国道308号

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日本の道路 > 一般国道 > 国道308号
一般国道
国道308号標識
国道308号
総延長 38.9 km
実延長 38.1 km
現道 33.7 km
制定年 1970年
起点 大阪府大阪市中央区
新橋交差点(北緯34度40分30.34秒 東経135度30分1.25秒
主な
経由都市
[大阪府東大阪市
奈良県生駒市
終点 奈良県奈良市
三条大路2丁目交差点(北緯34度40分54.76秒 東経135度48分1.21秒
接続する
主な道路
記法
国道25号26号165号重複)
国道479号
阪神高速13号東大阪線阪神高速13号東大阪線阪神高速13号東大阪線
近畿自動車道近畿自動車道
国道170号
国道168号
国道24号京奈和自動車道(京奈道路)に連絡)
テンプレート(ノート 使い方) PJ道路
接続路線
STR
大阪府道173号
KRZ
国道25号
KRZh
阪神高速1号環状線
KRZ
大阪府道30号
mKRZh
大阪環状線
KRZ KRZ
国道479号
STR STR
左:大阪府道24号
mKRZh
おおさか東線
KRZh
近畿自動車道
KRZ KRZ
国道170号大阪外環状線
KRZ KRZ
国道170号
STR TUNNELa
右:第二阪奈有料道路
mKRZh mtKRZh
近鉄奈良線
STR
暗峠
KRZu
信貴生駒スカイライン
KRZ
国道168号
TEEl TEEr
KRZo
第二阪奈有料道路
KRZ
奈良県道7号
STR STR
右:阪奈道路
KRZu ABZlg
第二阪奈有料道路
TEEl KRZ
奈良県道1号
mKRZ mKRZo
近鉄橿原線
KRWg+l KRWgr
KRZ KRZ
奈良県道52号
KRZ KRZ
国道24号奈良バイパス
大阪市中央区南船場、末吉橋付近

国道308号(こくどう308ごう)は、大阪府大阪市中央区から奈良県奈良市に至る一般国道である。

概要

後述の酷道と呼ばれる区間以外(主に東大阪 - 大阪市内、中央大通と呼ばれる区間)は第一次緊急輸送道路(広域緊急交通路)として指定され、また、大阪市営地下鉄中央線及び近鉄けいはんな線阪神高速13号東大阪線が並走する等、東西の幹線が少ない大阪の道路において重要な役割を担っている。

酷道と呼ばれる経路(や旧国道308号部分)はかつての暗越奈良街道を踏襲している。バイパスとして第二阪奈有料道路が供用されている区間(大阪府奈良県境および生駒市から奈良市にかけての区間)の旧道は石畳区間を含むなど車両の通行が困難な急勾配・狭隘路となっており、事実上、沿線住民の生活道路および行楽者のハイキング道として機能している。

後述するように、現在は都市間・長距離・高速移動上の実用性はほとんどない。並走する第二阪奈有料道路阪奈道路国道163号西名阪自動車道への迂回がほとんどのドライバーにとって有益である。

路線データ

一般国道の路線を指定する政令[1][注釈 1]に基づく起終点および経過地は次のとおり。

歴史

  • 1961年昭和36年) - 十大放射線・三環状線事業により、築港枚岡線(大阪市内部 築港深江線)別名中央大通りとして都市計画道路整備
  • 1970年(昭和45年)4月1日 - 一般国道308号(大阪府大阪市 - 奈良県奈良市)として指定施行[4]
    • なお、当時国道指定された道筋は東大阪市では現在の大阪府道・奈良県道702号大阪枚岡奈良線で、現在の国道308号とは異なる。当時の終点は奈良市大森町。
  • 1972年(昭和47年)10月1日 - 現在の国道308号道筋が国道指定。旧国道308号は大阪枚岡奈良線として一般府県道に格下げ
  • 1983年(昭和58年)3月31日 - 奈良市尼辻東町(現三条大路1丁目) - 奈良市大森町間(1972年4月1日から国道24号重複区間だった)を奈良県道1号奈良生駒線として主要地方道に格下げ。

路線状況

東大阪市・生駒市境、暗峠の石畳
暗峠の幅員1.3m制限標識。幅員拡張後も標識は更新されず、腐食が進行していた。2015年7月に撤去された。

大阪市と奈良市をほぼ直線で結ぶ現道は、関西を代表するいわゆる「酷道」と評されている[5]。大阪府と奈良県境にまたがる生駒山地暗峠(くらがりどうげ)を越えてゆく区間は、最大斜度31%ともいわれる急坂があったり、通行車両の最大幅1.3m制限の道路標識[注釈 4]が設置されてあったなど、実態として車道としての機能を果たさない道路となる[6]。暗峠の頂上部分の舗装は石畳になっており、この部分は日本の国道では唯一といわれる[5]

バイパス

通称

重複区間


狭隘区間

  • 東大阪市から奈良市にかけての区間に、自動車軽自動車を含む)同士でのすれ違いができない区間が残っている。このため、東大阪市から生駒市にかけて(近鉄奈良線ガード東側から国道168号旧道交点まで)の区間の一部に西行きの一方通行規制が敷かれている(東行きは部分的に迂回する必要がある)。また、峠の周辺など一方通行でない区間で車が出会った場合、待避可能な場所までどちらかが後退を強いられる。
  • 片側が壁で反対側がガードレールのない、通行できる幅が車1台分という区間もある。
  • 現在ではある程度改修工事が進み、軽自動車も通行困難な狭隘区間は解消している。付け替え後の新道の脇に旧道の残っている部分があるが、そこは軽自動車がようやく通行可能なほどに道幅が狭くなっている。
  • 奈良交通奈良富雄線(近鉄奈良駅 - 尼ヶ辻駅 - 学園前駅)が毎時1・2本運転、尼ヶ辻駅 - 県総合医療センター間が毎時3本程度運転されており、尼ヶ辻駅付近および、宝来バス停 - 東坂バス停間は狭隘な区間を路線バスが走行する。また尼ヶ辻駅にはバス誘導員が常駐し、狭隘区間を走行するバス同士や誘導員と無線連絡を行ないながら走行している。

