Fate/Grand Orderのメインストーリー

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Fate/Grand Orderのエピソード一覧(フェイト・グランドオーダーのエピソードいちらん)は、ゲームブランドTYPE-MOONによるゲーム作品『Fate』シリーズのひとつとして制作されているスマートフォン向けRPGFate/Grand Order』におけるエピソードの一覧。

本項ではメインストーリーに関連するシナリオのみについて扱い、イベントストーリー[注 1]については割愛する。

第1部:Observer on Timeless Temple[編集]

※イベント「監獄塔は復讐鬼に哭く」も期間限定ながら、第1部の区分をされている。

特異点F 炎上汚染都市 冬木「序章」[編集]

2015年7月30日配信。本作のチュートリアルステージであり、ここをクリアすることで大半の期間限定イベントへの参加権が与えられる(一部特定の章クリアが参加条件に設定されているイベントも存在する)。本特異点はシナリオ上で「特異点X」と呼称されることもある。

西暦2015年、魔術がまだ成立していた最後の時代。人類の営みを永遠に存在させるべく秘密裏に設立された人理継続保障機関フィニス・カルデアで、「2016年を最後に、人類は絶滅する」という研究結果が“証明”された。

原因を調査するうち、カルデアの魔術サイドによって作り上げられた「近未来観測レンズ・シバ」は、突如として過去・西暦2004年の日本のある地方都市に観測不能領域の出現を検知する。ありえない事象にカルデア機関員達は、これこそ人類史が狂い絶滅に至る理由と仮定、テスト段階ではあったが理論上は可能レベルになった霊子転移(レイシフト)による時間遡行を実行する。その目的は2004年に行われた「聖杯戦争」に介入し、狂った歴史を正す事であった。

カルデアは、「守護英霊召喚システム・フェイト」の力を借りてサーヴァントを召喚し、「聖杯探索(グランドオーダー)」を行うマスター候補たちを過去へと送り込もうとする。だがレイシフト直前、カルデアは何者かの破壊工作による爆発を受け、数合わせとしてカルデアの機関員に迎えられた一般人の主人公を除く、マスター候補が全滅するという最悪の事態に直面する。カルデアの職員の一人であるマシュ・キリエライトは、最初のレイシフト実験に立ち会うため中央管制室にいたところ、この爆発に巻き込まれて致命傷を負う。それでも、マシュは自分を助けに来た主人公だけでも何とか救おうと、サーヴァント・シールダーと取り引きを交わして人間とサーヴァントの融合体「デミ・サーヴァント」となり、主人公のサーヴァントとなる契約を結ぶ。そして、主人公とマシュ、そしてカルデア所長オルガマリー・アースミレイト・アニムスフィアは、2004年に行われた聖杯戦争の舞台・冬木市へとレイシフトする[1]

冬木市ではセイバーであるアルトリア・ペンドラゴン[オルタ](以下:セイバーオルタ)がすでに5騎のサーヴァントを撃破しており、彼女を含む彼ら6騎のサーヴァントたちは「泥」による汚染で正気を失っていた[1]。また、これにより大火災が起き、街からは人の姿がなくなっていた[1]。唯一汚染されていなかったクー・フーリン(キャスター)の協力により、主人公一行は窮地を脱する[2]。一件落着かと思われたそのとき、オルガマリーの側近であるレフ・ライノールが現れ、彼が先の爆発の首謀者だったことが判明する。また、爆発の時点でオルガマリーは肉体的な死を迎えており、残留思念のみが主人公らとともにレイシフトしていた状態だった。レフはオルガマリーの残留思念と擬似天体「カルデアス」を接触させる形で消滅させる。

元の時代へと帰還した主人公たちは、カルデアに所属する医師ロマニ・アーキマンに迎えられる。やがてカルデアは、人類を救うための鍵がさらに7つの歴史上の異変・特異点にあることを突き止める。

  • ほか登場サーヴァント:エミヤ

第一特異点 邪竜百年戦争 オルレアン「救国の聖処女」[編集]

2015年7月30日配信。百年戦争末期のフランスのオルレアンに出現した特異点。処刑された“ジャンヌ・ダルク“(以下:ジャンヌオルタ)が「竜の魔女」として復活し、ドラゴン・ファブニールやワイバーンを引き連れて各地を蹂躙している[2]。主人公たちは時を同じくして召喚されたもうひとりのジャンヌ・ダルク、および竜殺しの戦士ジークフリート[3]とゲオルギウスたちとともに、ジャンヌオルタ率いる邪竜軍と戦う[2]

やがて、ジャンヌオルタの正体が本物のジャンヌ・ダルクではなく、彼女の死を受け入れられなかったフランス軍元帥ジル・ド・レがレフから授けられた聖杯によって生み出された存在だったことが判明する[注 2][3]

  • ほか登場サーヴァント:シュヴァリエ・デオン[3]、ファントム・オブ・ジ・オペラ[3]、マルタ、カーミラ、エリザベート・バートリー、マリー・アントワネット[3]、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト[3]、シャルル=アンリ・サンソン[3]、ランスロット(バーサーカー)[3]

第二特異点 永続狂気帝国 セプテム「薔薇の皇帝」[編集]

2015年7月30日配信。主人公らは逃亡するレフを追い、1世紀、“ネロ・クラウディウス“統治下の古代ローマに出現した特異点へとレイシフトする[2]。ロムルスやカリギュラ、ユリウス・カエサルら歴代のローマ皇帝が率いる「ローマ連合帝国」がネロ統治下のローマと敵対しており、主人公一行はネロ本人に加え、サーヴァントとして現れた"ブーディカ"[4]、"スパルタクス"[4]、"荊軻"[4]"らとともに「ローマ連合帝国」に立ち向かう[2]

ロムルスを倒した一行の前に、レフが現れ、異形の姿―魔神柱フラウロスに変身する。主人公一行に追い詰められたフラウロスは大英雄"アルテラ"を召喚して形勢逆転を図る、そのアルテラに抹殺される[4]。レフから奪った聖杯を取り込んだアルテラは膨大な魔力と引き換えに暴走状態にあり、ローマに向かいつつあった。アルテラの宝具により"呂布"と"スパルタクス"が犠牲になるものの、一行はアルテラを追う。

  • ほか登場人物:ステンノ[4]、タマモキャット[4]、エリザベート・バートリー[4]、アレキサンダー[4]、ロード・エルメロイ二世、レオニダス一世[4]、ダレイオス三世

第三特異点 封鎖終局四海 オケアノス「嵐の航海者」[編集]

2015年11月5日配信。大航海時代の西暦1573年、どことも知れない大海の特異点[2]にて、財宝を追い求めていた女海賊“フランシス・ドレイク“は、海神"ポセイドン"を撃破し、聖杯を手にする[5]。彼女は次いでやってきた主人公一行と手を結び、この特異点に投下されたもう一つの聖杯の行方を探る[2]

その中で、主人公一行は、女神エウリュアレと怪人アステリオス[2]、女神アルテミスとオリオン(小熊)、狩人アタランテ、ダビデに出会う[5]

やがて、ダビデの口から、彼の宝具「契約の箱(アーク)」も一緒に召喚されたことが判明する[5]。この箱は触れた者の魔力を奪って消滅させる上、厳密にはダビデの所有物ではないため、ダビデが消滅しても箱自体はそのまま残るという危険な代物であった[5]

主人公たちは、聖櫃を狙うイアソン一味と対決する。だが、協力者であるはずのメディア・リリィから聖櫃の真相を知らされたイアソンは、自分が思っていたものと異なることに衝撃を受ける。

そして、主人公一行は、メディア・リリィたちと対決した後、元の時代へと帰還する。

  • ほか登場サーヴァント:エドワード・ティーチ、メアリー・リード&アン・ボニー、ヘラクレス
関係者による言及
本シナリオにてNPCとして登場したイアソンのデザインを手掛けたBLACKは、2022年9月のトーク番組「Spotlight Lostbelt No.5 アトランティス」の中で、当初はうさん臭い善人のデザインだったが、イケメンにしてほしいという注文が寄せられたため、現在の形になったと明らかにしている[6]。ただし、中身は変化していないため、間抜けな表情を増やしたとも話している[6]

第四特異点 死界魔霧都市(ミストシティ) ロンドン「ロンディニウムの騎士」[編集]

2015年12月28日配信。西暦1888年のロンドンに出現した特異点[2][7]。産業革命による公害の霧がさらに有害になる以上に、その濃霧の中をさらに機械人形やホムンクルス、殺人鬼が闊歩している[8]。主人公たちはフランケンシュタインに加え、はぐれサーヴァントである“モードレッド“、ジキル、“アンデルセン“、“ウィリアム・シェイクスピア“とともに霧に包まれたロンドンを探索する[8]

一行は、聖杯を利用してこの特異点を破壊する魔霧計画の首謀者であるパラケルスス(「P」)とチャールズ・バベッジ(「B」)[8]、マキリ・ゾォルケン(「M」[注 3])の3人と対峙する。そして、一行は彼らの背後にいたソロモンと対面する[7]も、あまりの強大さにただ圧倒するばかりであった[8]

事態解決後、主人公一行はロンドンを後にする。

  • ほか登場サーヴァント:ナーサリーライム[8]、玉藻の前[8]、坂田金時[8]、ジャック・ザ・リッパー[8]、アルトリア・ペンドラゴン[オルタ](ランサー)[7]、ニコラ・テスラ[8]

第五特異点 北米神話大戦 イ・プルーリバス・ウナム「鋼鉄の白衣」[編集]

2016年3月30日配信。西暦1783年、北アメリカ大陸に出現した特異点[2][9]。女王“メイヴ“と狂王“クー・フーリン“(以下:“クー・フーリン(オルタ)“)率いるケルト軍により南北戦争におけるアメリカ連合国が滅ぼされて大陸東部を制圧されており、“トーマス・エジソン“が「大統王」として西部合衆国をまとめ上げて立ち向かっている[2]。主人公は“ラーマ”と“クー・フーリン(オルタ)“の戦いに巻き込まれる形でけがを負い、ラーマともども"ナイチンゲール"が運営する医療キャンプへ搬送される[10]。一行はケルト側から送りこまれた“フィン・マックール”とディルムッド・オディナの2人の攻撃を潜り抜けるも、今度はエジソンについていたカルナに襲われる[10]。一行はエジソンから協力要請するも拒否され、投獄されてしまうが、ジェロニモ率いるレジスタンスに救出される[10]

レジスタンスは、ケルト側の重要人物であるメイヴを狙った暗殺計画を実行するが失敗する。

レジスタンスと別れた主人公、マシュ、エリザベート・バートリー、ナイチンゲール、ラーマは、ラーマの妻シータがいるとされるアルカトラズ島に向かう。一行はアルカトラズに配備されたベオウルフを退け、ラーマはシータと再会を果たす。だが、ラーマは生前掛けられた「離別の呪い」ゆえに聖杯戦争であってもシータと出会うことはかなわず、夫妻のどちらかが「ラーマ」として召喚される定めとなっていた[11]。シータは夫に掛けられた呪いを引き受ける形で消滅する[11]

その後、主人公らは、エジソンらと協力し、ケルト陣営を撃破する。

  • ほか登場人物:シータ、ジェロニモ、エレナ・ブラヴァツキー[9]、ニコラ・テスラ[9][10]、アルジュナ、フェルグス・マック・ロイ[9]、ネロ・ブライド[9]、エリザベート・バートリー[9]、李書文(ランサー)[9][10]、スカサハ[9]、ベオウルフ[9][10]、マーリン[10]、ロビンフッド[9]、ビリー・ザ・キッドらがいた[10]
関係者による言及
原作者の奈須きのこは、ニュースサイト『ダ・ヴィンチ』とのインタビューの中で、本シナリオ以降はソーシャルゲームとしてのバランスではなく、『Fate』のシナリオを意識したと話している[12]

第六特異点 神聖円卓領域 キャメロット「輝けるアガートラム」[編集]

2016年7月25日配信。一行はダ・ヴィンチとともに第9回十字軍撤退後1273年のエルサレムに形成された特異点へ赴き、ルキウスという青年と出会う[13]。ルキウスと別れた一行[13]は、オジマンディアス[注 4]とその側近ニトクリスが支配する古代エジプトの砂漠が広がることに困惑を覚える[15]。一行はオジマンディアスから人理がすでに崩壊していることを聞かされ、その原因となる"獅子王"の存在を知らされる[13]。エルサレムに来た一行は、獅子王が支配する聖都キャメロットにて、彼女の部下である円卓の騎士たちが戦争難民を虐殺する様子を目の当たりにする[13]。途中、ダ・ヴィンチは敵陣に突っ込んで消息不明となり、その場にいたルキウスことベディヴィエール[13]とともに何とか難民の一部を暗殺者"ハサン"(山の翁)たちが住む村へと避難する[2]。そこで一行は"アーラシュ"や"玄奘三蔵"、"俵藤太"、初代・山の翁ら仲間たちを集め[13]、生還したダ・ヴィンチとも合流する。戦いのさなか、マシュが融合した「シールダー」の真名が円卓の一員で聖杯の探索に成功した騎士にして、同じく円卓の一員であるギャラハッドと判明する[16]。このことから、ギャラハッドの実父であるランスロットの協力も取り付けることに成功する[15]。加えて、オジマンディアスらも味方につけることができた[15]

