Keisuke Kuwata

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桑田佳祐 > Keisuke Kuwata
Keisuke Kuwata
桑田佳祐スタジオ・アルバム
リリース
録音 1987年7月 - 1988年5月
VICTOR STUDIO
ジャンル ロック
ポップ[1]
ジャズ[2]
歌謡曲[2]
時間
レーベル タイシタレーベル
プロデュース 桑田佳祐
小林武史
藤井丈司
チャート最高順位
  • 週間1位(2週連続、オリコン
  • 1988年度年間6位(オリコン)
桑田佳祐 アルバム 年表
Keisuke Kuwata
(1988年)
フロム イエスタデイ
1992年
『Keisuke Kuwata』収録のシングル
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Keisuke Kuwata』(ケイスケ・クワタ)は、桑田佳祐の1枚目のオリジナル・アルバム1988年7月9日発売。発売元はタイシタレーベルキャッチコピーは『くちずさんでいるのは、彼です。』。

1992年6月27日2001年6月25日にはリマスタリングされたCDが再発売された。また、2016年2月26日にはダウンロード配信、2019年12月20日にはストリーミング配信を開始した[3][4]

背景

KUWATA BANDの活動中は、レコーディングはスタジオセッションで比較的短時間で仕上げ、ライブやテレビ出演も精力的に行ったものの、それらの活動が終わった後、KUWATA BANDでの活動に疑問を感じ、今度はスタジオにじっくり篭って曲作りに専念したいと思った事と、当時の桑田の中に「ポップス」という言葉に対しての愛着を再び感じるようになった事などが重なり、こうした思いから制作が始まった。1987年の夏から1年掛かりでレコーディングは続けられ、サザンオールスターズのデビュー10周年の時期に重なる事となり、サザン復活の直後にソロアルバムリリースということになってしまった[1]

録音・批評

藤井丈司の他に小林武史プロデュースやアレンジを桑田も共同で務めており、この時から桑田と小林のレコーディング体制が始まっている[5]

当時の制作方式は、桑田がある程度曲のコード進行やイメージを伝えると、小林がいくつかのアレンジの選択肢を与え、それに対する返答を基に方向性を模索するというものだった[6]。桑田曰く小林の選択肢に対して「曖昧に且つ無責任に」答える時もあったため「そんな僕と一緒にやるハメになった彼らの苦悩や、いかばかりか・・・である」と著書で発言している[7]

桑田は「このアルバムで一番幸せだったのは、小林君というパートナーに出会えたこと」「このアルバムのシェフは小林君。素材桑田は気持ちよく仕事させていただきました。」と、小林を絶賛している[8]

音楽性

桑田は、このアルバムでは詞の内容にも力を入れたといい、以前の作品のような語感重視の言葉遊びで終わらせるのではなく、洗練された内容の詞が多い。また、英語部分を前活動のKUWATA BANDの英語詞を担当していたトミー・スナイダーが全編に補作しているのも大きい。夫妻に長男、次男が生まれていた時期でもあり、子供の目線や子供へのメッセージをテーマにした曲もある。また桑田は歌詞が出来上がると「これを見せたら彼らはどんなリアクションをするだろう?」と思うようになり、新たに出来上がった歌詞を小林・藤井らに見せる事がひとつの楽しみであり勝負でもあったと語っている[7]

リリース・アートワーク

ジャケットには桑田の肖像画が使用され、歌詞カード内部や裏面にはレコーディングスタジオの風景が写されている。写真には桑田のほか藤井と小林も共に写っている。本作では当時喫煙していたハイライトを吸う姿が写されており、机の上にもハイライトの箱が置いてある。

再発売
  • 1992年6月27日(CD)VICL-8061
  • 2001年6月25日(CD)VICL-60804

受賞歴

収録曲

  1. 哀しみのプリズナー (4:16)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
  2. 今でも君を愛してる (3:28)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
    2012年に発売されたベスト・アルバムI LOVE YOU -now & forever-』にも収録されている。
  3. 路傍の家にて (3:31)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
  4. Dear Boys (3:18)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
    ノスタルジックで子供の目線を取り入れた物憂げな楽曲。ジョン・レノンの「ビューティフル・ボーイ」に影響を受けたという。桑田は「サザンでは出来ない、ソロならではの作品」と自己評価している[10]
  5. ハートに無礼美人 (Get out of my Chevvy) (3:38)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
    ブラスセクションを大胆に取り入れた、このアルバムで最もプログレッシブでジャズィーな曲。歌詞の内容は都会的な大人の恋の駆け引きであり、桑田曰く歌謡曲的であり、執拗に韻の踏み方に拘ったという[7]
  6. いつか何処かで (I FEEL THE ECHO) (5:20)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
    2枚目のシングル。
  7. Big Blonde Boy (3:43)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
  8. Blue ~こんな夜には踊れない (4:51)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
  9. 遠い街角 (The wanderin' street) (3:57)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
    自身出演のフジフイルム CMソング
  10. 悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE) (3:54)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
    ソロデビューシングル。
  11. 愛撫と殺意の交差点 (3:35)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)
  12. 誰かの風の跡 (4:45)
    (作詞・作曲:桑田佳祐 / 編曲:小林武史 with 桑田佳祐、藤井丈司)

参加ミュージシャン

哀しみのプリズナー
今でも君を愛してる
路傍の家にて
Dear Boys
ハートに無礼美人 (Get out of my Chevvy)
いつか何処かで (I FEEL THE ECHO)

  • 原田末秋:Electric & Acoustic guitars
Big Blonde Boy
Blue ~こんな夜には踊れない
  • 原田末秋:Guitars
  • 下山淳:Guitar solo
遠い街角 (The wanderin' street)
悲しい気持ち (JUST A MAN IN LOVE)
  • 琢磨仁:Bass
  • 杉真理:Chorus
  • 原田末秋:Guitars
愛撫と殺意の交差点

脚注

  1. ^ a b 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P16、新潮社、2012年
  2. ^ a b Pen」 2017年 09月01日号 No.435 p56より
  3. ^ 桑田佳祐“還暦記念” ついにソロ全211曲配信解禁 オリコン 2016年2月26日配信・閲覧
  4. ^ サザン関連全972曲 サブスク一斉解禁 メンバーソロ曲も対象に オリコン 2019年12月20日配信, 2019年12月20日閲覧
  5. ^ 『サザンオールスターズ 公式データブック 1978-2019』(2019年)リットーミュージック出版 p166-167
  6. ^ 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P17、新潮社、2012年
  7. ^ a b c 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P18、新潮社、2012年
  8. ^ 『ただの歌詩じゃねぇか、こんなもん '84-'90』p112 新潮社、1990年
  9. ^ 第30回日本レコード大賞 日本作曲家協会 2020年7月12日閲覧
  10. ^ 桑田佳祐『やっぱり、ただの歌詩じゃねえか、こんなもん』P19、新潮社、2012年

外部リンク