アンブライドルズソング

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アンブライドルズソング
現役期間 1995年 - 1997年
欧字表記 Unbridled's Song
品種 サラブレッド
性別
毛色 芦毛
生誕 1993年2月13日
死没 2013年7月26日(20歳没)
Unbridled
Trolley Song
母の父 Caro
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ケンタッキー州
生産者 パラネックステーブル
馬主 パラネックステーブル
調教師 ジェームス・ライヤソン(アメリカ)
競走成績
生涯成績 12戦5勝
獲得賞金 131万1800ドル
勝ち鞍
G1 BCジュヴェナイル 1995年
G1 フロリダダービー 1996年
G2 ウッドメモリアルS 1996年
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アンブライドルズソング (Unbridled's Song) とはアメリカ合衆国で生産された競走馬種牡馬

アンブライダルズソングと表記される場合もある。

競走馬時代の主戦騎手マイク・スミスが務め、全12戦で騎乗した。体高173cmもある巨大な馬であった。

経歴[編集]

デビュー前[編集]

馬主となるパラネック・ステーブルは、1994年のファシグ・ティプトン社のサラトガ1歳セールにおいて、20万ドルで購買した。その翌年3月のバレッツ社2歳調教セールにおいて、藤田浩が当時の世界最高額記録となる140万ドル(約1億4000万円)で落札。しかし、前肢の球節に剥離骨折が見つかったので、藤田はこの購買をキャンセルした。

競走馬時代[編集]

競走馬時代はダート競走で活躍していた。2歳時の1995年8月の競走馬デビュー戦で2着馬に8馬身半差をつけて勝利し、続く重賞及びG1競走初挑戦となったシャンペンステークスは後にエクリプス賞2歳牡馬チャンピオンを受賞するマライアズモンに敗れて5着だったが、次走のブリーダーズカップ・ジュヴェナイルを制して重賞及びG1競走初 勝利を挙げた。

3歳時の1996年は、2月にG2競走を2戦して共に2着となり、3月にフロリダダービーを制してG1競走2勝目を挙げた。続く4月のウッドメモリアルステークス(当時G2)も制し、迎えた5月のケンタッキーダービーでは1番人気に支持されたが、同じくアンブライドルド産駒のグラインドストーンに敗れて5着だった。次走のピーターパンステークス(G2)は2着で、7月にはサイテーションチャレンジ(一般競走)に出走したが、シガーに敗れて9着だった。なおシガーはこの勝利により17連勝を達成している。その後は骨折して療養し、11月に実戦復帰戦となった一般競走で2着となった。

4歳時の1997年は、1月にオリンピックハンデキャップ(一般競走)を制して通算5勝目を挙げたが、このレースを最後に競走馬を引退した。

年度別競走成績[編集]

  • 1995年(2歳)3戦2勝
    • 1着 ブリーダーズカップ・ジュヴェナイル(G1)
  • 1996年(3歳)8戦2勝
    • 1着 フロリダダービー(G1)、ウッドメモリアルステークス(G2)
    • 2着 ハッチスンステークス(G2)、ファウンテンオブユースステークス(G2)、ピーターパンステークス(G2)
  • 1997年(4歳)1戦1勝

種牡馬時代[編集]

4歳時の1997年春よりケンタッキー州にあるテイラーメイドファームで種牡馬入りした。

産駒は当馬と同じくダート競走を中心に活躍しており、1998年に誕生した初年度産駒のアンブライダルドエレイン2001年ブリーダーズカップ・ディスタフを制すなど早くから活躍馬を輩出し、その後も多くのG1馬や重賞馬を輩出している。

牡馬の産駒のうちソングアンドアプレイヤーイーヴンザスコアなどが後継馬として種牡馬入りし、ファピアノ系の主流系統になりつつある。

近年はブルードメアサイアーとしての産駒も走っており2020年中央競馬クラシック三冠を達成したコントレイルや、2009年ブルーグラスステークスを制したジェネラルクォーターズといったG1馬も送り出し、ブルードメアサイアーとしても活躍している。

日本にも競走馬としての産駒が30頭以上輸入されており、2001年3月に初年度産駒でもあるフィエスタが産駒の中央競馬初勝利を記録している。日本における活躍馬は、重賞戦線で活躍し、エンプレス杯スパーキングレディーカップを勝ったラヴェリータや、2002年NHKマイルカップで2着となったアグネスソニックなどがいる。

2013年7月25日、急性の神経症状で病院へ緊急搬送されたが、腫瘍が視神経周辺まで達しており手の施しようがなく、安楽死の措置が取られた[1]

2017年はアロゲートらの活躍もあり、北米リーディングサイアーを獲得した。

主な産駒[編集]

母の父としての主な産駒[編集]

血統表[編集]

アンブライドルズソング血統ファピアノ系/Aspidistra 5×5=6.25%(父内)) (血統表の出典)

Unbridled
1987 鹿毛
父の父
Fappiano
1977 鹿毛
Mr. Prospector Raise a Native
Gold Digger
Killaloe Dr. Fager
Grand Splendor
父の母
Gana Facil
1981 栗毛
Le Fabuleux Wild Risk
Anguar
Charedi In Reality
Magic

Trolley Song
1983 芦毛
Caro
1967 芦毛
*フォルティノ
Fortino
Grey Sovereign
Ranavalo
Chambord Chamossaire
Life Hill
母の母
Lucky Spell
1971 鹿毛
Lucky Mel Olympia
Royal Mink
Incantation Prince Blessed
Magic Spell F-No.4-m

母 Trolley Song は現役時代7戦1勝[3]。アンブライドルズソングの半妹 Bells Are Ringing(父Sadler's Wells) の仔に2015年のパームビーチS(米G3)の Eh Cumpari[4] 。全妹アジアンミーティアの仔に2015年新潟大賞典ダコール[5]。孫に2015年函館2歳S2016年キーンランドCブランボヌール[6]2021年函館スプリントSなど重賞3勝のビアンフェ[7]。祖母 Lucky Spell は1974年のラスパルマスH(米G3)・プリンセスS(米G3)の勝ち馬[8]で仔に1982年のジャージーS(米G3)の勝ち馬 Merlins Charm[9]。孫にカリフォルニアクロームの父 Lucky Pulpit[10]。Lucky Spellの半弟に1983年サラマンドル賞(仏G1)・1984年ワシントンDCインターナショナル(米G1)の シアトルソング[11]

注釈[編集]

  1. ^ Successful Sire Unbridled's Song Dies”. BloodHorse.com (2013年7月26日). 2013年7月27日閲覧。
  2. ^ ジャックドール”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年4月2日閲覧。
  3. ^ Trolley Song(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。
  4. ^ Eh Cumpari(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。
  5. ^ ダコール”. netkeiba. 2019年12月13日閲覧。
  6. ^ ブランボヌール”. netkeiba. 2019年12月13日閲覧。
  7. ^ ビアンフェ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2019年8月5日閲覧。
  8. ^ Lucky Spell(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。
  9. ^ Merlins Charm(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。
  10. ^ Lucky Pulpit(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。
  11. ^ Seattle Song(USA)”. JBIS-Search. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年12月13日閲覧。

外部リンク[編集]