満潮に乗って
『満潮に乗って』(まんちょうにのって、原題:Taken at the Flood[1])は、イギリスの小説家アガサ・クリスティによって1948年に発表されたエルキュール・ポアロ物の長編推理小説である。
あらすじ
若い未亡人と結婚した大富豪のゴードン・クロード。彼は一族の生活を支えており、一族全員が彼の庇護のもとにあった。だが、彼は空襲で死亡し、財産は全て若い未亡人のロザリーンが継ぐことになった。それ以来、一族の生活費の支出は、実質的にロザリーンの兄のデイヴィッドの許可が必要になった。
- 「彼女さえいなければ」
戦争が人の心を闇にしていく。
約2年後、ゴードンの親族の1人が、ロザリーンの前夫、ロバート・アンダーヘイが生きていることが判明したので探し出して欲しいと依頼する。
登場人物
- ゴードン・クロード - 百万長者。空襲で死亡
- ロザリーン・クロード - 若い未亡人
- デイヴィッド・ハンター - ロザリーンの兄
- ロバート・アンダーヘイ - ロザリーンの前夫。既に死亡したとされる
- アデラ・マーチモント - ゴードンの姉
- リン・マーチモント - アデラの娘
- ローリイ・クロード - ゴードンの甥
- ジャーミイ・クロード - ゴードンの兄
- フランセス・クロード - ジャーミイの妻
- ライオネル・クロード - ゴードンの弟
- ケイシイ・クロード - ライオネルの妻
- ポーター - アンダーヘイの友人
- ビアトリス・リピンコット - 旅館の主人
- スペンス - オーストシャー警察の警視[2]
- エルキュール・ポアロ - 探偵
日本語訳版
出版年 | タイトル | 出版社 | 文庫名 | 訳者 | 巻末 | ページ数 | ISBNコード | カバーデザイン | 備考 |
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1957年 12月15日 |
満潮に乗って | 早川書房 | ハヤカワ・ポケット・ミステリ384 | 恩地三保子 | 237 | ||||
1976年 7月31日 |
満潮に乗って | 早川書房 | ハヤカワ・ミステリ文庫 HM1-9 | 恩地三保子 | アガサ・クリスティー著作リスト | 346 | ISBN 4150700095 | 真鍋博 | |
2004年 6月14日 |
満潮に乗って | 早川書房 | ハヤカワ・クリスティー文庫 23 | 恩地三保子 | 解説 中川右介 | 431 | ISBN 978-4151300233 | Hayakawa Design |
翻案作品
- デビッド・スーシェ主演の「名探偵ポワロ」シリーズで2006年に映像化されている(第57話)。
- 2004年にBBC Radio 4で放送されたラジオドラマ。
脚注
- ^ 原題の "Taken at the Flood" は、シェイクスピアの『ジュリアス・シーザー』第4幕第3場におけるブルータスの台詞に由来する。
- ^ のちに『マギンティ夫人は死んだ』や『ハロウィーン・パーティ』などに登場するキルチェスター警察のスペンス警視は別人とされる(『アガサ・クリスティー百科事典』 数藤康雄・編、ハヤカワ文庫参照)。
外部リンク
- 満潮に乗って - Hayakawa Online