そして、一行がキャメロットの支配者・獅子王と対峙する中、彼女の正体が聖槍ロンゴミニアドによって亡霊に等しい存在と変質した並行世界のアルトリア・ペンドラゴンであることが明かされる。さらに、ベディヴィエールがこの獅子王を生み出すきっかけだったことも明かされる。そして、ベディヴィエールは義腕に偽装していたエクスカリバーを返却して消滅する。獅子王はこの特異点と運命を共にする中、主人公一行に最後の特異点がバビロニアにあることを教える。

  • ほか登場サーヴァント:シャーロック・ホームズ[16]、ガウェイン、トリスタン[15]、モードレッド、呪腕のハサン[13]、百貌のハサン、静謐のハサン、アグラヴェイン[13][注 5]
関係者による言及
第1部第6章は、原作者の奈須きのこ自身がリライトしたシナリオの一つである[12]。同シナリオの執筆期間中、奈須は「なぜベディヴィエールの右腕がアガートラムなのか」という理由付けに悩んでいたが、坂本真綾のライブで聞いた『レプリカ』に衝撃を受け、一から書き直すことを決意し、終盤の展開は同楽曲を参考に執筆された[14]。その結果、第6章は『Fate/stay night』のアナザーストーリーのような立ち位置に納まった[12]

第七特異点 絶対魔獣戦線 バビロニア「天の鎖」[編集]

2016年12月7日配信。紀元前の古代メソポタミアに存在する、“ギルガメッシュ“統治下のウルクを含む特異点。"イシュタル"・"ケツァルコアトル"・"ティアマト"の三柱の女神による「三女神同盟」とその尖兵たる「魔獣」が、人類殲滅を企てる未曾有の脅威となっている。着いて早々、一行はギルガメッシュの親友エルキドゥに歓迎され、ウルクまで案内してもらうことにした[17]。なかなかウルクにたどり着かず困っていた一行の前に、ギルガメッシュがサーヴァントとして召喚したマーリンが現れ、本物のエルキドゥがすでに死亡していたことを告げられる[17]。主人公を案内していた人物の正体はエルキドゥの遺体にティアマトが生命を吹き込んで生み出したキングゥであり、一行はマーリンの幻術でその場を去る[17]。一行はやっとウルクにたどり着き、ギルガメッシュに協力を要請するが、自分たちで解決するとして協力を辞退される[17]。それでもあきらめない主人公に対し、ギルガメッシュはこの地に住んで、在り様を知るよう言い渡す[17]。そして、一行はウルクの人々と協力しながら、人類悪となった最古の創生の女神“ティアマト“に立ち向かう[2][18][17]

ほか登場サーヴァント:牛若丸、武蔵野坊弁慶、ジャガーマン、ジウスドゥラ(山の翁)[17]、レオニダス一世[17]

関係者による言及
第1部第6章同様、第1部第7章も奈須自身がリライトした[12]

終局特異点 冠位時間神殿 ソロモン「極天の流星雨」[編集]

2016年12月22日配信。主人公らは、地球の歴史上に存在しない特異点に赴く[19]。魔術王ソロモンの玉座が存在する神殿であると同時に、魔神柱の巣窟であるこの地にて、多くのサーヴァントが魔神柱との戦いに挑む。

マシュは宝具を用いて魔神王ゲーティアの攻撃を完全に防ぎきったが、その代償として彼女自身の肉体は耐えきれず消滅する。そこへ、ロマニ・アーキマンがマシュを失った主人公の前に現れる[19]。実はロマニの正体は、マリスビリーのサーヴァント(キャスター)であるソロモンが聖杯によって人間となった姿であり、彼は自らの存在と引き換えに第一宝具「訣別の時きたれり。其は、世界を手放すもの」を発動させ、ゲーティアにとどめを刺した[19]

その後マシュはフォウの力によって復活し、残り僅かだった寿命も人並みに伸びた。

配信時は完結を賭けた魔神柱討伐のレイドボスイベントが開催されていたが、25日に討伐が完遂となった。このステージをクリアすることで人理修復が達成され、以降のプレイヤーはフレンドリストなどにおいてその証であるバッジ(開位)が表示される他、イベントのチャレンジクエストや1.5部以降の高難易度ステージおよびイベントへの挑戦が可能になる。

第1.5部:Epic of Remnant[編集]

西暦2017年、魔神王ゲーティアによる人理償却は失敗に終わる一方、五柱の魔神バアルアンドラスゼパルフェニクスラウムはゲーティアを見限り、各自の抱く命題を解き明かすため、近現代の各時代に逃亡して亜種特異点を生み出す。 亜種特異点の発生はカルデアの知るところとなり、主人公は事態解決のために再びレイシフトへと身を投じる。

※コラボイベント「亜種特異点 深海電脳楽土 SE.RA.PH」も期間限定ながら、第1.5部の区分をされている。2020年2月26日よりイベント「冥界のメリークリスマス」は第1.5部の区分となった。

亜種特異点I 悪性隔絶魔境 新宿「新宿幻霊事件」[編集]

2017年2月24日配信。魔術王の計画が潰えた後に現れた最初の特異点。主人公は再び現れた異変の種を摘むべく、陸の孤島となった1999年の新宿へと単身送り込まれる。主人公は迷宮と化した新宿駅[20]にて、アーチャーのサーヴァントである初老の男性(以下・新宿のアーチャー)と出会う。

主人公は新宿のアーチャーや、道中であったセイバー・オルタ、ジャンヌ・オルタとともに、様々なサーヴァントが支配する新宿を探索する。

新宿のアーチャーの真名はジェームズ・モリアーティであり、主人公への復讐心から幻霊と英霊の融合技術を確立した魔神柱の一体・バアルに協力していた。

  • その他登場サーヴァント:燕青、ヘシアン・ロボ、ファントム・オブ・ジ・オペラ

亜種特異点II 伝承地底世界 アガルタ「アガルタの女」[編集]

2017年6月29日配信。現代過去の中央アジア地下に現れた特異点。これを魔神柱の残党による仕業と断定したカルデアは、鎮圧のため主人公とサーヴァントを送り込む。地下の世界ではペンテレイシア率いるアマゾネス、イースの女性領主ダユーと女海賊、女帝・武則天と酷吏といったそれぞれの女性が支配層となっている3勢力による群雄割拠の有様で、男性は三国のいずれかでも奴隷として囚われていたが、少数の男性たちは第4の勢力・レジスタンスとして抵抗している状態にあり、主人公たちはこの第4勢力に合流する。

この亜種特異点は、「神秘の秘匿」という概念の破壊を目指す魔神柱フェニクスが、シェヘラザードと協力することによって生み出されたことが判明する。さらに、ダユーの正体も霊基を加工されたフランシス・ドレイクだったことが判明する。

  • その他登場サーヴァント:フェルグス・マック・ロイ(少年期)

亜種特異点III 屍山血河舞台 下総国「英霊剣豪七番勝負」[編集]

2017年10月14日配信。主人公は過去にも陥ったことのある現象で、睡眠中に意識を失ってしまう。目覚めたのは中世の日本のようなところで、史実とは微妙な違いを見せる関東の下総国だった。そこは血染めの月の下で悪しき宿業をもつように改造された“英霊剣豪”たちが、妖魔を率いて殺戮を繰り広げている。主人公はかつて夢の中で遭遇したことのある“宮本武蔵“を名乗る剣士の若い女性、カルデアからの単独のレイシフトに辛くも成功した“風魔小太郎“とともに英霊剣豪たちを倒していく。主人公一行は、道中で出会った幼い孤児の姉弟おぬい田助から、彼らの保護者である刀匠の疑似サーヴァント“千子村正”を紹介される。村正は、姉弟を助けたお礼として、「岩だろうが金剛だろうがたやすく斬っちまう妖刀紛いの失敗作」とする「明神切村正」を武蔵に託す。激戦の末、主人公たちは、打倒徳川を掲げ英霊剣豪たちを率いていた天草四郎を撃破する。

そして、主人公一行は武蔵や下総に別れを告げ、意識を取り戻す。その後、主人公は自室にあった通信用礼装を見つけ、武蔵がカルデアに登録されたことを知る。

そのころ、主人公一行に倒されたはずの英霊剣豪の一人であるキャスター・リンボは生存しており、下総の様子を見守っていた。彼は独白の中で、天草四郎を陰で操る立場にあり、真名が蘆屋道満であることを明かす。さらに、彼の正体が、アステカ神話の女神・イツパパロトルスラヴ神話の悪神・チェルノボーグ、平安日本の怨霊・悪霊左府を取り込んだハイ・サーヴァントであることが明かされ、さらなる黒幕の存在もほのめかされた。

なお、本特異点は「亜種平行世界」として扱われており、他の亜種特異点と違って魔神柱が関与しておらず、クリア後に表記が変更される。

  • ほか登場サーヴァント:清姫、玉藻の前、源頼光、酒吞童子、巌窟王、宝蔵院胤舜、柳生但馬守、望月千代女、巴御前[21]、加藤段蔵、佐々木小次郎

亜種特異点IV 禁忌降臨庭園 セイレム「異端なるセイレム」[編集]

2017年11月29日配信。公式上での最後の亜種特異点。

現代において前触れなく現れた暗闇として発見され、その領域の内側に住んでいた5万人が行方不明となる。魔神の影を彷彿とさせる悪しき魔力が検知され、17世紀末のセイレムを模した特異点であることを突き止めたカルデアは、主人公と選抜したサーヴァントに「劇団」の偽装をさせて街に送り込む。

魔女裁判が行われる中、主人公一座はアビゲイル・ウィリアムズという少女と、その保護者であるランドルフ・カーターという男性の元に身を寄せる。

セイレムを取り巻く狂気により、一座は一種の認識障害に陥り、行動に支障が出る。

やがて、アビゲイルの使用人であるティテュバが処刑されたのち復活する。ティテュバの正体はキャスター"シバの女王"であり、近未来観測レンズ・シバを通じて召喚されていたものの、黒幕にティテュバとしての役割を割り当てられた後、処刑によってティテュバとしての死を迎えたことにより、その役割から解放されたのが真相であった。彼女は次に行われるはずだったマタ・ハリの処刑を偽装する形で救出する。

実は、ランドルフ・カーターの肉体は「外なる神」を降ろすことを画策した魔神柱ラウムに乗っ取られており、アビゲイルはラウムの計画に利用されていた。また、セイラムの出来事も主人公一座が介入するまでに6回繰り返されていた。

そして、最後の魔女裁判、アビゲイルの親友であるラヴィニア・ウェイトリーはカーターの正体を暴くが、その後の混乱で流れ矢が当たり、死亡する[注 6]。この出来事がきっかけで、アビゲイルは、サーヴァント・フォーリナーとして覚醒した。主人公一座はラウム、およびアビゲイルと対峙する。

事態解決後、解放されたカーターは外なる神の巫女となったアビゲイルを連れて星を巡る旅に出る。また、主人公一座もカルデアに帰還する。

  • その他登場サーヴァント:メディア、キルケー、ロビンフッド、哪吒

第2部:Cosmos in the Lostbelt[編集]

プロローグ「序/2017年 12月26日」「序/2017年12月31日」[編集]

2017年12月26日[22]、2017年12月31日にそれぞれ配信。第2部のプロローグとなるシナリオ。

西暦2017年末、最初の"事故"に巻き込まれた47人のマスター候補生のうち、Aチームの7人以外は治療が完了し、未来を切り開いたマスターと共に戦った数多の英霊も所長代理のレオナルド・ダ・ヴィンチを除いて12月25日までには退去した。翌12月26日に新しい所長であるゴルドルフ・ムジークがカルデアに着任し[23]、カルデア職員は査問会による執拗な尋問を受けつつ、冷凍冬眠処置を施されたAチームの解凍と治療も並行して進めていた。

12月31日、査問会は完了し、全員無罪放免となる。ところがAチームの7人が入っているはずの冷凍ポッドは空になっていた。それと同時に、「異聞帯(ロストベルト)」という、誤った繁栄により淘汰された筈の歴史の英霊がカルデアを襲撃する。スタッフのほとんどは氷漬けとなり、ダ・ヴィンチもラスプーチンの疑似サーヴァントである言峰綺礼の凶刃に倒れる。主人公とマシュ、そして秘密裏にカルデアに潜伏し準備を進めていたシャーロック・ホームズの手により虚数潜航艇シャドウ・ボーダーによる脱出が行われ、なんとか全滅だけは免れる。また、ダ・ヴィンチも緊急用の人工サーヴァント(ライダー)に記憶を引き継がせる形で復帰する。

異聞帯の軍勢を率いていたのはほかならぬAチームの7人のマスターたちであり、彼らクリプターによる7つの誤った歴史・異聞帯によって人理は白紙化されたという事実を以って、それぞれへの宣戦布告がなされる。

