アルバート・W・ワイリー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内検索

アルバート・W・ワイリー(Albert W. Wily)とは、カプコンのゲームロックマンシリーズ』及び『ロックマンXシリーズ』に登場する架空の科学者。通称「Dr.ワイリー」。

人物紹介[編集]

『ロックマン』シリーズにおける悪役として登場する人間の科学者。ロックマンの製作者であるライト博士とは旧友であったが、ロボットによる世界征服の野望を抱き、それを阻止しようとするロックマンと戦いを繰り広げていくこととなる。

体型や容姿はライト博士と逆の要素が多く、太り気味のライトに対して長身で痩せ型、頭髪は頭頂部の辺りが禿げ上がっており頭側面の髪を伸ばしている。

趣味は卓球だが、この卓球においてもライトに敗北した経験がある。恐竜が好きであり、『6』のメカザウルスや、外伝である『ワールド2』や『9』のワイリーマシンなど恐竜をモデルとしたロボットも作っている。また、『2』のエイリアンは子供向け怪獣図鑑のイラストをモデルにしているなど、やや子供っぽい趣味をしていることも伺える。

シンボルマークは、○にDr.とWを組み合わせたデザインで、研究所とワイリーマシンのドクロ部分の額に必ずと言っていい程、マーキングされている。ドクロをあしらったデザインも頻繁に使い、自分の秘密基地(『2』以降)やワイリーマシン(番外編を除いた『4』以降)にこのデザインを必ずといっていい程取り入れる特徴があり(基地はドクロの他にも骨や爪のデザインの建造物も取り入れる傾向が多い)、『8』などでは自身のベルトのバックルもドクロをあしらっている。

世界征服を考案し大規模な基地を何度も建造する一方で、新型戦闘用ロボットの製造を始めとする資金繰りに関しては、かなり苦労している様子が多々見受けられ、『5』のジャイロマンやチャージマンやクリスタルマン、『7』のターボマンなどといった低コストで製作したり、資金収集をする事を念頭にしたロボットも多く、『3』のシャドーマンや『5』のスターマンなど地球外の技術を利用したロボットも存在する。自分以外が製作したロボットを利用する事も多く、『1』ではライト博士のロボットを操り、『3』ではライト博士と共同開発し、『4』ではコサック博士の娘カリンカを誘拐してコサック博士が製作したロボットをロックマンと戦わせ、『6』においては世界ロボット選手権に出場していたロボットの内8体を洗脳して使い、『7』と『8』では作業用ロボットを戦闘用に改造し、ロックマン&フォルテでは博物館のロボット(内2体は『8』にも登場したワイリーのロボット)を利用し、『9』ではライトの開発した8体のロボット達をそそのかして暴れさせて、『10』ではロボットエンザに感染したロボットを暴れさせており、結果的に『10』までにワイリーが単独で製作したのは全78(ロックマンロックマンとロックマン&フォルテ含むと86体)体中半分にも満たないが、『4』以外の基地のボスは全て彼が作った(『4』の基地のボスの一部はコサック博士が作った)。

生い立ち[編集]

Dr.ライトとは、ローバート工科大学電子工学科時代からの腐れ縁である。大学に在籍していた頃のワイリーとライトは、お互いに肩を並べる天才同士であると共に、誰よりもその実力を認め合う良きライバルであったのだが、やがて二人の間に溝が生じ始める事になる。ロボットの平和利用の理論を提案するライトとは対照的に、ワイリーの理論は常に独自性が強過ぎて、なおかつ過激的な物ばかりであり、大学の教授達にとって、理解し難いワイリーは俗に言う「異端児」とも呼べる存在であった。

大学卒業後は、幾つかのコンテストでライトと競い合う事になるが、やはり周囲からは理解を示されず、ある意味でライトをも上回る天才であったワイリーは、いつも1番の座をライトに取られてしまい、自らは万年2位の座に甘んじざるを得なくなる。設定上、ワイリーの功績は

