずにいる際に掛けられる「ガンバレ」や転落時の「アーッ」などが用いられている。

ミス
  • 手を掛けている窓が閉められた場合
  • 片手が手をかけていない状態で反対側の手を支えから離した場合
  • 片手のみで体重を支えている状態で、落下物(植木鉢、ビール瓶、鉄骨、等)をぶつけられたか、キングゴリラのパンチを食らった場合
    • 両手で体重を支えている状態(俗に「耐えのポーズ」「踏ん張りポーズ」と呼ばれる)で当たった場合であれば耐えられるが、ひるんで体勢が崩れ、片手が窓枠から外れるので、レバーを倒し続けたままにしておくなどして姿勢を再度整える必要がある。
  • 20段以上の高さで鉄骨・鉄アレイに当たった場合
    • 19段までは両手下のポーズで耐えることができる。かすめただけの場合には落ちずにミスとならないこともある
  • 落下看板に当たった場合
  • 特定のポーズ以外で一定時間以上シビレ看板に触れつづけた場合
裏技
  • ネームエントリーで名前を「JORDAN.LTD­」入力すると2クレジット入るという裏技がある。後期バージョンである海外版では文字数が3文字までに制限されているため行うことができない。

フィーチャー[編集]

おじゃまMAN
窓から顔を出して落下物(植木鉢やコップ、瓶など)を落としてくる。また、おじゃまMAN自体は閉じた窓枠と同じ扱いになるため、片腕がおじゃまMANにかかったまま落下物を当てられるとミスになってしまう。2つの落下物に同時に当たる(2面の序盤で起こりやすい)と耐え切れずに死んでしまうが、なぜか左腕を上げ右腕を下げた状態では無事に耐えられる。
しらけコンドル
小松政夫の「しらけ鳥の唄」に合わせて画面上部から出現し、一定間隔で卵と糞を落としてくる。1・2・4面に出現。
キングゴリラ
ピンクパンサーのテーマ(をスローテンポにしたもの)にあわせて出現、狭い2列に向かって左右に瞬間移動した後にパンチを繰り出す。動きがワンパターンのため大したことはない。両手で掴まってパンチを食らった時、死ぬときと死なないときがある。バグ技の対象物。1・3面に出現。
鉄骨、鉄アレイ
画面上部から、一定間隔でランダムに方向転換しながら落下してくる。軌道が読めない上に主人公の移動速度に対して落下速度が速いため避けるのが困難である。序盤の20階までは両腕を下に下ろしきった姿勢で耐えられるが、それより高い階で当たると基本的には死亡。かすっただけの場合などには死なないこともある。2~4面の序盤で必ず出現するほか、その面でノーミスが続いていると中盤以降も面数と同じ数が同時出現し、ノーミスクリアを困難にする。中盤以降で1ミスすると同時出現する数と出現範囲が大幅に減る。1面は通常のプレイでは鉄は降らないが数十分もの間、粘っていると1面でも鉄が降り出す。
シビレ看板
ちぎれた電線が、火花を散らしながら腕を振り回すような状態になっている。クライマーは火花に触れると感電し、キャラクターの色(服・頭・手足)がランダムで変化する。一定時間触れて感電した時、片手で掴まった状態でさらに感電すると死んでしまうが、両手で踏ん張って感電しきるとそれ以上の当たり判定はなくなる。火花が散っているのは特定の決まった列なので、避けて登ることもできる、2・4面で出現。
ハズレ看板
横幅が窓枠2つ半ある大きな看板が落下してくる、引っ掛かりながら落下してくるので落下速度は遅く、また左右移動もしないため落ち着いて対処すればよい。3面ではあらかじめ避けることのできる列を見付けながら避けると良い。4面は最後の二股で出現するため、頭上に落ちてこないことを祈りながら運に任せるほかはない。即死トラップではあるが、稀にすり抜けることもある(当たり判定が看板内に点在しているため、特定の段やポーズによっては絶対すり抜けるケースもある)。3・4面で出現。
ラッキーバルーン
パッヘルベルのカノンに合わせて出現し、掴まると、ドラえもんのうたに合わせて8階層上に上げてくれる。点数的なうまみはない(普通に登ってもバルーンで登っても点数は同じである)ものの上昇中は鉄骨の落下が止まるため、ノーミスクリアの手助けになることも。なお、たまに窓が閉っている階で下ろされることがあるが、その場合はその窓が再び開くまで待っているのでミスにはならない。出現中、どのフロアで掴んでも降ろされるフロアは同じである。2・3面で登場。

