ミリアム・マーゴリーズ

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ミリアム・マーゴリーズ
Miriam Margolyes
Miriam Margolyes
Margolyes, 2013年
生年月日 (1941-05-18) 1941年5月18日(82歳)
出生地 イギリスの旗 イギリスオクスフォード
国籍 オーストラリアの旗 オーストラリア
民族 ユダヤ系イギリス人
ジャンル 女優
声優
活動期間 1965年 - 現在
主な作品
ハリー・ポッター』シリーズ
 
受賞
英国アカデミー賞
助演女優賞
1993年エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事
その他の賞
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ミリアム・マーゴリーズ(Miriam Margolyes, OBE, 1941年5月18日 - )は、イギリス出身の映画女優声優である。

来歴[編集]

1941年イギリスオクスフォードで生まれた。母親は不動産投資家で、父親は医師だった。ちなみに家系はベラルーシからのユダヤ系移民である。地元のオクスフォード高校を卒業後に、ケンブリッジ大学のニューナム・カレッジで学んだ[1]。在学中に演劇に目覚めた彼女は、ケンブリッジの学生たちが運営する劇場でコメディー劇をいくつか経験。持ち前のコメディーセンスや独特の声を活かして、頭角を現していった。

1965年ジュディ・デンチなども出演していたテレビシリーズ『Theatre 625』でテレビデビュー。その後も母国イギリスで主にテレビで活躍。1970年代に入ると徐々に映画界へも進出。また同時に声優としてもキャリアを重ね、堺正章孫悟空を演じた「西遊記」や中村敦夫主演の歴史ドラマ『水滸伝』の英語吹替版にも参加した。年が経つにつれ、イギリスのみならずハリウッド作品にも顔を出し始め、1980年代に入ると脇役ではあるが、バーブラ・ストライザンドが主演・製作・脚本・監督を務めた意欲作『愛のイエントル』やリック・モラニススティーヴ・マーティンビル・マーレイら出演のミュージカルコメディー『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』にも参加した。本国イギリスにおいてはローワン・アトキンソン主演のコメディー番組『ブラックアダー』への出演でも知られている。

1990年代に入ると、出演作品も話題作や大作などが増え始めた。1993年に出演したマーティン・スコセッシ監督の『エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事』では見事英国アカデミー賞 助演女優賞を獲得。その後もクセのある役柄やコミカルな役柄を喜々として演じ、中でもスティーヴ・ブシェミと共演したホラーコメディー『ボディ・クッキング/ 母・体・蘇・生』では、死から蘇るブシェミの母親役を不気味に演じている。これまでの出演作品は130本を越え、映画やテレビにおけるバイブレーヤーとして精力的に活動を続けている。その功績が称えられ、本国イギリスからは大英帝国勲章が授与された。アメリカ合衆国、イギリス、オーストラリアに居を構え、それぞれの国において活動。ベストセラー小説の映画化でもある「ハリー・ポッターシリーズ」におけるポモーナ・スプラウト役としても知られている。映画以外ではオーストラリアやロンドン、そしてブロードウェイの舞台でも活動している。

プライベート[編集]

同性愛者であることを公にしている[2]。パートナーとは40年来の交際だという[3]

2013年、オーストラリア国籍を取得[4][5]

出演作品[編集]

