つなぎ番組
つなぎ番組(つなぎばんぐみ)とは、前番組が何らかの理由で打ち切りになり、後番組の放送が始まるまでの仮の番組として放送させるテレビ番組もしくはラジオ番組の手法のこと(暫定措置)である。穴埋め番組とも表現されており、また特別番組の扱いとみなすこともある。
概要
あくまで後番組が始まるまでの穴埋めとして放送されることがあるため、後番組が決まると終了となる。しかし、好評だった場合はそのままレギュラー番組化することもある。中には長寿番組化するものもある。
つなぎ番組のレギュラー化に関しては、放送をそのまま続行してレギュラー化するケースと、番組を一時休止して改めてレギュラー番組として再開する2つのケースが一般的である。
番組を一時的に休止して、復活するまでの間の仮の番組もつなぎ番組とされることがある。例えばアニメやドラマ(主に特撮や刑事ドラマ)の場合、シリーズ作品を一時休止して別の作品で繋いだ後に再開することがある。この場合シリーズ間の番組がつなぎ番組とされることがある。東映作品に多く見られる[1]。
ラジオにおけるつなぎ番組
- プロ野球中継の枠でシーズンオフに放送される番組(いわゆる、ナイターオフ番組)もつなぎ番組とされることがある。基本的に次のシーズンが開幕した時点で終了することを前提としているが、中にはシーズンオフ恒例の番組に発展することや別の枠でレギュラーに昇格することもある。音楽番組(フィラー参照)やJRN・NRNキー局の番組購入が多い。
- ラジオ大阪は『ソングトレイン1314』と題して、ノンDJで自社の持っている音源を使用して特定のジャンルの音楽を放送する場合がある。[2]
- ラジオ日本は新番組が決まらない間、ノンDJで『フォーエバー・ミュージック』と題して放送している。
- FM FUKUOKAも新番組が決まらない間、『FMアルバムコレクション』(または『FMサウンドコレクション』)と題した番組を放送している。
- 新潟放送でも2009年4月より2013年4月末まで、『オールナイトニッポン』の終了後から『あなたへモーニングコール』が始まるまでの1時間(月曜を除く3:00 - 4:00)を『深夜音楽』と称し、自社の持っているクラシック音楽を放送していた[3]。
- 静岡エフエム放送(K-MIX)では、日曜午前8時から放送していた番組『レイニードライブ』のパーソナリティであるsuzumokuが2009年3月に突然失踪する事件を起こし、番組の今後の収録が出来なくなる事態に陥った。このため急遽番組を打ち切り、残った3週分の放送を特別番組を編成して後番組を開始するまでの間を繋いでいる。
- TBSラジオほかJRN各局では、『feel the mind〜最上の出会い〜』が初代MCだった片山右京の富士山遭難騒動により2009年12月18日から翌2010年1月8日まで一時休止し、その間は代替番組として『杉浦舞のMキャッチ!』を翌週12月21日より(2010年1月8日まで)『最上の出会い』本編をそのまま差し替えて放送された[4]。後に『最上の出会い』は、2010年1月11日より俳優の辰巳琢郎を新パーソナリティに起用して放送を再開。約3か月間をつなぎ、4月5日より片山が復帰。
- 同じくTBSラジオの事例であるが、『枡田絵理奈の横浜物語』の番組スポンサーが東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)で被災し営業休止となった影響で、同番組は2011年3月5日を最後に終了となった。4月改編までの残りの週は、一つ前に放送されている『サタデースポーツ&ニュース』を1時間に拡大して繋いでいる。
- ニッポン放送『うつみ宮土理のおしゃべりしましょ』のパーソナリティであるタレントのうつみ宮土理から、夫・愛川欽也の逝去により、「今はマイクの前で楽しくおしゃべりできる状況ではない」との申し出があったため、2015年4月6日の放送を以って一時休止となり、翌週の13日より代替番組として『有楽町情報ライブラリー』を急遽編成。しかしその後、同年5月11日に番組終了が決定した。『有楽町情報ライブラリー』は7月6日より新番組開始に伴い、6月29日放送回を以って終了となった。
特異な例
- スポーツ中継がつなぎ番組となるケースもある。過去には、日本航空123便墜落事故により『アップダウンクイズ』(毎日放送)の放送(最終的には終了)や、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)に伴う番組内容の問題により、『密室謎解きバラエティー 脱出ゲームDERO!』(日本テレビ)の放送が休止となり、『宝探しアドベンチャー 謎解きバトルTORE!』と改題リニューアルするまでの間をプロ野球中継や単発特番で繋いだことがある。これ以外にも、穴埋めにレギュラー番組を設けず単発特番やスポーツ中継を放送した場合もある。