  • LITマニュアル・デザイン・コンテスト:5年連続準優勝
  • 世界技術大賞:銀賞受賞
  • ノーブル物理学賞(ノミネート)

などがあり、ワイリーが2位を獲得したコンテストなどで1位を獲得したのが全てライトである。いずれも世界的に権威のある賞であり、天才っぷりを遺憾なく証明はしていたものの、この屈辱に我慢がならなかったワイリーは、やがてロボットのみに愛情を注ぐようになり、その後ロボット工学会から姿を消す(『ロックマンロックマン』では過激なロボット理論で学会を追放された事になっている)。そして、自らを理解しようとしなかった周囲への復讐として、世界征服を考案し始めた。

そのような状況において、何らかの方法でライト博士が生み出した試作人型ロボット「DRN-000ブルース」がライト博士の元から去ったのを知ったワイリーは、ブルースに接触し彼を戦闘用ロボットへと改造するも、すぐに逃げられた。しかし、ライトの開発した人型ロボットの基礎の解析には成功し、その後、太平洋にてロボット工場を建設したワイリーは本格的に世界征服を実行に移す。しかし、ライトが家庭用ロボットであるロックを戦闘用に改造したロックマンによって、最初の計画は失敗してしまうが、ワイリーは懲りずに世界征服計画を実行に移していく事になり、ロックマンやライトとの因縁も永きに渡り続いた。

学生時代やその後から世界征服を始める以前のライトとの交流については詳しく明かされておらず、どのようなロボットの研究や発明を行っていたかは不明である。漫画作品『ロックマンギガミックス』では作者オリジナルの学生時代が登場し、すでに心の奥底で「ロボットに心を持たせる」ことを夢見ており、そんな折にライトが「力への安全のため、ロボットに心を持たせる必要性」を大学の教授達に問うが全く理解されない様子を見て、自分も同様の考えを持つことを明かし、彼と友人となって共同でロボットの人工知能を生み出したとなっていた(この際のデザインは『ロックマンエグゼ』シリーズに登場した若き日のワイリーをモデルにしている)。なお、シリーズ生みの親の一人であり初期設定を担当したA.Kは、この漫画作品を呼んで「ライトとワイリーの過去の描写は、自分がイメージしていたものとほぼ同じ」と感心している[1]

性格[編集]

性格は、目立ちたがり屋でプライドが高い。また、プライドの高さの一方、非常にしたたかで狡猾な面もあり、ロックマンに負けたや否やすぐ土下座して見逃してもらおうとするのが伝統となっており、必要とあらばロックマンやライト博士のお人好しさを利用することも厭わず、自分の作ったフォルテからその点が嫌われ、不仲が表面化した『パワーバトル』以降の彼からは「じじい」呼ばわりされている。

だがその一方、変なところでミスをしたり自分の作ったメカに欠陥が多いなど、土下座と共にどこかコミカルな性格として描かれている。またプライドゆえか、本当に恩を感じた際は仇で返すことは無いらしく、一応ながら生みの親と認め緊急の際には助けに来るフォルテを必要以上に咎めず、『10』のエンディングではロックマン達に命を救われたため、ちゃんとその借りを返している(番外編ではあるものの、『スーパーアドベンチャーロックマン』でも心の底ではロックマン達を憎からず思っている描写がある)。 このような「どこか憎めない悪役」としての描写がある反面、非道な悪人としての振る舞いをすることもある。『ロックマン&フォルテ』で自らの行動に躊躇するキングを強制的に洗脳し戦わせたり、『9』ではロックマンをその優しさにつけこんで罠にかけ、「死ね!」という言葉まで浴びせている。

漫画における性格[編集]

