蜘蛛の糸

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蜘蛛の糸」(くものいと)は、芥川龍之介短編小説。小松左京に同名の作品があるが、この作品のパロディである。詳細は下記。

1918年大正7年)に鈴木三重吉により創刊された児童向文芸誌「赤い鳥」創刊号に発表された。芥川龍之介が手がけたはじめての児童文学作品で、肉筆原稿には鈴木三重吉による朱筆がある。

あらすじ[編集]

釈迦はある時、極楽の蓮池を通して下の地獄を覗き見た。罪人どもが苦しんでいる中にカンダタ(犍陀多)という男を見つけた。カンダタは悪党であったが、一度だけ善行を成し、それは小さな蜘蛛を踏み殺しかけて止め、命を助けたのだ。それを思い出した釈迦は、彼を極楽へ導こうと、一本の蜘蛛の糸をカンダタめがけて下ろした。

極楽からの蜘蛛の糸を見たカンダタは「この糸を登れば助かる」と考える。そこで蜘蛛の糸につかまって昇り始めた。ところがふと下を見下ろすと、地獄の罪人達が自分の下から続いてくる。このままでは糸が切れるだろう。カンダタは「この蜘蛛の糸は俺のものだ。下りろ」と喚いた。すると蜘蛛の糸がカンダタの所から切れ、彼は再び地獄に堕ちてしまった。

それを見ていた釈迦は悲しそうな顔をして蓮池から立ち去った。

映画[編集]

蜘蛛の糸
監督 秋原正俊
原作 芥川龍之介
出演者 平幹二朗
音楽 山路敦司
配給 カエルカフェ
公開 2011年9月24日
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
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映画『蜘蛛の糸』は上記小説を原作に、『アグニの神』や『煙草と悪魔』も盛り込まれ現代劇としたファンタスティックな映画[1]。監督は『ルパンの奇巌城』の秋原正俊、主演はスクリーン主演が34年ぶりとなる平幹二朗。ロケは静岡市や焼津市で行われ地域住民もエキストラで参加している。

キャスト[編集]

スタッフ[編集]

雑記[編集]

  • 鈴木大拙による日本語訳「因果の小車」(ドイツの作家で宗教研究者ポール・ケーラス(英語)1905年に書いた「カルマ」Karma: A Story of Buddhist Ethics)が典拠であることが明らかになっている。
  • フョードル・ドストエフスキー1890年に出版した長編小説「カラマーゾフの兄弟」における「1本の葱」の挿話に着想した作品であると考えられていた。
  • スウェーデンの女流作家セルマ・ラーゲルレーヴ1905年に書いた『キリスト伝説集』(岩波文庫)の「わが主とペトロ聖者」が類似した話となっている。わが主(イエス)が地獄に向けて放った天使につかまって上がってこようとしたペトロ聖者の母親が、一緒につかまって上がってこようとした人々を振り落としたために、天使は母親を放してしまい、結局また地獄へ落ちてしまう話となっている。
  • イタリアとスペインには『天国に居るシエナのカタリナが地獄に居る母親を天国に引き上げようとするが、母親は自分にしがみ付いた魂に悪態をついたため地獄に戻され、カタリナは天国よりも母の居る地獄へ移った』という民話が伝わっている。
  • ポール・ケーラス(仏教の伝説)やドストエフスキー、ラーゲルレーヴなどの作品(キリスト教の伝説)でどちらの伝説が先かは不明のままである。
  • 極楽浄土阿弥陀仏浄土なので、そこにお釈迦様がおられるのは厳密には間違いである。
  • 小松左京は同名の短編小説で、この作品のパロディを書いている。
    彼はまず、「カンダタが糸を放せと言ったのは当然」と評してこの作品を批判した上で、別世界の話として、同様の話を書く。そこでは、地獄に堕ちたカンダタは蜘蛛の糸を降ろされ、それを伝って上がり、ふと下を見ると、他の者も上がってくるのを見る。しかし、彼は彼らを追い落とすより、慌てて伝い上がることを優先、しっかり極楽に上がる。ただし釈迦はこれに驚いて、他の亡者の登上を阻止しようとして失敗、代わりに地獄に堕ち、亡者たちは極楽へ。
    しばらくたった後、カンダタが地獄を覗くと、釈迦が血の池で苦しんでいる。彼は以前のことを思い出し、蜘蛛の糸を降ろす。釈迦がそれに気がついて昇り始めるが、ふと下を見ると、何と地獄の閻魔まで昇ってくる。「お前たちそれは駄目だ」というと、蜘蛛の糸は切れ、釈迦は地獄へ真っ逆さま。
  • まんが日本昔ばなし』で、大方のあらすじは同様のままアニメ化されている。
  • まんが赤い鳥のこころ』第9話でもアニメ化されている。
  • 青い文学シリーズでも第11話にてアニメ化されているが、同じ芥川作品である地獄変とリンクされた内容になっている。
  • 山形県福島県愛媛県には、「地獄の人参」という昔話が伝承されている。ストーリーは「あるところに欲張りな老婆がいて、その報いで地獄に落ちた。地獄の責め苦に耐え切れず、閻魔大王に『何とか極楽に行かせて欲しい』と頼んだところ、『何か一つでも良いことをしたことはないのか』と問われる。そこで老婆は、隣人(旅の僧)に腐ったニンジン(薬用のオタネニンジンの切れ端)を恵んだ話をする。閻魔大王はニンジンを出し、それにすがって極楽へ行くよう命じるが、蜘蛛の糸の話と同様、最後は亡者を追い払おうとして地獄へ転落する」というものである。これが古来の伝承か、あるいは芥川の小説が翻案されて作られた新たな説話かは不明である。[2]この話も『まんが日本昔ばなし』でアニメ化されている。
  • 芥川龍之介の息子で作曲家の芥川也寸志が、本作を元にした同名のバレエ『蜘蛛の糸』の音楽を作曲している。

楽曲[編集]

以下の楽曲は、いずれもこの物語を元にしている。

ゲーム[編集]

脚注[編集]

  1. ^ 芥川龍之介「蜘蛛の糸」平幹二朗主演で映画化スポニチ、2011年5月5日)
  2. ^ 『日本の世間話』 野村純一 平成7年 東京書籍

外部リンク[編集]