バグ技[編集]

このゲームには多数のバグ技が存在する。

逆スクロールを利用するもの
通常は一度登ったら降りることはないが、窓枠の間の隙間を利用することで一段だけ下に降りることができ(二段下に降りようとしても二段下に降ろした手が支えを掴んでいない状態と同様の動作になってしまう。このため、1階に降りることもできない)、スクロールオーバーのような現象を起こしてキャラクターをバグ状態にする。基本的に固定キャラのみだが各キャラクターによって現象が違う。半分登った状態(俗に「カニ」「ウンチングスタイル」などと呼ばれる)を併用することによっても起こる現象にバリエーションがある。ちなみに、降りた段を再び登っても得点は入らない。
キングゴリラ
行う場所によって、現象が少し変わる。足が見えてすぐ一段降りてすぐ一段降り再び登ると、腕と体の位置が一段ずれてしまいスプラッターな状態になる。下半身が見えてから一段降りすぐ登ると、目玉が頭の上に乗った状態になり、まるでリボンをしたようになる。
シビレ看板
2面では左右に分かれる一番下に登ってシビレ看板のBGMが流れる階で一段降りて再び登るとシビレ看板が消えている。4面でも同様にできるが、これをノーミス時に行うと2・4面ともに特定障害物がなくなったことになりノーミス鉄が降り出す。細部に違いがあるニチブツ・アーケード・クラシックス版では、シビレ看板が出掛けた所で腕を上げて戻すと、シビレ看板から伸びている電線がなくなるので少し有利になる。
逆バルーン(バージョンによりできるものとできないものがある)
分岐が終わり6段目、半分登ってBGMが流れる地点から一段降りすぐ登ると、下からラッキーバルーンが出てくる。この状態でミスして転落しバルーンに触れると、8階層登ったあと壁面の半端な位置で止まってしまい、両手ともに窓枠にかかっていない状態となるためゲーム続行不能になってしまう。当時は、これをわざとやって店側に再ゲームを要求する客がいた。運良く触れた位置がちょうど窓枠位置と一致した場合はその位置のままで登り続けることができるが、頂上までたどり着いてもヘリコプターは画面下部までは降りてこないためボーナスは得られない。
ヘリ
最後の一段(半分の窓)を、ウンチングのまま登らないで待ち、ヘリを掴む際に登った音がしないように掴むと、クリア時のBGMが歯抜けになる代わりに、「ガンバレ」と言われてしまう。音声合成チャンネルが1チャンネルしかないための仕様かと思われる。
ヘリ2
通常クライマーはヘリに片手でしか捕まることができないが、最後の一段(半分の窓の下)で、わざとミスをすると何故かクライマーが一段上がった状態でリスタートし、そのまま両手でヘリを掴みクリアすることができる。また、同じ方法でウンチングスタイルなど様々なスタイルでヘリを掴むことができる。
斜めにレバーが入ると横移動ができなくなる
バグと言うより欠陥なのだが、斜めにレバーが入ると横移動ができなくなるという厄介な欠陥がある、ただ両手が共に上の時は斜めにレバーを入れても横移動できる。当時の筐体はスティックの操作方向が、物理的に8方向と4方向あり、8方向レバーだと3面上部の移動箇所が2箇所しかない場所においての鉄骨避けが芸術的に行えるが(上りながらの斜め移動が可能)、4方向レバーの筐体だとこれが不可能だった。
おじゃまMANが出てこなくなる
クライマーが中途半端に登った状態では、植木鉢などを落とすおじゃまMANが出てこなくなる。この技を利用して、ウンチングスタイルでゆっくり横移動をする事が可能。
鉄骨が降ってこなくなる
キャラクターオーバーの関係からか、一部の場所でウンチングスタイルをすると鉄骨が降って来なくなる。最も判りやすい例としては、ノーミスで逆バルーンの位置でウンチングスタイルをすると、鉄骨が降って来なくなる。