各漫画家の解釈によって大きく異なる。池原しげとの漫画では、「冷酷な悪の親玉」という側面が強調されており、多くの人命を犠牲にしてでもロックマンやライト博士を倒そうとしたり、「戦闘用ロボットに心など必要がない」「ロボットは世界征服の道具に過ぎない」という発言にその様子が見られる。出月こーじの漫画版では、コミカルな場面が強く、冷酷さもありつつ、どこか憎めない人物である。特に『ロックマン&フォルテ』では、自分の基地が破壊されてしまったことで宿敵のライト博士やロックマンに泣きついたり、居候先のライト研究所でライトットやロールと生活感溢れる衝突を繰り返したり(ライトットの部屋の大半を勝手に自分のエリアにしている)、その描写が強い。しかし、ロールに爆弾付の拘束着を着せさせ、ロックマン諸共爆殺しようとしたり、自分が造ったロボットであるキングに見限られ撃墜されるなど、卑怯さや器の小ささも描かれている。

有賀ヒトシは『ロックマンシリーズ』でお気に入りキャラクターはワイリーであると公言しており、ワイリーを大きく扱った作品が多い。有賀の解釈は、90年代の『ロックマンメガミックス』ではコミカルな場面が多く見られるが、シリアスな展開が多くなるシリーズのストーリー佳境(特に『ロックマンギガミックス』として掲載分)ではそれ以上に「科学者」としての側面を強く描いている。人類に憎悪を向けている(美女は好きなようだが)反面、ロボット全般に注ぐ愛情は強く、捨てられた玩具ロボットを復活させたり、部下であるロボットが窮地に陥っても決して見捨てようとしない、などの行動にその様子が見られる。

「心を持ったロボットを創造した者」としての責任感は誰よりも強く、兵器として生まれたスカルマンだけを封印していながら「ロボットは友人」と語ったコサック博士は偽善だと言い切ったり、修理をためらうライトに激昂して「ロボットに心を持たせた理由を思い出せ」と詰め寄るなど、責任感と矜持を強く持った人物として、作中で見せ場も多い。また、衛星瞬間移動転送装置を独力で作る、会話をしながら高速でナンバーズの修理をこなすなど、「異能の天才」ぶりも他者に比べ、かなり強調されている。

ワイリーマシン[編集]

ワイリーマシン(一部媒体では「ワイリーマシーン」とも)とは、ゲームにおいて最終ボスまたは終盤のボスとして登場する、Dr.ワイリー自身が乗り込み操縦する巨大な戦闘メカのことである。ロックマンに追い詰められたワイリーが自身の技術を集め製作した決戦兵器であり、いずれの作品も非常に戦闘力が高い。各作品ごとに「ワイリーマシン○号(○には作品のナンバリング数が入る)」という名称が付く。

第1作目『ロックマン』では、ロックマンの存在及び基地に潜入して自分の元までたどり着くというのは完全な想定外であり、慌てたワイリーが急造した戦闘メカだったとされている。そのため、後の作品のマシンよりも無骨な外見をしており、自身のUFOをドッキングして乗り込むため脱出装置が無いなど、後の作品とは異なる点が多い。『ロックマン2』以降はロックマンの強さを警戒した上で事前に製作・用意しておいた戦闘メカとなっており、外装などもしっかりしている。前述のように『ロックマン4』以降はドクロを模したデザインになるとともに、マシンを破壊されても戦闘能力を持った脱出装置ワイリーカプセルが登場するようになった。このワイリーカプセルは、脱出装置でかつワイリーマシンよりも小型であるにも関わらず、ワイリーマシン以上の強さを持つことが多い。また、作品によっては『5』の「ワイリープレス」や『6』の「Xクラッシャー」のようなマシン・カプセル以外のメカが登場することもある。

ワイリーマシンの多くは飛行メカとなっており、一定の間隔を浮遊移動しながら火器による攻撃を行うというのが主だが、歩行して移動する3号や7号、戦車型の5号、飛行型でも恐竜を模した9号やドクロ繋がりで海賊船のような意匠となった10号など様々なバリエーションがある。『ロックマンワールド』シリーズなど外伝作品では、ナンバリング作品とはまた異なったデザイン・性能のワイリーマシンも製作している。詳しくは各作品のページを参照。『6』以外は弱点となる場所を攻撃しないとダメージを与えられないのが特徴(『6』だけはどこに攻撃してもダメージを与えられる)。