西暦2018年4月、虚数空間での雌伏を経た主人公たちは異聞帯の1つであるロシア異聞帯に足を踏み入れる形で逆襲を開始する。

Lostbelt No.1 永久凍土帝国 アナスタシア「獣国の皇女」[編集]

2018年4月4日配信。約450年前に隕石が落下し氷河期とも言える大寒波が発生した「ロシア異聞帯」のステージ。植えられた空想樹の名前は「オロチ」。零下百度を越える環境に適応するため、今に至るまで君臨している“イヴァン雷帝“によって人類は魔獣との合成体「ヤガ」となって極限環境をしのいでいるが、そのために弱肉強食が極まってしまい弱い者は肉にすらならないとまでいわれる状況に陥り、それが剪定の原因とされている。

この異聞帯を担当するクリプター、カドック・ゼムルプスはイヴァン雷帝の存在を空想樹を根付かせる障害とみなし、異聞帯の王を自分のサーヴァントであるキャスター/アナスタシアに挿げ替えるための計画の一環として、異聞帯を訪れた主人公一行を利用してイヴァン雷帝を倒させた後、全ての異聞帯を切り捨てる覚悟があるかを問い、追い詰める。ヤガたちに取り囲まれる中、主人公は自分たちに協力していたヤガ・パツシィの命を賭した叱咤激励で立ち直る[24]。アナスタシアはカドックをかばう形で主人公側のサーヴァントであるビリー・ザ・キッドによって射殺される。そして、主人公一行は最終的には空想樹の伐採に持ち込む。

その後、カドックはシャドウ・ボーダーに連行されるも、アナスタシアに頼まれたラスプーチン改め言峰の手引きで大西洋異聞帯まで脱走する。

  • その他登場サーヴァント:ベオウルフ、アタランテ・オルタ、ミノタウロス(アステリオス)

Lostbelt No.2 無間氷焔世紀 ゲッテルデメルング「消えぬ炎の快男児」[編集]

2018年7月18日配信。紀元前1000年ごろに起こったラグナロクが、女神“スカサハ=スカディ“のみの生存という異常な結果に終わってしまったことで剪定されるはずだった世界である「北欧異聞帯」のステージ。植えられた空想樹の名前は「ソンブレロ」。人類は存在するが、リソース不足のため総人口は1万人を越えることはない。人類は“スカサハ=スカディ“の庇護のもと、100人単位で100の集落に分けられ、結界により外敵から守られた集落内でのみで生活している。最短15歳、最長25歳を迎えると集落から出ていく決まりになっているが、集落外には人類の脅威として巨人種が闊歩しているため実質的な間引きである。それでも住民たちは、御使いである“ワルキューレ“に導かれ「ヴァルハラ」に行けるとして疑問も不満もなく受け入れている。

カルデア一行は、三大魔術協会のひとつである「彷徨海」を名乗る呼びかけがあったことから、この異聞帯を通り過ぎるつもりでいた。だが、この異聞帯を担当するクリプター・オフェリア・ファムルソローネのサーヴァント“シグルド“にシャドウ・ボーダーを急襲され、ゼロセイルに必須の虚数観測機「ペーパームーン」を奪われたため、奪還のために急遽北欧異聞帯を訪れる。

同じころ、北欧異聞帯の第23集落に住む少女・ゲルダは、薬草を手にいれるため集落を抜けだしたところを、巨人種に踏み潰されそうになり、主人公に助けられる。その際、ゲルダはマシュを御使いであるワルキューレと勘違いし、受け入れる。

現地で出会ったはぐれサーヴァント“ナポレオン“と仮契約を結び、さらには異聞帯側に閉じ込められていた"ブリュンヒルデ"を救出する。

"ブリュンヒルデ"は、対峙した"シグルド"が本物の"シグルド"でないと告げ、怒りの形相で彼を倒す。実は、12月31日の破壊工作の際に、北欧異聞帯側の炎の巨人"スルト"がオフェリアの魔眼を通じて接触しており、その縁を利用される形でシグルドの霊基がスルトに乗っ取られていた。"スルト"は世界の終末「ラグナロク」をもたらす存在であり、オフェリアは令呪で自害を禁じてシグルドの中に封じることで使役していた。シグルドが倒されたことにより、"スルト"は解放される。スルトは永く孤独であった自分と感情を交えたことなどからオフェリアを強く求めるが、破壊することしかできないため彼女に世界の終末を捧げようとする[25]

一行はスカサハ=スカディの居城に囚われていた"シトナイ"の協力を得て、"スルト"に立ち向かう。オフェリアは、スルトによる世界の終末を阻止すべく、彼を召喚する触媒となった自らの魔眼を切り離すため、命と引き換えに大令呪を使用し、マシュに看取られながら死亡する。

主人公一行は、スカサハ=スカディを倒し、空想樹を伐採する。

Lostbelt No.3[編集]

プロローグ intro.3[編集]

2018年11月23日に配信。「彷徨海」に辿り着いたカルデア一行は、アトラス院から避難した錬金術師でありペーパームーンとトリスメギストスの制作者でもあるシオン・エルトナム・ソカリスと出会う。彼女の協力で新たに「彷徨海」に間借りする体裁で建造した拠点「ノウム・カルデア」から次の目的地となる大西洋上の異聞帯に侵攻するはずであったが、TV・コヤンスカヤの暗躍によりゴルドルフと主人公が毒に侵されてしまう。この事態に際し一行は予定を変更し、ガイド役として召喚したサーヴァント"哪吒"と共に解毒薬の素材が入手可能な中国異聞帯へと突入する。

人智統合真国 シン「紅の月下美人」[編集]

2018年11月27日配信。理想郷でありすぎたがゆえに未来における可能性がないとして剪定されるはずだった「中国異聞帯」のステージ。植えられた空想樹の名前は「メイオール」。この異聞帯は”始皇帝”が不老不死の秘術を獲得し、その後世界を統一する偉業を成し遂げ「争い」という言葉が忘却された、「汎人類史より優れた異聞帯」のひとつである。蒙昧だが穏やかな民たちは簡単な農作業にのみ従事すればよく、皇帝から下賜される秘薬により一切の病に罹らず、老いを迎える前に安らかに没する。そのため何かに祈ることがなく、さらにこの異聞帯の偉人・英雄は全て冷凍冬眠処置を施され必要に応じて解凍されるため英霊という概念がなく、それゆえに英霊の座とも断絶状態にある。

到着早々、この異聞帯を担当するクリプター・芥ヒナコのサーヴァント"蘭陵王"と交戦したカルデア一行は、過去に縁を結んだ英霊の中から"モードレッド"、"スパルタクス"、"荊軻"を召喚しこれに対抗する。さらに始皇帝が様子見として差し向けた人ならぬ戦闘機械"項羽"と対戦したのちに、人理漂白による異変の解消を模索する始皇帝との交渉で「シャドウ・ボーダー」の解析を条件に一旦は優遇されるが、滞在していた村の民に「」、特に「智」をもたらしたことが「民が蒙であることが世の安寧の基」とする帝の逆鱗に触れてしまい、本格的に帝と争うことになる。そして殲滅対象となった村人を救うためスパルタクスが犠牲になるが、彼に対する村人たちの「祈り」が生じたことで英霊の座と経路がつながり、はぐれサーヴァント"陳宮"と"赤兎馬"が召喚される[26]。2騎と契約した主人公は、「シャドウ・ボーダー」の奪還と、拉致されたスタッフの救出のため始皇帝が座す「咸陽」へと向かう。

一方、コヤンスカヤは始皇帝に近づくが、正体を見抜いていた始皇帝からさんざん愚弄された挙句拷問にかけられたため、這う這うの体でカルデアに助けを求める[27]。コヤンスカヤの協力を得た主人公一行と交戦する中[27]、令呪を使い果たしたヒナコは蘭陵王の霊基を取り込む。そして、ヒナコは真祖・"虞美人"としての正体を現す[28]

その後、虞美人は念願叶い始皇帝から項羽を下賜されたため、隠棲するつもりだったが、彼の意を汲み再び主人公たちの前に立ちふさがる。激闘の末に主人公たちが項羽を倒す[27]。これに激昂した虞美人は空想樹と一体化し異聞帯そのものを破壊しようとする。その後、始皇帝から英霊の座に登録されて「サーヴァント」になることで項羽と再会する道があることを諭され、不本意ながらも人類に与することになる[29]

そして、解毒薬を得た主人公とゴルドルフは回復し、一行は中国異聞帯を後にする。

  • ほか登場人物:韓信[26]、李書文[26]、秦良玉[27]
他者言及
ライターの百元籠羊はアキバ総研に連載しているコラムの中で、本シナリオが中国のファンに受け入れられていると述べ[30]、中国のFate人気のきっかけとなった虚淵玄がシナリオを手掛けていたことでよい評価を得られたのではないかと推測している[31]

一方、百元は同シナリオには現代中国を風刺する内容が含まれていたため、本作の中国版で実装できるか不安だという声が中国国内で聞かれたと話している[30]

また、百元はこれまでの中国における反応から、中国において「現在の中国の感覚で正しい中華要素、中華系キャラクターが描かれるべきだ」という要求が高まっていること、外国人の描く中国(および中華要素)に対する基準が厳しいことが明らかになってきたとも話しており、同シナリオに登場した秦良玉のデザインがテンプレ中華デザイン的だったため、中国ではあまり評判がよくなかったとも語っている[31]

第3.5章 徳川廻天迷宮 大奥[編集]

2019年に期間限定イベントとして配信後、2020年7月22日から8月5日まで復刻版が配信された[32]。そして、2022年7月13日よりメイン・インタールードとして恒常イベント化[33]

インド神話の愛の神とされるカーマは、魔王マーラとしての側面を有していたものの、汎人類史における彼女はインド神話の神々に監視されていたため、本来であればマーラとしての顕現は不可能だった。だが、濾過異聞史現象により、アルジュナが他の神々を取り込んだことで監視がなくなったため、マーラとして顕現する。そして、江戸時代に特異点を生み出した彼女は、春日局に成りすまし、江戸幕府の歴代将軍たちを誘惑して封じ込める。

それだけでなく、彼女はカルデアにアクセスし、登録されていたサーヴァントたちの霊基を材料に、江戸城をダンジョンに作り替える。

一方、本物の春日局の魂は、病床に伏し生涯を終え消えかけていたところを、パールヴァティーに助けられ、一時的に体を共有することになる。

主人公とマシュ、そして殺生院キアラは、パールヴァティーの疑似サーヴァントとなった本物の春日局の案内で、このダンジョンに入り、操られていたシェヘラザードとマタ・ハリを救出して仲間に加える。

このダンジョンは、仏教における五戒(不殺生戒・不偸盗戒・不妄語戒・不飲酒戒・不邪婬戒)をモチーフとしており、進めば進むほどその戒めを破るようにできていた。そして、それはカーマによる堕落を意味していた。

一方、主人公とは別にダンジョンに来ていたゴルドルフは、カーマの配下たちに接待を受けたことにより堕落させられていた。

マーラとしての側面を強めたカーマはビースト・III/Lとしての本性を出し、主人公らを窮地に陥れる。

だが、主人公の気づきをきっかけに、シェヘラザードの語りと春日局の乳母としての矜持を応用した反撃が行われる。カーマは弱体化、江戸城から追い出された。

ゴルドルフも救出され、主人公も落ち着きを取り戻した。また、カーマはキアラから罰として座に登録されたことにより、カルデア側はカーマをアサシンとして召喚できるようになった。

Lostbelt No.4 創世滅亡輪迴 ユガ・クシェートラ「黒き最後の神」[編集]

2019年6月15日配信。戦乱と悲しみの絶えない世界を憂い、他の神性を取り込むことで唯一神となった"アルジュナ"が、「ユガ」のサイクルを繰り返すことで「不出来」「悪」と認定した存在を削ぎ落とし、完璧な世界を目指したために可能性の先細りを招き剪定されるはずだった「インド異聞帯」のステージ。植えられた空想樹の名前は「スパイラル」。この異聞帯における「ユガ」本来の一巡の期間は数百年単位であったと推定されるが、"キャスター・リンボ"の使嗾と空想樹からの魔力により、主人公たちが訪れた時にはわずか10日間のサイクルにまで急激に縮んでおり、そのために世界の摩耗が限界に近づいていた。

クリプターのリーダーであるキリシュタリアが担当する大西洋異聞帯は大西洋にあったが、渡航のための準備と新たな魔術具の試用のため、カルデア一行はシオンのサーヴァント"キャプテン"を伴い先にインド異聞帯を攻略することになる。到着後、現地に縁がある"ラーマ"と"カルナ"を召喚したものの、中国異聞帯に引き続きノウム・カルデアから随行していた哪吒が敵の襲撃を受けて早々に脱落する。主人公たちは現地で出会ったサーヴァントの"ガネーシャ"と"ラクシュミー・バーイー"、そして思想と方針の違いからアルジュナに自身のサーヴァント・"アシュヴァッターマン"のマスター権を奪われ追われたクリプターのペペロンチーノと協力してアルジュナを倒す[34]

