ミマス (衛星)
ミマス Mimas | |
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仮符号・別名 | Saturn I, S 1 |
見かけの等級 (mv) | 12.8(平均) |
分類 | 衛星 |
軌道の種類 | 内大衛星群 |
発見 | |
発見日 | 1789年9月17日 |
発見者 | ウィリアム・ハーシェル |
軌道要素と性質 | |
軌道長半径 (a) | 185,404 km |
近日点距離 (q) | 181,700 km |
遠日点距離 (Q) | 189,100 km |
離心率 (e) | 0.0202[1] |
公転周期 (P) | 約 22 時間 40 分 (0.9424218 日[1]) |
軌道傾斜角 (i) | 1.51 度 (土星の赤道に対する) |
土星の衛星 | |
物理的性質 | |
三軸径 | 414.8 × 394.4 × 381.4 km [2] |
半径 | 198.3 ± 0.6 km |
表面積 | 490,000 km2 |
体積 | ~3.29 ×107 km3 |
質量 | 3.84 ×1019 kg |
土星との相対質量 | 6.75 ×10−8 |
平均密度 | ~1.17 g/cm3 |
表面重力 | 0.077 m/s2 |
脱出速度 | ~0.16 km/s |
自転周期 | 0.9424218 日 (公転と同期) |
アルベド(反射能) | 0.962 |
表面温度 | ~64 K |
大気圧 | 0 Pa |
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ミマス (英語:Mimas、確定番号:Saturn I) は、土星の第1衛星。1789年に天文学者ウィリアム・ハーシェルによって発見された。その後、ウィリアムの息子のジョン・ハーシェルが1847年にギリシア神話の巨人族の一人ミマースにちなみ、命名・発表した。
軌道
ミマスは半径18.6万kmのほぼ円軌道を約22時間40分ごとに一周する天体で、土星の主要な衛星の中では最も土星の近くにある[3]。Fリングの小さな羊飼い衛星であるパンドラは、ミマスとの軌道共鳴により公転周期がミマスに対して2:3の整数比となる軌道を回っており、ミマス自身も2つ外側を周回する更に大きな衛星テティスと1:2の軌道共鳴を保っている。
ミマスは、軌道の内側にある土星の環にも影響を及ぼしている。例えば土星の環のうち構成粒子の公転周期がミマスと1:2の比になる場所では軌道共鳴によって粒子が取り除かれる現象が起き、カッシーニの間隙が形作られている[4]。
物理的特性
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/0/08/Mimas_shape.jpg/150px-Mimas_shape.jpg)
ミマスの密度は1.17と低く、氷および少量の岩石だけで構成されると考えられている。衛星の自転による遠心力と土星から受ける潮汐力のため、ミマスは415×394×381kmの三軸不等楕円体で近似される形に歪んでいる[2]。
また、一般的な天体は昼の半球の赤道付近が最も高温になるが、ミマスの表面温度はこの単純な分布には従っていない。原因としては、ミマス表面の氷の状態に地域差があり、熱を逃がす効率が異なっているためという説がある[5]。
宇宙探査機カッシーニは、2005年以降ミマスへの接近・調査を行っている。
地形
ミマス最大のクレーターであるハーシェル(ウィリアム・ハーシェルにちなむ)は直径130kmに達し、ミマスの直径の3分の1に及ぶ。クレーターの壁は高さ約5km、深さは10kmで、底の中央丘は高さ6kmになる。この比率を地球に置き換えれば、直径4,000km以上に達したであろう。このクレーターを作った衝撃はほとんどミマスを完全に破壊するところであった。ハーシェルクレーターの反対側では、クレーターを作った衝突によると思しき破砕跡を見ることができる。
ミマスの表面はクレーターで満たされているが、それらはハーシェルよりもはるかに小さい。また、クレーターの分布は一定ではなく、表面の大部分は直径40km以上のクレーターで覆われているが、南極領域では20km以上のクレーターは見当たらない。これは、何らかの過程により南極地域から大きいクレーターが失われたと考えられる。
ミマスの主な地形は、クレーターと峡谷である。詳細はList of geological features on Mimasを参照。
フィクションにおけるミマス
ミマスの外見は、アメリカ映画『スター・ウォーズ』に登場する宇宙要塞「デス・スター」に似通っており、このことは報道や研究機関のリリースでもしばしば言及されている[5][6]。しかし、ミマスがボイジャー1号によって撮影されたのは第1作公開の3年後であるため、これは単に偶然の一致である。
シチュエーション・コメディ『宇宙船レッド・ドワーフ号』に基づくロブ・グラントとダグ・ネーラーの小説版では、ミマスは大きな宇宙港として登場する。デイブ・リスターはここからレッド・ドワーフ号に乗り込んだ。原作と小説版の両方では、ミマスの珍味 "Mimean Bladderfish" が出てくる。
『新スタートレック』では、宇宙艇の衝突事故を起こしたウェスリー・クラッシャーら4人の宇宙艦隊アカデミー候補生が、ミマスの緊急ステーションに救助された。
アイザック・アシモフがポール・フレンチ名義で発表したジュブナイルSF小説『ラッキー・スター』シリーズの一編 "Lucky Starr and the Rings of Saturn"(1958年、邦題『太陽系の侵入者』)では、ミマスはほとんどが氷でできた衛星として登場する。ラッキー・スターは彼の宇宙船をミマスに衝突するコースに乗せ、宇宙船の武器で表面の氷を溶かして水の下に隠れ、彼を追うシリウス人から逃れた。
脚注
- ^ a b [1]
- ^ a b Thomas, P. C. et al. (2006年). “Shapes of the Saturnian Icy Satellite”. 37th Lunar and Planetary Science Conference. 2010年3月31日閲覧。
- ^ David R. Williams. “Saturnian Satellite Fact Sheet”. NASA. 2010年4月3日閲覧。
- ^ http://www.astronomy.ohio-state.edu/~pogge/Ast161/Unit6/rings.html
- ^ a b “1980s Video Icon Glows on Saturn Moon”. NASA JPL. (2010年3月29日) 2010年3月30日閲覧。
- ^ Kelly Young (2005年2月11日). “Saturn's moon is Death Star's twin”. New Scientist 2010年3月31日閲覧。