コンテンツにスキップ

ノットゥルノ (競走馬)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ノットゥルノ
第69回東京大賞典パドック(2023年12月29日)
欧字表記 Notturno[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 鹿毛[1]
生誕 2019年4月16日(5歳)[1]
ハーツクライ[1]
シェイクズセレナーデ[1]
母の父 Unbridled's Song[1]
生国 日本の旗 日本北海道日高町[2]
生産者 下河辺牧場[1]
馬主 金子真人ホールディングス(株)[1]
調教師 音無秀孝栗東[1]
競走成績
生涯成績 21戦5勝[1]
中央:8戦2勝
地方:13戦3勝
獲得賞金 2億4505万円[1]
中央:2105万円
地方:2億2400万円
(2024年6月26日現在)
勝ち鞍
JpnI ジャパンDダービー 2022年
JpnII 名古屋グランプリ 2024年
JpnIII 佐賀記念 2024年
テンプレートを表示

ノットゥルノ(欧字名:Notturno2019年4月16日 - )は、日本競走馬[1]2022年ジャパンダートダービー2024年名古屋グランプリ佐賀記念の勝ち馬である。

馬名の意味は、イタリア語で「夜想曲」。

戦績[編集]

デビュー前[編集]

2019年4月16日、北海道沙流郡日高町下河辺牧場にて出生。2020年のセレクトセール1歳セッションに上場され、金子真人ホールディングス(株)に4300万円で落札された[3]

2歳(2021年)[編集]

12月25日に行われた2歳新馬戦に武豊を鞍上に迎えてデビュー。2番人気に推されたが、4着に敗れた。

3歳(2022年)[編集]

3歳初戦として1月16日に行われた3歳未勝利戦に出走し、6着。

2月12日に行われた3歳未勝利戦では芝からダートに転向。単勝オッズ1.6倍の圧倒的1番人気に推された。レースでは好位追走から早めに先頭に立つと、後を追う2番人気のプラチナドリームを最後は5馬身突き放し勝利した。

3月5日に行われた3歳1勝クラスでは、1番人気に推された。レースでは途中一気にポジションを押し上げると前を行く2番人気のヴァレーデラルナをとらえ、1馬身3/4差つけて快勝した[4]。なお、このレースの8着には後にJBCクラシックを制するキングズソードが入っており、出世レースとなった。

5月4日に園田競馬場で行われたJpnII兵庫チャンピオンシップに出走。前年の全日本2歳優駿を制したドライスタウトに次ぐ2番人気に推された。レースでは最後の直線で4番人気コンシリエーレをかわすも、勝ち馬のブリッツファングには8馬身離され2着に敗れた[5]

7月13日に大井競馬場で行われたダートの3歳王者を決める一戦である、JpnIジャパンダートダービーに出走。4番人気で迎えたレースでは好位集団の外を追走し、直線で先頭に立って押し切り2着の3番人気ペイシャエスに3/4馬身差をつけ優勝。GI/JpnI競走初制覇を果たした。鞍上の武豊騎手は2005年以来3回目となる日本ダービードウデュース[注 1]で勝利)との同一年制覇を果たした[6]。鞍上の武は「何より馬の状態がとにかく良かったです。今までにないくらいの状態の良さを感じてゲートインできたので、自信を持って乗ることができました。枠順も外目だったので、スムーズなレースができて、馬のリズムが良かったので、馬場状態も考えて、早めに、少し早めに動こうと思いました。」「僕は53歳ですけど、馬はまだ3歳なので、一緒に頑張っていけたらと思います」と振り返った[7]

3歳秋初戦として9月28日に行われたJpnII日本テレビ盃に出走。鞍上の武は凱旋門賞騎乗のためフランスに遠征しており、松山弘平に乗り替わった。4番人気で迎えたレースではスタートを決めて2番手を追走するも、最後の直線では失速し7着に敗れた。

次走は中京ダート1800のGⅠ、チャンピオンズCに出走。再び武豊に鞍上が戻り、5番人気での出走となった。このレースには前年の覇者、テーオーケインズ、同年のUAEダービーを人気薄ながらも勝利を果たした、クラウンプライド、当時ダート5戦4勝のグロリアムンディらが揃った。テーオーケインズが少し出遅れた中で始まったレースでは7番手でレースを進めた。直線クラウンプライドが先頭に立ち、押し切るかと思われたが、3番人気、連勝中のジュンライトボルトが脅威の末脚を炸裂させ、クビ差躱し、初の戴冠となった。ノットゥルノは伸びきれず、8着に敗れた。

ノットゥルノは次走を年末の、東京大賞典(GⅠ)に出走した。前走大敗を喫したものの、4番人気におされた。このレースには、5歳の春ダートに転向して、4戦3勝全てのレースで上がり最速を出している、ウシュバテソーロ、同年の、みやこSの勝ち馬、サンライズホープ、同年の帝王賞(GⅠ)の覇者、メイショウハリオらが揃った、スタート後にノットゥルノは4番手の位置につけてレースを進める。最後の直線外からウシュバテソーロが追い上げ、内からはメイショウハリオ、追いかけるようにしてノットゥルノが上がってくるも、ウシュバテソーロを捉えきれず、2着に敗れた。ウシュバテソーロはダート5戦4勝、GⅠ初制覇となった。