だが、ペペロンチーノはあくまでクリプターとして生きるつもりでいたことから、主人公たちと敵対する。主人公に敗れて「スパイラル」を伐採されたペペロンチーノはコヤンスカヤの能力で大西洋異聞帯に逃亡する。

異聞帯が崩壊へと向かう中、一行が滞在していた家の少女・アーシャはマシュから説明を受け、「ユガ」によって消された父親の存在を思い出す[34]

一方、神たるアルジュナが召喚したサーヴァントの一騎であるアスクレピオスは道満を倒す[34]が、それは式神(分身)に過ぎなかった。

  • その他登場サーヴァント:ウィリアム・テル[34]、哪吒(バーサーカー)

第4.5章 虚数大海戦イマジナリ・スクランブル 〜ノーチラス浮上せよ〜[編集]

2020年11月11日から25日までの期間限定イベント、2022年10月26日よりメインインタールード入り。

Lostbelt No.5[編集]

機械生命体であるオリュンポス十二神が、1万4千年前に降臨した「巨人」に機械である真体を滅ぼされることなく神による人類支配が継続し、剪定が確定したとされる「大西洋異聞帯」のステージ。植えられた空想樹の名はマゼランだが、異聞帯の王であるゼウスから「アトラスの世界樹」と名付けられ、すでに地表の8割を覆う規模まで完成している。汎人類史の英霊は異聞帯の神々に対して抵抗を続け、一部の英霊は大西洋の海底に存在する首都オリュンポスに到達したという。"宮本武蔵"は"カルデアの者"との対話から、自身の旅の終わりを強く意識し、オリュンポス防衛軍の目をかいくぐり単騎でオリュンポスに向かう。

神代巨神海洋 アトランティス「神を撃ち落とす日」[編集]

2019年12月18日配信。インド異聞帯から帰還して2週間後、シャドウ・ボーダーをコアとしてノーチラス号への改装が行われる。5日目の試運転が終わったその日、大西洋異聞帯に異変が感知されたため予定していた試運転を切り上げ大西洋異聞帯の攻略を開始する。到着早々、異聞帯側のオリュンポス防衛軍総司令官"オデュッセウス"に位置を割り出され、大軍による総攻撃をうける。さらに、衛星軌道上に配備された"アルテミス"からの直上砲撃という熾烈な先制攻撃が一行に襲い掛かる。一行は攻撃をかいくぐり、現地で出会った"シャルロット・コルデー"、"バーソロミュー・ロバーツ"、"マンドリカルド"、"イアソン"、そして"オリオン"らと新アルゴノーツを結成、先行してオリュンポスに到達した汎人類史側の英霊の足跡を追いながら三重の防衛ラインを越え、オリュンポスを目指す。

その中で、一行は、オリュンポスの神々の中でも中立を保っていたアストライアから、「異星の神の使徒であるアルターエゴ」2騎が、大西洋異聞帯に来ていたことを知らされる。最終的に、一行はポセイドンを撃破し、オリュンポスへとたどり着く。

  • その他登場サーヴァント:フランシス・ドレイク、ケイローン
制作背景
奈須きのこが2022年9月に配信されたトーク番組「Spotlight Lostbelt No.5 アトランティス」で語ったところによると、初稿ではアルテミスの襲撃によってノーチラス号が難破することになっていた[6]
また、シナリオを担当したライターによると、あまり強くないサーヴァントたちが一生懸命にマスターをオリュンポスまで連れて行くというプロットは早い段階から決まっていたが、話し合いの中でプロットが二転三転していった[6]。二稿目のプロットではドレイクが水先案内人とする案もあったが、頼りになりすぎるということで却下された[6]
イアソンは第1部 第3章からの人理側のサーヴァントとして再登場させるというテーマがあったが、いざ書き出すとライターにとって書きやすいキャラクターであることが判明したため、出番が大幅に増加し、出ずっぱりとなった[6]

星間都市山脈 オリュンポス「神を撃ち落とす日」[編集]

ゴルドルフは、カイニスとの交渉にクロワッサンを用意する[35]

2020年4月9日配信[36]。ノーチラス号を改修したストーム・ボーダーは三重の防衛ラインの最後の一つであったポセイドンを撃破し、オリュンポスに到達する。ここでは一般住民が異聞帯としての事情を明かされているため、汎人類史に対しては明確な敵意を向けている状況であり、戦闘となってしまう。一行は汎人類史側の英霊に協力していた現地民の"アデーレ"と"マカリオス"の姉弟に助けられ、二人から十二神の"デメテル"と"アフロディーテ"によって既に汎人類史側の英霊による反乱軍「破神同盟」がほぼ全滅したと知らされる。同じ頃、ストーム・ボーダーに残っていたゴルドルフの交渉によってキリシュタリアと契約しているサーヴァント"カイニス"が共闘を受諾[37]。マシュはオルテナウスに「ブラックバレル」のレプリカを装備し、破神同盟の計画を引き継ぐ。

一方、オリュンポスでは、汎人類史側のサーヴァント"エウロペ"がゼウスの巫女としてふるまいつつも、元クリプターのカドックを通じて破神同盟を密かに支援していた。

同じころ、ブリテン異聞帯を危険視していたキリシュタリアは、この異聞帯を担当していたベリル・ガットに対処を依頼しており、大西洋異聞帯に戻ってきたベリルから「現地住民をだまして空想樹を伐採するよう仕向けた。現地住民がだまされたと気づく前に逃げてきた。」という報告を受ける。

キリシュタリアの真の目的は「全人類を神にする」ということであり[38]、その一環として空想樹マゼランに自分のサーヴァントの一騎である"アトラス"を留置する形で異星の神の降臨を妨げようとしていた。そのとき、この空想樹と根繋がりであるブリテン異聞帯の空想樹セイファートがロンゴミニアドによる炎上に巻き込まれ、降臨した異星の神は自身の予定より貧弱な相となって顕われる。異星の神はU-オルガマリーと名乗り、その姿はカルデア前所長のオルガマリーと似ていた。実はベリルの報告は偽りであり、キリシュタリアはベリルから不意打ちを受ける。そして、ベリルは異星の神への敵対を表明し、コヤンスカヤと共にブリテン異聞帯に戻る。キリシュタリアは、自らの命と引き換えに大令呪を使用し、U-オルガマリーに人類が脅威であると認識させたうえでその場から追い出す。

主人公一行に敗北したゼウスは、自らの母星を再生させるという悲願を達成するべく宇宙に向けて脱出するため、自分たちの源にして上位存在である原初神こと「天球型時空要塞カオス」に救援を要請する[37]。汎人類史の存在であるカオスは、ゼウスの起こした時空断層を通じてこの状況を視認し、船団を維持するために必要な地球の資源を吸い取る形で滅ぼそうとする。そこへ、武蔵が自らの存在と引き換えにカオスを時空断層ごと切り伏せる形で撃退する[37]

カオスが撃退された後、一行は、共闘関係を終えたカイニスと対決する[39]

一方、破神同盟への協力と並行して、キリシュタリアが隠している情報について探っていたカドックは、星の神の真実にせまり過ぎたとして道満に襲われ深手を負い、言峰によってノウム・カルデアまで搬送される。その道満も、ペペロンチーノからインド異聞帯の玩弄に対する報復として本体と式神の接続を断たれてしまい、これまでのように式神を用いた介入ができなくなる。気が済んだペペロンチーノは、キリシュタリアを手にかけたベリルにケジメをつけるためブリテン異聞帯へ向かう。

  • ほか登場サーヴァント:カリギュラ、アレス[39] 、ディオスクロイ(カストル&ポルクス)ほか
制作背景
奈須きのこと武内崇は、第2部の開発当初の時点から、『空の境界』のセルフオマージュもかねて、第2部の折り返し地点にあたる第5章を物語の山場にすることを想定していたと、2020年のファミ通とのインタビューの中で明かしている[38]
また、ファミ通のごえモンは、2020年に行った奈須と武内へのインタビューの中で、第2部第5章「星間都市山脈 オリュンポス『神を撃ち落とす日』」の一部クエストの難しさを指摘している[38]。これに対し、奈須はやりすぎだったと認めつつも、「人類史でもっとも繁栄し、もっともマイナスポイントの少ない異聞帯で、しかも人間がサーヴァントより強いという世界ですから、そこはもう徹底してやってもらいました。」と明かしており、シナリオに説得力を持たせるという目的からも、プレイヤーが達成感を得るには歯ごたえのある敵が必要だとも話している[38]。本作の開発スタッフも、デメテル戦は最初の機神との闘いであり、神々の強さを感じてもらうために難易度が高くしたことを2022年秋に配信されたトーク番組「Spotlight Lostbelt No.5 オリュンポス」の中で認めており、豊穣の神ゆえに再生機能を持つことから、HP回復などの効果と相まってプレイヤーにとって印象に残ったと推測している[35]
担当ライターはゴルドルフがカイニスを懐柔する際にクロワッサンを用いた理由について、彼は幼いころに家の使用人であるホムンクルスのトゥールからクロワッサンをほめられて以来、この料理に思い入れを持つようになったと「Spotlight Lostbelt No.5 オリュンポス」の中で話している[35]。また、担当ライターは、ゴルドルフが「戦うだけではカイニスに協力してもらえない」という考えから、キリシュタリアの才能ではなく人柄について尋ねたことで、頑固なカイニスが心を開いたと「Spotlight Lostbelt No.5 オリュンポス」の中で説明しており、これはキリシュタリアにとって予想外だったとも話している[35]。ライターはこのほかにもキリシュタリアにとって予想外だった出来事として、異星の神の使徒の役割放棄や、村正が使徒として選ばれた理由などを挙げている[35]。また、キリシュタリアはグランドサーヴァントの登場は予期していたものの、ロムルス=クィリヌスだったことまでは予想できていなかったとライターは話している[35]

第5.5章 地獄界曼荼羅 平安京「轟雷一閃」[編集]

2020年12月4日配信。

道満はカルデア殲滅計画を実行に移すべく、大西洋異聞帯から寛弘5年(1008年)の平安京へと逃げ込み、亜種空想樹と聖杯を接続する。彼は、本物の聖杯戦争を模した「天覧聖杯戦争」をライバルの安倍晴明が考案したと偽り、時の権力者である左大臣・藤原道長にこれを開催させる。そして、天覧武者(マスター)には坂田金時を除く源氏四天王、および源氏棟梁・源頼光が選ばれた。

そのころ、金時は天覧聖杯戦争の在り方に疑問を抱いていたところ、カルデアから道満を追ってきた主人公とアサシンの"加藤段蔵"と出会い、「天覧聖杯戦争」の真相を知らされる。天覧武者の一人である渡辺綱は、自身のサーヴァントである術者(キャスター)メディア・リリィをかつての想い人と重ねるあまり金時と対立するも、源氏会議の場における決闘の際のメディア・リリィの言葉により戦意を喪失する。これにより、源氏の総意として「天覧聖杯戦争」への異議申し立てとなり、「天覧聖杯戦争」に脱落したサーヴァントの魂を亜種聖杯(空想樹)に取り込ませて道満の願いを実現させるという目論見は崩れ去った。

道満は作戦を変更し、別個に召喚したサーヴァント二騎を式神に仕立てたうえで、聖杯に取り込ませようとする。だが、本物の安倍晴明が弟子の藤原香子を通じて協力したため、封印される。また、英霊・源義経を依り代に平景清の怨念を重ねた「源氏殺し」と玖賀耳之御笠も式神として送り込まれたが、主人公が酒吞童子の協力を取り付けたことにより、こちらも封印される。

道満は式神として用意した神霊・伊吹童子を亜種空想樹に取り込ませて異星の神の器に仕立て、道満にとって都合の良い異星の神を作り上げることも考えていた。だが、彼は直後になって予定を変更し、自分が異星の神になろうとする。そこへ、主人公一行と源氏武者たち、そして酒吞童子と茨木童子が追いつき、道満は撃破され、空想樹も伐採される。

その後、主人公はカルデアへと帰還する。

  • ほか登場サーヴァント:ナーサリーライム、バベッジ、パラケルスス、清少納言、鈴鹿御前、俵藤太、玉藻の前
制作背景
奈須は、道満は異星の神からそれぞれの異聞帯の王をそそのかす役割を与えられており、本人もそれを理解したうえでふるまっていたが、追い詰められた際に「安倍晴明に勝ちたい」という目的を持ってしまったがために隙ができてしまったと説明している[40]。また、当初「天覧聖杯戦争」で召喚されたサーヴァントとして、エレナ・ブラヴァツキーとカリオストロ伯爵も登場させる予定だったが、シナリオが長くなってしまうということで、担当ライターの判断により見送られた[40]

Lostbelt No.6 妖精円卓領域 アヴァロン・ル・フェ「星の生まれる刻」[編集]

同異聞帯のシナリオは前編と後編、さらにはクライマックスにあたる戴冠式の3部構成となっている。それぞれの実装日は以下の通り。

  • 前編:6月11日[41]
  • 後編:7月14日[42]
  • 戴冠式:8月4日[43]

