愛着障害
この記事は中立的な観点に基づく疑問が提出されているか、議論中です。(2007年6月) |
愛着障害 は
- 生まれて2年目までに形成される通常の母子間の愛着形成;
- 通常の愛着が2-3年以内に形成されない場合には、愛着は遅れて形成される
愛着障害は、研究文献(O'Connor & Zeanah)においては見られる用語であるが、反応性愛着障害 (Reactive attachment disorder) (たとえばアメリカ精神医学会のDSM-IVにあるような)の臨床的な診断基準よりは広い意味を持つ。
愛着障害をDSM-IV-TRにおいては「抑制型」と「脱抑制型」に分けられ、ICD-10では「反応性」と「脱抑制性」に分けている。
愛着理論が用いられるのは、たとえば、里子・養子に出された幼児のように、生後すぐに慢性的な虐待を経験した幼児の行動障害を説明する場合などである。
愛着療法 (Attachment therapy) は、用語の用い方に合意がなされているとは言い難い、意味の広い用語であるが、多くの狙いをもつ療法である。それゆえに、この用語は実用的ではないと考えるものもある。
愛着療法は1940-50年代にジョン・ボウルビィによって開発され、幼児精神医療、小児発達 (Child Development) や関連する領域(Zeanah, C., 1999)における先進的な理論である。理論の研究はよくなされており、愛着関係がどのように発達するかや、どうして後の正常・健康的な発達に必須であるのかや、幼少期の虐待やこの期間における他の障害がどのような効果をもつのか、などを示す。
この理論や研究のエビデンスに基づく治療へのアプローチとして、セラプレイ (Theraplay) やen:Dyadic Developmental Psychotherapyがある.しかし、強制的な介入に理論的な根拠は無く、The Association for The Treatment and Training in the Attachment of Children、APSAC、APA、NASW、AMAなどの職能集団からは支持されていない。セラプレイやen:Dyadic Developmental Psychotherapyはともに強制的な介入を用いておらず、上述の文献における水準とも完全に合致している。