三論宗
三論宗(さんろんしゅう)は、仏教の宗派の1つで、インドの龍樹の中論・十二門論、その弟子提婆の百論の三論を所依(基盤とする)の経典とする論宗(経を所依とせず、論を所依とする)である。空を唱える事から、空宗とも言う。その他、無相宗・中観宗・無相大乗宗の呼び方もある。
概要
中国隋代に嘉祥大師吉蔵(549年 - 623年)が大成した。吉蔵の『三論玄義』は三論宗の立場で書かれた仏教概論である。唐代には、天台宗や華厳宗、法相宗の隆盛の陰に隠れ、宗風が振るわなくなり、学問としてのみ存在するようになった。寓宗として成実宗があった。
日本への伝来には、
の3系統がある。
元興寺・大安寺の2流は、日本三論の2流と称し、奈良時代には南都六宗の1つとして栄えた。
三論宗の中興の祖とされる聖宝(832年 - 909年)は、元興寺流の出身である。
相承
- 鳩摩羅什
- 僧嵩
- 僧淵
- 法度
- 僧朗
- 僧詮
- 法朗
- 吉蔵