1万4千年前に「巨人」が降臨した際、星の内海から誕生した6人の妖精が神造兵器・エクスカリバーの鋳造の使命を放棄したことで世界がほぼ滅亡した上、後から派遣された獣神ケルヌンノスを謀殺し、その遺体を土地として利用した「ブリテン異聞帯」のステージ。この異聞帯における人間は、ケルヌンノスと行動を共にしていた最後の人間を元に培養する形で生み出されており、妖精たちは自分の存在を維持するために人間を管理・飼育している。このため人間には生殖能力はなく、英雄の歴史や宗教というものもない。

ベリルが来る前の時点では、厄災からブリテンを守り続けたトネリコという人物が2000年前に処刑されたため、既にブリテンは厄災によって滅んでいた。だが、彼がルーラーとして召喚した汎人類史のモルガンが、彼から聞いた情報をもとに自ら2000年前にレイシフトし、自らの消滅と引き換えに異聞帯の自分=トネリコに様々な情報を託す形で女王モルガンとなった。そして、彼女は厄災で滅びた妖精たちをよみがえらせて支配下に置き、彼らから存在税として魂の一部を徴収している。また、モルガンの部下である三人の妖精騎士は、着名(ギフト)とよばれる手法によって、真名とは別に、円卓の騎士にちなんだ名前を授けられている。

この異聞帯ではケルヌンノスの怨念が呪いとして振りまかれている状態である。一方で、ケルヌンノスはブリテン島の終末装置「奈落の虫」を封印する役目を有している。これらに関連して、厄災と呼ばれる現象が起きているほか、「目的」や「輝き」を失うことで妖精はモースと呼ばれる怪物に変化する。モースに触れた者もモースとなる。逆に、妖精が目的に熱中した場合も、自分を失って暴走する。 モルガンがブリテン異聞帯を支配する際、同地にあった空想樹セイファートを伐採して自らの魔力に置換したことにより、同異聞帯が地球を巻き込んだ崩壊を始めている。

前編
カルデアはただちに同異聞帯に向かったものの、ストーム・ボーダーの機材に不調が生じたことから、主人公とマシュ、そしてダ・ヴィンチの3名だけが同異聞帯のコーンウォールに上陸した。汎人類史側のトリスタンが一行のサーヴァントとして召喚されたのもつかの間、はぐれ妖精たちの住む「名無しの森」から生じた霧により、主人公は自分に関する記憶を失い、マシュたちと離れ離れになる。また、モルガンの圧政に苦しむ妖精たちから「予言の子」として期待されている妖精の少女・アルトリアも同様に「名無しの森」に足を踏み入れて記憶喪失になる。その後、3人は「名無しの森」の住民に保護されるが、人間[注 7]であることが知られてしまい、3人の扱いをめぐって住民間で殺し合いへと発展する。3人は村を脱出したところで妖精王オベロンに助けられて記憶を取り戻し、ソールズベリーの酒場で給仕をしていたダ・ヴィンチと合流する。アルトリアは6つの地域にある鐘を鳴らすために旅を続けていることを明かすが、鐘を鳴らすことはモルガンに背くことを意味するため、ソールズベリーを治めるオーロラからは許可を得られない。それでも、牙の氏族の長・ウッドワスからオーロラに譲渡されたことで、オーロラの部下になっているレッドラ・ビットを一行の馬車馬として宛がわれる。
一方、異星の神から派遣された村正は、モルガンを倒しに行くものの、彼女の部下である妖精騎士ランスロットによって返り討ちにされ、「予言の子」としてグロスターで開かれるオークションに出品されたところを落札される形で主人公たちと再会する。オークション終了後、村正を加えた一行はグロスターを統治する妖精・ムリアンと面会するが、ムリアンはすでにコヤンスカヤと手を組んでいたため、鐘を鳴らしてもらえるような状況ではなかった。
グロスターを去った一行は、オベロンの拠点「秋の森」があるウェールズに滞在する。その際、素性不明の妖精・ガレスと出会い、一行に加える。
一方、記憶を失ったマシュは、妖精の商人3人組を通じてシェフィールドの統治者・ボガードに妻として引き取られる。マシュが初夜にてうっかりボガードを倒しかけたことで、領民からはマシュを予言の子だと思うようになっていき、モルガンの部下である妖精騎士ガウェインの部隊がシェフィールドを襲う。その際、ボガードはオルテナウスを部隊に向かって発砲してしまったことで、妖精騎士ガウェイン側の猛攻を受け、ボガード自身も瀕死の重傷を負う。マシュはシェフィールドを離脱しボガードを看取ると、花嫁衣裳を作ったハベトロットという妖精とともに、彼がかつて治めていた港町・ノリッジへ向かう。一方、主人公らも同じ町を訪れており、その町の有力者の一人となったペペロンチーノと再会する。そして、マシュがノリッジを襲う厄災を止めに行くのを目にした主人公は、令呪を以てマシュの助太刀に入り、2人で厄災を祓う。再会を喜んだのもつかの間、マシュはモルガンによって引き離される。
後編
2000年前のブリテンに転送されたマシュは、モルガンから情報を託された直後のトネリコとその仲間たちに出会い、行動を共にする。その半年後、トネリコは人間による組織・円卓軍の代表であるウーサーという人物を6氏族をまとめる存在として指名する。だが、ロンディニウムにて執り行われた戴冠式の場でウーサーは暗殺され、トネリコ一行は追われる身となる。トネリコは死を偽装した後、時代の齟齬を回避するためにマシュを初代妖精騎士ガラハッドとして封印する。また、トネリコと別れたトトロットも記憶を奪う魔法の粉をかけて自らを封印する。
一方、ハベトロットを仲間に加えた主人公は、モルガンに謁見する機会を得る。別行動をとるオベロンを除く一行は、妖精騎士ガウェインの案内でキャメロットへ向かう。その道中、一行はモースに遭遇し、妖精騎士ランスロットに助けられたものの、当初の予定を変更して野宿をする羽目になった。その夜、野営地にて主人公は妖精騎士ガウェインとの会話で最初の妖精騎士ガラハッドがオークニーで死んだことを知る。その2日後、一行はキャメロットに到着し、主人公とアルトリア、そしてダ・ヴィンチの3人だけがモルガンへの謁見を許され、それ以外の面々は城下町で待機する。ベリルがモルガンの夫として同席する中、モルガンはノリッジでの出来事を評価し、3人に多額の報酬を与えたほか、マシュには危害を加えていないことも明言する。だが、彼女は汎人類史の消滅を自分の国の領土の拡大に利用しようとしており、主人公たちに宣戦布告をたたきつける。
主人公たちが退室した後、「カルデアの者」が現れ、彼女の作戦をほめたうえで、「第三者の介入がない限り、主人公一行に勝ち目はないだろう」と告げ、その場を去る。
そのころ、キャメロットを後にした主人公一行は、ふとした偶然から「王の氏族」の長・ノクナレアと出会い、彼女がアルトリアの友人であることを知る。ノクナレアは玉座のためならば「予言の子」も利用すると明言しつつも、人間たちで結成された反女王軍・円卓軍への協力も拒否する。オベロンの提案により、一行はエディンバラから円卓軍の本拠地があるロンディニウムに行き、円卓軍のリーダー・パーシヴァルに迎え入れられる。パーシヴァルはペペロンチーノから「ノリッジの厄災が祓われたことにより、住民間で『予言の子』を支持する動きが高まったため、ノリッジの領主・スプリガンが女王へ軍隊の派遣を要請した。」という情報を得ており、自分たちもノリッジに攻め入る準備を進めていた。これを聞いた主人公たちも、ノリッジへ鐘を鳴らしに行くことを決意する。そして、円卓軍によるノリッジ攻略戦が開始される中、スプリガンは兵を引き、あっさり鐘を差し出す。そこでスプリガンの正体は汎人類史から連れてこられた人間であることが判明する。
それから間もないある夜、妖精騎士ガウェイン率いる軍隊が秋の森を焼き討ちする。主人公たちとともに駆け付けたアルトリアは妖精騎士ガウェインと対峙し、彼女の真名がバーゲストであることを暴露する。着名を失って降参したバーゲストは、ダ・ヴィンチからモルガンのやり方ではブリテンを救えないことを告げられ、動揺する。そこへバーゲストの部下・ポーチュンが現れ、主人公を殺すよう脅されるがきっぱりと断り、女王からの更迭命令があっても受け入れるとした。その後、帰還したバーゲストは、モルガンから自らの領土であるマンチェスターでの謹慎を言い渡される。その際、バーゲストは主人公たちの助力を得るべきだとモルガンに進言するも一蹴され、彼女には妖精たちを救う気がないと判断して失望する。
秋の森の制圧から一夜明け、主人公一行はソールズベリーに戻り、オーロラから「留守中に侵入されて鳴らされた」という扱いにしてもらったうえで、鐘を鳴らすことができた。
それから幾日か経過したある日、パーシヴァルら強襲部隊がウッドワス軍の本陣に向かう中、ウッドワス軍の本陣がロンディニウムを襲撃する。だが、オベロンと取引したコヤンスカヤの妨害により、モルガンから送られた援軍が到着できず、追い詰められたウッドワスは亜鈴返りとしての姿を開放し主人公たちを圧倒する。そこへ、レッドラ・ビットに乗ったガレスが駆け付け、パーシヴァルと協力してウッドワスを倒す。戦争に参加した兵士の2割は降参し、捕虜として扱われた。
生き延びたウッドワスは、ベリルからモルガンに見捨てられたことを告げられ、モルガンの部下の一人・妖精騎士トリスタン[注 8]の襲撃を受ける。そして、ベリルはウッドワスの心臓を食べることで彼の霊基を取り込む。その後、彼はオーロラからベリルの発言を裏付けるようなことを告げられ、その際「もし女王に援軍を送ったか質問した際に、『援軍を送った』と答えた場合、彼女は嘘をついている」と吹き込まれ、モルガンへの恨みを募らせる。
そのころ、主人公とアルトリアはムリアンが主催する舞踏会に招待され、村正とダ・ヴィンチが同行する。そこで、主人公たちは他の有力者たちとともにパーティーに出席していたバーゲストから、汎人類史への移住への相談を受ける。そして、主人公たちはオベロンとともにグロスターの鐘搗き堂を目指すが、ムリアンの誘導により、余興として開かれたコンテストの参加者に仕立て上げられる。ムリアンは対戦相手としてベリルと妖精騎士トリスタンを呼び出し、彼女に勝てれば鐘が認めるだろうと囃し立てる。アルトリアたちとの勝負に敗北した妖精騎士トリスタンは着名を失ったことでバーヴァン・シーという真名が露見する。彼女は観客からの罵倒から逃れるようにその場から退散する。ムリアンはバーヴァン・シーの独断という扱いで、アルトリアがグロスターの鐘を鳴らすことを許可する。
翌日、円卓軍の管理のためにロンディニウムに残ったパーシヴァル、ガレス、オベロンの3人を除く一行は、マンチェスターへ行ってバーゲストと会う。バーゲストは「妖精たちの汎人類史への移住」を条件に、カルデアへの協力を約束する。
主人公たちが湖水地方へ向かう中、コヤンスカヤはオベロンとの取引で得た「最後の純血竜」アルビオンの竜骸の情報を調べるため、一足先に湖水地方へ来ていたが、見つけた時には骨だけになっていた。さらに、アルビオンが死ぬ前に切り離した左腕はオーロラに拾われたことで、既にメリュジーヌという妖精へと変貌しており、そして妖精騎士ランスロットこそがメリュジーヌだった。コヤンスカヤは湖水地方に来た主人公一行を罠にかけていたところを、メリュジーヌ本人に見つかり追い出される。彼女の前にオベロンが現れ、2人は新たな取引をする。
湖水地方を後にした主人公たちは、4番目の鐘があるオークニーに到着する[注 9]。そこを治めていた雨の氏族は大昔に楽園の妖精をかくまっていたがために、風・土・牙・翅の4氏族によって滅ぼされていた。一行はハベトロットの知人である賢人グリムと会い、彼の正体がかつて汎人類史の冬木で主人公に協力したクー・フーリン(キャスター)その人であり、オーディンから権能の一部を託されていたことが判明する。実は、オーディンは多次元的な視点から妖精國のことに気づいており、まず楽園の妖精を助けるために、現地の妖精を依り代にする形で賢人グリムを6000年前の妖精國に派遣した。その後、オーディンはこの異聞帯が現実と置き換えられた時の対策として、汎人類史のカルデアを助けるべく、2004年の冬木にクー・フーリン(キャスター)を送り込んだことが判明する。その後、グリムを加えた一行は、鐘搗き堂へ行き、封印されていたマシュを見つけて解放する。そして、アルトリアは自分がモルガン(トネリコ)と同じく、星の内海から来た「楽園の妖精」であることを明かし、そこにあった鐘を鳴らす。
その後ノクナレアから、王の氏族が雨の氏族から氏族の座とともにオークニーの所有権も受け継いだことを指摘されるも、彼女の協力を取り付けることに成功する。
そこへ、バーヴァン・シーがモルガンの所有するマジックアイテム・失意の庭を用いて、主人公とアルトリアを閉じ込める。失意の庭はベリルの手によって、バーヴァン・シーの領地であるニュー・ダーリントンの郊外にある地下聖堂に保管される。ベリルを見張っていたペペロンチーノは、エディンバラから駆け付けたマシュとともに主人公たちを救出する。だが、この聖堂はベリルが人間にモースの呪いを転移させる実験場として用いていたため、4人はモース人間に追われる身となる。地上まであとわずかとなった時、ペペロンチーノは自分たちの行く先に大量のモースがいることに気づき、ガス漏れを口実に主人公たちを待機させ、一人でモースを倒す。主人公たちが出てきたところで、ベリルが立ちはだかる。ペペロンチーノはわざとベリルから致命傷を受け、自分の浴びていた大量のモースの呪いを転移させる。そのうえ、ペペロンチーノが呪詛返しを加えていたこともあり、モースに耐性があるはずのウッドワスの霊基も無意味なものとなった。ベリルはその場から退散し、主人公たちもペペロンチーノに促される形で崩れる建物から脱出する。ダ・ヴィンチらと合流した3人はオックスフォードへ行ってパーシヴァルと会い、オックスフォードの無血開城が実現したことを知る。そして、この流れでオックスフォードの鐘が鳴らされる。
だが、パーシヴァルら主力が不在のロンディニウムで内乱が起き、ガレスは奮戦するも力尽き、ロンディニウム内の非戦闘員は皆殺しにされる。また、グロスターに引き渡された牙の氏族の捕虜たちも、ムリアンが私怨から皆殺しにしてしまう。
オックスフォードから戻った一行は、ロンディニウムにある最後の鐘を鳴らした後、キャメロットへ向かう。一行が市街地に到着したところ、モルガンの攻撃でオベロンが倒される。一行はモルガンを撃破するも、このモルガンは数ある分身のひとつに過ぎず、本体はキャメロットの玉座にいた。多くの妖精たちが玉座に詰めかける中、ボロボロになったウッドワスが現れる。彼はモルガンとのやり取りから彼女が嘘をついたと判断し、襲い掛かる。だが、モルガンは返り討ちにした後、彼をいつくしむ。モルガンの愛が本当だと知った彼は、モースになるものの何もせずそのまま息絶える。その直後、妖精たちはオーロラに扇動されて、モルガンを惨殺する。また、霊基の複写魔術と失意の庭の副作用によってひどく衰弱していたバーヴァン・シーはケルヌンノスが封じられた大穴へ放り投げられ、後にケルヌンノスが活性化するきっかけとなる。
戴冠式
モルガン崩御から数日後、ソールズベリーにて次期女王であるノクナレアの戴冠式が行われるが、オーロラの陰謀によってノクナレアは毒殺され、その罪を着せられた主人公たちは混乱する街からの脱出を余儀なくされる。逃走中、モースの大量発生がブリテン中で起きていることを知った一行は、パーシヴァルとアルトリアを連れて機能を回復したストーム・ボーダーへと帰投する。
ボーダーが離陸したころには、ブリテンは厄災による滅びを迎えつつあった。そのうちの一つであるケルヌンノスをコヤンスカヤの助太刀で回避した一行は、幻術を通じて現れたマーリンの提案で聖剣の鋳造を行うことになり、霊墓アルビオンを通って星の内海にある楽園を訪れる。その儀式とは「楽園の妖精」であるアルトリアを材料として成されるものだったが、最後の仕上げを村正が己を犠牲にして代行したこと[44]で、「聖剣の管理者」の位置に納まったアルトリアは同行していた主人公とマシュと共にボーダーへ帰還する。
同じころ、オーロラは自分の元を訪れたメリュジーヌに、ここを捨てて2人で汎人類史へ行こうと誘う。だが、メリュジーヌはオーロラの「『自分の輝き』を守るべく、『より輝く者』(=他の指導者や主人公一行)を排除する」というあり方が汎人類史では受け入れられないことに気づき、彼女を殺す。そして、本来の姿であるアルビオンの竜骸へと回帰、「炎の厄災」と化してストーム・ボーダーを襲撃し、デッキ上でパーシヴァルと相討ちになる。
一方マンチェスターに戻ったバーゲストは、街の惨状と妖精たちの悪性を目の当たりにしたことで絶望し、「獣の厄災」へと変貌して妖精たちを殺戮しながらブリテンを闊歩する。ノリッジにて立ちはだかったマシュ、そして彼女の願いに呼応して現界した汎人類史のガウェインとランスロットによってバーゲストは討滅される。激戦により疲労困憊のマシュはベリルに襲われそうになるが、間一髪で駆け付けた主人公によって助けられ、明確に拒絶されたベリルはそのまま最期を迎える。
カルデア一行は再びボーダーに戻り、「呪いの厄災」ケルヌンノスに挑むが、ケルヌンノスに決定打を与えられず悪戦苦闘する。そのような中、アルトリアは一人キャメロットへ行き、自身とロンドミニアゴを接続する形でケルヌンノスに大ダメージを与えて消滅する。そして、マシュはハベトロットからブラックバレルを受け取り、アルトリアの攻撃で露出したケルヌンノスの神核を撃ち抜く。時代の齟齬によって、ハベトロットは朝のひばりの声とともに消滅する。
そこへ死したはずのオベロンが姿を現す。彼の正体はケルヌンノスが封じてきた厄災「奈落の虫」ことオベロン・ヴォーティガーンであり、人類史をかけて主人公と対決するが、英霊「アルトリア・アヴァロン」が主人公の助太刀に参じたことによって逆転し、オベロンは奈落の底へと墜ちていった。
崩壊寸前のメリュジーヌのおかげで奈落から逃れたストーム・ボーダーは、剪定されたブリテン異聞帯に別れを告げた後、ノウム・カルデアへと帰還する。
関係者による言及
第2部第6章は奈須自身が執筆した[45]。本シナリオの舞台が「妖精たちの国」であることから、人間たちの生活をまねする無垢な妖精たちを主題に据え、王道ファンタジーの様々な要素を詰め込んだ[45]。その後、自分たちとは異なる世界として、世界の根幹や再生の真相などを煮詰め、そこから年表を作っていった[45]
本シナリオは前編・後編・戴冠式の3部構成だが、当初の想定よりも大きなボリュームとなり[注 10]、シナリオがあまりにも長大であることから、制作体制やイベントのスケジュールに変化が出るほどだった[47]。また、同シナリオは全体の分量が大きくプレイヤーによって進行度に差が出るため、後半と戴冠式との配信日時をあけて、プレイヤーたちの足並みをそろえる措置が取られた[47]
シナリオの内容そのものは第6章開発前に提出したプロットから大幅に変更された箇所はなかったものの、マシュを第四の妖精騎士としてモルガンの配下にするか否かは直前まで悩んだと奈須は2022年12月に配信された生放送企画“Spotlight Lostbelt No.6”の中で振り返っている[45]
序盤で汎人類史側のトリスタンを登場させた理由について、奈須は「汎人類史の円卓の騎士をひとり、序盤のガイドとして登場させる必要がありました。」と述べ、主人公たちがコーンウォールに上陸する展開から、トリスタンしかいないと判断したと説明している[48]。また、彼の人物像について十分描けていなかったことへの後悔も決め手となった[48]
また、プロットの段階ではレッドラ・ビットが登場していなかったものの、シナリオを執筆する中で動物の使役を禁じる妖精國での移動手段について考えるうちに、自分から馬車を引きたがる変人を思い付き、モブとして登場していた妖精を赤兎馬=レッドラ・ビットに置き換える形で誕生した[48]。ユーザーの間ではカルデア側の赤兎馬が妖精ではないかという考察が出てきたことについて、奈須は「レッドラ・ビットがいい感じでノイズになってくれて、考察が五里霧中という感じになっているようです。」と2021年のインタビューの中で答えている[48]。一方で、奈須は“Spotlight Lostbelt No.6”の中で、レッドラ・ビットのキャラクターが気持ちよかったため、このまま主人公陣営へのスパイを続けていたら心が折れるだろうと思っていたところ、本当に途中で限界を感じ、積極的に主人公たちの会話に混ざらなくなったと振り返っている[45]
キャスティング
第2部第6章に登場するサーヴァントたちは立ち位置が明確だったことからキャスティングもスムーズに行われた。
ただし、メリュジーヌはTYPE-MOONの世界において重要な立ち位置にいることや、奈須が今まで扱ったことのないキャラクターであるため、彼女のキャラクター性を踏まえたうえで、最終的には高野麻里佳が起用された。
また、モルガンは本来のキャラクター性が複雑であり、かといってキャストにすべての設定を説明するとキャラクターのイメージがあいまいになることから、最小限の説明でモルガン(トネリコ)を的確に反映させる演者が必要だった。奈須はテレビアニメ「Fate/EXTRA Last Encore」に出演した石川由依が、「クールなキャラクターであっても、根本に少女の可憐さや柔らかさをもつ」演技をしていたことを知っており、彼女であればそれが満たされるだろうと判断してオファーしたと“Spotlight Lostbelt No.6”の中で振り返っており、彼女の声によって第6章におけるモルガンの物語の強度が増したと話している[48]