各作品でのワイリー[編集]

ロックマンシリーズ[編集]

ロックマン、ロックマンロックマン
ライトの生み出した6体(ロックマンロックマンでは8体)の作業用ロボットのメンテナンス中に、密かに外部電波によって自らの思うようにコントロールする為の「ワイリーチップ(別名:悪のチップ)」を組み込み、彼らの暴走を目論む。
自らの思惑通り、ロボット達は各地で暴れまわるが、ライトが家庭用ロボットのロックを改造して誕生させた戦闘ロボット、「ロックマン」の活躍によって、ロボット達の暴走は阻止され、更には自らの潜伏する巨大要塞「ツインピラミッド」[2]にも潜入され、イエローデビルを始めとする防衛システムを突破されたワイリーは、自らの製作した巨大マシーン、通称「ワイリーマシーン」に乗り込み、自ら出撃も、ロックマンの勢いを止められず敗退する。
結局ライトのロボット達を利用した世界征服計画は失敗に終わるが、その後、ブルースやライトの作業用ロボット達のデータを元に、自らのオリジナル戦闘用ロボットを製作しており、後のロックマンシリーズにおいての因縁が生まれたともいえる。
ロックマン2
改心したかに思われたが、懲りずにも今度は、かつてライトの製作した6体のロボット達のデータを元に、自分で8体の戦闘用ロボットを作り、再び世界征服をもくろむ。しかしロボット軍団はすべてロックマンに倒された挙句、基地の侵入まで許してしまい、更にはワイリーマシン2号も破壊され、最後はエイリアンに変身。しかしそれは、遠隔操作ロボットにホログラフを被せたまがい物であり、結局は敗れ去る。なお、この作品で初めて、ワイリーのシンボルマーク及び基地のマップが登場する。
ロックマン3
改心したと見せかけ、ライトと共に平和の為と称して惑星探査用として8体のロボットを製作。更に巨大ロボット「γ(ガンマ)」を作ったが、8体のロボット達を意図的に暴走させ、更には完成したガンマを奪う。最後は自身の基地に潜入したロックマンとそのγで対決したが、またしても倒される。最後は瓦礫に押し潰されて死んだと思われたが、ラストにてUFOで逃げ延びる姿からも解かる通り、存命している。
この作品のみ、一部のステージにDr.ライトとワイリーのシンボルマークが合わさったシンボルマークがある。
ロックマン4
Dr.コサックの娘であるカリンカを誘拐する事で、Dr.コサックを利用してロックマンを倒させようとし、更にはブルースを味方につける。しかし、ブルースの真の目的はカリンカの救出にあり、コサックの居城で対決を迎えたロックマンとコサックの前に現れたカリンカの発言で、自らが真の黒幕だとバレてしまい、自棄になったワイリーは今度は自分の城でロックマンを迎え撃つが、結局はまたしても敗北。城の自爆装置を作動させ、逃亡する。
ロックマン5
度重なるロックマンへの敗因は、ライトによるパワーアップとブルースの妨害にあると考えたワイリーは、変身能力を持つダークマン4号を使ってライト誘拐をブルースの仕業に仕立て上げる。しかし、本物のブルースが登場した事によってライトを誘拐したブルースがニセモノだとバレ、ダークマン4号もまた、ロックマンと対決するものの破壊される。その後は自分の城でロックマンを迎え撃つがまたしても敗北。ライトも取り返され、追い詰められたが、城の崩壊によって落ちてきた天井をロックマンが支えている隙に逃亡する。
ロックマン6
X財団総帥であり、世界ロボット連盟の名誉会長である「Mr.X」なる人物に変装し、ロボット選手権に参加したロボットのうち、最も優秀な8体を奪い、世界征服を企む。しかし、ロックマンにより8体のロボットは倒され、今度はX財団本部にてロックマンをXクラッシャーで迎え撃つが敗北。その後正体を明かし、自らの城でロックマンを迎え撃つが、結局またしても敗北し、遂に逮捕される。
ロックマン7
