杜子春

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

文学
画像:Lit.jpg
ポータル
各国の文学
記事総覧
出版社文芸雑誌
文学賞
作家
詩人小説家
その他作家

杜子春』(とししゅん)は芥川龍之介1920年(大正9年)に雑誌「赤い鳥」に発表した子供向けの短編小説。主人公の名前でもある。原作は中国の古典、鄭還古の杜子春伝である。

[編集] あらすじ


注意以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。


ある春の日暮れ、洛陽の西門の下に杜子春という若者が一人佇んでいた。彼は元々金持の息子だったが、財産を使いすぎたために今は惨めな生活になっていた。

杜子春はその門の下で片眼すがめの不思議な老人に出会い、大金持ちにしてもらう。しかし、杜子春は3年後、また財産を使い果たし一文無しになってしまう。杜子春はまた西門の下で老人に出会い金持ちにしてもらい、同じことを繰り返す。

3度目、西門の下に来た杜子春は変わっていた。金持ちになったときには友達も寄ってくるが、貧乏になるとみな離れていく、杜子春は人間というものに愛想を尽かしていた。

杜子春は老人が仙人であることを見破り、仙術を教えてほしいと懇願する。そこで老人は自分が鉄冠子(三国志演義などに登場する左慈の号)という仙人であることを明かし、自分の住むという峨眉山へ連れて行く。

峨眉山で杜子春は試練を受ける。鉄冠子が帰ってくるまで口をきいてはならないので、杜子春はじっと試練に耐える。しかし、親が畜生道で苦しんでいるのを目の当たりにしてつい「お母さん」と一声、叫んでしまう。

すると、あっという間に杜子春は現実に戻される。洛陽の門の下、春の日暮れ、すべては仙人が見せていた幻だった。仙人は杜子春に泰山の麓に一軒の家と畑を与え、これからは人間らしい暮らしをするようにと杜子春に説いた。

[編集] 原作との相違点

原作の「杜子春伝」では杜子春が声を出してしまった後、仙人は声を出さなかったら薬ができ仙人になれたのにと言うが、芥川は「あの時もし声を出さなかったら、お前を殺していた」というセリフに変えた。

[編集] 外部リンク

他の言語