非霊長生存圏 ツングースカ・サンクチュアリ[編集]

ツングースカ大爆発は、コヤンスカヤが生まれるきっかけとなった

本シナリオは、2021年12月22日に期間限定イベントとして実装され[49]、同年12月31日にエピローグが実装された[50]。また、2022年5月25日には、内容を一部変更したうえでメイン・インタールードとして実装された[51]

本編
コヤンスカヤはブリテンでケルヌンノスから呪いを食らったことで暴走しかけたため、当初の予定を前倒して羽化の準備を進めるべく、自らの拠点があるロシア・ツングースカ川上流域、すなわちツングースカ大爆発が起きた現場に向かう。
一方、シオンは霊子演算装置「トリスメギストスII」で、特異点「ツングースカ・サンクチュアリ」の発生を知る。1908年を起点とするこの特異点は、数日の間に異聞帯並みの規模に拡大した。このままでは、人類が下等動物に成り下がってしまうおそれがあることから、シオンはコヤンスカヤが黒幕であると判断し、カルデアに討伐を依頼する[52]
ところが、現地ではヒト科のサーヴァントの召喚が困難であり、伊吹童子が召喚された。そこで、一行は妲己を追ってやってきたサーヴァントの"太公望"と出会い[53]、次いでドブルイニャ・ニキチッチという別のサーヴァントと出会う。一行は生存領域から殺戮領域へと移動する。その中で、コヤンスカヤは妲己とは別人であることが判明する[53]
その後、一行はNFF(ナイン・フォックス・ファウンデーション)サービス本社ビルに到着し、人工生命体・PBに案内される形でコヤンスカヤと対面する。
彼女の正体は、ツングースカ大爆発によってえぐり取られた土地の痛みと、爆発に巻き込まれた動物たちの断末魔の集合体にして、特異点収束体と呼ばれる異聞帯並みの存在だった。そのことを太公望に暴露された彼女は、この土地ごと自爆を試みるが、太公望の説得により、最終的には宇宙に打ち上げられた。
エピローグ
主人公たちが元の時代に戻ってきたのもつかの間、彷徨海に「U-オルガマリー」が出現する[53][注 11]。主人公らは命からがら彷徨海から脱出した[53]のち、シオンと合流する。
関係者による言及
太公望の設定には『ロード・エルメロイII世の冒険』に関連する部分があったため、あらかじめ同作とのすり合わせが行われた[54]
エピローグに彷徨海の魔術師フォアブロ・ロワインを登場させた理由について、奈須はファンサービスと声だけの出演を続けるわけにはいかないと思ったと2022年のファミ通とのインタビューの中で説明している[44]。このキャラクターは『月姫』のネロ・カオスに相当する人物であり、同作のデザインでは『Fate/Grand Order』と釣り合わないため、SF寄りのデザインに変更された[44]。また、エピローグで彼がシオンのことを「冥界の鳥」と呼んだ理由について、奈須はどのような信念で死ぬかということを表現したのだと説明している[44]

第6.5章 死想顕現界域 トラオム「或る幻想の生と死」[編集]

本シナリオは2022年6月1日にメインストーリーとして実装された[55]。クリアするとメイン・インタールードにフリークエストが解放される。

コヤンスカヤとの和解後、アメリカのとある地点にて大規模特異点が発見される[55]。この地は、復権界域・復讐界域・王道界域の3つの界域に分かれていた。また、この地では大勢のサーヴァントが召喚され続けており、彼らはこの3つの界域のいずれかの一員として大規模な戦闘に加わっていた[55]

オルテナウスのメンテナンス中のマシュを残し、主人公、カドック、ホームズ、そしてヴラド三世が現地へと赴く。 そこへ異星の神の使徒のひとり・モリアーティ(若)[注 12]が現れ、ヴラド三世に叛逆心を起こさせようとするが、誰かに強制されることはヴラド三世本人が最も嫌がることであり、宝具を発動して自らを封印する。 徐福の分析をもとに、一行は砦に侵入し、中にいた張角を暗殺し、復権界域側にも伝わった。ところが、暗殺されたはずの張角はクリームヒルトのそばにいた。

