アナスタシア・ニコラエヴナ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
移動: 案内, 検索
アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァ

アナスタシア・ニコラエヴナ・ロマノヴァАнастаси́я Никола́евна Рома́нова, Anastasia Nikolaevna Romanova, 1901年6月18日 - 1918年7月17日?)は、ロシア帝国ロマノフ朝の皇族。ニコライ2世アレクサンドラ皇后の第4皇女。ロシア大公女2001年、家族や他のロシア革命時の犠牲者とともに正教会聖人新致命者)。日本正教会での表記はアナスタシヤ

目次

[編集] 人物

四姉妹の中で最も小柄だったが、明るく活発、ひょうきんな性格で、彼女の前ではどんなに気難しい人も笑顔になったという。家族からは「道化者」 「反逆児」などというあだ名で呼ばれていた。

エネルギーに満ちた性格に反し、アナスタシアは病弱で、外反母趾に悩み、また背中の筋肉も弱く年中患っていた。週2回のマッサージ治療を嫌がって、よく戸棚の中に隠れていたという。母語のロシア語の他、家族間での会話は英語で行われていたため英語に堪能で、フランス語の発音は4皇女の中で最も良かったが、ドイツ語は苦手で家庭教師泣かせだったという。数学も大の苦手だった。趣味は父親譲りの写真撮影で、彼女が撮った写真を集めた写真集も出版されている。

四皇女は仲が良く、OTMA(オリガタチアナマリア、アナスタシア)のサインを結束の象徴として使っていた。特に年の近いマリアとは仲が良く、いつも一緒で、お揃いのドレスを着、寝室を共用していた。年齢が近かった事もあり、弟のアレクセイの面倒をよく見ていた。

[編集] 致命

1918年、監禁されていたエカテリンブルクのイパチェフ館において、レーニンから一家全員処刑の命令を受けたチェーカー次席のヤコフ・ユロフスキー率いる処刑隊に、両親・姉弟と4人の従者と共に銃殺された。2007年8月にエカテリンブルク近郊でマリアとアレクセイのものと思われる遺骨が発見された。この2人は遺体をバラバラに切断され、焼却されたという残酷な事実も明らかになった。

このとき処刑されたのはニコライ2世とアレクセイ皇太子のみで、妻と娘達は後に別の場所で殺されたという説、また後述のように生存していたという説もある。これらの説は、政府が「反革命勢力が皇帝の座にあった残忍な人殺し(ニコライ2世)を奪還しようという恐ろしい企みを企てているので、ボリシェヴィキウラル当局の決定により皇帝は処刑されたが、家族は安全な場所にいる」という嘘の公式発表をした事から生じた。

死後、在外ロシア正教会から新致命者に列聖された。その後、ロシア正教会もアナスタシアを列聖した。

[編集] 伝説

アナ・アンダーソンらが、自分がアナスタシアであると主張したことにより、アナスタシアが生存しているとの噂が広まり、そこから「アナスタシア伝説」が生まれた。またこれをもとにハリウッドで2度の映画化がなされている。この伝説を下敷きにした物語も多く、日本でも夢野久作が『死後の恋』を著している。

1984年にアンダーソンは亡くなり火葬されたが、1994年に本人のものとされる切除された小腸の標本が発見された。同年に行われたDNA鑑定では血縁がないと結論されているが、一部の論者は、その標本の出所や保存された理由、証拠が提出された状況に不審な点があるとして、それが本人のものではない可能性を訴えている。

[編集] 関連作品

書籍
  • Hugh Brewster『ロマノフ朝最後の皇女 アナスタシアのアルバム - その生活の記録』(リブリオ出版、1996年)
  • ジェイムズ・B・ラヴェル(著)、広瀬順弘(訳)『アナスタシア 消えた皇女』(角川書店、1998年)
  • 桐生操『皇女アナスタシアは生きていたか』(新人物往来社、1991年)
  • 柘植久慶『皇女アナスタシアの真実 』(小学館、1998年)、『傭兵見聞録』(集英社 、1991年)
映画
アニメ
ゲーム
漫画
  • 武本サブローさいとうたかおプロ:『北の密使』(リイド社、1985年) - アナスタシアの一つ上の姉である第三皇女マリアが妹(第四皇女。代わりにアナスタシアは第三皇女)という史実と異なる設定になっている(ミスか意図的な物かは不明)。史実での人相(アナスタシア:まだ幼い平凡な容姿、マリア:10代半ば前後の長髪の美少女)や性格(アナスタシア:病弱で弱弱しい、マリア:闊達)も、作品中のアナスタシアとマリアとで全て逆となっており、作中冒頭で登場している(実際に撮影された写真画像を基にした)ロマノフ一家撮影写真カット絵でも、マリアの方の顔部分クローズアップがアナスタシアの顔として紹介されている。
  • さいとうたかおプロ:『ゴルゴ13』単行本 第81巻収録(文庫サイズ版 第68巻収録)第277話「すべて人民のもの」(小学館、1988年) - 主人公の出自とロマノフ王家の繋がりの疑惑を描いた作品。3年前に同じくさいとうたかおプロが発表した「北の密使」と設定に幾つかの共通(アナスタシアが日本軍特務機関の手引きでシベリア方向へ逃亡、逃亡に同行・護衛する日本軍兵士と恋に落ちる等)が見られるが、アナスタシア以外の登場人物の名前は両作品別個で、作品世界は繋がっていない。
  • 杉浦茂:『ガンモドキー』(『杉浦茂のおもしろ世界』思索社、1983年)
  • 平野耕太:『ドリフターズ』(2009年-)

個人用ツール
名前空間

変種
操作
案内
ヘルプ
ツールボックス
他の言語