周辺住民にとっては重要な生活道路であり、道端には「道路狭小につき通行はご遠慮下さい」の看板もある[6]。前述の通り第二阪奈有料道路・阪奈道路・国道163号・西名阪自動車道への迂回が望まれる。

ただし、阪奈道路は毎週日曜日0:00 - 6:00はオートバイと原付の通行が禁止されているため、有料道路を利用できない原付の場合はこちらを通らざるを得ない場合がある。

地理

暗峠西側の急坂区間。この写真の部分が最急勾配部という訳ではない。ホイールスピンによるタイヤ痕が見受けられる。
付け替え前は本線だった旧道部分。写真の区間の道幅は目測で1.5m程度しかない。
奈良市内では狭隘な区間を路線バスが走行する

東大阪市の近鉄奈良線ガード下を越えてからは暗峠までの区間および榁木峠の西側は急坂区間となっている。

とくに暗峠の西側、東大阪市東豊浦町にある勧成院の海抜が100 m、峠の海抜は450 mと高低差が大きい。そのため平均斜度は20 %、最大斜度は37 %と、自動車通行可能な国道としては日本一の急勾配になっている[要出典]。峠側から大阪側へ進む際には転がり落ちるような感覚になる。

ただし標高が低めで舗装が良好ということもあり、車両も少なからず通行するが、子供からお年寄りまで楽しめる登山ハイキングスポットとして重宝されている。

通過する自治体

交差する道路

交差する道路 交差する場所 備考
国道25号国道26号国道165号<御堂筋> 大阪府 大阪市 中央区 新橋
大阪府道102号恵美須南森町線<堺筋> 長堀橋
大阪市道天神橋天王寺線<松屋町筋> 松屋町
大阪府道30号大阪和泉泉南線<谷町筋> 谷町6
大阪市道赤川天王寺線<上町筋> 上本町1
大阪市道上新庄生野線 東成区 玉津1
大阪市道大阪環状線 今里
国道479号<大阪内環状線> 新深江
大阪市道築港深江線<中央大通>
国道479号<大阪内環状線>
深江橋
阪神高速13号東大阪線高井田出入口 東大阪市 高井田本通六丁目
大阪府道15号八尾茨木線 藤戸新田
大阪府道2号大阪中央環状線(旧道) 長田
阪神高速13号東大阪線長田出入口 (長田中二丁目)
大阪府道2号大阪中央環状線 西荒本北 ※国道308号東行と大阪府道2号北行を接続
大阪府道2号大阪中央環状線 西荒本南 ※国道308号西行と大阪府道2号北行を接続
大阪府道2号大阪中央環状線 東荒本北 ※国道308号東行と大阪府道2号南行を接続
大阪府道2号大阪中央環状線 東荒本南 ※国道308号西行と大阪府道2号南行を接続
阪神高速13号東大阪線東大阪荒本出入口 荒本東
阪神高速13号東大阪線中野出入口 横枕西
大阪府道21号八尾枚方線 河内中野南
阪神高速13号東大阪線水走出入口
第二阪奈有料道路西石切ランプ
国道170号大阪外環状線
被服団地前
国道170号 新石切駅前 ※国道308号東行と国道170号を接続
国道170号 東山 ※国道308号西行と国道170号を接続
国道170号 箱殿
国道168号南生駒バイパス 奈良県 生駒市 小瀬町西
国道168号 (小瀬町)
奈良県道7号枚方大和郡山線 奈良市 砂茶屋
奈良県道1号奈良生駒線<大宮通り>
奈良県道52号奈良精華線
(尼辻北町) 大宮道路交差点
奈良大和郡山斑鳩線 三条大路5丁目
国道24号
奈良県道1号奈良生駒線<三条通り>
三条大路2丁目

※交差する場所の括弧書きは地名、それ以外は交差点名で表示

脚注

注釈

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
  2. ^ 2013年4月1日現在
  3. ^ 重複区間を除く
  4. ^ 佐藤によれば、2014年の著書『ふしぎな国道』のなかで「幅1.3m制限の標識も設置されているから、ここを通る車はすべて道路交通法違反になる」と言及している。

出典

  1. ^ 一般国道の路線を指定する政令(昭和40年3月29日政令第58号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. 2015年7月4日閲覧。
  2. ^ 表26 一般国道の路線別、都道府県別道路現況” (PDF). 道路統計年報2014. 国土交通省道路局. p. 17. 2015年7月4日閲覧。
  3. ^ 一般国道の指定区間を指定する政令(昭和33年6月2日政令第164号)”. 法令データ提供システム. 総務省行政管理局. 2015年7月4日閲覧。
  4. ^ 一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和44年12月4日政令第280号)
  5. ^ a b 佐藤健太郎 2014, p. 72.
  6. ^ a b 佐藤健太郎 2014, pp. 72–73.

参考文献

  • 佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社〈講談社現代新書〉、2014年。ISBN 978-4-06-288282-8 

関連項目

外部リンク