関係者による言及
同シナリオの担当ライターは、もともとはホームズに関するエピソードのみとなる予定だったが、7章までの間でクローズアップしたい要素があったので、発注元にお願いしてそちらも組み込んだ結果、派手な戦争になったと「週間ファミ通」2022年8月18・25日合併号に掲載された記事の中で振り返っている[56]。また、初期案ではモリアーティ(若)の登場はなかったものの、武内の要望によって実現した[44]。とはいえ、出しどころは難しく、モリアーティ(若)を本シナリオの真ボスに据え、ホームズを倒すものとして担当ライターにセッティングしてもらった結果、ホームズの退場が当初の予定[注 13]から繰り上げられる形となった[44]
一方で、担当ライターはネバダ州に関するセッティングは奈須が監修していたとはいえ、本当にあの「引き」でよかったのか執筆中はドキドキしていたとも振り返っている[56]
また、担当サーヴァントのリライトを行った人物によると、本シナリオでは複数のサーヴァントがリライト対象となったため、シナリオライターと共同でリライトしたとされている[56]

Lostbelt No.7 黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン「惑星を統べるもの」[編集]

テスカトリポカが主人公に託した砂糖菓子の骸骨は、物語の中で重要な役割を果たす

本シナリオは、前編と後編に分かれているが、後編をある程度進めると、タイトルが「黄金樹海紀行 ナウイ・ミクトラン 『惑星を統べるもの』」から「空想樹海決戦オルト・シバルバー」に変化する仕組みがとられている。 また、シナリオ担当者が奈須きのこであることは「週間ファミ通」2022年8月18・25日合併号で言及されていた[58]一方、「FGO カルデア放送局」2022年11月9日配信分においては、「物語に新しく登場するサーヴァントの実装時期をメインクエスト開始よりも後にする」という施策をとることが発表された[注 14][59]

地球上の生命体の進化にかかわってきた外宇宙からの生命体「マィヤ」の介入が2億5000万年ほど早く行われたことが遠因で、ORTによる恐竜の絶滅が起きなかったステージ。 この異聞帯では、地底に9層の縦穴構造の世界が展開されている。またこの世界には冥界も存在し、生死の境が曖昧になっている[60]。人類はマィヤによって遺伝子改良された恐竜人類(ディノス)である。また、この地には恐竜人類とは別に類人猿が存在しており、彼らはマィヤの加護を受けていない。 デイビットがサーヴァントとして召喚した「黒のテスカトリポカ」により、類人猿はオセロトルと名付けられ、モクテスマ2世の魂をもとに生み出された1年テスカトリポカことイスカリを通じて、ORT復活に協力させている。また、「青のテスカトリポカ」という別側面に当たる人物(以下:恐竜王)が脅される形で恐竜人類たちの王国であるチチェン・イツァーを治めている。 以上のことから、テスカトリポカに該当する人物が複数いるため、本項において単に「テスカトリポカ」とした場合は、デイビットが召喚した「黒のテスカトリポカ」を意味する。 また、ORT飛来の時点で、人類によって築かれたカーン王国があり、君主カマソッソは臣民たちを生贄とする形で自ら強化したことでORTの心臓を抜き取った。ORTの身体は地底世界の最下層に葬られた、その心臓はマィヤによって人工太陽として運用された[61]。一方、カマソッソは改造の代償として死ぬこともできず正気を失い、恐竜人類たちの脅威となる。

前編
2022年12月25日実装[62]
主人公、マシュ、カドックの3人は「被検体:E」と対面する。その際主人公は、謎の人物[注 15]を目撃する。その後主人公たちは「被検体:E」の遺体を搬送しようとして失敗し、そのままネモたちの元に戻る。
その後、シオンはカドックからの質問に答える形で、「通常の英霊では不可能なはずのトライヘルメスとの同期を実現したこと」「自ら異星の神に対する考察を止めていた」という点からホームズを疑っていたことを明かし、彼が自分の気持ちと異星の神との板挟みになった末、自ら滝つぼに落ちることを選んだのではないかと推測するものの、なぜホームズがその選択をしたのかまではわからなかった。
そのとき、「被検体:E」に仕込まれていたビデオメッセージが再生される。ビデオメッセージの中で、モリアーティ(若)は異星の神が同胞である「被検体:E」に呼び寄せられたと語り、U-オルガマリーが南米に眠る地球外生命体・ORTを自らの物にすべく南米に向かっていることを告げる。西暦以前に飛来したORTは眠りについていたとはいえ、ORTが触れた者を結晶化する能力を有し、かつて探索に訪れた冠位の魔術師を結晶化させて死なせる事件を起こしたことから、本来は現地への立ち入りが禁じられていた。かくして、一行はU-オルガマリーに先駆けて現地に向かうも、当の本人に見つかってしまった上、ストームボーダーの攻撃が大幅に弱体化するというアクシデントが発生する。そうこうしているうちに謎の第三者の介入を受け、主人公はストームボーダーから転落する。
死者の国に来てしまった主人公はテスカトリポカと会い、令呪と引き換えに生還する。その際、主人公は砂糖菓子の骸骨英語版を託される。気が付いた主人公の目の前にはネモマリーンの一人と、記憶の一部を失ったU-オルガマリーがいた。U-オルガマリーは2人をガイドに指名し、探索を開始した。そこへ恐竜人類が現れ、慌てふためいていたところへ、カルデアの者が現れる。彼はロマニ・アーキマンを自称したものの、主人公にとっては同一人物とは思えなかった。その後、主人公たちは現地住民のテペウに匿われ、その流れでマシュたちと再会する。
一方、テスカトリポカに預けられていたはずの主人公の令呪はカマソッソの手に渡っており、のちに主人公たちにとっての脅威となる。
後編
2023年1月31日実装[63]
カマソッソを撃破した一行は、デイビットとテスカトリポカと対峙する。デイビットはその在り方から人類が宇宙最悪の知的生命体であるという汚名を背負うことを阻止すべくクリプターとして身を置いていたことや、カルデアの「真相」について明かす。さらに彼は墜落したU・オルガマリーから心臓を抜き取って自らに移植しており、U・オルガマリーの身体には細工が施されていたため、当の本人はそれに気が付かなかった。主人公たちが来た時点ではイスカリを生贄に捧げようとしたものの、心の迷いが生じたとしてテスカトリポカに射殺させ、デイビットが自らを生贄にORTを使役する。ORTの起動に伴いミクトラン中の植物すべてが空想樹に置き換わり、恐竜人類とオセロトル双方に甚大な被害が生じる。
空想樹海決戦オルト・シバルバー
ORTを撃破したかと思った一行だったが、戦いの中でカルデア側の召喚式を学習し、自らをサーヴァントとして召喚するという暴挙に出る[61]。その中で、ククルカンは自らがORTの心臓から生み出された存在であるという立場から、命を懸けて主人公側に加担する。
ORTとの戦いの後、主人公は再び死者の国に来る。そこで自らの生還と最後の令呪をかけて、デイビットとテスカトリポカと戦いに臨む。テスカトリポカを撃破した主人公は令呪を取り戻し、生還を果たす。そして、主人公たちは南米異聞帯を後にし、かつてカルデアの本拠地であった南極へと向かう。
関係者による言及
もともとTYPE-MOONの作品群における設定上の存在だったORTは、それぞれの世界の終わりを駆け抜ける本作だからこそ登場できるという考えゆえ、早い段階から本シナリオの終盤にORT亜種の戦いを描くという目標が立てられていた[64]。当初奈須はORTとの戦いをしっかり描ければよいと考えていたが、舞台となる南アメリカについて調べるうちに魅了され、最終的にはSFじみたTYPE-MOON的南米観と現実世界における南米文化を融合させ、恐竜人類やマィヤを用意したうえで、思考実験を行った結果、このような世界観になったと奈須はファミ通とのインタビューの中で明かしている[64]。また、南米について調べる中で現実世界におけるテスカトリポカが善悪を超越した存在であることが判明したことや、田島昭宇によるキャラクターデザインも相まって、テスカトリポカをシナリオ全体のテーマを背負う存在へと立ち位置を変更した[65][注 16]。これに伴い、初期案のままU-オルガマリーを描くとボリュームが大幅に増えてしまい、最終的には前後編になったという[66]
一方で、本シナリオには『月姫』(または『MELTY BLOOD』)を想起させる要素もあり、とある場面では『MELTY BLOOD: TYPE LUMINA』で直死の魔眼を発動させたときの効果音が鳴る演出が施された[64]
本作におけるNPCは既存のプレイアブルユニットや概念礼装を手掛けた複数のデザイナーが担当した一方、NPCのうちイスカリとオセロトルの武器のデザインはラセングルが担当した[67]
他者言及
インサイドの臥待 弦が2023年1月21日に投稿した記事によると、本シナリオの登場人物の一人であるカマソッソはカルデア側が召喚したサーヴァントをオルタ化させたりするといった行動ゆえに、ファンから「カマソッソ先生」や「オルタ職人」と呼ばれ人気を集めているという[60]。また、テスカトリポカもポカニキという愛称で親しまれている[68]

奏章:Ordeal Call[編集]

奏章プロローグ[編集]

2023年2月10日実装[69]。 南極へ向かう道中、「すでに白紙化していた」カルデアスと地球の表層が入れ替わっていた可能性が浮上する。また、エリア51の手術台に横たわっていた生命体が、カルデアス内の最後の人間であり、その地で死した全人類の意思によって令呪が強化されていたことも判明する。さらに、ムニエルの証言から主人公らが来た時点のカルデアスの状態は地球と同じであり、人理焼却によって地球白紙化の計画が1年ずれてしまったことも明かされる。とはいえ、マリスビリーの動機はわからずじまいだった。

南極に到着早々、ギャラハッドと思わしきサーヴァントが宝具によって展開した人理の壁によって遮られてしまう。この時カルデアスは人類史の基礎である人理保障天球に昇華していた。甲板に現れたカルデアの者との対話によりこれまでの戦いで基本の7クラス以外、ルーラー、アヴェンジャー、アルターエゴの濫用によって汎人類史に異物として見られていることが原因と判明。一行は南極を後にし清算を行うための探索、作戦名「オーディール・コール」を開始する。

奏章I 虚数羅針内界 ペーパームーン[編集]

2023年6月18日実装[70][71]

白紙化した地球を探索しようとした矢先、ペーパームーンが機能不全に陥る。原因を調べる中、ペーパームーンから白い光が発せられ[71]、主人公とシオンはペーパームーンの内部にある仮想世界へ転送される[70]

シオンは幼い姿で主人公の前に現れ、アサシンのサーヴァントとして召喚されたカーマからそのことを指摘されるが、シオン本人は自覚しておらず、むしろカーマに対する違和感を指摘する。主人公の仲裁により、三人でこの世界の探索を行うことにした。もともとペーパームーンの基礎となる部分はシオンの実家であるエルトナム家に伝わっていたものであり、8歳の誕生日プレゼントとして父ズェピアから管理権限を受け取って以来、シオンがメンテナンスを続けていたものの、彼女がこの仮想世界を作ったわけではなかった。また、複数の区画に分かれたこの地では、各区画の住民であるAIたちの中から選ばれた筆頭AIによるAI聖杯戦争と呼ばれるものが行われていた。主人公一行は、ここの住民であるラニ=Rをキャスターのサーヴァント・青髭の使い魔である蠢魔から救出した[72]。一方青髭本人は、バーサーカーのサーヴァント・ドゥリーヨダナと交戦しており、ドゥリーヨダナのマスターにして、ラニ=Rたちの上位存在であるアーユスもその場にいた。陰で様子を見ていた青髭のマスター・マキリは、ドゥリーヨダナのはったりに騙され駆け付けた主人公たちが彼の援軍だと誤解し、青髭に撤退を指示する。ここに来て以来体調不良に陥っていた主人公は蠢魔の排除により悪化したため、アーユスが管理する修理部に担ぎ込まれ、治療を受ける。治療中、シオンは魔術回路と神経系の接続がうまくいっていないことが主人公の不調だと分析し、エルトナム家伝来の疑似神経・エーテライトを自分と主人公、そしてカーマに接続する。すなわち、それはシオンと主人公がカーマのマスターになったも同然だった。 その後、主人公らはAI聖杯戦争の管理者にしてこの世界の住民・ラニシリーズのオリジナルにあたるラニ=XIIおよびその護衛である警防部筆頭AIのDXとその護衛である警防部の筆頭AI・DX、そしてほかの区画の筆頭AI兼マスターたちとも出会う。