- 特番などで埋める場合、以前に同じ枠で放送されていた番組を復活特番のような形で放送した事例もある。過去には『A』の前番組だった『特命リサーチ200X』や、『雲と波と少年と』の前番組だった電波少年シリーズの総集編(共に日本テレビ)などがある。
- 基本的に視聴率が低迷しても予定された回数だけ放送されるが、中には余りの低視聴率や不慮の事情で予定より早く終了する場合もある。例として改編期でもない7月中旬にわずか1か月半で終了した『CDTVゴールド』[5]や、上記の低視聴率[6]に加えスタッフがロケ地で死亡事故を起こした『雲と波と少年と』などがある。
サンドイッチ形式によるつなぎ番組
サンドイッチ形式によるつなぎ番組とは一つの番組の中断枠として放送されるつなぎ番組であり、日本のテレビ番組ではいくつか存在する。別名『中断番組』・『サンドイッチ番組』。
テレビ番組でのサンドイッチ例
現在
- 『徹子の部屋』
- 2014年4月以降、『ワイド!スクランブル』第1部と第2部のつなぎ番組として放送。
- 『JNNニュース』
- 『岩手日報IBCニュース』(IBC岩手放送)
- 『熊日ニュース』(熊本放送)
- 『キユーピー3分クッキングCBC版』(CBCテレビ・北海道放送・IBC岩手放送・東北放送・新潟放送・北陸放送・大分放送)
- 2015年4月以降、平日は『ひるおび!・午前』(11:00 - 11:55)のローカル枠1枠目(11:20 - 11:30)にて放送。
過去
- 『ご存知ですか』
- 『NNNストレイトニュース』
- 『キユーピー3分クッキング日テレ版』
- 上記3番組は2009年3月30日から2010年3月26日まで『おもいッきりDON!1025(→おもいッきりPON!)』と『おもいッきりDON!1155(→おもいッきりDON!)』のつなぎ番組として放送。
- 『ウッチャンナンチャンの誰かがやらねば!』
- 1990年4月19日から同9月20日まで『とんねるずのみなさんのおかげです』第1期と第2期のつなぎ番組として放送。同翌10月、放送時間帯を移して、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば!』としてリニューアルした。
- ANN
- 『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』(朝日放送)
- 2014年4月1日から9月26日まで『徹子の部屋』とのセットで『ワイド!スクランブル』第1部と第2部のつなぎ番組として放送。
- JNN
- 『おとなの教室』(CBCテレビ)
- 『ひるネタ!』時代は『ひるおび!』第1部と第2部のつなぎ番組として放送。
- 2009年10月から最後の2ヶ月間、金曜日は『ひるおび!えなりかずき!そらナビ』と『ひるおび!バンバンバン』(毎日放送)のつなぎ番組として放送。
- 『ごごネタ!』(CBCテレビ)
- 2010年3月まで金曜日は『ひるおび!えなりかずき!そらナビ』と『ひるおび!バンバンバン』のつなぎ番組として放送。
- 『THE NEWS JNN』
- 土曜昼は『王様のブランチ』第1部と第2部のつなぎ番組として放送。
- 『JNN8時のニュース』
- 1985年4月から最後の2年間は、『朝のホットライン』第1部と第2部のつなぎ番組として放送。
脚注
- ^ 例としては、ナンシー関の著書で『さすらい刑事旅情編』を『はぐれ刑事純情派』のつなぎとする記述がされている。
- ^ 現在は、DJ付きで『OBCミュージック・アベニュー』と改題している。
- ^ 2013年5月以降、平日深夜はネット受けを再開。土曜深夜=日曜未明の2時間は引き続き『深夜音楽』を放送している。
- ^ ネットワークセールスではあるものの本編で提供読みは無し。『最上の出会い』の核スポンサーとなっているトヨタのCMは『Mキャッチ』で放送されず、番組エンディングのヒッチハイク枠CMのみを放送していた。
- ^ 改編期までの残りの2か月は『ザ!激闘!大家族!!』で補った
- ^ 関東地方。ビデオリサーチ調べ。
- ^ 関西圏では毎日放送で『せやねん!』第1部と第2部のつなぎ番組として放送。
- ^ 2015年3月29日までは『毎日新聞テレビ夕刊』(毎日放送)も該当。