4歳 (2023年)[編集]

本馬は2月1日の、G1 川崎記念から始動。引き続き、武豊騎手がまたがり4番人気で8着。以降は、5月20日のGⅢ平安Sを9着、6月28日のJpnⅠ帝王賞を8着。このレースを勝利したメイショウハリオは連覇を飾った。10月9日のJpnⅠ、MCS南部杯は同年の、フェブラリーSの覇者、レモンポップが2着のイグナイターに2秒差をつける大差勝ちを披露した。ノットゥルノは6着に敗れた。11月3日のJpnⅠ、JBCクラシックでは、キングズソードに0.9秒差をつけられ2着。12月3日のチャンピオンズCでは、レモンポップが制覇し、中央春秋ダートGⅠ同年制覇という、史上4頭目の偉業を達成。ノットゥルノは8着に敗れる。12月29日の東京大賞典ではウシュバテソーロの4着に敗れた。

2023年はJBCクラシックの2着が最高着順となり、他全てのレースが馬券外の未勝利で終わった。

5歳 (2024年)[編集]

本馬は2月12日、佐賀競馬場で行われるJpnⅢ、佐賀記念に出走。このレースには、JpnⅡ名古屋グランプリ2着馬の、グランブリッジが1.7倍の1番人気、ノットゥルノは3.1倍の2番人気となった。ノットゥルノは斤量59kgを背負っていたが、2着キリンジに4馬身をつける圧勝。グランブリッジは4着だった。

しかし、続くJpnⅠ川崎記念では、3番人気で出走するも、ライトウォーリアの6着に敗れた。ライトウォーリアは、初のJpnⅠを制覇した。

5月6日、JpnⅡの名古屋グランプリに出走。1番人気に押された。終始先頭を逃げ、2着に8馬身差をつける、レコード制覇。このレースでは売得金額が9億5582万7200円を達成し、こちらもレコードとなった。[8]

続くレースはJpnⅠ、帝王賞。前走の結果もあり、4番人気となる。このレースにはJBCクラシックの覇者、キングズソードや、2023年チャンピオンズC、東京大賞典2着、前走ドバイWC4着の、ウィルソンテソーロ、2023年の2月12日の新馬から、11月5日のみやこSまで5戦5勝、2024年の、ダイオライト記念(JpnⅡ)の覇者、セラフィックコール、2023、24年と連覇を果たしたメイショウハリオ、川崎記念でノットゥルノを下した、ライトウォーリアらが揃った。レース終盤、先行策をとっていたキングズソードが直線先頭に立つと、ウィルソンテソーロも追い上げる。更には地方馬のディクテオンも凄まじい末脚で迫るが、キングズソードが押し切り、JpnⅠ 2勝目を飾った。2着にウィルソンテソーロ、3着にディクテオン、ノットゥルノは伸び切れず、7着に敗れた。

競走成績[編集]