一方、マキリは燃費の悪い青髭を運用するためのリソースを調達する目的で、自分が管理する構築部のAIたちから搾取してい他、別の区画への襲撃を繰り返していたが、やがてついには青髭と融合して主人公たちの前に立ちはだかる。主人公たちの活躍によって倒されたことで構築部の権限はライダー・高長恭のマスター兼移送部の筆頭AIであるライノール・グシオンの手に渡る。喜びもつかの間、ライノールは「未来を知りたい」という自らの行動原理からAI聖杯戦争の真相に近づいたところを、正体不明の「アーチャー」の狙撃によって絶命する。残された高長恭やラニ=Tたちも再構成によって変質したマキリによって強奪され、主人公たちに向けてけしかけられる。今度こそマキリが倒されて一安心かと思いきや、今度はメドゥーサ(セイバー)がマスターのサクラとともに「ここではないどこか」へ逃るためにほかの区画を襲撃しだしたため、ラニ=XIIによってほかのマスターから追われる身となる。その際、「アーチャー」は何者かの命令を受けてメデューサを足止めするために攻撃する。メデューサは「アーチャー」に反撃するが、返り討ちに遭う。ただし、彼女の魔眼は「アーチャー」の位置を記録しており、今際の際に自分の魔眼という「概念」を主人公らに託す。

魔眼をたどった先にいたのは、職務優先のためにAI聖杯戦争への参加を見送っていたはずDXであり、その正体はアーチャーのサーヴァント・ドゥルガーだった。ドゥルガーのマスターでもあるラニ=XIIは、人理を救う戦いに向けた戦力増強のために、カルデア内のデータベースや呼び寄せたサーヴァントたちを利用してアルターエゴを量産するためにAI聖杯戦争を引き起こしており、この場にいる全員は人工アルターエゴであることを告げる。自分の正しさを信じ切っているラニ=XIIは、主人公たちの抗議にも耳を貸すどころか、仕切り直しのためにドゥルガーに主人公たちを排除させようとする。だが、真の黒幕はドゥルガーであり、彼女は別側面であるカーリーへと変貌し、シヴァを呼び寄せるために激しく舞う。これにより彼女と接続していたラニ=XIIは衰弱する。主人公たちがカーリーと激戦を繰り広げる中、ラニ=XIIはシオンの応急処置を受ける中で、自分の正体が人類を救うことに重きを置きすぎた「救済」のアルターエゴであることに気づき、やがてAI聖杯戦争は失敗であることを認める。ドゥリーヨダナはビーマと相打ちになり、AI聖杯戦争は勝者無しという幕切れを迎える。ラニ=XIIは筆頭AIたちの中で唯一生き残ったセレシェイラに権限を譲渡したあと、消滅する。そして、主人公一行は現実世界に帰還する。

関係者による言及
担当ライターはファミ通に寄せたコメントの中で、どのようにアルターエゴをテーマとして扱うべきか悩んだ結果、このような構造の物語になったことを明かしている。また、切り離された別人格にあっても、元人格についての知識がなければ「ただの初めて見る人格」に見えてしまうため、既出のキャラクターを中心とした人選となった。[70]
担当ライターは当初、同シナリオにおける「その他大勢」は、当初『Fate/EXTRA CCC』に登場するサクラシリーズを割り当てたいと考えていたが、この作品の要素まで取り込むと物語がまとまりを失うおそれがあった。そこで担当ライターは奈須にマシュをモチーフにしてはどうかと提言するが、今度はプレイヤーにショックを与えてしまうおそれがあるうえ、整合性の喪失というリスクもあり、最終的には『Fate/EXTRA』に登場したラニをモチーフとすることにした。担当ライターから、デザイナーは全員違う人にして個性を出してほしいという要望が奈須に出され、どうしようか考えていた矢先、ラセングルのスタッフも増えてキャラクターデザインをこなせる者が多かったため、彼らがデザインを手がけた。[73]
メドゥーサはもともと奈須がサービス終了までに最高レアリティ版も出したかったが、これまで彼女のデザインを手掛けていた武内では忙しすぎて不可能だったため、セイバーであれば別人に依頼してもよいと奈須は考えた。そこで、担当ライターにコンセプトを考えもらったうえで武内の推薦で概念礼装を手掛けてきたホトソウカが起用された。[73]
なお、本シナリオはカルデアのスタッフが重要な立ち位置にいたため、彼らの立ち絵も用意された[73]
担当ライターは前述のコメントの中で、ドゥリーヨダナの人気が出るのか心配だったが、予想以上の人気で驚いたと話している[73]

オルガマリークエスト_1[編集]

2023年9月10日実装[74]

オリュンポスがあった座標に人理の揺らぎが発生。カルデアが駆け付けると消滅したはずのU-オルガマリーがいた。そこに伯爵と名乗る異星の使徒の声がし、それはU-オルガマリーの魔力の残滓を元に作ったE-オルガマリーであると語る。E-オルガマリー(フレアマリー)を倒すと、他にまだ3体のE-オルガマリーがいると伯爵は今後の戦いを予告する。

奏章II 不可逆廃棄孔 イド[編集]

2024年3月20日実装[75][76]。イベントシナリオ「監獄塔に復讐鬼は哭く」の内容にもかかわるため、ラセングルよりネタバレの注意喚起がなされた[75]

首飾り事件の渦中となった首飾りのレプリカ
第一の試練ことブリドマート・オルタが出現した東京駅丸の内南口
第一の試練ことブリドマート・オルタが出現した東京駅丸の内南口

ノウム・カルデアが手に入れた音声データから「伯爵」の正体をつかむべく、ジャンヌ・ダルクおよびジャンヌ・ダルク(オルタ)、そしてマリー・アントワネットを呼び出した。マリーが音声データに聞き覚えがあったことから、「伯爵」の正体は18世紀のフランス王家に関する人物、特に首飾り事件の首謀者と目されたカリオストロ伯爵である可能性が浮上した。彼は首飾り事件後の1795年に獄死したことになっているが、後から来た巌窟王の話から、何らかの理由で長命となり、少なくとも1838年の時点で活動していたことが判明する。「伯爵」が巌窟王だと思っていたカドックは主人公にそれを否定されるも、言いなりにならないようくぎを刺す。

主人公が巌窟王とカドックと別れた後、ノウム・カルデアの英霊召喚システムが勝手に作動し、アサシンのサーヴァント、耀星のハサンを召喚する[76]。耀星のハサンから口早々「また会った」と言われ、戸惑ってるうちに主人公は眠りについてしまう[76]

目を覚ますとそこは2015年の東京を模した特異点だった。同級生の折田らや、幼馴染のキリエと一緒に学園生活を過ごす中、転校生として耀星のハサンと出会う。主人公の陰に潜んでいた巌窟王から七つの試練としてサーヴァントが送り込まれることを知らされる。二つ目の試練が始まる前に何者かの手で母と妹、キリエが殺される。その後特異点に最後の異星の使徒「伯爵」ことカリオストロが潜り込んでいたことが判明する。彼は汎人類史側の英霊であると釈明し共に現れたマリー・アントワネット・オルタを手に掛け身の潔白することで主人公達と協力関係を結ぶ。その直後にモンテ・クリスト伯を名乗る別霊基の巌窟王が現れ、自分は最後の試練であることを伝えその場を去った。かつてゲーティアの策略で監獄塔に閉じ込められた時に共闘したあの巌窟王ではないかと考える。

第六の試練を突破した後にジャンヌ・オルタから、カルデアが南極に向かうためには恩讐の炎を抱いたアヴェンジャーはカルデアから去る必要があることを伝えられ、彼女の最後のお願いを聞き届けた直後に七度目の喇叭が鳴る。カリオストロ、耀星のハサンと合流すると向かったのは自分の家の父の書斎。妹が生前入ってはいけないと言っていた場所に入るとどこまでも続く下りの螺旋階段だった。道中でカリオストロが異星の使徒としての本性を現し主人公を手に掛けるがハサンが持っていたモンテ・クリスト伯の礼装と消滅をかろうじて免れていたマリー・オルタの登場により一命をとりとめ、カリオストロを撃破する。二人はここで消滅したため主人公一人でモンテ・クリスト伯と対峙する。この特異点が主人公の精神世界であること、主人公に復讐というものを知ってもらうために用意したことを明かす。試練を乗り越えた先に見出した答えを示し眠りから目を覚ました。その夜、巌窟王と共に主人公の旅路を見守っていたというエデ[注 17]との対話を経て特異点に戻ることを決める。

一方、主人公の前から去っていたジャンヌ・オルタ、サリエリ、景清、ニトクリス・オルタ、ゴルゴーンとヘシアン・ロボはモンテ・クリスト伯のやり残しを行うために特異点に残っていた。道中で主人公と合流し心奥にある廃棄孔にたどり着く。そこにはカリオストロの本体が巣くっていたがこれを焼却することに成功。最後の別れを済ませ、恩讐の炎を抱くアヴェンジャー達はカルデアから退去していった[注 18]

後日、カリオストロがあのようなことになっていたのがかつて異星の使徒として活動していた時の道満がしでかしていたことが原因であることが暗に示唆され、何か悪巧みをしているなと察した清少納言にお仕置きをされている。

オルガマリークエスト_2[編集]

北米大陸を航行するストーム・ボーダーの食堂にE-オルガマリーが出現する。自身を零潮遺分體アクアマリーと名乗る彼女はフレアマリーのリベンジとしてバミューダトライアングルの決戦を要望する。激闘の末にアクアマリーを倒したカルデアは自分が「喜怒哀楽」の「楽」の部分であること、プリテンダーのクラスがカルデアスを出自とするものであること、ダ・ヴィンチが欲しがっている情報は「哀」と「喜」が持っていることを明かした。「哀」ことフレアマリーは既に倒していたため、「喜」に望みをかけるも今のカルデアでは到底敵わないと忠告し、「怒」を探すよう忠告し消滅した。

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 「セイバーウォーズ」シリーズなどを指す。
  2. ^ レフから聖杯を授けられたジル・ド・レは、本シナリオに登場する生前のジル・ド・レとは別人である。
  3. ^ Fate/stay night』に登場した間桐臓硯の若いころの姿[2][1]
  4. ^ シナリオ執筆者の奈須きのこは、自身のブログの中でオジマンディアスを召喚したのは「聖杯を託された第9回十字軍の関係者」であるとしており、オジマンディアスが召喚者から聖杯を取り上げたことと明かしている[14]
  5. ^ シナリオ執筆者の奈須きのこは、自身のブログの中で、シナリオ未登場だが関連する人物として、「リチャード一世を自称する何者か」や、ケイやガレスといった円卓関係者を挙げている[14]
  6. ^ プレイアブルユニットとしてのアビゲイルの幕間のシナリオでは、セイラムでの一件の後、ラヴィニアが霊体として「セイレムのサンソン」と共に「セイレムのアビゲイル」を見守っていることが判明している。
  7. ^ この異聞帯の住民は人間とサーヴァントの区別がついていないため、トリスタンも人間として扱われている。
  8. ^ 主人公と行動を共にしていたトリスタンとは別人。
  9. ^ ダ・ヴィンチの見立てによると、汎人類史のエディンバラに相当するが、妖精國においてはこの地が最北となる。なお、現実のオークニーは諸島として存在する。
  10. ^ 奈須は2021年8月12日付の「竹箒日記」の中で、当該シナリオを『空の境界』にたとえており、「前編」が「俯瞰風景」から「伽藍の洞」まで、「後編」は「矛盾螺旋」まで、そして戴冠式が「忘却録音」から「殺人考察(後)」までに相当するとしている[46]
  11. ^ なお、フォウは「U-オルガマリー」の存在を察知していたが、周囲は天井を見つめているだけにしか見えなかった[53]
  12. ^ このサーヴァントの真名はジェームズ・モリアーティだが、同名のサーヴァントと区別するため、この表記とする
  13. ^ 奈須が2023年のファミ通とのインタビューの中で語ったところによると、ホームズは第7章で主人公とデイビットとの対話に立ち会う中で正体を暴露され、そこから戦闘に移行する予定だったという[57]
  14. ^ インサイドの臥待 弦によると、今まではメインクエストと同じタイミングで新規サーヴァントを実装されてきたものの、プロフィールや再臨(パワーアップ)時の姿から物語の真相が露見してしまうことがあったと指摘しており、事前のネタバレを回避するために実装時期をずらしたのだろうと推測している[59]
  15. ^ これまでのシナリオでは「Uチャン」と呼ばれていた人物である
  16. ^ 初案におけるテスカトリポカの立ち位置について、奈須は現在のカマソッソに相当するとファミ通とのインタビューの中で話している[65]
  17. ^ 本人の話によると実体を持たず、精神感応に長けた能力者でなければ認識できないという。また、英霊の巌窟王は彼女を決して認識できないという。
  18. ^ アンリマユ、魔王信長、謎の蘭丸X、スペース・イシュタル、カーマ(水着)、宇津海エリセ(水着)、クロエ・フォン・アインツベルン(水着)は残っている。丑御前とマリー・オルタも残っているが前者はいずれ去ることになることをわかっているが後者は全く気付いていない。ジャンヌ・オルタ(バーサーカー)は退去している

出典[編集]

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参考文献[編集]

  • “【特集】『Fate/Grand Order』サービス7周年記念特集”. 週刊ファミ通2022年8月18・25日合併号 (1758): 12-17. (8 2022). 
  • “【特集】『Fate/Grand Order』サービス8周年記念特集”. 週刊ファミ通2023年8月17・24日合併号 (1810): 10-43. (8 2023).