ワイリーに万一の事が起こった際、起動するようになっていた4体のロボットが破壊活動を開始し、どさくさに紛れて刑務所から逃走。博物館に飾られていたガッツマンを盗み、自身の製作したフォルテにライトの研究所に潜入させてロックマンのパワーアップ設計図を奪わせる。ガッツマンはガッツマンGに改造、設計図はフォルテをスーパーフォルテにするのに使ったが、いずれもロックマンに敗北。ワイリー自身もワイリーマシン7号に乗り闘うも敗北するが、フォルテとゴスペルによって助け出される。
また、怒りに満ちたロックマンからチャージ状態のロックバスターの銃口を丸腰状態で向けられ、まさに殺害寸前の事態にまで陥るも彼を説得(ロボット工学三原則の一つ、「ロボットは人間を傷つけてはならない」をロックマンが自らの意志で破ろうとしている事を問い糺した)することで未遂に終わる。
ちなみに、『ロックマン7』ボスキャラ応募告知では彼の服役中の姿のイメージイラストが公開されている(鉄格子にステレオタイプな囚人服を着たワイリーが告知している)。
ロックマン8
宇宙より飛来した謎のエネルギー体「悪のエネルギー」を利用して世界征服を目論むものの、ロックマンやブルース、デューオの活躍によってロボット軍団は壊滅し、自身もワイリーマシン8号に搭乗して戦うものの結局はまたしても敗退。土下座もロックマンに「またそれか!」と呆れられ危機かと思われたが、悪のエネルギーが暴走しロックマンに襲い掛り、その隙に逃亡した。また、フォルテも悪のエネルギーを利用してパワーアップするが、同じく敗北を迎えた。
ロックマン9
使用期限が切れ廃棄処分されたDRN(カットマン~エレキマンではない)を唆して暴走事件を起こし、さらにライトの仕業に仕立てて、事件真相の証拠品となるDRNの記録チップも奪取したが、結局はロックマンに負けてチップを取り返される。挙句に、まったく懲りない様子を咎めるべくロックマンに今までの土下座シーンを見せられることになった(この事により、シリーズ最多の土下座シーンが登場する作品となった)。しかし、演技で使用したライト博士に似せたロボットを利用してロックマンを気絶に追い込み、その隙を突いて研究所の自爆システムを作動させ、フェイクマン達と共に逃亡した。ちなみに、窮地の状態であったロックマンはブルースに助け出され、事無きを得ている。
ロックマン10
ロボットに感染する病原体「ロボットエンザ」のワクチンを開発するが暴走したロボット達に奪われ、ライトとまさかの共闘をしたかに思われたが、やはり今回の事件もワイリーが仕組んだもので、ロボットエンザは彼が造り出したものだった。ロックマンとブルース(フォルテモードでは加えてフォルテ)がワクチン開発の装置を取り戻した後に本性を現し、ロールが持っていた試作品以外のワクチンと製造装置を奪い、自分に従うのならばワクチンを提供すると世界中に宣言する。自身の基地にてワイリーマシン10号で戦い、マシンが破壊された後もウイルスを宇宙からばら撒いていた軌道エレベーター頂上に撤退しワイリーカプセルで迎え撃つが、10度目の敗北を迎えた上に、高熱で倒れてしまう(何かの病気だったようだが、詳細は不明。なお、ロボットエンザはロボットしか感染しないのでワイリー自身は感染を否定している)。
だが、ロックマン達に情けをかけられる形で保護され助けられることとなり、後日に病室から脱走して姿を消すが、借りを返すかのように大量のロボットエンザワクチンを置いていった。
なお、このロボットエンザだが本シリーズより約100年後の時代であるXシリーズにおいて登場する「シグマウイルス(厳密には、そのオリジナルといえるロボット破壊プログラム)」と効果が似ているところが多々ある(感染したロボットが破壊衝動に駆られるなど)。ロボット破壊プログラムもワイリーが開発したものだが、果たしてロボットエンザがこれのプロトタイプに当たるかといった、公式な説明はなされていないため詳細は不明である。