続編[編集]

クレイジークライマー'85
プレイステーション版『ニチブツアーケードクラシックス』に収録。1985年に発売される予定で開発中だったが、ほぼ同時期に発売のシューティングゲーム『テラクレスタ』の部材を確保するためにお蔵入りとなり、一部の内容は1988年に発売の『クレイジークライマー2』に引き継がれた」といった旨の記述があるが、そのような事実はない。詳しくはニチブツアーケードクラシックスの注釈参照。
クレイジー・クライマー2
1988年に発売。グラフィックやサウンドは時代に合わせて前作よりも大幅にパワーアップされている。真面目に登るよりも窓が閉まらない場所で強制クリアを待つほうが有利となる攻略が発覚するなど、惜しい完成度であった。
体感!クレイジークライマー
  • 2007年のAOUショーに出展。アーケード版はロケテストの実施のみでお蔵入りとなり未発売となったが、同年にWii用ソフトの『クレイジークライマーWii』として同内容のものが発売された。ビルを登る操作をプレイヤーが腕を上下させて行うのが特徴。グラフィックは時代に合わせてポリゴン表示の3DCGとなっている。

移植[編集]

PC-8001
参考:『I/O1981年12月号に掲載された投稿作品。独特の移動方法をレバー2本でなく、テンキー8個で再現
MZ-80B
参考:『I/O』1982年1月号に掲載。操作方法がテンキーから上・左・右の3つだけと極端に簡略化されているが、ゲームバランスは良い
ファミリーコンピュータ
1986年12月26日発売。縦にしたコントローラーI・IIを並べて十字ボタンを2つ使用するという操作方法を採用。その為、コントローラーの十字キー部分に装着して使う「クライマースティック」も同梱されていた。基本はアーケード版からの移植となるが、グラフィックの全面的なリファイン、ステージ数や敵キャラなどの増加、多数のオリジナルアイテムが追加されるなど、ゲーム内容は大幅なパワーアップが計られている。
また、隠しアイテムの鍵を入手すればビル内部のオリジナルのアクションゲームのステージへ進む(その際はコントローラーを通常の横持ちで操作)。全ステージのビルの部屋内にある勲章を全て入手すればエクストラステージへと進み、これらをクリアすればエンディングとなる。
ビデオゲームアンソロジー Vol.5
1993年8月27日に発売。シャープX68000電波新聞社がリリースしていた『ビデオゲームアンソロジー』のシリーズ第5弾として発売。アーケード版のクレイジージークラーマーとクレイジークライマー2とのとカップリングで移植。先に発売の『ビデオゲームアンソロジー vol.4 リブルラブル 』に同梱されていた専用十字パッドでも操作可能だった。
ニチブツアーケードクラシックス
ムーンクレスタフリスキー・トムと本作を3本収録して発売。サウンド関連の権利関係を考慮してか、微妙にアレンジしたものになっておりアーケード版とはBGMが異なる。スーパーファミコン版は1995年5月26日に発売。同年にプレイステーション版も12月29日発売されたが、こちらには前述のお蔵入りになったと記載のある『クレイジークライマー'85』が収録されている(捏造については続編の項目参照)
2002年5月23日には「Major Wave シリーズ アーケードヒッツ」(プレイステーション)から単品でハムスターより発売。
ハイパークレイジークライマー
1996年2月23日発売のプレイステーション用ソフト。時代に合わせてグラフィック関連やサウンドやゲーム仕様をリメイク。 1996年11月30日Windows版を発売、2010年1月13日ゲームアーカイブスにてハムスターより配信。
クレイジー・クライマー2000
2000年2月3日発売のプレイステーション用ソフト。グラフィックは時代に合わせてポリゴン化され、操作もアナログコントローラスティックや振動機能にも対応。
オレたちゲーセン族 クレイジー・クライマー
2005年7月21日プレイステーション2用でハムスターより発売。収録ゲームはアーケード版の復刻版のみを収録だが、ゲームディスクの他に、映像特典DVD、ゲームミュージックCD、解説書、公式ガイドブック、復刻版インストカード、コレクションカードなどの付属品が多数同梱されていた。
ワンダースワン
1999年7月29日発売。本体を縦持ちで縦画面でプレイするスタイルであり、ワンダースワンのハードの形状が同ゲームと非常に相性が良い。アーケード版とワンダースワン用のオリジナル版を収録。
遊遊 クレイジー・クライマー
2004年4月9日メディアカイトよりWindows版で発売(発売元は日本物産)。同社より発売の「Ultraシリーズ クレイジー・クライマー」の廉価版。
クレイジークライマーWii
2007年12月20日日本システムより発売。Wii用ソフト。お蔵入りしたアーケード向け「体感!クレイジークライマー」と同内容。
ニチブツ・アーリーコレクション
2010年1月D4エンタープライズよりWindows用に発売。その他にもセクロス、マグマックス、ブービーキッズ、ギャリバン、テラクレスタが収録されているが、いずれもファミコン版である。
バーチャルコンソールアーケード クレイジークライマー
2010年2月23日にハムスターより発売。Wii用。アーケード版の移植。