以下の内容は、JBISサーチ[9]およびnetkeiba.com[10]の情報に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ
(人気)
着順 タイム
(上がり3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2021.12.25 阪神 2歳新馬 芝1800m(良) 14 2 2 004.00(2人) 04着 R1:49.0(35.1) -0.3 0武豊 55 ジャスティンカツミ 512
2022.01.16 中京 3歳未勝利 芝2000m(良) 11 7 8 006.20(4人) 06着 R2:02.7(35.5) -0.8 0武豊 56 エイカイマッケンロ 508
0000.02.12 阪神 3歳未勝利 ダ1800m(良) 10 8 10 001.60(1人) 01着 R1:53.7(37.5) -0.8 0武豊 56 (プラチナドリーム) 512
0000.03.05 阪神 3歳1勝クラス ダ1800m(良) 12 1 1 002.00(1人) 01着 R1:53.3(38.3) -0.3 0武豊 56 ヴァレーデラルナ 510
0000.03.26 中山 伏竜S OP ダ1800m(稍) 8 8 8 004.10(2人) 02着 R1:52.2(37.9) -0.1 0武豊 56 デリカダ 508
0000.05.04 園田 兵庫CS JpnII ダ1870m(良) 12 3 3 003.90(2人) 02着 R2:02.7(39.5) -1.3 0武豊 56 ブリッツファング 517
0000.07.13 大井 JDダービー JpnI ダ2000m(不) 14 8 14 005.60(4人) 01着 R2:04.6(38.3) -0.1 0武豊 56 ペイシャエス 526
0000.09.28 船橋 日本テレビ盃 JpnII ダ1800m(良) 13 3 3 005.30(4人) 07着 R1:54.6(41.2) -1.6 0松山弘平 55 フィールドセンス 529
0000.12.04 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 16 5 9 014.30(5人) 08着 R1:52.6(37.1) -0.7 0武豊 56 ジュンライトボルト 516
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 14 2 2 007.10(4人) 02着 R2:05.3(37.7) -0.3 0武豊 55 ウシュバテソーロ 516
2023.02.01 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(良) 10 6 6 011.70(4人) 08着 R2:19.3(42.7) -3.3 0武豊 56 ウシュバテソーロ 522
0000.05.20 京都 平安S GIII ダ1900m(稍) 16 3 5 008.00(4人) 09着 R2:01.3(40.4) -1.5 0武豊 59 グロリアムンディ 534
0000.06.28 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(良) 12 5 5 007.60(5人) 08着 R2:03.4(38.1) -1.5 0武豊 57 メイショウハリオ 529
0000.10.09 盛岡 MCS南部杯 JpnI ダ1600m(稍) 14 5 7 026.30(6人) 06着 R1:36.1(35.8) -2.3 0武豊 57 レモンポップ 538
0000.11.03 大井 JBCクラシック JpnI ダ2000m(良) 10 2 2 017.70(5人) 02着 R2:06.0(39.2) -0.9 0森泰斗 57 キングズソード 511
0000.12.03 中京 チャンピオンズC GI ダ1800m(良) 15 6 10 156.4(14人) 08着 R1:51.5(37.5) -0.9 0松若風馬 58 レモンポップ 522
0000.12.29 大井 東京大賞典 GI ダ2000m(良) 9 2 2 014.10(5人) 04着 R2:07.6(37.7) -0.3 0武豊 57 ウシュバテソーロ 514
2024.02.12 佐賀 佐賀記念 JpnIII ダ2000m(稍) 12 8 11 003.10(2人) 01着 R2:08.2(38.1) -0.7 0武豊 59 (キリンジ) 521
0000.04.03 川崎 川崎記念 JpnI ダ2100m(重) 11 4 4 005.70(3人) 06着 R2:17.3(41.4) -1.8 0武豊 57 ライトウォーリア 516
0000.05.06 名古屋 名古屋GP JpnII ダ2100m(良) 12 7 10 002.00(1人) 01着 R2:10.9(37.9) -1.6 0武豊 58 (ヒロイックテイル) 525
0000.06.26 大井 帝王賞 JpnI ダ2000m(稍) 13 4 5 004.80(4人) 07着 R2:08.7(39.5) -1.8 0武豊 57 キングズソード 526
  • Rはレースレコード勝ちを示す
  • 競走成績は2024年6月26日現在

血統表[編集]

ノットゥルノ血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系ヘイロー系
[§ 2]

ハーツクライ
2001 鹿毛 
父の父
*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
父の母
アイリッシュダンス
1990 鹿毛
*トニービン *カンパラ
Severn Bridge
*ビューパーダンス Lyphard
My Bupers

*シェイクズセレナーデ
Sheikh's Serenade
2006 芦毛
Unbridled's Song
1993 芦毛
Unbridled Fappiano
Gana Facil
Trolley Song Caro
Lucky Spell
母の母
Desert Stormer
1990 鹿毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Breezy Stories Damascus
New Tune
母系(F-No.) シェイクズセレナーデ系(FN:21-a) [§ 3]
5代内の近親交配 Northern Dancer 5×5 6.25% [§ 4]
出典
  1. ^ [11]
  2. ^ [12]
  3. ^ [11]
  4. ^ [12]


脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 奇しくも同じハーツクライ産駒である。

出典[編集]

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n ノットゥルノ”. JBISサーチ. 2023年11月3日閲覧。
  2. ^ ノットゥルノ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2023年11月3日閲覧。
  3. ^ セレクトセール2020 セール結果”. 日本競走馬協会. 2022年10月8日閲覧。
  4. ^ 【3歳1勝クラス】(阪神6R) 人気に応えてノットゥルノが勝利」『競馬実況web』ラジオNIKKEI。2022年10月1日閲覧。
  5. ^ 【園田・兵庫CS結果】ブリッツファングが8馬身差圧勝で重賞初V 2歳王者ドライスタウトは4着”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年10月1日閲覧。
  6. ^ 【大井・ジャパンダートダービー結果】ノットゥルノが押し切り3歳ダート王!武豊騎手は17年ぶりのV”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年10月1日閲覧。
  7. ^ 【ジャパンダートダービー】(大井)ノットゥルノが重賞初制覇で3歳ダートの頂点に」『競馬実況web』ラジオNIKKEI。2022年10月1日閲覧。
  8. ^ 伊嶋健一郎. “【名古屋GP】売得金額9億5582万7200円もレコード! - 共通 | 競馬 : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2024年6月29日閲覧。
  9. ^ ノットゥルノ 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年11月3日閲覧。
  10. ^ ノットゥルノの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2023年11月3日閲覧。
  11. ^ a b "血統情報:5代血統表|ノットゥルノ". JBISサーチ. 公益社団法人 日本軽種馬協会. 2022年7月14日閲覧
  12. ^ a b "ノットゥルノの血統表|競走馬データ". netkeiba.com. ネットドリーマーズ. 2022年7月14日閲覧

外部リンク[編集]