ロックマンXシリーズ[編集]

ライバルであるライト同様、人間としては既に故人であるが、エックスと共にもう一人の主役であるゼロの製作者であり、現在も各所で暗躍している様子が伺える。なお、『ロックマンX2』におけるサーゲスの説明文によると、作中の時代では「戦闘用ロボットを創造(つく)り出し世界を恐怖に陥れたマッドサイエンティスト」として知られている。実際に作中でも『ロックマン』シリーズにおけるコミカルなキャラから一転して「冷酷な科学者」という面が強くなっている。一方で手段と目的がすり替わった節も見受けられ、ゼロの夢において彼が「生きがい」と述べたのは復讐や世界征服ではなく彼の敵そのものである。

『X2』でゼロの製作者であることが判明すると共に、ゼロを修理したサーゲスがエックスを「ライトの忘れ形見」と呼んだ事からその存在が見え始め、『X4』でゼロ編のムービーで彼のシルエットが登場し、『X5』ではシグマの背後にワイリーが協力者として存在している(シグマ曰く「パートナーというより同志」)事が明かされるなど、数タイトルにその存在感を匂わせていた。その後も『X6』に登場したアイゾックも同一人物であるような言動をしている(声優まで同じだった)。主にストーリー中で破壊されたゼロの強化修復及びゼロの覚醒を目的に行動している。

なお、『ロックマン&ロックマンXオフィシャルコンプリートワークス』にて稲船敬二は、「『サーゲス=ワイリーなのか?』とよく聞かれる」と発言し、それに対しての答えは曖昧だったが、遠回しながらワイリーとサーゲスは「同一人物かもしれない」という旨を言っていた[3]。ライトと同じように自らをプログラム化しレプリロイドに自身の記憶を移植する事で実体化し、ライトのロボットであるエックスを破壊する事、そしてゼロを自分の予定した形へ戻すことを画策しているようである。

この時代におけるワイリー最大の悪行は、自身最後のワイリーナンバーズのゼロに「ロボット破壊プログラム」というワイリー以外の製作したロボット(この時代におけるレプリロイド)への破壊衝動を暴走させ、かつそのプログラムおよび組み込まれたロボットの意識を半不滅的なコンピュータウイルスにする凶悪なシステムを組み込んでいたことである。これによって暴走したシグマ達が人類への反逆を起こし、後の時代で「イレギュラー戦争」と呼ばれる世界を破滅寸前にするほどの戦乱の原因を作ってしまった。

しかし、その破滅はゼロではなくプログラムが移ったシグマが引き起こすこととなり、皮肉な事にシグマが起こした破壊によってゼロはワイリー自身の思惑とは逆の方向(ライトが製作したエックスの親友)に進み、未来を描いた作品においては世界を救った英雄として語り継がれてしまう。最終的に『ロックマンゼロ4』は「エックスが信じているから、彼の信じた人間も守る」としてエックスの意思を代行し、自らを犠牲に世界を守り貫いて戦いを終わらせるという、彼の思惑とはまったく逆の結果となってしまった。

ロックマンゼクスシリーズ[編集]

ファーストネームである「アルバート」の名を冠する人物が登場する。だが、直接的な繋がりについては不詳。

ロックマンDASHシリーズ[編集]

第一作に同名の人物が登場するが、関係は不明。

ロックマンエグゼシリーズ[編集]

『エクゼ』シリーズ自体が他のシリーズと繋がっていないが、これまでのシリーズとは全くの別人としてワイリーが登場する。ネットワーク犯罪を行う悪の組織・WWW(ワールドスリー)の首領であり、デザインなどはこれまでのシリーズを踏襲しているがモノクルを着用しているなどの差異もある。

