渡辺岳夫

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渡辺岳夫
別名 大塩潤(別名)
ナベタケ(愛称)
生誕 (1933-04-16) 1933年4月16日
出身地 日本の旗 日本 東京都
死没 (1989-06-02) 1989年6月2日(56歳没)
学歴 武蔵大学経済学部卒業
スコラ・カントルム音楽院卒業
ジャンル アニメ
特撮
テレビドラマ
クラシック
職業 作曲家
音楽家
活動期間 1950年代 - 1989年

渡辺 岳夫(わたなべ たけお、1933年4月16日 - 1989年6月2日)は、日本作曲家音楽家詩人東京都出身。愛称は「ナベタケ」。

アニメ・テレビドラマ・時代劇映画などの主題歌や劇伴を数多く手がけた。1989年(平成元年)6月2日腎不全により死去。56歳没。

裏番組の仕事を掛け持ちした際には、夫人の旧姓を用いて大塩 潤という名義も併用した[1]

また、作品によっては「渡邊岳夫」と表記する場合もある。

略歴・評価

作曲家である渡辺浦人の長男として生まれ、武蔵大学経済学部を卒業した。23歳の時にフランスパリへ留学してクラシックを学び、スコラ・カントルム音楽院卒業。その後ラジオ東京(現・東京放送ホールディングス)へ入社[2]し、演出部でテレビドラマの制作をするうちに音楽に対する想いが強くなり、同社を退社して音楽家に転身した。

様々なジャンルの作曲を手がけており、特に時代劇やアニメーション作品で印象に残る曲を残している。時代劇や現代劇においては、それまで使われる事のなかったチェンバロなどの楽器を多用し、クラシック音楽をベースとした独特なメロディラインで構成された曲を数多く作曲した。

またアニメ作品の主題歌・BGMの分野では、『巨人の星』、『アタックNo.1』、『天才バカボン』、『キューティーハニー』、『アルプスの少女ハイジ』、『魔女っ子メグちゃん』、『フランダースの犬』、『キャンディ・キャンディ』、『あらいぐまラスカル』、『機動戦士ガンダム』等の日本アニメ史上に残るヒット作品の音楽を手掛け、楽曲もヒットした。

一方で、『サラブレッド・マーチ』のような、元々は会議用に依頼され作曲したものや、舞台作品のBGMも数多く作曲したほか、自ら舞台の演出も行うなど、晩年まで精力的な創作活動を行っていた。

好きな音楽のジャンルはタンゴ[要出典]、『魔女っ子メグちゃん』のED、『あばれはっちゃく』のOP、『無敵鋼人ダイターン3』のEDにはタンゴが使われている。

新選組血風録』や『巨人の星』の血沸き肉踊る臨場感のある曲や、『白い巨塔』と『機動戦士ガンダム』『非情のライセンス』『無敵超人ザンボット3』の哀愁を帯びたBGMなど、ジャンルを越えてメロディラインの似た曲もあるが、作曲する際には、必ず作品の脚本などを読み、作品のイメージを把握した上で作曲を開始し、録音の際に歌手や演奏者への助言を与えるなどして、作品のイメージに出来る限り沿う形で曲を作り上げていった。[要出典]

またED曲は哀愁を帯びた曲が多く、「永遠にアムロ」「元祖天才バカボンの春」「夜霧のハニー」「宇宙の星よ永遠に」などがある。

時代劇では、『新選組血風録』や『燃えよ剣』『俺は用心棒』シリーズ、『大奥』(1968年)から始まる3部作や『眠狂四郎』に、『子連れ狼』などの作品を担当。

その一方で作詞も数多く手がけ映画主題歌『緋牡丹博徒』(1968年)は主演の藤純子人気も相まって大ヒットした。

1998年度のJASRAC賞では『アタックNo.1BGM』で国際賞を受賞している。

2004年倖田來未が『キューティーハニー (映画)』(佐藤江梨子主演)の主題歌をカヴァーしてヒットさせ、更にSugarのメンバーとして活動していたayumiがカヴァーし、韓国でも同様にヒットした。

2008年東京国際アニメフェア2008にて第4回功労賞を受賞した。

静岡県伊豆地方の稲取にある、この地方独特の雛祭りの「つるし雛」を展示するギャラリー「雛の館」には、夫人の出身地の縁で、渡辺岳夫寄贈の雛人形一式が展示されている。

作品

テレビ番組

アニメ

など多数。

テレビドラマ・特撮

など多数。

時代劇

など多数。

クイズ番組

劇場映画・その他

映画

など多数。

アニメ映画・その他

  • 鉄人28号(1959年):ニッポン放送ラジオドラマ
  • 海底3万マイル(1970年)
  • きかんしゃやえもん D51の大冒険(1974年)
  • 劇場版 機動戦士ガンダム(1981年)※松山祐士と共同
  • 劇場版 機動戦士ガンダムII 哀・戦士篇(1981年)※松山祐士と共同
  • 劇場版 機動戦士ガンダムIII めぐりあい宇宙篇(1982年)※松山祐士と共同

など。

その他

関連項目

参考文献

  • 『作曲家・渡辺岳夫の肖像 〜ハイジ、ガンダムの音楽を作った男』(ブルース・インターアクションズ、2010年)ISBN 978-486020-391-7

外部リンク

脚注

  1. ^ ただし「大塩潤」を使用しない事もあり、例えば1971年4月 - 9月には『金メダルへのターン!』と『魔法のマコちゃん』、1976年4月 - 1977年2月には『元祖天才バカボン』と『ザ・カゲスター』といった、担当作がぶつかった事があった(いずれも月曜19:00)が、全て「大塩潤」名義を使用しなかった。
  2. ^ 先輩局員の演出部員に円谷一がいた。