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広野火力発電所

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広野火力発電所(ひろのかりょくはつでんしょ)は、福島県双葉郡広野町大字下北迫字二ッ沼58にある東京電力火力発電所である。

概要

1980年4月に1号機が運転を開始、順次増設され5号機までが建設された。最終的には総出力440万kWの発電所となる予定であり、現在は6号機が建設中である。

東京電力の火力発電所としては唯一の供給エリア外立地発電所である。これは磐城沖ガス田から供給される天然ガスの存在を前提に建設されたためで、同所が生産したガスの全量を発電用に使用していた。なお、磐城沖ガス田は2007年7月をもって生産を終了し、石油と天然ガスを混焼していた3・4号機は石油専焼となった。

発電設備

  • 総出力:380万kW[1]
  • 敷地面積:約132万m²
1号機
定格出力:60万kW
使用燃料:重油原油
営業運転開始:1980年4月
2号機
定格出力:60万kW
使用燃料:重油、原油
営業運転開始:1980年7月
3号機
定格出力:100万kW
使用燃料:重油、原油
営業運転開始:1989年6月
4号機
定格出力:100万kW
使用燃料:重油、原油
営業運転開始:1993年1月
5号機
定格出力:60万kW
使用燃料:石炭
熱効率:45%(低位発熱量基準)
営業運転開始:2004年7月
6号機(建設中)
定格出力:60万kW
使用燃料:石炭
営業運転開始:2013年12月予定

東北地方太平洋沖地震による被害

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震により被災。当時運転中だった2・4号機が停止した[2]。その後の大津波によって、タービン建屋など構内広範囲にわたって浸水しがれきが散乱するなどして、地震発生時停止していた1・3・5号機を含む全機が運転できない状態に陥った[3]

施設は福島第二原発の10km圏内、および福島第一原発の30km圏内に位置しているが、4月21日に福島第二原子力発電所の避難区域が10km圏内から8km圏内に縮小し、翌22日に広野町全域が「緊急時避難準備区域」へと変更されたため、避難区域から外れた。

東京電力は設備の復旧作業について「損壊が少ない設備から着工し、社員、協力会社を挙げて夏の戦列に入れたい」とし、[4] 復旧作業を行った結果、まず5号機が6月15日に運転を再開した。その後も順次復旧作業を進め、7月16日に再開した3号機を最後に全機の運転が再開した[5][3]

発電所としての特徴

  • 5号機は、常陸那珂火力発電所と同様に石炭専焼の発電所である。タービンへ送られる蒸気の高温・高圧化を図るとともに、低圧タービンに新開発の48インチ翼を採用することにより、石炭火力としては最高水準となる熱効率43%(高位発熱量基準)を実現した[6]
  • 主な発電設備を埋立地側へ建設し、従来の土地より長さ333mに及ぶトンネルによってつないでいるため、主要な建物は表からほとんど見ることができない。このため、周辺からは煙突のみが目立つ格好となっている。この煙突がシンボルとなっており、マスコットキャラクターも煙突の形をしている。
  • 敷地の一部は「広野海浜公園」として開放されている。公園としては小さな広場が一つあるに過ぎないが、長い階段によって埋立地に設けられた有料の釣り場へと赴く事が出来る。

アクセス

出典

関連項目

外部リンク

座標: 北緯37度14分00秒 東経141度00分50秒 / 北緯37.23333度 東経141.01389度 / 37.23333; 141.01389