公開年 邦題
原題
役名 備考
1980 ピラミッド
The Awakening
カディラ博士
1981 レッズ
Reds
ノートに書く女性 クレジットなし
1983 愛のイエントル
Yentl
サラ
1984 エレクトリック・ドリーム
Electric Dreams
チケット・ガール
1985 モロン
Morons from Outer Space
ドクター・ウォレス
1986 リトル・ショップ・オブ・ホラーズ
Little Shop of Horrors
歯科衛生士
1987 プア・リトル・リッチ・ガール
Poor Little Rich Girl: The Barbara Hutton Story
エルサ・マックスウェル テレビ映画
1988 リトル・ドリット
Little Dorrit
フローラ
1990 殺したいほどアイ・ラブ・ユー
I Love You to Death
ジョーイの母親
パシフィック・ハイツ
Pacific Heights
動産仲介業者
1991 愛と死の間で
Dead Again
レディ クレジットなし
夢の降る街
The Butcher's Wife
ジーナ
1992 独裁/スターリン
Stalin
ナデジダ・クルプスカヤ テレビ映画
1993 エイジ・オブ・イノセンス/汚れなき情事
The Age of Innocence
ミセス・ミンゴット 英国アカデミー賞 助演女優賞受賞
ボディ・クッキング/ 母・体・蘇・生
Ed and His Dead Mother
メイベル
1994 不滅の恋/ベートーヴェン
Immortal Beloved
ナネッテ・シュトライヒャー
1995 ベイブ
Babe
フライ 声の出演
バルト
Balto
Grandma Rosy 声の出演
1996 ジャイアント・ピーチ
James and the Giant Peach
スポンジおばさん 声の出演
ディファレント・フォー・ガールズ
Different for Girls
パメラ
ロミオ+ジュリエット
Romeo + Juliet
The Nurse
1998 キャンディ
Candy
Gisella
失われたトランク
Left Luggage
ミセス・ゴールドマン
ムーラン
Mulan
仲人 声の出演
ベイブ/都会へ行く
Babe: Pig in the City
フライ 声の出演
1999 太陽の雫
Sunshine
ローズ
禁断のエバ
Dreaming of Joseph Lees
Signora Caldoni
エンド・オブ・デイズ
End of Days
メイベル
マグノリア
Magnolia
フェイ・バリンジャー クレジットなし
2001 キャッツ&ドッグス
Cats & Dogs
ソフィー(メイド)
2002 アローン
Alone
ケースワーカー
ハリー・ポッターと秘密の部屋
Harry Potter and the Chamber of Secrets
ポモーナ・スプラウト先生
2004 チェイシング・リバティ
Chasing Liberty
マリア
モディリアーニ 真実の愛
Modigliani
ガートルード・スタイン
ライフ・イズ・コメディ! ピーター・セラーズの愛し方
The Life and Death of Peter Sellers
ペグ・セラーズ
ラヴェンダーの咲く庭で
Ladies in Lavender
ドルカス
華麗なる恋の舞台で
Being Julia
ドリー・デ・ヴリース
ミス・マープル 牧師館の殺人
Agatha Christie Marple: The Murder at the Vicarage
プライス=リドリー夫人 テレビ映画
2006 マウス・タウン ロディとリタの大冒険
Flushed Away
リタの祖母 声の出演
ハッピー フィート
Happy Feet
ミセス・アストラカン 声の出演
2008 セレブ・ウォーズ 〜ニューヨークの恋に勝つルール〜
How to Lose Friends & Alienate People
コワルスキー夫人
2010 ガフールの伝説
Legend of the Guardians: The Owls of Ga'Hoole
ミセスP 声の出演
2011 ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2
Harry Potter and the Deathly Hallows – Part 2
ポモーナ・スプラウト先生
2012 人生はノー・リターン 〜僕とオカン、涙の3000マイル〜
The Guilt Trip
アニタ
2017 Merry Christmas! 〜ロンドンに奇跡を起こした男〜
The Man Who Invented Christmas
フィスク夫人
2018 アーリーマン 〜ダグと仲間のキックオフ!〜
Early Man
フィファ女王 声の出演

テレビシリーズ[編集]

放映年 邦題
原題
役名 備考
1980 ロアルド・ダール劇場/予期せぬ出来事
Tales of the Unexpected
メアリー エピソードFat Chance
1983 ブラックアダー
The Black Adder
Infanta Maria Escalosa of Spain 1エピソード
1985 オリバー・ツイスト
Oliver Twist
Mrs. Corney / Mrs. Bumble ミニシリーズ
1986 小公女
A Little Princess
ミス・アメリア ミニシリーズ
ブラックアダーII
Blackadder II
レディ・ホワイトアダー 1エピソード
1999 虚栄の市
Vanity Fair
ミス・クロウリー ミニシリーズ
2000 ダーマ&グレッグ
Dharma & Greg
クロエ 1エピソード
2012 Miss Fisher's Murder Mysteries プルーデンス 5エピソード

声の出演[編集]

テレビアニメ[編集]

舞台[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Newnham College undergraduate admissions page for English. Newn.cam.ac.uk. Retrieved 25 August 2011.
  2. ^ The Graham Norton Show, 4 March 2011
  3. ^ Tozer, James (2008年9月28日). “My lesbian confession led to mother's stroke says Harry Potter star Miriam Margolyes”. Daily Mail (London). http://www.dailymail.co.uk/tvshowbiz/article-1063629/My-lesbian-confession-led-mothers-stroke-says-Harry-Potter-star-Miriam-Margolyes.html 
  4. ^ Late Night Live – 10September2007 – Miriam Margolyes and Dickens' Women. Abc.net.au (10 September 2007). Retrieved 25 August 2011.
  5. ^ ハリポタ英女優、豪州人に 時事ドットコム、2013年1月26日

外部リンク[編集]