ラベンダー賞

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ラベンダー賞は、日本中央競馬会(JRA)が函館競馬場の芝1200mで施行していたオープンクラスの特別競走である。競走名は植物ラベンダーに由来している。

概要[編集]

一時期の札幌開催においては、新馬戦を勝ち上がった後に出走可能なレースが、開催最終日の札幌3歳ステークスしかなかった(かつては3歳条件戦が設定されていたが、廃止されていた)為、早い段階で勝ち上がった馬の出走間隔が開く事から、適当な競走の新設要請が関係者から上がっていた。

それを受ける形で、1994年の夏季番組で平場の3歳オープン競走が新設されたが、翌年からは特別競走に格上げされ、ラベンダー賞となった。

1997年からは施行場が函館競馬場の芝1200mに変更された。2009年は函館競馬場のスタンド改修工事に伴い、札幌競馬場の芝1200mで施行された。

2012年の番組改正により中央競馬全体の開催日程の変更及び函館2歳ステークスの日程が繰り上がる関係で廃止となった。

出走資格は、サラ系2歳(旧3歳)のJRA所属の競走馬(外国産馬含む)及びJRAに認定された地方所属の競走馬(6頭まで)。

負担重量は馬齢重量で、54キロである。

総額賞金は3,040万円で、1着賞金1,600万円、2着賞金640万円、3着賞金400万円、4着賞金240万円、5着賞金160万円と定められている。

地方所属馬に限り函館2歳ステークスへのトライアル競走とされ、2着までに入着した地方所属馬は函館2歳ステークスの出走権(優先出走権ではない)が与えられる。

歴史[編集]

  • 1995年 - 札幌競馬場の芝1200mの3歳(現2歳)の馬齢重量の混合競走・特別指定交流競走のオープン特別競走「ラベンダー賞」として創設(創設当初の負担斤量は53キロ)。
  • 1997年
    • 施行場を函館競馬場の芝1200mに変更。
    • 当競走の競走番号を第10競走から第9競走に変更。
  • 1998年 - 山内研二が調教師として史上初の連覇。
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「3歳」から「2歳」に変更。
    • 負担斤量が53キロから54キロに変更。
    • 負担重量を馬齢重量から定重量に変更。
    • 当競走の競走番号を第9競走から第10競走に戻す。
  • 2003年 - 負担重量を定重量から馬齢重量に戻す。
  • 2004年 - 薄暮競走実施により、北海道主場の最終レースの発走時刻を17時10分に設定したことに伴い、当競走の競走番号を第10競走から第11競走に変更。
  • 2005年 - 当競走の競走番号を第11競走から第10競走に戻す。
  • 2008年 - 6位入線のヤマイチチャチャ(当時ホッカイドウ所属)が走路妨害により11着に降着。
  • 2009年
    • 函館競馬場のスタンド改修工事に伴い、札幌競馬場の芝1200mで施行。
    • 当競走の競走番号を第10競走から第8競走に変更。
  • 2011年
    • 当競走の競走番号を第8競走から第9競走に変更。
    • 2位入線のナイスヘイローが走路妨害により11着に降着。また9位入線のニシノファイター(ホッカイドウ所属)も走路妨害したが被害馬先着のため着順に変更なし。なお両馬の騎乗騎手は騎乗停止処分を受けている。
  • 2012年 - 中央競馬全体の開催日程の変更及び函館2歳ステークスの日程が繰り上がる関係で廃止。

歴代優勝馬[編集]

施行日 優勝馬 性齢 タイム 優勝騎手 管理調教師
1995年7月15日 タニノヒーロー 牡2 1:11.9 井上俊彦 北川数男
1996年7月7日 カケノジンライ 牡2 1:11.3 堂山直樹 堂山芳則
1997年7月12日 サラトガビューティ 牝2 1:10.2 藤田伸二 山内研二
1998年7月18日 タヤスブルーム 牝2 1:10.3 松永幹夫 山内研二
1999年7月17日 エンゼルカロ 牝2 1:10.6 田中勝春 林正夫
2000年7月15日 テンザンデザート 牝2 1:10.7 小池隆生 岩元市三
2001年7月14日 アグネスソニック 牡2 1:12.0 横山典弘 森秀行
2002年7月20日 フジノタカネ 牝2 1:13.7 勝浦正樹 林正夫
2003年7月26日 ナムラビッグタイム 牡2 1:10.2 松永幹夫 田村康仁
2004年7月24日 オーヴェール 牡2 1:11.3 武豊 浅見秀一
2005年7月23日 モエレジーニアス 牡2 1:10.9 五十嵐冬樹 堂山芳則
2006年7月22日 インパーフェクト 牡2 1:10.9 山口竜一 田部和則
2007年7月21日 ハートオブクィーン 牝2 1:11.5 武幸四郎 若松平
2008年7月26日 ナムラミーティア 牝2 1:10.0 四位洋文 田村康仁
2009年7月25日 キョウエイアシュラ 牡2 1:10.4 三浦皇成 矢作芳人
2010年7月24日 ロビンフット 牡2 1:09.5 勝浦正樹 堀井雅広
2011年7月24日 ダームドゥラック 牝2 1:10.8 丸山元気 領家政蔵

本競走からの函館2歳ステークス優勝馬[編集]

施行日 馬名 性齢 着順 備考
1999年7月17日 エンゼルカロ 牝2 1着 ホッカイドウ競馬所属
2000年7月15日 マイネルジャパン 牡2 2着
2005年7月23日 モエレジーニアス 牡2 1着 ホッカイドウ競馬所属
2007年7月21日 ハートオブクィーン 牝2 1着 ホッカイドウ競馬所属

関連項目[編集]

  • 栄冠賞(ホッカイドウ競馬所属馬のステップレース。原則上位4頭がラベンダー賞へ出走できる。)