元々はニホン国の科学省に所属する科学者であり、ロボット工学の権威である天才科学者である。かつてはその才知を社会発展に使うことを何よりも誇りとし、人格的にも優れていた、科学者の鏡ともいえる存在であった。同シリーズの主人公・光熱斗の祖父である科学者・光正博士(劇中ではすでに故人。『エクゼ』シリーズにおけるライト博士で、名前はライト(Light:英語で「光」)を日本語にしたもの)とは親友同士であり、彼と共に同作のネットワーク社会の基礎を築き上げた(ロボット工学者ゆえにコンピュータやプログラムなどの電子工学にも非常に長けていた)。

だがしかし、それによってニホンおよび世界はネットワーク開発に力を入れるようになり、ワイリーは研究の場を失ってしまう。自分を追いやったネットワーク社会を恨み、失意の中で新たな活動の場を求めていた中、大国アメロッパ(アメリカに相当する国家)の軍から軍事ロボットの開発を行うことを依頼されて、そこで出会った軍人であるバレルの父と親友になる。彼との交流で心は癒され、徐々に憎しみは緩和されていったものの、バレルの父の戦死によって抑えられていた憎しみが爆発、WWWを結成して、ネットワーク社会の破滅を目論み始めた。

社会への憎しみからほとんどの作品で終始悪に徹しているものの、心の奥底ではまだ優しさや良心を失っておらず、非情になりきれない行動や人類へ希望を捨てきっていない様子が各所で見られて、父親を失ったバレルの父代わりとなって愛情を持って育て、彼からは深く敬愛されていた。同時に人格者の面も失っておらず、部下からの人望も非常に厚く、ゆえに優れた人材が彼の下に集まっていた。

最終作『エグゼ6』の最後にて、野望が潰えると共に優しさがまだ残っていることを指摘されて善へと帰還し、同時にようやく憎しみから開放されて改心することができた。その後は、再び社会貢献のために研究を始め、ネットワーク社会の更なる発展に大きく寄与した。

本編シリーズとは異なり家族の存在が判明しており、『エグゼ4』および『エグゼ5』に登場する悪の科学者・Dr.リーガルは実の息子である。リーガルはワイリーが悪に堕ちたのをきっかけに父を嫌い始め、父を捻じ曲げたとして彼もまたネットワーク社会を憎むようになってしまっていた。ワイリーはそれを「自分が原因でリーガルの道を誤らせた」と悔やんでおり、最終的にバレルなどの協力でリーガルを救い、記憶喪失になった一科学者という形で善の道に正している。

登場作品[編集]

ロックマンシリーズ[編集]

ナンバリング作品[編集]

番外作品など[編集]

その他の作品[編集]

担当声優[編集]

青野武
ロックマンシリーズ
ロックマンXシリーズ
緒方賢一
ロックマン 星に願いを
坂東尚樹
ロックマンDASH
石森達幸
パワーバトル、パワーファイターズ
長克巳
ロックマンエグゼシリーズアニメ版のみ)

備考[編集]

  • 第1作目『ロックマン』は当初『鉄腕アトム』のゲームの企画であったため、ワイリーのモチーフは天馬博士である。開発時のキャラクターデザインのモチーフはアルベルト・アインシュタインであったという[4]
  • 「ワイリー」とは実在する姓だが、Dr.ワイリーの名前のモデルは英語で「狡賢い」を意味する“Wily”から。第1作目の段階ですでに「自分なりの理念があり、完全な悪ではない」というイメージが出来上がっていたため、絶対的な悪人ではないニュアンスから付けられた[1]

脚注[編集]

  1. ^ a b ロックマンマニアックス』復刻版(2011年 ウェッジホールディングス発行、ISBN 978-4-904293-53-9)に掲載の有賀ヒトシとA.Kの対談記事より。
  2. ^ この名称は、池原しげとのコミカライズ版での名称で、後に有賀ヒトシの『ロックマンメガミックス』にも起用されている。
  3. ^ 『R20 ロックマン&ロックマンX オフィシャルコンプリートワークス』(2008年 株式会社カプコン発行、ISBN 978-4-86233-178-6)131ページ
  4. ^ 『R20 ロックマン&ロックマンX オフィシャルコンプリートワークス』(2008年 株式会社カプコン発行、ISBN 978-4-86233-178-6)203ページ