電子ゲーム[編集]

クレイジークライミング
1981年にバンダイより発売されたLSIゲーム
ヒステリックママ
1982年タカトクトイスより発売された電子ゲーム(ゲーム&ウオッチの亜流)。左右上と言う特異なキー操作を用いる。
クレイジークライマー マメゲーム
1997年にバンダイよりキーチェーンの液晶ゲーム機で発売。安価な液晶ゲーム機ではあるもの、ステージやしらけ鳥やミス音などをちゃんと再現している。
ポケットボーイシリーズ クレイジー・クライマーミニゲーム
エポックより液晶ゲーム機で発売。安価な液晶ゲーム機ではあるもの、ステージやしらけ鳥やミス音などをちゃんと再現。

メダルゲーム[編集]

クレイジークライマー ザ・メダル
  • 本作を題材にした、スゴロクの出目によってビルを登る2Pプッシャーゲーム。発売元は北日本通信工業株式会社。発売当時はコナミの派手なプッシャー機が市場を席巻しており、地味な内容であったため出荷数は少ない。

その他[編集]

パックランドでつかまえて
ゲームフリーク代表取締役社長の田尻智が執筆のテレビゲーム青春期のエッセイ集。同書にはクレイジークライマーのエピソードが収録されている。
同系統のその他のゲーム
同じような操作性を持つゲームとしてタイトーの『ロッククライマー(1981)』、データイーストの『ザ・タワー(1981)』などがある。日本物産から枝分かれしたスタッフにより設立されたウッドプレイス社から『ファイヤートラップ』という続編的な作品が作られているが、日本国内では知名度が低い(海外では人気があった)。
メディア使用
TBSテレビ50周年記念番組『DOORS』では、巨大な画面に映し出されたクレイジークライマーをフリークライミングの要領でプレイヤーが実際に上っていくアトラクションとして登場した。4面ループ制だが、実際には8面分のデータが入っている。漫才師のギャグ・シンセサイザーがこのゲームをネタにしている。

脚注[編集]

外部リンク[編集]