惣菜

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惣菜(そうざい、そうさい)は、日本料理においてとともに食べる料理のこと。副食おかず(菜)、総菜ともいう。[1]

概要

日本料理献立メニュー (料理)の1つとして、一汁一菜一汁三菜がある。 このが惣菜の菜であり、汁物とともに飲食する料理[1] 類似のものにとともに飲食するがある。

日本では、米飯を中心とする主食を副食と区別して考える伝統があり、主食と副食の概念がない地域では料理に相当するであろう。馳走(美食)より日常的な料理を指す。

惣菜は、その多くで家庭料理おふくろの味)とされる料理群で、その各々が独立したものとして扱われ、食卓に於いては個別の食器に盛り付けられる。特に主食と共に摂るものではあるが、主食単品では味気ないところに彩りを添えると共に、栄養学的な側面から見れば主食だけでは得られない栄養を補助する働きもある。古くから、一汁三菜一汁一菜という言葉があるが、バランスの取れた食事が重要である。

これらでは様々なレシピが存在しており、また出来合いの料理としても販売されており、食事を飽きさせないよう様々なものが取り入れられ、日常的に食べられている。

日本における惣菜の位置付け

地域性と惣菜

その土地独自の野菜(江戸野菜京野菜など)や海産物など、地域の食文化を背景にして、他地域とは異なった料理文化を持っている。

江戸では、江戸前や地の野菜などの素材を使用して、佃煮天ぷらを作った。漬物も同様である。

京都のおばんざいというのは、京都の方言で「日常のおかず」のこと(「お番菜」と書き、ここでの「番」は番傘番茶と同じく「常用のもの」をさす)。海に遠い盆地の京都では、寺も多く、漬物乾物精進料理を取り入れたおかずが発展し、よそとは違ったものがある。[要出典]

大陸との行き来の歴史を持つ福岡、長崎や、琉球文化の影響を残す沖縄などにも独自の日常の惣菜、郷土料理が多い。

時代と惣菜

江戸時代には、調理済みの惣菜を行商・屋台で販売する煮売屋という業態がすでに存在した。

本来は家庭で作る[要出典]ことが主であった惣菜は、晩婚化にともなう単身者の増大、核家族化や専業主婦の減少、またバブル景気時からのグルメブームなど社会的な変化にともなって小売店が提供する商品としての需要が拡大し、種類も増えて品質も向上してきた。

そのなかで大手広告代理店が持ち帰り惣菜のことを、家の中で調理食事をする「内食(ないしょく)」と、調理されたものと食事の場所の両方を提供する「外食」の中間であることから「中食(なかしょく)」との造語で呼び、そのトレンドに注目した。一時若干すたれ気味だった惣菜の語も中食への注目とともにまた広く使われ出している。

煮物揚げ物漬物豆料理佃煮サラダなどのデパートスーパーの食品売り場で購入してくるものから、弁当のおかずに手ごろな一口分の冷凍食品までいろいろある。

広がり

主食とともに弁当として売られる場合や主食となるサンドイッチなどの調理パン寿司なども広い意味で含むことがある。[要出典]また、ハムサラミマリネ、オーブン料理など主に洋風惣菜をデリカデリカテッセン)とも言う。なお、「デリカテッセン」というと日本では洋風惣菜そのものをさす事例が多いが、英語圏では本来、惣菜を販売する店舗を指す。詳しくはデリカテッセンを参照。

惣菜の商品は、精肉店のコロッケを始め、家庭でも手間のかかるオーブン料理、主に昼食用に利便性の高い弁当や惣菜パンなどが主流であったが、しだいに揚げ物[要出典]煮物サラダなども需要が高まった。スーパーマーケットでは惣菜売場の見直しがさかんになり、コンビニエンスストアでも多様なニーズに応えられる品揃えが図られた。百貨店デパ地下における付加価値商品や、電子レンジなどを利用して従来より簡単に調理できる冷凍食品も増え、他にも個々の食品製造業小売店が独自の商品を開発するなど、食品を扱う業界全体で関心が高まっていった。[要出典]

惣菜と問題

既製品が提供されるという利便性だけでなく、「おいしいこと」「安いこと」が追求されてきたが、近年では食中毒BSE等の問題だけに限らず、残留農薬や有毒物質、また賞味期限切れや偽装まで、「安全であること」も惣菜を含めた食品全体に対して求められるようになってきている。カロリーなど栄養成分についても明記してあるものも見られる。

こういった安全性を求める需要に関連して、遺伝子組み換え作物利用の有無やアレルゲン表示など、様々な表示が行われている。原産地表示をするよう消費者側の需要もあり、これに対応する動きが見られる一方で、産地偽装やまぎらわしい表示などといったトラブルが取り沙汰されるケースもある。

なお、日本において製造するには食品衛生法により、最寄りの保健所許可が必要である。

関連項目

外部リンク

  1. ^ a b 広辞苑第5版